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2020年8月6日木曜日

おかしな主人公たちの住む町

世の中には色んな阿呆がいる。わたしもその一人で気持ちがよく通じる。もし阿呆たちがそろったらどうなるだろう。収拾の付かないことばかりかもしれないが、意外とよく事が済むかもしれない。

イディッシュ語を少しかじったとき、語学テキストに閑話休題として小話が用意されていた。ストーリーの舞台に「ヘルム」の町(村)が出てくる。当然ながら、架空の町(村)で、ポーランドにあるという。まさにイディッシュの息づかいを感じる気がする。以来、彼らの粗忽さに落語と似た親近感を感じている。

(本ブログ関連:”阿呆”、”ヘルム”)

イディッシュ語作家でもあるアイザック・バシェヴィス・シンガーの児童書「まぬけなワルシャワ旅行」(工藤幸雄訳)の訳者解説に、同書で話題にしたポーランドのユダヤ人が住む町「ヘルム」の他に、おかしな主人公たちのいる民話の町として次が紹介されていて、以前このブログの「おバカな村」にも記した。
・イギリス「ゴタム」
・オランダ「カンペン」
・イタリア「クネオ」
・ドイツ「シュリートブルク」など

ところで、ドイツにはシュリートブルクの他に「シルダ」というおバカな町があるという。

アンソロジー「日本の名随筆40 愚」(山田風太郎選)に収載の、北杜夫の「阿保について」(「マンボウ人間博物館」の第一話)に、児童文学者のケストナーが記した、<賢人が出張して阿保ばかりが残った*ドイツ中世の「シルダ」の町>について紹介している。
(*)阿保ばかりが残ったのか、賢い者が戻ってきて阿呆の振りをしているだけなのか諸説あるようだ。

■ まず、北杜夫の「阿保」の定義が面白い。精神科医の作家なればこその紹介だが、孫引きする。
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ドイツの誇る精神科医、故ホルスト・ガイヤー博士に、『愚鈍について』という著作がある。彼は白痴患者の専門家であった。その一説、
勤勉は阿呆の埋め合わせにはならない。勤勉な阿呆ほど、はた迷惑なものはない。
・・・・
そもそも世に名高きシルダ人の愚行を記さぬ法はなかろう。シルダ人は、ドイツ中世の伝説の一つで、『ティル・オイレンシュピーゲルのいたずら』と共に、双璧をなしている。いろんな作家がシルダ人の愚行について、童話や小説を書いているが、ケストナーのものがいちばん面白いようだ。
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というわけで、ケストナーの「シルダの町の人びと」が少し触れられている。一匹の海老(ザリガニ)が巻き起こす騒動が面白い。

■ ちくま文庫「ケストナーの『ほらふき男爵』」(池内紀、泉千穂子訳)に所収の「シルダの町の人びと、ザリガニを裁判にかける」は、次のように書かれている。
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ある日、町にやってきたザリガニが、はさみを持っていることから仕立て屋に違いないと町長が結論を出す。さっそく布を切らせてみるとズタズタになる。そこからドタバタが始まり、結果、ザリガニは裁判にかけられる。裁判長は「溺死させるのがよろしい」と死刑を宣告する。
シルダの町の人びとは刑の執行を見守った。「かわいそうだがしかたない。法は曲げられぬ」と。
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こんな具合で、ザリガニは溺死の刑に処せられた。

■ そういえば、上記のシンガーの児童書「まぬけなワルシャワ旅行」にもこんな話がある(「ヘルムのとんちきまぬけな鯉」)。
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ヘルムの長老から大とんまな男へ贈られた鯉が、ぴしゃりと跳ねて男のお顔を叩いた。罰を与えようといろいろ算段したあげく、結局、溺死の刑に処すことになった。
鯉を湖に投げ込む処刑を見ながら、ヘルムの市民は歓声を挙げた。「卑怯きわまる鯉はおぼれてくたばれ!」と。
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ちなみに、ユダヤ料理の一品に使われる「ゲフィルテ」は、鯉のすり身団子だ。瓶詰から取り出してそのまま食べればさっぱりした味わいだ。わたしは、うどんと一緒に煮こんだりした。少々甘みが出てくるが、ふうふういいながら食うのも美味いものだ。

(本ブログ関連:”ゲフィルテ”)


(参考1)
学問的なことは全く不案内だが、ヘルマン・バウジンガー「ドイツ人はどこまでドイツ的?(2)― 国民性をめぐるステレオタイプ・イメージの虚実と因由 ―」(河野眞訳、愛知大学 言語と文化 No. 21)の翻訳に「シルダ」の町について次のような<訳注>がある。
https://taweb.aichi-u.ac.jp/tgoken/bulletin/pdfs/NO21/04KonoS.pdf
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p.68  シルダ(Schilda):シルダは,架空の都市の名前で,民衆本に頻繁に現れ,その市民はいたずら好きな主人公や,また主人公にからかわれる馬鹿な民衆でもあった。シルダの元になった町としては,ザクセンの「シルダウ (Schildau)」 やブランデンブルクの「シルダ (Schilda)」 などが挙がられる。
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(参考2)
学問的なことは全く不案内だが、「論説 《世間》は日本社会の特異性か?  - 欧文の翻訳における《世間》の用例に即した検証 -」(河野眞)も参考に記す。
https://aichiu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=9219&file_id=22&file_no=1

2020年7月30日木曜日

公園散歩

昼過ぎに公園を散歩した。Amazonで(発作的に)購入した双眼鏡(Vixen10倍)を試したく、野鳥でも見ようと出かけたのだ。

公園入口に、野鳥観察のための仕切り壁があって小さな覗き穴が設けられている。そこから観察するのだが、経験もない超初心者には深い森がただ見えるだけ。木陰でホトトギスが「ホーホケキョウ」と鳴く声がこだまするけど、双眼鏡の出る幕はなかった(というか姿を発見できず使いきれなかった)。

併設の自然観察園には平日ながら人出があった。日射しもよくのんびり園内を巡る。トカゲ、トンボ、蝶の小さな生き物、花を咲かせた野生植物を見て回った。

双眼鏡があれば近づいてもっと見られると思ったが何のことはない、携帯したカメラの倍率をあげて写真に撮ればいいのだ。そんなわけで、カメラに収めたトカゲ、トンボ、蝶など(これらの正式な名前を知らない)と、野草の花を並べてみる。





ノカンゾウ

ヤブミョウガ
ヤブラン
ヒオウギ

2020年7月29日水曜日

(参考)新型コロナは『玉手箱ウイルス』という

新型コロナ騒動で休会していた毎週水曜日開催の「健康体操教室」が今月に入って久しぶりに再開された。騒ぎが少し沈静したように見られたからだ。しかし、初回の1回だけ参加したものの、結局その後を休んでしまった。新型コロナの第2波が、前回以上に猛威をふるってきたからだ。

新型コロナの第2波の感染は、若者~中年層が中心になって数を増やしている。ウィルス自体も変化が見られるようだ。私にしたら外出を極力ひかえ、ひたすら身を隠すように家にこもる他ないのが現状だ。感染後、医療による手当はありがたいが、それ以前にウィルスに近づくかどうかは自己判断だ。

コンビニで購入した「夕刊フジ」の記事を見て恐ろしくなった。日本医科大学特任教授の北村義浩氏によれば、新型コロナは「60歳以上が感染した際の症状の悪化度合いは、突如年齢が20歳高くなるようなイメージだ。『玉手箱ウイルス』といってもいいと思う」というのだ。

「御伽草子」 浦島太郎

夕刊フジ
(zakzak)
「感染すると突如『20歳』老化する!? 新型コロナは『玉手箱ウイルス』 - 日本医科大北村特任教授が警鐘」(2020.7.29)
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200729/dom2007290005-n1.html
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 東京都や大阪府、愛知県など全国で感染爆発状態の新型コロナウイルス。これまでは重症者数や死者数が多くないが、日本医科大学特任教授の北村義浩氏(感染症学)は、新型コロナに感染すると約20歳も老化したかのように症状が悪化することから、昔話の浦島太郎になぞらえて「玉手箱ウイルス」と名付け、高齢者に警戒を促している

 28日の東京の新規感染者数は266人と高止まりし、大阪が155人、愛知が110人で、1日の感染者としては過去最多となった。岐阜県、京都府、沖縄県でも最多を更新した。

 感染者数が増加する一方、東京の同日時点の重症者数は21人。じわじわと増えてはいるが、4月末に100人を超えていたのと比較すると少ないのも事実だ。

 重症者について北村氏は、「『現時点で少ない』というところまでは正しいが、『今後も大丈夫だ』『医療は逼迫(ひっぱく)しない』との見方は認識不足だと思う」と強調する。

 北村氏は「第1波では60歳以上の人の重症化率は15%だったが、現状ではそれよりも低下していると指摘する専門家もいる陽性確認から重症化までの時期も、以前は1週間から10日だったのが、最近では2週間以上に遅れておりウイルスの弱毒化医療の進歩、経験値の上昇を指摘する声もみられる」という。

 それでも死者数や重症者数について「これから増える可能性がある」と北村氏。「東京都でも60歳以上の感染者は7月以降増えており、それぞれ2週間後の8月半ばまでには重症化する人が増加すると想定できる」というのだ。

 やはり懸念されるのが、高齢者の死亡・重症化リスクだという。北村氏は、「20代の健康な若者にすれば『ただの風邪』で終わることもあるが60歳以上が感染した際の症状の悪化度合いは、突如年齢が20歳高くなるようなイメージだ。『玉手箱ウイルス』といってもいいと思う」と指摘する。

 熊本県では高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生したほか、20~30代の若者が無症状のまま高齢者に感染させる恐れもある。地方自治体は不要不急の外出自粛なども呼びかけるが、政府は緊急事態宣言の再発令には否定的だ。

 感染対策と経済復興は両立できるのか。北村氏は「感染を抑止するには、波が来た瞬間にロックダウン(都市封鎖)するのが一番いいが、経済は疲弊してしまうので両立は難しい。マスクや手洗いだけでなく、接触確認アプリ(COCOA)の活用や検査の充実も重要だ」と述べた。
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2020年7月22日水曜日

