ハン・ヨンエ(한영애)が古風な声で歌った「秋の視線(가을 시선)」(1995年)を、イ・ソラ(이소라)がカバーしている。滲みるような青い空をそよぐ風につつまれて、秋の気配を感じる、そんな透明感のあるイ・ソラの声も、もしかすると微妙に時代の色があるのかもしれない。(この曲に限れば、TVドラマ風な音色の加工が・・・かもしれない)
それにしても、イ・ソラの声は、ダイナミックレンジが大きくて、ドラマチックだ。懐旧もからりとして、包容力のある秋の日の午後を歌っている。
イ・ソラは、CDだけ聴いて知った歌手だった。随分以前のこと、ソウルのホテルでテレビに登場した彼女のトークを見たとき、CDの彼女のイメージとの落差に驚いた、というか半信半疑になった。実力ある歌手は、中島みゆきのように豹変してしまうらしい。