今月のNHKの音楽番組「みんなのうた」(12月・1月)に不思議な感覚の歌がある。中山うりが歌う「回転木馬に僕と猫」だ。
なにより彼女の声に引き込まれる。まるで目をつぶりながら語りかけるように、ゆっくりと歌の世界を聞かせてくれる。回転木馬の時(とき)のうえで、自分が廻っているのか、それとも周りが廻っているのかと、何も応えてくれない猫に問いかけているようだ。そして、絵本から飛び出たような、CGアニメーション(松本 弘)の丁寧な描画と中間色を基調にした彩色の豊かなこと。
この番組は、子供向けにいろいろな歌を選択していると思っていたが、どうやらそれだけではないらしい。大人をも5分間の間、おもちゃ箱の奥にそっとある、懐かしい世界へ誘う。
(Youtubeに登録のconcordo64に感謝)