ワルナスビ

国分寺崖線にそってある公園を東西につらぬく小川の土手が、ふたたび雑草に覆われてきた。一昨日(7/20)出かけたところ、今年の2度目の草刈作業が始まったようだ。まだ刈り取られていない雑草の中に、遠目に爽やかな白い小さな花がいくつも咲いている。近くによって見れば、茎に棘があって手繰り寄せるのに少々難儀な草だ。

次の写真のようにカメラにおさめて、帰宅してGoogle画像検索したところ、結局「ナス科植物(Solanaceae)」に至ったが、それから先に進まない。

写真の花は白色だが、淡紫色が多く見られた
そこで、ポケット版の植物図鑑「日本の山野草」を開くと、まさにぴったりなナス科植物「ワルナスビ」に出くわした。

合わせてWikipediaで「ワルナスビ」を参照すると、「たちが悪い」毒性の植物で「外来生物法により要注意外来生物に指定されている」という。家畜にとっても、子どもたちにとっても要注意な野草のようだ。

あらためて、今日(7/22)、公園にある自然観察センターに出向いて確認したところ、変な名前ですねと笑いながら「ワルナスビ」であると教えていただいた。

ところで、おどろおどろしい「要注意外来生物」に指定されているが、「2015年3月26日をもって廃止され、『生態系被害防止外来種』に変更された」そうだ。とはいえ「侵略性が高く、我が国の生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす又はそのおそれのある外来種」に変わりない。

2020年7月1日水曜日

イ・ソンヒの16集アルバム届く

先日ネットで注文した、イ・ソンヒの正規アルバム16集「安否(안부)」Part 01*が届いた。配送元の説明に、彼女のポスターもプレゼントするとあったので頼んだ次第。CDは、まるでハードカバー冊子のような装丁(142×191)をしたケースにとじられている。CD+写真集といったところだ。
(*)Part01: Part02のリリースは今秋予定とのこと。

(本ブログ関連:”アルバム16集 ”)

曲目はどれも風そよぐ春、青春を感じさせる。そして、淡い色調の逆光に溶け込んだようなポートレイトを見ることができる。
配送のため小さく折り込まれたポスターは、彼女の顔に折れ目の傷をつけてしまい、色鉛筆で修正した。折り目が消えてくれればと、ポスターを広げて壁に掛けている。

全6曲、すべてイ・ソンヒが作詞・作曲した。
01.安否 안부(歌詞) ← 気遣いは通じるよう
02.椿の花 동백꽃(歌詞) ← ゴシック風の熱い情熱
03.春の日は 봄날은(歌詞) ← あれは春の日の美しい思い出
04.恋するように 연애하듯(歌詞) ← 清々しいほどの確認
05.青春 청춘(歌詞) ← 宝石のような青春、いま家庭に実る
06.浪浪18才 낭랑 18세(歌詞) ← 18歳の少女たちの弾ける思い

(参考)上記の(歌詞)は「Bugs!」掲載にリンクします。

2020年6月19日金曜日

イ・ソンヒの最新アルバム第16集「安否(안부)」

イ・ソンヒの久しぶりのアルバム16集のパート1が発表された。東亜日報の記事は、同アルバムのタイトル曲である「安否(안부)」について、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)による厳しい世相に対してねぎらう曲作りの意図を次のように紹介している。

(本ブログ関連:”アルバム16集 ”)

東亜日報「イ・ソンヒ 6年ぶりに16集で帰還... ヒーリングソング『安否』発表」(6/15)
https://www.donga.com/news/Culture/article/all/20200615/101514545/1
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「国民の歌姫(ディーバ)」 歌手イ・ソンヒが、心打つ感性を込めたヒーリングソング(癒し曲)の「安否(안부)」で6年ぶりに帰還する。

15日午後6時、イ・ソンヒは16集「Part 01(安否 anbu)」をオンとオフラインで同時発売する。イ・ソンヒは新型コロナウイルス感染症(コロナ19)によってより大変な大韓民国国民に、世相と逆に暖かい感性とボーカルでねぎらいを手渡すことになるだろう。

去る2014年の15集「セレンディピティ」(SERENDIPITY)*以来、6年ぶりに戻ってきたイ・ソンヒは、正規16集全曲を作詞、作曲するのはもちろん、アルバム全体のストーリーまで直接プロデュースし、バラードをはじめ、様々なジャンルの6曲を披露する。特にイ・ソンヒは、今回の16集で格別な感性と深みのある解釈が刻まれた音楽を通じてミュージシャンの情熱を余すところなく届けてくれる。

(* 本ブログ関連:15集「セレンディピティ」

何よりイ・ソンヒは、今回の16集アルバムの基本を「私たちのくらしと日常の連なり」として、イ・ソンヒの過ぎた歴史と新しい音楽の連なり、イ・ソンヒの長年のファンたちと初めて接する若いファン層との連なりを強調した。特にアルバムタイトルであると同時に、タイトル曲でもある「安否」はコロナ19に変じた世相に、あなたと私、私たちのすべての安否を問いかけながら始める。誰もが困難な時期、なにごともなく過ぎ行く日々(ひび)が楽しい時間、良き日に満たされることを願うイ・ソンヒの考えを書き下ろして曲を作った。すべてのひとびとに慰めが必要な時代に、イ・ソンヒが送るささやかだが暖かい安否のメッセージが共感に満ちたヒーリング(癒し)を与えてくれることになるだろう。
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イ・ソンヒはタイトル曲「安否」を、韓国伝統の弦楽器を響かせて、ゆるやかにささやくように歌う。日常の視点で安否を互いに気遣う思いを聴かせてくれる。

(参考)16集アルバム内容(Melon)
https://www.melon.com/album/detail.htm?albumId=10444668

(参考)タイトル曲「安否(안부)」歌詞
https://nesialyrics.blogspot.com/2020/06/feat_15.html


(Youtubeに登録の1theK (원더케이)に感謝)

メーキングビデオ

(Youtubeに登録の후크(フック)TUBE**に感謝)

(**)フックエンターテインメントと関係あるか

2020年6月14日日曜日

(資料)都会に棲む「キツネ」の「自己家畜化」現象

ビジネスインサイダーの記事に、都会(ロンドン)に棲む「キツネ」が「自己家畜化」現象を起こしていると次のように紹介している。(抜粋)
新たな研究により、都会のキツネは田舎のキツネよりも、鼻が太くて短く、頭蓋骨が小さいことが明らかになった。
・このような変化は、他の野生動物が家畜化する過程で生じた変化と似ている。
・これらのキツネは都会の環境や人間との接触に合わせて「自己家畜化」しているのだろうと、研究者らは考えている。

「都会のキツネの頭が小さくなった…イヌやネコが家畜化したときと同じように」(Holly Secon、6/11:翻訳:仲田文子)
(https://www.businessinsider.jp/post-214241)
(原文 https://www.businessinsider.com/city-foxes-have-smaller-skulls-similar-to-dog-domestication-2020-6)

(本ブログ関連:”キツネと家畜化”、”キツネ ”)

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都会に住むキツネは、田舎に住むキツネと比べて明らかに違う特徴があることが、新たな研究でわかった。

6月3日、グラスゴー大学の研究者らがイギリス王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B:生物学関連)に発表した論文*により、ロンドンのキツネの鼻は田舎のキツネよりも、太くて短いことが示された。さらに、都会のキツネは、頭蓋骨の脳を収める部分が小さく、オスとメスの体格に極端な差は見られなかった

(*) https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2020.0763

このような変化は、これまでにも見られたことがある。イヌやネコが2万年から4万年前に家畜化されたときと似ているのだ。研究の結果、都会のキツネは人間活動との接触が増えたことで、「自己家畜化(self-domesticating)」している可能性があることが分かった。

ダーウィンの「家畜化症候群」

研究では、ロンドンと周辺の田園地帯からアカギツネのメス57体、オス54体分の頭蓋骨を採集し、分析した。

ロンドンのキツネは明らかに、短く太い鼻で、頭蓋骨の脳を収める部分が小さい。これは、都会で食べ物を探すことに適応したものだと研究者らは考えた。都会のキツネはほとんどが人間の残飯をあさっているため、骨をかみ砕く強力な咀嚼力は必要としないといった理由からだ一方、田舎のキツネは、獲物に素早くかみつくことができる顎が必要だ

このようなアカギツネに見られる都会への適応は、これまでにも人間との接触が多い動物の間で観察されてきたという。チャールズ・ダーウィンは、これを「家畜化症候群(domestication syndrome)」と名付けた

家畜化は、動物のさまざまな種に対し、同じような変化をもたらす。従順な態度毛の色の変化脳や歯のサイズの小型化幼少期の行動の長期化頭蓋骨が短くなるといった頭蓋顔面の変化などだ」と研究者は論文に記している。

このような変化は、ヤマネコなどの野生のネコとペットのイエネコオオカミとイヌの違いとして観察できる。

シベリアで現在も続いている実験でも、同じような変化が見られたこの実験では1959年からロシアの研究者が、攻撃性の低い個体を交配することで、イヌのように従順なギンギツネを作り出そうとしてきた実験の進行とともに、ギンギツネは攻撃的な行動が減少し、鼻は短く、太くなり耳は垂れ下がりイヌが吠えるような声を出すようになった

これらの類似点が示唆するのは、場所が違ったとしても、キツネは人間との接触によって同じような影響を受けるということだ。イヌにもそれが当てはまるという動物学者もいる。イヌはこれまでの歴史で、さまざまな文化圏において何度も家畜化されてきた。

だが別の説では人間が積極的にイヌを家畜化したわけではなく、イヌが自らを人懐っこいオオカミとして家畜化し、古代の人間と互いに有益な関係を築いたとしている

ロンドンのキツネも、このような「自己家畜化」のプロセスをたどり、人間の生活環境の中でよりよく暮らすために進化しているようだ都会のキツネが交配する集団は小さく孤立しているので、都会生活により適応した個体の方が、生き残り、繁殖する可能性が高まる。そうして進化のプロセスが比較的早く進むことになる。
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以下「都会のキツネのメスが、適応のカギを握る」といった、メスの行動(適応)から家畜化が進むといった仮説を紹介しているが省略する。

(追記)Wikipedia「Domesticated red fox」によると
シベリアでのキツネの家畜化実験の開始(1959年)に使われた個体群が、実はカナダで1800年代後半から捕らえられ、目的を持って飼育されていた(家畜化した)ものだったというレポートが「Cell Press」の次の記事にある。
(https://www.cell.com/trends/ecology-evolution/fulltext/S0169-5347(19)30302-7?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0169534719303027%3Fshowall%3Dtrue)

(追記)キツネの家畜化についての紹介番組(NHK「 オオカミはこうしてイヌになった」、2011年)
シベリアの家畜化実験場を訪れた生物学者の福岡伸一氏と本テーマの研究者リュドミラ・トルート氏との対談を通じて、「エピジェネティクス」へと展開する。
https://www.veoh.com/watch/v21231383XnzrX38D

2020年5月26日火曜日

イ・ソンヒの離婚

歌手イ・ソンヒが協議離婚(협의 이혼)をしたようだ。東亜日報の記事「イ・ソンヒ、再婚14年ぶりに破局... 今年の初め協議離婚」(5/26)は、次のように報じている。なお、彼女は、6月に新しいアルバム(16集)をリリースするとのこと。

(本ブログ関連:”(資料)イ・ソンヒが再婚した夫”、”イ・ソンヒの娘”)

「이선희, 재혼 14년만에 파경…올 초 협의이혼」(5/26)
https://www.donga.com/news/Entertainment/article/all/20200526/101227533/1
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가수 이선희(56)가 이혼했다.

