イ・ソンヒがデビューしたとき、「姉さん(オンニ)*部隊」と呼ばれる、一説に歌謡界における初めての少女たちだけによるファングループが登場した。イ・ソンヒの持つボーイッシュな姿と健全さ、清新さが、少女たちの心理と合わせ鏡になったことは間違いないだろう。
(*) 姉さん(オンニ): 年下の女性が年上の女性を親しみこめていう
(本ブログ関連:”姉さん部隊”)
NAVER掲載のOSENの記事(「(コラムニスト)ユ・ジンモの酒酔閑語」)、「【Oh!SEN(強) 焦点】 ガール・クラッシュ*熱風、そのビューティフル スティックス**」(8/19)は、いわゆるガールズグループの変化、すなわちセクシーから中性化へ、マーケティング戦略の見直しについて、次のように論じている。(抜粋)
(*)クラッシュ: 女性の目から見た”憧れの女性像”(他の女性に感じる強い好感)
(**)スティックス: ギリシャ神話の”冥界の川”
その理由に、当然ながら受けて側である、10~20代や30~40代が直面する世相と彼らの立場を切り口に評論している。スプーン問題であり、就業の問題だ。現在を反映する少女たちのアバターとしての(明日知れぬ)ガールズグループの姿でもある・・・。
だからこそ、時代と歳月をとりいれた、イ・ソンヒの息の長さは驚異的だ。
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(略)
・1984年、イ・ソンヒがMBCの「江辺歌謡祭」で、「Jへ」で大賞を受けた後、一気に頂上に上がった背景には、女子学生たちの絶対的支持があったことを誰もが知っている。以前まで、チョー・ヨンピルとチョン・ヨンロクに歓呼した相当数の女子学生が、なぜイ・ソンヒに移ったのか注視する必要がある。
・当時までも、成人男女が公共場所で愛情表現をするというのは、想像もできない退廃行為であった。大学生の公開恋愛(공개연애)も、両親の顔色を見なければならないほどであったから、中高生が異性交際をするというのは無条件に不道徳であり、学生の本分を忘れた逸脱だった。社会は、そんなに中高生のロマンと青春を、一方的な物差しで規制していた。
・イ・ソンヒは、スカートを履かない女性歌手で有名だった。ヘアースタイルも男たちの代表的幻想である長い自然な(ストレート)髪でなく、ショートカットであった。8頭身のすらりとした体つきに、ボサボサの髪をして、華やかな化粧で官能美を誇るミスコリアとは正反対側に立っていた。そのような、中性的魅力が女子学生たちの代理満足への欲求を充足させたのだ。
(略)
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