DVDで「シークレット・サンシャイン」(密陽:밀양)を見た。題名の通り慶尚南道の北東部にある、国道24号線と25号線が交差する内陸都市「密陽」が舞台である。釜山の北79kmにある同市は、映画で遠くに山並みが見えたように北東にかけて平地から高地に連なり、奥に標高1240mの迦智山がある。また西側には標高932mの華岳山がある。南に開く形で周りを山々に囲われている。街の南で大きくカーブして南下する密陽江の両側には穀倉地帯が開けている。
密陽市(11万人)の脇を釜山大邱高速道路が通り抜けており、インターチェンジはあるものの、釜山(352万人)と大邱(246万人)に挟まれた地方の小都市といえる。映画の京釜線密陽駅前は少しおとなしく見えた。
映画は、ソウルから亡き夫の故郷に移り住んだ母子と、それに関わる気のいい男の物語である。主人公である母親を襲う悲劇と絶望、そして神への挑戦と激しく展開するが、最後に何気ない風景の中、陽の傾きに彼女がようやくたどり着いた平穏を見たような気がする。
神はいつでも内と外にいる。距離を保つのはむつかしい。だからこの映画は見ていて大変苦しい。
主演のチョン・ドヨンは役作りのためか、随分とやせて見えた。この映画で、彼女はカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した。
(YouTubeに登録のosecoursに感謝)