26일 소속사 후크엔터테인먼트* 관계자는 뉴스1**에 “이선희가 올해 초 협의 이혼을 했다”고 조심스레 밝혔다.

이어 “이선희는 현재 오는 6월 발매 예정인 새 앨범*** 작업에 집중하고 있다”고 이선희의 근황을 전했다.

이선희는 1992년 첫 번째 결혼을 했으나 6년 만에 이혼했다. 이후 2006년 9세 연상의 정모씨와 재혼한 그는 14년 만에 파경을 맞았다.
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(*)후크엔터테인먼트: Hook Entertainment企業情報:by JOBKOREA)
(**)뉴스1: News1
(***)MelOn音楽配信サービス: 6/15配信予定とのこと。なお、今秋にパート2が計画されているようだ。

スターニュースによれば、離婚理由は「性格の不一致(성격 차이)」だが、夫婦の長期間別居が続いた結果のうえのことのようだ。(5/26)
https://star.mt.co.kr/stview.php?no=2020052620011751566&MTI

2020年1月23日木曜日

2019-nCoV(新型コロナウィルス)

中国の交通の要衝都市である「武漢市」で発生した新型コロナウィルス(Novel Coronavirus : 2019-nCoV)は、中国国内はもとより海外諸都市へ拡大しつつある。

東京でも注意が必要。私は用心して,外出時にマスクを欠かさないようにしている。それに、自宅にアルコール成分のある消毒スプレーも置いている。(さらに、二酸化塩素の据え置き薬も)

日本の国立感染研究所(NIID)は、「中国湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に対する対応と院内感染対策」*の情報を次々更新している。
(*)https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
当初の報告に、「2019年12月12日から12月29日までに原因不明の肺炎患者の発が確認されている」と記されている。

ブルームバーグの記事「新型肺炎、WHO『緊急事態』判断保留-武漢市は出発便運航停止」**(1/23)によれば、武漢市の住民の移動が禁止される事態になったと次のように報じている。(抜粋)
(**) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-23/Q4JJHU6S972901
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世界保健機関(WHO)は22日少なくとも17人の死者を出している新型コロナウイルスの感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するかどうかの判断を先送りしたことを明らかにした。一方、感染拡大の封じ込めを目指す中国当局は新型ウイルスの発生地湖北省武漢市の住民1100万人が市外に移動するのを原則禁止した
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(追記)ブルームバーグの追加記事
中国の新型コロナウイルス、発熱せず死亡も-水際での阻止困難」⁺(1/23)(抜粋)
(✙)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-23/Q4JV70DWX2PT01
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・中国で広がる新型コロナウイルスに感染し死亡した患者の中には、発熱の症状を示さなかった人がいる発熱検知装置を使って感染者の入国を水際で阻止しようとする各国当局の取り組みが難しくなりそうだ
・中国国家衛生健康委員会の発表によると、死亡した17人のうち5人は呼吸困難や胸の圧迫感、咳など発熱以外の症状だった。
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(雑談)「コロナ」について
このウィルス名にある「コロナ(Corona)」は「冠」を意味しており、ウィルスの膜構造を多数の突起物(コロナ)が覆っていることから付けられたようだ。
Corona」の語源は、wikitionaryに次のように関連付けられている。
    ギリシア語 κορώνη(korōnē)⇒ ラテン語 corōna ⇒ 英語 corona
ところで、太陽の周囲に光るコロナと比べて、太陽表層からコロナを突出して輝く「紅炎(プロミネンス)」は圧倒的な迫力がある。

トヨタの乗用車の「コロナ」も懐かしい。特に、2代目 T20/30型(1960年~1964年)の優美なデザインは抜きんでていた。Wikipediaに次の解説がある。
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ダットサンセダン打倒を目指して開発された本格的な小型乗用車であった。当時のオペル・レコルトを彷彿とさせるデザインは当時の日本車の水準を越えた流麗もので、当時増加傾向にあった女性ドライバーには特に好評であった
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なるほどそうだったのか。しかし「オペル・レコルト」といわれても、当時外車について知るわけもなかった。


(追記 6/9新型コロナウイルス感染が、2019年秋に起きていた可能性
時事通信の記事「武漢のコロナ感染、昨年秋に発生か ハーバード大教授が分析 ― 米TV」(2020年06月09日18時56分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060900803&g=int
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 【ニューヨーク時事】米ABCテレビは8日、ハーバード大の調査報告に基づき、中国湖北省武漢市での新型コロナウイルス感染が、2019年秋(++)に起きていた可能性があると報じた

 調査を主導した同大医学部のジョン・ブラウンスタイン教授によると、武漢の主要病院の衛星写真を分析した結果、19年9月から10月にかけて駐車場の車の数が18年の同時期と比較して大幅に増えていた。さらに、病院を訪れる人が急増した時期には、インターネット検索で、新型コロナ感染の症状でもあるせき下痢について調べる人が増えていたという。
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(++上記「秋」に対して、CNNは「昨夏にすでに感染拡大か」と報じている。
CNNの記事「武漢市の新型コロナ、昨夏にすでに感染拡大か 米研究」(2020.06.09 16:44 JST)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35155017.html

2020年1月22日水曜日

(雑談)ISSのキューポラ

ISS(国際宇宙ステーション)に取り付けられた、外部を見る出窓(観測用モジュール)を「キューポラ」という。キューポラの語源は、建物の頂上部にある半球形の構造物だそうで、確かにISSの観測窓の形状はうなづける。

(本ブログ関連:”キューポラ”、”ISS”)

キューポラは、ステーション外での作業状況だけでなく、地球の様子も観察できる。キューポラを通して視察するとき、ロボットアームの動きを見上げるというのか、地上の状況を見下ろすというのか気になる。

ISS環境は無重力状態なわけで、搭乗員にとって上下がない。見上げるのも見下ろすのも関係ないだろうけれど、ステーション内の装置類は一定のルールで配置されており、床と天井にあたる構造になっているように見えるのだが・・・どうだろうか。

ところで、ISSの視察窓がキューポラという名を聞いたとき、昔の映画の舞台になった埼玉県の鋳物工場にある溶銑(ようせん)炉/鍋が浮かんだものの、イメージが結びつかなかった。
溶銑炉/鍋は、底部が半球状になっているようだ。溶銑を外に流し出すとき、炉を逆さまにするわけで、炉の半球形の底部は上部側に転じる。まさにそのとき上部側に半球形の構造物が登場することになる・・・どうだろうか。

2020年1月21日火曜日

(雑談)植物と動物

先日(1/19)の日曜日に、「タネの驚くべき戦略」(柴田規夫氏)という市民向け講演会があった。最初に講師から参加者に <植物と動物の違い> をたずねられた。

同じ生命の起源から出発して、動物は動き廻るようになったが、植物は動かない形で進化した。そんな移動できない植物は、子孫を残すのに不利ではないか・・・という点に着目したのが講演テーマ「タネの驚くべき戦略 - タネをどのとうにして遠くへ運ばせるか」だ。

植物はタネを運ぶのに、さまざまな自然環境(風、水、動物・昆虫への付着など)を利用する。そのため、タネ自身の形態をさまざまに変化させることになる。多数の標本をもとに紹介いただいた。

ところで、昨日(1/20)の月曜日に、市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」に通う途中の書店に寄ったところ、植物関連の面白い書籍を見つけて求めた。「植物はなぜ薬を作るのか」(斉藤和季、文春新書)に植物ならではの話題が盛りだくさんあったからだ。

動物は、食物を摂取して化学的に細分化する過程で、エネルギーを獲得する(異化代謝)。一方、植物は、その逆の形で、H2OやCO2を光エネルギーを利用して光合成することで有機物を作る(同化代謝)。植物は、生命進化の中で圧倒的に長く生き延びている。読みながら、植物に比べて動物は、逆の生き方をしているだけのもろい存在なのかもしれないと思ったりした。

また、植物は生存戦略として、病原菌や植物同士との戦いなどのため、あるいは動物や昆虫を利用・誘惑して花粉やタネを運ばせるなどのため、体内にさまざまな化学物質を作り出しているようだ。

2020年1月20日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)-11、 大寒 2020

きょうは、二十四節季の「大寒(だいかん)」。以前のブログ(1/6)に、大寒よりも「小寒」の方が寒さが厳しいといわれると記した。しかし、東京都心の最高気温の「平年値」を見ると、今年の小寒にあたる1/6は 9.9大寒にあたる1/20は 9.3で、大寒にあたる1/20の方が低い(9.9>9.3)ことになる。まったく逆の話だった。
(怪しい情報をブログに記載してしまったこと訂正します)

