KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/6)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第67回として、道教由来の中元に当たる陰暦7月15日の「百中(백중)」にまつわる話を紹介した。
始めに、「百中」の起源と、関連する両親の日の行事について、次のように紹介された。
・陰暦7月15日、中元を韓国では「百種(백종)」といい、この時期、収穫の百種類の穀物の種を備え置いたの意がある。「百中」、「中元(중원)」ともいう。道教で、心を込めて馳走を準備し神に祭祀を捧げた。仏教で、「亡魂日(망혼일)」といい、亡父母、祖霊を供養して倒懸の苦(逆さに吊るす苦しみ)を救う行事だ。
・日本に「父の日」と「母の日」があるが、韓国は5月8日が「両親の日(어버이날)」で、親孝行をする日でもある。昔は百中がその日だった(今年、陽暦8月10日(日)が当たる)。
▼ 「悔心曲(회심곡)」(回心曲)を聴く。仏教音楽中でも民謡風という。習合の要素だろうか。
次に、仏の弟子目連のなき母への供養から盂蘭盆節が始まったと、次のように説明された。
・亡父母、祖霊を供養して倒懸の苦を救う日を盂蘭盆節という。日本では「盂蘭盆会」と呼び、釈迦の時代に由来する。釈迦の優れた弟子「目連」は神通力があったが、彼の母はむごく、目連が亡母を探したところ、飢えと渇きに苦しむ餓鬼道に堕ちていた。罪深い母としても、目連は母を助ける方法を訊くと、釈迦は、僧侶が精進を終えて日常の修行に戻る7月15日に心を込めた馳走を準備して供養をするようにと答えた。供養により、亡き親、生きている親も全ての災いから逃れられる。目連がそうすると、母は餓鬼道から出た。その時から盂蘭盆節が始まった。
▼ 「お母さん(어머니)」を聴く。呼べば返った母の声が、今は懐かしい・・・今様ながら、誰にも共通の心情。
最後に、百中の頃に農民がしばらく休む「ホミを洗う日」の由来について、次のように解説された。
・百中が終わる頃、農村では草刈も終わり、しばらく余裕のある時期になる。当分、農具「ホミ(虎尾、호미)」を使うこともない。「ホミを洗う日」といい、農夫もこの日ばかりは休み、馳走と酒を楽しむ。雇人のために、主人が新しい服を買ったり、雇人がまだ未婚なら、嫁を見つけることもあった。昔の人々には、この日、心を配って周囲を思いやる、共に生きる知恵があった。
▼ 歩きながら演奏する「珍島(진도)道軍楽(길군악)」を聴く。ちょっと洗練して聞こえるが・・・明るい。