今回のソウル市長選挙(10/26)を通じて、世代別の特徴(投票の背景)をマスコミ各紙が(社会科学風に)分析している。各世代の一側面だろうけれど、下記のようにまとまったものを、今まで他に見ていない。
(参考)イ・ソンヒファンの世代構成
2010年1月時点の、彼女のファンサイト「SunnyLoveCarrot(써니사랑 홍당무)」会員について調査母数n=77であるが、10代(0%)、20代(9%)、30代(44%)、40代(39)、50代以上(8%)という、世代構成の公開情報を本ブログに記している。・・・30代を中心にしているが、1964年生まれの彼女と同世代の40代が潜在的に厚いファン層だろう。
<東亜日報の解説>
東亜日報の「[オピニオン]若者の支持獲得」(10/28)は、当選者側に支持の多かった、40代、30代、20代を次のように解説している。(支持陣営などの情報について一部省略した)
◆40代(新旧世代の間にいる)は、62~71年生まれで、80年代に大学に通った386世代だ。
87年の民主化デモを記憶している抗争世代だが、景気の好況期に難なく職に就き、しばらく生活水準の向上を体感した。97年の通貨危機当時、高い地位にいなかったので構造調整も避けられた。しかし、数年前から、子どもの教育費の高騰と高い大学授業料に苦しみ、老後の備えができない人が多かった。中年以降が不安だと感じる人が変化に票を入れたようだ。
⇒40代をつかむには教育費の軽減の解決が急務だ。
◆30代は、72~81年に生まれで、90年代が大学入学年度だ。
彼らは、学生時代からコンピュータを使用した世代なので、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)適応力が高い。97年の通貨危機を体験し、就職の時から苦労し、まだマイホームのない人が多い世代で、チョンセ(高額の保証金を預ければ、その運用益で家賃負担が不要となる賃貸方式)価格の上昇に苦しんでいる。子どもが幼く、無償給食、無償保育の公約にも敏感だ。選挙日の終盤に投票所に走っていくネクタイ、ハイヒール部隊が主にこの世代と分析される。
⇒30代をつかむにはチョンセ価格の引き下げと無償給食・無償保育の解決が急務だ。
◆20代は、82~91年に生まれで、2000年代が入学年度だ。
多くの人が大学に進学する高学歴時代を生きているが、雇用のない成長の中で就職難に苦しんでいる。授業料半額公約に共感し、若年失業の解消を望んでいる。
⇒20代をつかむには若年失業の解決が急務だ。
<朝鮮日報の解説>
① 記事「ソウル市長選:世代間交流の途絶」(10/29、chosuncom)によれば、(「情報収集や交流の手法が完全に異なっている」)世代間の違いを次のようにネーミングしている。
・金文朝(김문조)高麗大学教授(社会学科)は「50‐60代が理性的な<談論世代>だとすれば、SNSを積極的に活用する20‐30代は感情的な<トーク(対話)世代>として、両者は文化的に大きく異なる別の種族」と語った。
② 記事「ソウル市長選:現在の40代、87年当時の30代と同じ地位」(10/29、chosuncom)によれば、40代の地位が大きく変わったことを次のように説明している。
・87年当時の40代は、企業で部長以上の中堅クラスに昇進し、安定的な階層となっていたのに対し、今年の40代は、87年当時の30代と同じく、課長クラス程度の不安定な階層で苦闘を強いられている・・・、現在の40代が、以前のような「安定的な階層」から「不安定な階層」に転落したという現実があるものとみられる。