そこで、今月の都心の最高気温「実測値」を比較してみると、小寒にあたる1/6(13:10、10分目盛観測より)は 11.7℃大寒にあたる1/20は 14.1℃(12:57)となり、大寒のきょうの方が温かい結果になった・・・今月,たまたま以前のブログに書いた通りになっただけのようだ。

(本ブログ関連:”大寒”)

ところで、久しぶりに市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」へ出かけた。昨年末(12/23)の第10回を欠席したため、正月休講を含めて5週間振りの聴講になる。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

この講座の昨年前期と後期を合わせて構想された東京大学名誉教授の市川裕氏より「21世紀の世界でユダヤ人とイスラエル国家はどう生きるのか(総まとめ)」の話があった。関心・興味のあった話題にポイントを絞って次に記す。

・ユダヤ人は、1948年5月にイスラエルを建国したことにより、それ以前の「領土を持たず、宗教的紐帯によってのみ統合がなされ、世界中にその民族が点在しているような社会集団」(A.J.トインビーの「ユダヤ・モデル」)から、近代国民国家としての市民となる。

・ユダヤ人は、イスラエル国家が成立することで、トインビーのユダヤ・モデルとは違った存在、Majorityの立場となる。2018年7月の「基本法ーユダヤ民族国家法」でそれが明確になる。国内のMinorityの存在を認めるが、決定するのはユダヤ人であるという立場をとる。

・その他(省略)

(感想)
国家を持った現代のユダヤ人と持てなかった以前のユダヤ人が果たして同じに連続するのか。ユダヤ民族の過去史だけで正当性を維持できるのか難しい問題だ。そして誰もが、日常でさえ、MajorityとMinorityの立場を繰り返して生きている。
私のもっぱらの関心は、古き良き時代のポーランドあったという「おばか村ヘルム」のひとびとのことだけなのだから。

(本ブログ関連:”ヘルム”)

2020年1月19日日曜日

Int-ballはケロロ軍曹にも似ている

ISS(国際宇宙ステーション)の「きぼう」実験棟内を<電動ファン>による浮遊(自律的な位置制御)している球体ドローン「Int-ball」を見てまず気付くのは,その愛らしさからテレビCMなどでお馴染みのロボット「Robi」だ。

(本ブログ関連:”Int-ball”)

実際に浮遊している Int-Ballの大きな黒い瞳や動作から、テレビアニメの「ケロロ軍曹」までも思い出してしまう。

本来、侵略を目的にやってきた宇宙人ケロロ軍曹は、やることなすこと全てピント外れで(本人の意思と違って)思わぬ展開になる。悪だくみは成就せず、結果的に地球の子どもたちと妙な友好関係になってしまうのだから。

Jaxa(宇宙航空研究開発機構)は、「Int-Ballだより」*をVol7まで発行している。
(*) http://iss.jaxa.jp/kiboexp/news/171214_int_ball.html



(Youtubeに登録のJaxaに感謝)

Int-ballは、実際は「超小型三軸姿勢制御」**の機構を持っている。<小型かつ軽量の人工衛星の実現>につながる技術だそうだが、素人目には表面的な擬人化されたデザイン(表情)に行ってしまいがちだ。
(**) http://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovation/triaxial.html

2020年1月18日土曜日

2020年最初の庚申

「陰陽五行」の5種と「干支(えと)」の12種の組み合わせは60通りとなり、一年の中でそれぞれ6回巡ってくる。今年の「庚」と「申」の組み合わせ「庚申」の日は次の通りで、きょうが最初の日になる。

(本ブログ関連:”庚申”)

1月18日(土)
3月18日(水)
5月17日(日)
7月16日(木)
9月14日(月)
11月13日(金)

今晩、寝ている間に、人の体に棲む「三尸(さんし)の虫」が、「天帝」または「閻魔大王」に、日頃の行ないを報告する「庚申信仰」がある。昔のひとは、三尸の告げ口を防ぐため、一晩中酔い明かす宴を催したという。

人は体の中に虫を飼っているようで、「腹の虫がおさまらない」、「虫が好かない」、「虫がよすぎる」といった拒絶的な心を代弁させるようだ。そんな虫なので、たちが悪そう。

「聊斎志異」(浦松齢作、立間祥介編訳、岩波文庫)の「五五 酒の精 - 酒虫(しゅちゅう)」にも、赤い虫が登場する。長山県(山東省鄒平(すうへい))の劉なにがしが経験した次のような話だ。(抜粋)
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多くの田畑を持った素封家で大酒飲みの劉は、たまたま異人の僧と出会い、何かおかしなところはないかとたずねられる。
いくら飲んでも酔わないと応えたところ、それは「酒虫」のせいと指摘される。
僧は虫を吐き出さすため、劉を俯(うつぶ)せに寝かせて手足を縛りつけ、顔の先三尺ばかりにうまい酒を入れた椀を置いた。喉が渇いて苦しむ劉の口から、ついに長さ三寸ばかりの赤い「酒虫」が飛び出した。
劉は、感謝とともに礼金を出そうとしたが、僧はむしろ「酒虫」を貰い受けるだけだった。
僧は「これは酒の精で、これを水を入れた甕(かめ)に入れてかき回せば、うまい酒になるのです」といった。試してみると、その通りだった。
以来、劉は酒を敵のように憎むようになったが、そのうち次第に痩せ細り、家も日毎に貧しくなって、三度の飯にも事欠くようになった。
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芥川龍之介の短編にこれを題材にした「酒虫」(青空文庫*)がある。物語の終わりに、「酒虫」が主人公の劉にとって一体何だったのか自問する。福だったのか、病だったのか、それとも劉そのものだったのではないかと。
(*) https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/161_15133.html

虫が、否定的な存在としての「病」だけでなく、素封家につながる「福」という考え方を示しているが、さらに近代風に自分自身というとらえ方もしている。

私は、原典の聊斎志異の世界に棲む異形(いぎょう)なものといった感しか思いおよばないのだが。

2020年1月17日金曜日

地質時代「チバニアン」正式決定

おめでとうございます。地質時代名の中期更新世に、日本発の「チバニアン(Chibanian、千葉時代)」が国際標準地として国際地質科学連合で正式に決定された。チバニアンの名称の申請・審査を初めて聞いたのが、2017年11月のこと。以来正式決定するまでに随分と時間がかかった。中期更新世の名称決定にイタリアとの競争があったそうだが、日本の研究者による高い精度の研究により決まったようだ。

(本ブログ関連:”チバニアン”)

国立極地研究所などによる、研究成果報の「地層『千葉セクション』のIUGS(国際地質科学連合)における審査結果について」*(1/17)は、チバニアンの名称決定について次のように伝えている(分かりやすい年代表がある)。(抜粋)
(*)研究成果: https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20200117.html
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・千葉県市原市の地層「千葉セクション」を、国際境界模式層断面とポイント(GSSP)とする申請が、最終ステップであるIUGS(国際地質科学連合)の審査を通過した。
・結果、千葉セクションはGSSPとなり、約77万4千年前〜約12万9千年前の地質時代の名称が「チバニアン」と名付けられることとなった。
・千葉セクションは、日本の研究チームが2017年6月に地質時代の前期‐中期更新世境界のGSSPに申請し、同年11月に第1ステップの審査、続いて2018年11月に第2ステップの審査、2019年11月に第3ステップの審査を通過していたものである。

これまで、日本にGSSPはありませんでした。本日、千葉セクションが日本初のGSSPとして認定されたことにより、日本の地名に由来した地質時代の名称が誕生しました。これは、地質学だけでなく、日本の科学史においても大きな出来事になります。また、地質学の一般への普及や小・中・高校生などへの教育においても大きな波及効果が期待されます
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今回の新聞報道などで忘れられているが、当時老いの一徹のような日本人研究者が口をはさんだりした(いつの時代も或る信条の持ち主が現れる)が・・・混乱もなく無事決定されてよかった。

また、日本経済新聞の記事「地球史の地質時代名に『チバニアン』 国際学会が決定」**(1/17)に、追加情報として次のような解説がある。(抜粋)
(**)記事: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54509170X10C20A1I00000/
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これまで77万4000年前から12万9000年前の地質時代は、暫定的に「中期更新世」と呼んでいた。今後、国際学会である国際地質科学連合が世界に周知し、「千葉時代」を意味する「チバニアン」が教科書や研究論文で使う正式名称になる

・地球の歴史は、隕石(いんせき)の衝突や寒冷化などの節目ごとに117の時代に分けている。これらを地質時代と呼び、名前がついていないのは10程度を残すだけとされていた。

チバニアンの時代は、現代人と同じ人類「ホモ・サピエンス」が生まれた時期とも重なる。国内外の多くの研究者が千葉に注目すれば、千葉を舞台とした気候学や地質学などの研究が盛んになる。国内における研究も発展し、次世代の研究者の育成にもつながると期待される。
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2020年1月16日木曜日

藪入り

きのう(1/15)まで伝統的な意味で「松の内」だった。その翌日(1/16)を「奉公していた丁稚や女中など奉公人が実家へと帰ることのできた休日」(Wikipedia)の「藪入り(やぶいり)」と呼んだ。

今の時代、住み込みの「奉公人」という考え方は消えて、「丁稚」や「女中」といった名称も死語である。ただし、物語の世界には登場して知られており、「藪入り」といったタイトルの落語もある(人情噺として寄席で聞く分には浸れるかもしれない)。

以前、テレビのドキュメンタリーで知ったのだが、義務教育を終えたばかりの若者たちを住み込みで採用する老舗の料理屋があった。まさに徒弟制度のなかで料理人としての技を磨いていくのだ。とはいえ子ども気分が抜けぬ気弱いものから一人抜け、二人抜けしていく。結局、何のために働いているかを自覚した者だけが残ることになる。そんな彼らの特徴は、目線がしっかりして言葉が慎重である。決して愛想笑いすることはない(同年代だったころの自分とくらべて、彼らの賢さに感嘆するばかりだ)。

