いつもの通り、息子と一緒にナイルカレーで「ムルギーランチ」をとって、有楽町マリオンの「丸の内ピカデリ-2」に月一の映画鑑賞に行く。今回は、「ザ・ファイター(The Fighter)」だ。
実在の兄弟ボクサーの葛藤と、試合への挑戦をベースにした物語だ。かつての栄光を頼りながらも薬物に溺れた兄(ディッキー)と、反発しながらも兄の指導を受けて地道(いや波乱?)にボクサーとして成長する弟(ミッキー)たちの、世界チャンピオンをつかむまでの道のりを描いている。
絶えず動き回る手持ちカメラの映像に、更に環境音やロックミュージックがせわしく加わって、逆に平板になりがちなところを、最終に、ロンドンで開かれたWBU世界ライトウェルター級タイトルマッチの場面で、一気に引き込まれていく。試合会場の観衆のどよめき、まるでその場に自分が居合わせたかのような錯覚、それまでの展開とは違う、高揚と勝利の興奮を味わうことになる。そして、このストーリーが事実にもとづいていることに改めて驚嘆する。
家族を中心に展開する物語の舞台、古い街並みのマサチューセッツ州ローウェルの雰囲気をもう少しにおわせて欲しかった。彼ら家族史が少しは見えたかもしれない。