韓国文化院で催された「2009 解説付き 韓国伝統芸術紀行 『韓国舞...アラリ』 」の鑑賞に行く。韓国舞踊の素養はないため、「解説付き」ということで出かけた次第である。
解説の聞き違いがあるかも知れないが、舞には大きく2つの形があるようだ。妓女の歌舞楽の舞は、姿勢を前にかがめ腰を落とし、踵で歩を進める。それに対して宮廷風の舞は、姿勢を頭の上まで背筋を伸ばし、足先から滑るように歩む。
最初の舞「祝願舞」は前者であり、歌と合わせて派手やかに踊った。舞と合わせた強く太い歌声を聞いたとき、イ・ソンヒのあのストレートな張りのある高音を思い出した。
一方後者に当たるのが、二番目の舞「太平舞」である。衣装の豪華さに比して、その舞いは落ちつき、優雅にして典雅である。
ところで、関心をひいたものは「僧舞」だろう。ガイドブックによれば、「朝鮮時代末期には完全に一つに独立し、民俗踊りとして確立された」とある。白衣に顔が隠れるほどの白い頭巾を被り、長く伸ばした袖は空に舞い漂う。他の舞と比べて異質なものを感じる。それは始原的な物語性のようなものだ。この踊りの来歴を知りたいものだ。なお、三部に構成されていたが、その第一部が印象的だった。