一緒に奉公人となった友が体を病んで田舎に帰ったことを気にしながら働き、ようやく念願の藪入りの前夜に(回想を含めて)散髪する場面を描いた小編、牧野信一(1896年:明治29年~1936年:昭和11年)の「やぶ入の前夜」(青空文庫*)がある。
(*) https://www.aozora.gr.jp/cards/000183/files/52878_42541.html
時代の断片を描いた優しい目線といってよいかもしれない。あるいは自然主義的な善意の観察といった感も否めない。けれど、そんな物語の世界を多くの庶民がたどったに違いない。自分たちの家系をさかのぼれば、いずれかの時代、いずれかの場所で経験していたかもしれない。そう思うと、読みながら原体験を知ったような温かい感情が湧いてくるものだ。

2020年1月15日水曜日

小正月 2020

きょうは、本来なら「成人の日」だった。ハッピーマンデー制度によって、今年は1/13の月曜日に前倒しになった。連休作りに使われて、けじめが薄くなった気がしてならない。

先日(1/7)のブログに「春の七草」を記したとき、合わせて「松の内」についても触れた。伝統的に、おもに関西方面では,いまもきょう(1/15)までだそうだ。東京はせわしくて、1月中旬までは長すぎるよう。ぴんとこない現状だ。

さらに忘れかけているのが「小正月」。成人の日と松の内と重なるわけだが、都内で結びつく行事が行なわれているかどうかよく知らない。すっかり日常が優先する時代だ。

(本ブログ関連:”小正月”)

平常稼働になってしまって、小正月といった余韻すらないのが正直なところ。

2020年1月14日火曜日

さよなら Windows7

きのう記した通り、本日、マイクロソフトのWindows7のサポートサービスが終了する。そんなわけで、昨日になって、Windows7からWindows10へ急遽移行した。

Windows7の使い勝手が忘れられず、Windows10の「スタート」を右クリックして、以前風に使っている。

もともとネット上のサービスを利用していただけ。ネット上の作業に入れば何の問題もない。OSに些細な不都合があれば、ネット検索して対応策を教えてもらう・・・そんなわけで問題なし。

Twitterのユーザー登録をしたが利用したことはない。Facebookはもちろん登録していない。それに、Amazonなどで、クレジットカード利用して商品の購入なんて絶対にやらない(コンビニで現金支払いだけ)。
わたしは、ネットワークを基本的に信用していない。昔、ヘキサの世界が見渡せるLANアナライザー(プロトコルアナライザー)を使ってデータ送受信を解析したことがる。(もちろん仕事に不必要な閲覧はしなかったが・・・技術的なやばさを十分感じたものだ)

2020年1月13日月曜日

成人の日 2020

きょうは、年度内に二十歳を迎える若者が成人になったことを祝すため、「成人の日」の祝日になる。古くは、十五歳を目安に「元服」の儀式があった。成人の意味は時代によって変化してきたが、当人が自覚するかどうかによっても大いに違う。

(本ブログ関連:”成人式”)

偉そうことをいったが、自身が二十歳のころどうだったかといえば、赤面するほど気恥ずかしいものだ。口にしないけど、みなそうに違いない。そんな,ほろ苦い思い出を懐かしく語れるほどに過ごすことができた、実は幸運な国にいることを思い知る。

ところで、明日(1/14)で、マイクロソフトのWindows7のサポートサービスが終了する。そこで、きょうは新しいPCへの移行作業をした。
Windows7対応のPCを購入したのはちょうど10年前。せいぜいネットニュースやYoutubeの閲覧とか、ブログの作成に使う程度*で、酷使したことはない。ほどほどの性能でよかった。ずいぶん長持ちしたものだ。
(*)Office系はフリーソフト(オープンソースオフィススイート)の「OpenOffice」を使用。

遅まきながら、やっとWindows10の仲間入りすることになった。

2020年1月12日日曜日

(雑談)吉野家のねぎだく牛丼

ネットで話題になった、ファストフードの牛丼屋「吉野家」の新商品「ねぎだく牛丼」を食ってみた。いわゆる牛丼の食材のタマネギを別皿に多く盛って提供するもの。吉野家の創業時のメニューにあったという。

煮込まれたタマネギは、牛丼が牛肉だけなら単調になるのを救ってくれる。食の間合いを入れる役割をする。さらに気分転換にこだわるなら、赤い生姜(ショウガ)の方がぴったりかもしれない。牛丼は、煮汁を背景にして、肉とタマネギとショウガの三者のバランスが合うと、いい按配に食が進むことになる。

ところで、昨年の夏、吉野家の「ライザップ牛丼」を何度か食べたことがある。暑い時期にひんやりしたサラダ食感がよかった。けれど、秋口に涼しくなると暖かいものを探し始めた。

昔の雰囲気がする、ねぎだく牛丼を試しに食った訳で、今後も魅かれるかどうか自信がない。客は気移りしやすいもので、能動的に選択しているわけではない・・・。新商品が好きなのだ。

2020年1月11日土曜日

コブシの冬芽

公園併設の「自然観察園」へ出かけた。先日(1/5)の「ロゼット」観察会順路を再度たどって、野草をひとつひとつながめた。冬場に地表に若葉(幼苗)を放射状に広げて、太陽光を受けて光合成することで地下茎や塊根に栄養を蓄える仕組みだ。

(本ブログ関連:”ロゼット”)

自然観察園が配布のリーフレットによれば、面白いことに、この「根生葉(こんせいよう)」の一種であるロゼットのスタイルをそのまま続けていくものと、冬場だけのものとがある。一時だけロゼット スタイルのものは、花が咲く頃に茎が伸びて、根生葉が枯れてしまうという。「オオマツヨイグサ」もそのひとつ。
野草はしろうとの勝手な推測で生きているわけではない。自在に変じて生きる野草は実に多様でたくましい。

観察園を出て、公園の遊歩道を巡っていたとき、ふっくらした冬芽と出会った。まるで「ネコヤナギ」の冬芽を思い出す。もちろん樹形が異なる。それは「コブシ」のものだった。

(本ブログ関連:”コブシ”)

コブシについては、早春に咲く白い花を記憶しているが、花芽を意識したことがない。枝を見上げると、その先に長い白毛に覆われてふっくらした花芽が、夕陽に照らされて微風に揺れているのが印象的だった。

2020年1月10日金曜日

(資料)おおかみと きつねの さいばん

大岡裁きに、赤ん坊をわが子と主張し合う訴えに対し、実の母ならばこそ示すであろう愛情を証左に、人情味ある政談をくだす話しがある。

しかし、誰もが正直とは限らない。両者の日ごろの諍(いさか)いを見極める必要がある。真実がどこにもないかもしれないからだ。

「かえるの王様 : ラフォンテーヌ童話集」(ラ・フォンテーヌ著、山川篤訳、創芸社、昭和23年:1948年)に所収の「おおかみと きつねの さいばん」*は、皮肉な目を養う結果につながるだけかもしれない・・・。(抜粋)
(*)https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168482/35

(登場の動物をカタカナ書きに変更)
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一ぴきのオオカミが どろぼうに入られましたと言って さいばん官のサルのところに うったえ出ました。
オオカミは となりにすんでいる キツネが 大へんびんぼうだったので このキツネがとったのではないかと うたがって そのことを さいばん官に うったえました。
サルのさいばん官は そのあらそいを じっと聞いているうちに 両方とも心のよくないことが わかりました。
しずかにしなさい。お前たち二人とも 昔から よく知っているどっちに ひいきする と言うこともできぬだから 二人とも ばっきんを はらわねばならぬ
オオカミよ お前は 何もとられなかったのに とられたと うそをついたばつだ
キツネよ お前は オオカミのものをぬすんだばつだ
心のよこしまな者は たとえ悪いことをしなっくても 悪いことをしたと思われるものです。いまのキツネのようにです。さいばん官のサルから 両方がばっせられたのも しかたが ありません」
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オオカミは嘘をいったので罰金、キツネは日ごろの行ないから罰金。読者をキツネに寄せて、日常に身をただしておくことを諭しているのかもしれない。

でも、オオカミが痴呆で勘違いしたかもしれない。そうなるとキツネはとんだとばっちりを受けたことになり、裁判官のサルの裁定は最低!となってしまう。

2020年1月9日木曜日

フクロオオカミ

生態学というよりエコロジーといった方が、ファッション感覚として通りがよい。エコロジカルといえば、自然をあるがまま賞賛するといった、お洒落な形容詞のように使われたりする。けれどエコロジーは、自然の<生産>と<消費>をシステム的に論じるもので、動物の世界でいえば喰うか喰われるかの関係性でもある。

そんなシステムの中に生命が散らばっているのを「多様性」というが、互いに共存共栄しているわけではない。生きていくすみかを見つけて広がって(生き残って)いるだけのこと。自然は偶然の産物に過ぎない。

哺乳類は自然に適応して、いろいろなエコロジカルな階層(喰うか食われるかの関係)に分散する。哺乳類がいない世界で、哺乳類と同じように自然に適応して分散した有袋類がいる。それぞれ似たスタイルで分散することを「適応放散」という。

ところが、(人類の移動などで)上記の哺乳類と有袋類の世界が重なってしまうと、いずれか絶滅の問題に直面する。人間に忠実なイヌは、有袋類の「フクロオオカミ(Thylacine)」と同じ水準(似たもの同士)で競合する。それだけでない、フクロオオカミは、家畜の羊を喰うといって人間に駆逐されてしまう。

(本ブログ関連:”オオカミ”)

フクロオオカミ(Last Tasmanian Tiger, Thylacine, 1933)

(Youtubeに登録のFreddieに感謝)

2020年1月8日水曜日

地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果

きょうの都心の最高気温を天気予報では15℃としていたが、実際は7.6℃(15:08)だった。予報の半分でしかない。10℃以下だったので寒いはず・・・なのに予報を信じて、穏やかな感じすらしていた。予報が外れただけでない、体感も大外れした。「心頭を滅却すれば火もまた涼し」ではないが、信じ込んでしまうと平気で勘違いしてしまう。

今年最初の健康体操に出かけて、正月で鈍った体を解きほぐす。首筋を回転すれば軋むよう・・・体のどの部分も同じこと。するとインストラクターから、リンパの流れが良くなりますといわれて、その気になって頑張る。まるで潤滑油が浸透するよう。

