夜路を自転車で走ると、ふっと沈丁花の香りとすれ違うことがある。こどものころ、沈丁花の香りは苦手だった。どこか人工的な感じがした。それが歳を重ねるごとに、厳冬をじっと耐えて春間近を香りで知らせる、このはなが好きになった。
ところで昨日、孫が笑った顔写真をお嫁さんがメールで送ってくれた。かわいい。どこかぎこちなくて、一生懸命に笑いかけているように見える。赤ん坊は胎内で微笑むことがあるという。泣く以外に笑いを生まれながら身に付けている。
それにしてもかわいい。写真を見るたび応えるように、わたしも笑いがこみあげてくる。