イ・ソンヒに、シンガーソングライターとして初めて発表できた曲と語った、10集所収の「ライラックが散るとき(라일락이 질때)」(1996年)がある。この曲を本ブログで何度も取り上げたが、先日の新年会の席で歌詞について、一部助言をいただいたので次に記す。(主人公=女性の本音の表現が難しい)
(本ブログ関連:”ライラックが散るとき”)
さよならという言葉は
私にただ一度も語らなくても
私は気付いていた
もう再び会えないことを
*変わっていくあなたの心が
私に鋭い跡を残しても、会いたいのは
未練が残っているのよ
もう 私の胸から逃れているね
振り返えらないで、わたし切なくて
何にしても、見つめないで
思い返さないで、もうあなたの人生で
私と一緒だったその記憶を
二度と触れられないでしょう
暖かいあなたの体温を
(*以下繰り返し)
二度と触れられないでしょう
暖かいあなたの体温を
(付記)
群集の中の花ひとつだけ見れば、なんとなく沈丁花にも似ている気がする。ネットに確認すると、そんな感想もちらほらあって納得。沈丁花の香りは記憶にあるが、はて、ライラックの方はどうだったか?
(付記)
イ・ソンヒの詩に、「マックス・ミュラーの『ドイツ人の愛』を読んで」があって、ドイツ文学に興味を持っていたと推測したい。空想を膨らませて、ライラック頼りに探すと、W.ラーベ(1831年~1910年)の「ライラックの花」(谷口,泰訳)がある。「石さまざま」のA.シュティフター(Adalbert Stifter, 1805年~1868年)に連なる作家だ。