いい気分で帰宅して、暖かいストーブの前に座るとますます心地よい。毎度のことだが運動疲れを癒してか転寝してしまう。

きのう(1/7)のブログに「春の七草」について触れたが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「ファン!ファン!JAXA!」のweb版「JAXA’s」79号の記事「宇宙の視座でものを見る / 宇宙食編  日本の味が、宇宙開発を支える」は、「こうのとり」7号がISS(国際宇宙ステーション)へ生鮮食品を運んだときの関係者(須永、佐野両氏)の座談を次の通り紹介している。「地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果は、宇宙飛行士の活力につながります」という語りに、きっとそうだろうなと思わず納得してしまう。
以前、ISS乗務員にとって、新鮮な野菜や果物がどんなに感動ものか、本ブログ(2018年10月5日)に記したことがある。

(本ブログ関連:”こうのとり”)
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須永: 地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果は、宇宙飛行士の活力につながります。日本からも、種子島宇宙センターから打ち上げる宇宙ステーション補給船「こうのとり」が、これまでりんごみかんなどの柑橘類ぶどうマスカットたまねぎパプリカなど、様々な生鮮食品を届けています。生鮮食品は各国の補給船が打ち上げられるタイミングで搭載されます。搭載の条件は、生で食べられるもの、ISSに到着するまでを模擬した環境下で4週間以上保存がきくものなどがあります。

佐野: なかでもたまねぎは、宇宙飛行士に人気ですね。ごみを減らす為に表面の茶色い皮は剥いた状態でISSに届けるのですが、調味料も使わず生のままかじりつく宇宙飛行士も多いです。地上ではあまりない光景ですけど、宇宙では滅多に食べることができない生鮮食品ですから、かじりたくなるようなんです(笑)。
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2020年1月7日火曜日

春の七草

陰陽五行の説に一年を次の五つに分ける「節句」がある。1月だけは7日があたるが、他月は月・日の数が同じになる。全ての奇数月があてはまるかといえば、11月は除外される。元来の節句が五つではなく六つになってしまうからだろうか・・・よく分からない。
・人日(じんじつ) 1月7日  七草粥
・上巳(じょうし) 3月3日  雛祭り
・端午(たんご) 5月5日  子どもの日
・七夕(しちせき) 7月7日  七夕(たなばた)
・重陽(ちょうよう9月9日  菊の節句

きょう(1/7)の「人日」の日に健康を願って、次の七種の植物(「春の七草」)が入った「七草粥」を食べる風習がある。これらをセットにしたパッケージがスーパーなどで売られているけれど、今年も食することはなかった。
・せり(芹)
・なずな(薺)
・ごぎょう(御形)
・はこべら(繁縷)
・ほとけのざ(仏の座)
・すずな(菘): かぶ(蕪)
・すずしろ(蘿蔔): 大根

(本ブログ関連:”春の七草”)

上記の七草は、一般に覚えられている順に並んでいる。それと順序が異なるが、姿を紹介しているYoutube映像がある。


(Youtubeに登録の0727yuchanに感謝)

きょうは、一般に正月飾りする「松の内」の最終日で、「門松」などを早朝までに片付ける。新年の締めといってよい。門前に門松を飾ったことはないけれど。ちなみに、門松の飾りにある<竹>の先端の切り方について、テレビで聞いた解説(Wikipediaとは別説)によれば、斜めに切る(客商売で福を受ける)場合と、先端を水平に切る(企業などが福を貯める)場合とがあるそうだ。

2020年1月6日月曜日

小寒 2020

きょう(1/6、月曜日)から、カレンダーの好都合で、世間は「仕事始め」になる。どこの職場でも「あけましておめでとうございます、今年もよろしく願います」を連呼することだろう。そして、いつものように仕事が始まる。

また、きょうから「立春」の前日までを一年で最も寒い「寒(かん)」と呼び、「寒の入り」の初日にあたるきょうを「小寒(しょうかん)」という。小寒の次に「大寒(だいかん)」が来るわけだが、小寒の方が大寒より寒さが厳しい。そこで「小寒の氷、大寒に解く」というそうだ。
ちなみに「寒の明け」は、寒が終わった翌日の立春がそれにあたる。

(本ブログ関連:”小寒”)

小寒のきょう、外は思いのほか温い。この加減のよさからか、遠くの公園に家族連れがけっこう来ていて驚く。

やっぱり寒の入りには、ほっこりしたいもの。
以前見たことがある「赤ちゃん寝返りに成功」*の映像が、Youtubeの最初の画面にお勧めとして表示された。<寝返り>は、誰もが越えるステップだが、この赤ちゃんにとっては初めてのこと・・・思わす声を出して応援したくなる。成功したときの赤ちゃんの笑顔がたまらない。歳をとると、全ての赤ちゃんが愛しくなる。全人類愛の境地に至る。
(*) https://www.youtube.com/watch?v=RODFiuImAak (登録者goto satomiに感謝)

2020年1月5日日曜日

ロゼット (都心で初雪)

冬になると、公園併設の「自然観察園」に咲く野草の花を余り見かけない。同園配布の1月の「自然観察便り」のリーフレットに、<冬越し> の植物の姿から特に「若葉(幼苗)」を多数紹介している。

リーフレットによると、秋から冬に芽を出して、地表に張りつくように放射状に若葉を並べて、そのまま冬を越す姿を「ロゼット(Rosette)」と呼ぶ。バラの花(ラテン語でRose)の形を想起することから名付けられたそうだ。

同園ではボランティアによる毎月定例の「植物観察会」があって、きょうが今年最初にあたる。今回、初めて参加した次第。多数の参加者をグループ分けして、園内をガイドしていただき回った。
・植物の葉が順に放射状に出るのに法則がある。最初の葉が出ると、次の葉は137.5度回転して出るという。これを「黄金角」と呼び、つづく葉も同様にこの角度を守って出るそうだ。
・冬に葉だけを広げるのは、太陽光を浴びて光合成により根茎に養分を蓄えるためという。「ヒガンバナ」のつややかな葉だけが残って群集している場所で教えてもらった。

二十数種のロゼット形の野草を紹介いただいた。考えてみれば、ロゼットはまことに地味な姿である。タンポポやアザミのようなものしか判別できないレベルのため、実際に見聞きするうちに次第にみな同じに見えて、記憶がオーバーフローしてくる。そんな中で聞いた、「ギシギシ」(スイバ属)の別名が「スカンポ」という話にぐっと身近に感じたりした・・・。

ところで、1月になれば、「ロウバイ(蝋梅)」の木が黄色の花を咲かせ、よく見れば花の中心が濃茶色であるが、「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」は、次の写真のように、花の中心まで黄色のため眩しく軽やかである。

(本ブログ関連:”ロウバイ”)


これを機会に、毎月1回ある植物観察会に出かけてみようかと思っている。


(追記)1/4、東京都心で今季初雪を観測
NHK NEWS WEBの記事「『東京の都心で初雪を観測』と発表 気象庁」*(1/5)より抜粋
(*) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200105/k10012235631000.html
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関東地方は気圧の谷と寒気の影響で雨や雪となり、東京の都心でも4日夜遅く、みぞれが降って気象庁は「東京の都心で初雪を観測した」と発表しました。平年より1日遅く昨シーズンより8日早い初雪です
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ちなみに「初雪」の定義について、気象庁の「用語解説」は次のように記している。
(**) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html#20
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初雪とは何ですか?
気象庁における初雪とは、寒候年(前年8月から当年7月まで)初めて降る雪みぞれを含む)です。
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2020年1月4日土曜日

(雑談)年始の翌日が土曜日

正月にあたって、官庁は「御用納め(仕事納め)」の12/28から翌年1/3までを正月休みとし、1/4を「御用始め(仕事始め)」としたことから、一般企業も1/4に仕事を再開している。今年は、きょう(1/4)が土曜日なので正月休みにつながって、来週月曜日(1/6)から本格始動することになる。

ところで、海外は正月休みをどうしているのだろう。太陽暦の1/1を新年行事とする日本と違い、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教などの国々では宗教的な新年が個別にある。カレンダー上の1/1は、単なる区切りでしかないようだ。
宗教的新年を持つ、日本在住の外国人(観光客ではない)にとって、日本の正月行事はどのように見えているのだろうか。感想を知りたいものだ。

わたしたちは、年末に家族団らんの「クリスマス(イブ)」を楽しみ ⇒ 大晦日の夜に寺院の「除夜の鐘」を聞き ⇒ 年始に神社へ「初詣」するといった行事がつづく。日常、宗教的な区別なんて意識していない。

子どものころ、田舎から訪れた祖母が、毎朝、東の空に輝く太陽に向かって両手を合わせて祈っていたのを覚えている。お天道様への祈りこそ、日本人の信仰の原点かもしれないと思う。

2020年1月3日金曜日

初巳

今晩、上弦の月(月齢7.9)が西の空に煌々と輝いた。夜空は澄んでいるように思ったが、月以外に星明りが見られない。辺りは不思議と寒さが厳しくない。

きょうは、五行の「火」で、かつ十二支の「巳」となり、今年最初の「初巳(はつみ)」の日にあたる。巳が蛇の意から、蛇を使者にした「七福神」の「弁財天」(財宝神)の金運につながるという。

新年最初の初巳に、鎌倉の「銭洗弁財天」*では「初巳祭」が行なわれる。同神社の水で籠(かご)に入れた現金を洗うと増えるというが・・・・金運と縁遠いわたしには、鎌倉の地も遠い。なにしろ宝くじが当たったことがないのだから。冷酷な金銭に神頼みはちょっと。
(*)鎌倉の銭洗弁財天宇賀福神社に、学生時代に詣でたことがある。ごく当たり前な雰囲気に拍子抜けするかもしれない。

今年は、さまざまな暦について今まで以上に覗き、分かりやすい日を選んで記してみたいと思う。

2020年1月2日木曜日

ねずみさんの失敗

今年の干支が「」なので、ネズミの登場する話をネットに探したら、青空文庫に村山籌子(むらやまかずこ)の「ねずみさんの失敗」があった。童話の一口ばなしというべきものだが、「油揚げ(あぶらあげ)」の臭いに誘われて、ネズミ夫婦が出かけてみたものの、結局口にできなかったという内容だ。

正月早々になんだが、稲荷信仰の「キツネ」はネズミを油で揚げをたものを食べるという。稲荷は米作に通じ、ネズミは米を盗み喰う害獣にあたる。そんなネズミから米作を守るキツネは「稲荷神」の使いとなる。キツネがどうしてネズミの油揚げを好むのかよくわからない。油っぽいものがキツネの嗜好に合っているのだろうか。

(本ブログ関連;”お稲荷さんと油揚げ”)

稲荷ずし」は、油揚げを醤油で甘辛く煮て、すし飯を詰めたもの。稲荷と油揚げはつながりが深い。(「キツネうどん」は、温かい「かけうどん」に稲荷ずしの包みをそのまま載せたようなものだし)

上記童話のネズミ夫婦が油揚げに相伴できなかったのは、もしかしたら幸いだったかもしれない。

2020年1月1日水曜日

令和二年(2020年) 元旦

あけましておめでとうございます。

令和二年(平静32年、昭和95年相当)の元旦は、正月らしい晴れ晴れとした天気だった。初詣に神社めぐりして今年も平安であるよう祈り、お守りをいただいてきた。

部屋のカレンダーを一新する。大型カレンダーを壁に掛け、日めくりカレンダーをPCデスクの脇につるし、スケジュール記入用の小さな手作りカレンダーをデスクに貼る。おまけに、PC横には月日・曜日表示のデジタル時計を置いている。(そうそう、携帯のカレンダーにもこまめにTo-doを登録している)

老化の診断で、当日の和暦西暦年・月・日と曜日などが問われるとテレビで知って、身の周りにがっちり認識できるようにしている。それでも、外出先で思い出せないときに備えてデジタル腕時計(西暦年・月・日、曜日表示)を使用している。気にし過ぎだろうか。

といって、最近、予定を失念して困ったりすることはない。日々、たいそうなことがそんなにあるわけでないからだ。今年も無理せず、のんびりやっていこう。

2019年12月31日火曜日

年越しそば

大晦日」のならわし、「年越しそば」を食べた。ところで、いつ頃に食するのが正解なのか気になった。

例年、夜の10時頃、テレビを見ながら熱々の <かけ蕎麦> を啜ったりしたものだが、今年の冬は腹の具合がかんばしくなくて難儀したため、夕方早々に食した。なにより、歳とともに夜食がもたれるようになり、小腹の数も減ってきた。

寒いのが苦手なので、当然、深夜零時に合わせて「初詣」に出かける気にならない。今夕帰宅するとき、まるで背中を押すように <北北西> の寒風が吹きつけた。身が風にふらつくとは・・・。

大晦日の夜、恒例のNHK「紅白歌合戦」を除いてテレビで見るべきものがない・・・なんて思っていたら一つだけあった、「孤独のグルメ 2019大晦日スペシャル」だ。飯屋で、アーだ、ウォーだ、クァーだと感嘆しながら、おじさん(松重豊)がひとり食事するだけの番組なのだが、味の想像力(妄想力)がたまらない。

小腹が豊富だったら、見終わった後、台所へ飛び込んで何か手料理を始めるに違いない。できれば、同じものを見ながら食べられたらどんなに愉快だろう。
ところで、もりもり食べる松重さんの胃腸は大丈夫なのだろうか。心配やら羨ましいやら。

2019年12月30日月曜日

年賀状

いつものことだが、年末ぎりぎりにならないと年賀状作りに着手できない。今回もそう、きょうになってようやく作成した。プリンターであっというまに仕上がるのだから、早目にすればいい・・・とはいえ習性のようなもの、繰り返している。

(本ブログ関連:”年賀状”)

今回は、来年の干支(子年)にちなんで「ミッキーマウス」の初期アニメ(1928年)から借用した。どうやらミッキーも飛行機狂(Plane crazy)のようで気が合った次第。


来年、プロペラ機でゆるりと飛んでみたい気がする。若くはないので無理のない範囲で。チャレンジというより、風任せの気分も悪くない。近くに飛行場があるので、そこに離発着するドルニエ228なら、飛行気分を十分味あわせてくれるだろう。

煙を吐くSL機関車に憧れるように、空気を切り分けて飛ぶプロペラ機がいい。

2019年12月29日日曜日

マユミの木

一昨日(12/27)、官庁は「御用納め」になった。それに従い、公営の公園の一画を占める「自然観察園」も出入り管理が行き届いているため閉園になる。

公園自体は自由に出入りできるわけで、年末の昼過ぎにひと気が少ないとはいえ、のんびり訪れてみた。園内を東西に流れる小川は、流量が以前と比べて落ち着いたものの、流速は相変わらずなのに驚く。以前の台風や大雨のせいで、台地に沁みこんだ水分が湧水となっていまだ豊富に流れ込んでいるのだろうか。

自然観察園を囲うネット越しに「マユミ」の木が、四裂した果実から赤色の種子を出しているのが見えた。陽を受けて賑やかな様に、一瞬、遠目に紅梅と錯覚しそう。
ところで、マユミ(真弓)はよくしなるので、昔はこの木で弓を作ったそうだ。見た限り平凡な枝振りで、そんな粘り強さを思い至らせる気配さえ感じることはなかった。

(本ブログ関連:”マユミ”)


公園の遊歩道を散歩する老夫婦とすれ違ったり、原っぱで幼い子連れの親子が楽しい声をあげて遊ぶ声が響いたりする。ゆたりとした年末の日曜日の昼下がりだった。

2019年12月28日土曜日

鼠の鉄火

侵入は返り討ちにあう。一昨日(12/26)のブログに記した「窓から大きな手がぬっと入ってくること」がそうだったように。大きな手の化け物が、室内に突然入ってくるという展開に滑稽さもあるが、結局は知恵を以って退治される。

来年の干支にちなんで、無謀な侵入(触ってはいけないものを触るという裏切り)をした大「鼠(ネズミ)」が、しかも仲間のネズミによって喰い殺されてしまう話がある。ちくま学芸文庫の須永朝彦編訳「江戸奇談怪談集」に収められた、「金玉(きんぎょく)ねぢぶくさ」(章花堂)所載の「鼠の鉄火」について記してみよう。(抜粋)

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洛陽(京都)の祇園に、ネズミをこよなく愛する法師がいて、寺内に餌を撒いていたところネズミが寄り付くようになった。ある日、住持(住職)が秘蔵の袈裟をネズミに喰われてしまって以来、ネズミへの愛は冷め、餌を撒くこともなくなった。
寺に棲むネズミが数千匹出でて、大きな素焼きの容器を座敷の真ん中に据え置いた。それぞれネズミたちは、水を口に含んでは容器に注ぎ込んだ。そして、水が十分に溜まったころ、ネズミは一匹ずつ四足を容器の水で濡らして、床の間の上にある紙に飛び乗ったが紙を濡らすものはいなかった。最後の一匹の大ネズミが不承不承したがったところ、紙が水浸しになった。他のネズミたちは群がり、その大ネズミを喰い殺した。

「これは、俗に言う鉄火(火起請。神前にて熱鉄を握らせ、罪科の有無を判断。耐え得ぬ者は有罪)の吟味の類(たぐい)であろう。ネズミどもは、己の仲間内にて袈裟を食い破った大ネズミを詮議仕出し、住持の眼の前にて罪を糾(ただ)し、仕置きを行なった訣(わ)けである」
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侵入は、いずれ返り討ちにあう。それは、侵入を受けた側からだけとは限らない、侵入した側の仲間からも同様なのだ。

話はとんとかわるが、「鉄火」から「鉄火巻」が思い浮かぶ。この場合の鉄火をマグロの赤味を指すという説と、鉄火場で軽食にしたからという説があるそうだ。なんとなく、後者の方を納得する。「サンドイッチ」も手軽な食い物で、ゲーム好きの同名のイギリス貴族が食していたからそう呼ばれたという話がある。「鉄火巻」と「サンドイッチ」の両者が <賭け事> の合間・隙間で食うのが共通している。決して労働の合間ではない。

2019年12月27日金曜日

御用納め

きょうは、官庁と明日土曜日が休日の一般企業を含めて「仕事納め(御用納め)」だ。カレンダー上の正月休暇は、年末12/28(土)~年始の1/3(金)と1/4、1/5の土・日を合わせて何と9日間になる。まさに大型連休といえる。その結果、みなが楽しみ、みなが疲れてしまうことだろう・・・分かっているけど。

「仕事納め(御用納め)」(Wikipediaより抜粋)
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日本の「行政機関の休日に関する法律」(昭和63年12月13日法律第91号)では、12月29日から1月3日までを休日としており、12月28日を御用納めとして、その年の最後の業務日となっている。12月28日が土曜日、日曜日に当たるときは、それぞれ12月27日、12月26日が御用納めとなる
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ちなみに、この正月休みに入る前日を官庁(行政機関)では「御用納め」といい、民間では「仕事納め」といい分けるが、今まで違いを意識してこなかった。

なんとなくだが、「仕事納め」は絶対(単一)的な、「御用納め」は相対(複合)的なニュアンスを感じる。
「御用」には、「御用聞き」に通じる、ひとが介する感触がして、「御用納め」の方に民間に合っている気がしたが、一方で「御用」の文字に、時代劇に登場する捕り手が掲げる提灯に書かれた<御上(おかみ)>のイメージもある。「御用、御用!」と威嚇する十手持ちの臭いがしないわけでもない。さすれば、「御用納め」はやっぱり官庁の表現なのだろう。

2019年12月26日木曜日

窓から大きな手がぬっと入ってくること

岡本綺堂が、宋代のものか「異聞総録」などより採集した怪奇話に「窓から手」があって、「青空文庫」に掲載されている。古代の官職の「少保(しょうほ)」に立身した馬亮公(ばりょうこう)が、若いころに書をたしなんでいたときに体験した奇妙なできごとを紹介している。

いわゆる怪奇話には、妖怪、化け物、幽霊といった超自然な異形な存在が登場する。その中でも、この話に出てくるのは変わっている。窓から部屋の中に大きな手がぬっと入ってきて驚かすというのだ。

馬亮公は、とっとと失せろといった意からか、文字を塗り潰すときに使う顔料「雌黄(しおう)」で、大きな手に自分の書を書き連ねて無視し続ける。すると大きな手は、「手を洗ってくれ」としきりにせがみ、結局ねをあげる。面白いのは、弱った手が馬亮公の出世を予言することだ。

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 少保(しょうほ)の馬亮公(ばりょうこう)がまだ若いときに、燈下で書を読んでいると、突然に扇のような大きい手が窓からぬっと出た。公は自若(じじゃく)として書を読みつづけていると、その手はいつか去った。
 その次の夜にも、又もや同じような手が出たので、公は雌黄(しおう)の水を筆にひたして、その手に大きく自分の書き判を書くと、外では手を引っ込めることが出来なくなったらしく、俄かに大きい声で呼んだ。
「早く洗ってくれ、洗ってくれ、さもないと、おまえの為にならないぞ」
 公はかまわずに寝床にのぼると、外では焦(じ)れて怒って、しきりに洗ってくれ、洗ってくれと叫んでいたが、公はやはりそのままに打ち捨てて置くと、暁け方になるにしたがって、外の声は次第に弱って来た。
「あなたは今に偉くなる人ですから、ちょっと試(ため)してみただけの事です。わたしをこんな目に逢わせるのは、あんまりひどい。晋(しん)の温嶠(おんきょう)が牛渚(ぎゅうしょ)をうかがって禍いを招いたためしもあります*。もういい加減にして免(ゆる)してください」
 化け物のいうにも一応の理屈はあるとさとって、公は水をもって洗ってやると、その手はだんだんに縮んで消え失せた。
 公は果たして後に少保の高官に立身したのであった。
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(*)晋(しん)の温嶠(おんきょう):
晋の温嶠が、牛渚(ぎゅうしょ/牛渚磯)の地で、水底にある世界を明かりを灯して覗いてしまった。どうやら、見てはならない世界(霊界)を知ってしまったようだ。このことから、温嶠はほどなくして亡くなる。

この異形の大きな手は、日本風にいえば「化物」に属するだろう。ちょっと笑ってしまうのは散々脅かしておいて、逆襲されるとねをあげる。おまけに栄華の将来を占って見せてくれる。まんざら悪くない化け物だ。

2019年12月25日水曜日

(雑談)寒いクリスマス

ようやく体調が「緩やかに持ち直し」て、食欲が出始めたように思う。けれど食卓へ向かうと急に面倒くさくなるといった体(てい)。テレビの食べ歩き番組を見ても興味が湧いてこない。

昼前、医院に出かける途中、驚くほど風が冷たい。頬を刺す。さらにいえば、冷たさが眼球に沁み込んでくる。(今まで被ったことはないが)目だし帽も役に立たなそう。

昨日につづき下校の小学生の一団を見た。きょうこそ本当に<終業式>だったようだ。きのうに比べて、めいめいが持ち物もの抱えている。学校に置きっぱなしだったのだろうか。

ところで、食欲が・・・といいながら、ロケットニュースの(お馬鹿)記事「【衝撃展開】富士そばで『コロッケ1万円分』をトッピングしたらこうなった」*(P.K.サンジュン)を見て大笑いした。そりゃ食べきれないだろうと納得しつつ、食欲がすこしだけ奮起された気がする。
(*)記事: https://rocketnews24.com/2019/12/24/1307311/

2019年12月24日火曜日

クリスマス・イブ 2019

体調が(きのうのブログに記したように)「緩やかに持ち直しの動きが広がって」きたようなので、「クリスマス・イブ(/ヴ)」の午後、体を軽く動かしてみんとて町歩きをした。

下校する小学生の一団が、色々なものを抱えて歩いているのを見て、きょうは終業式なのかと思った。ランドセルに加えて小荷物まで揺れている姿が可愛らしい。というか、子どもはそもそも真っ直ぐに歩かない。(どうやら、正式な終業式は明日のようで、小間物をできるだけ早めに持ち帰るようにいわれたのだろう)

小さな町にクリスマス・イブの賑やかさはないが、広場の脇にクリスマス・ツリーを模した大きなLEDの飾りつけがあったり、洋菓子専門店の前では若者たちの行列ができていたりした。駅のコンコースでは、夕方の帰宅者に合わせて、クリスマス・ケーキの店頭販売の準備に余念がない。

家に戻ってしばらくしたとき、インターホンが鳴った。モニターに、体がかがんだ老婆と、その後ろに指導役らしい小太りの中年女性が立っている。どうやら、クリスマス・イブに合わせて宗教関係者が市中を周っているようだ。(いつものように全く反応したりしなかったが)
この老婆にとって、自らの信仰を確かめる行為なのかもしれないが、暖かい室内にある小さな画面を通して、寒空にいる二人連れを見ると少々残酷な気がしてくる。宗教心とはどうやらそのような関係のようだ。

2019年12月23日月曜日

体調短観

一昨昨日・一昨日の2日間、風邪のせいか、いきなり腹をくだして絶食する。昨日になって、ようやく「粥」が食べられるくらいになったものの、脱力感から逃れることはできないでいた。元々寒いのが苦手なのに・・・踏んだり蹴ったりの散々な目にあう。

今朝になっても本調子といえない。そのため、毎週月曜日に通っている「市民講座」を欠席することにした。体調の具合を、いわゆる日銀短観の表現を使って記してみようと、ネットに日本銀行旭川事務所が登録しているpdf資料*を借りた。
(*)資料: http://www3.boj.or.jp/asahikawa/chief/pdf_message/m201310.pdf

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一昨昨日: 悪化(腹をくだす)⇒(絶食)

一昨日: 下げ止まり ⇒(絶食)

昨日: 一部に持ち直しの動きがみられる ⇒(粥を食う)

今日: 緩やかに持ち直しの動きが広がりつつある ⇒(市民講座を欠席する)

明日: 緩やかに持ち直しの動きが広がっていくだろう

これから: 緩やかに持ち直すことだろう
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2019年12月22日日曜日

冬至 2019

きょうは、昼が最も短い「冬至」。とはいえ <日の入り> が一番早いわけではない。半月ほど前(東京 16:28、11/29~12/13)にそうだったけど、「冬至」と合わせて、きょうの <日の入り> が何となく早い気がしてしまう(東京 16:32、12/22)。

(本ブログ関連:”冬至”)

日曜日だったが、どこへ出かけることもなかった。風邪のせいで腹をくだしたようで、ほぼ絶食の2日間を経て、ようやくきょうになって「粥」を食った。脱力状態から回復の兆しが少し見えてきた。
夕方になって、天気予報の通り雨が降り出した。ブログに、日曜日に雨が降る、そんなたCMソングについて何度か記した。

(本ブログ関連:”雨が降ってる日曜日”)

もちっと違った歌を探してみよう。「フールズ・ガーデン(Fools Garden)」の「Lemon Tree」*(1995年)を思い出した。雨降りの日曜日、部屋にこもって聞くに好いかもしれないが・・・あまり酸っぱくないのだ。
(*)歌詞: Google検索、「lemon tree lyrics」で表示
以前、素朴な声質のパク・へギョンが歌っていたのを本ブログに記したことがある。

ちなみに、PPM(ピーター・ポール&マリー)による、見かけ(香り)と味覚(酸味)が大違いな、アイロニーたっぷりな失恋の象徴のような「Lemon Tree」(1962年)とはちょいと違う。

今、水分補給のため、熱い紅茶にSunkistのレモン果汁を垂らして飲んでいる。レモンの爽やかな香りが、元気を取り戻してくれるように広がる。


(Youtubeに登録のTM ANIMATIONSに感謝)

2019年12月21日土曜日

イソップ 迂闊(うかつ)と狡猾(こうかつ)

誰もが知っているイソップ話しに、ときどき目を通せば、なるほどとうなづけるものに巡り合う。巌谷小波の「イソップお伽噺」(三立社、明44年:1911年)に、代表的な寓話の「キツネ(狐)とヤギ(山羊)」がある。次に概要を記す。
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あるとき、喉の乾いたキツネが井戸へやってきてあやまって落ちた。深井戸のため出るに出られぬと難儀していたとき、そこへヤギが水を飲もうと通りかかった。
「そこにいるのはキツネさんかい。ぼくは水を飲みたいと思っているのだが、この井戸の水は好いかね」とヤギがたずねた。
「ヤギさん、この井戸の水は旨いよ。さっきから飲みつづけているんだが、ちっとも飽きやしない」とキツネは応えた。
ヤギはだまされたと知らず井戸に飛び込んだ。キツネはそのとき、ヤギを踏みつけ沈めたはずみで井戸を飛び出して、さっさと逃げ出してしまった。

狡猾という文字は、君子に対しては全くの無用です。悪かしこい者は、多く小人にあるようです。しかし、自分がいくら清らかな心を持っていても、身近に狡猾な者がいるかもしれまん。平生の注意が何より大切です。」
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飼いイヌが、飼い主に絶対的な信頼(忠誠心)を持っているのは、太古からの家畜化で培ったもの。飼い主以外に、当然忠誠心はないわけで。決してひとが好いわけではなさそう。でも、もしかしたら、忠誠心を取り除いた、本来オオカミが持つ順位すら失った <ひとが好いだけのイヌ> を作り出すことも可能かもしれない。

2019年12月20日金曜日

(雑談)越冬のえさの貯蔵

日本の高山(あるいは北方)に棲む「リス」は、「越冬」のためドングリの実を頬いっぱいに集めて、自分のテリトリー内の要所要所の地中や枯葉の下に隠す。真冬になれば、雪原に顔を出して、隠し場所を訪ねてエサを食べるそうだ。

記録映画などで、厳寒期に活動する光景を見たことがある。いっそのこと「冬眠」してしまった方が気楽だろうにと思ったりする。厳しい冬を生き抜くのに、越冬と冬眠のどちらがいいのだろう。

エサを集めて樹下などに隠すリスは、冬が近づくとまるまる太って愛らしさを増す。ところで、クマなどは、冬眠直前に食欲が衰えるという・・・無駄食いしないのだろうか。リスは貯蓄に励む小市民のようで、きりがない。

越冬型の生活スタイルをしくじったのか、きょう一日中体調が思わしくない。(考えてみれば、リスもネズミも「ネズミ目」、せかせかした生活がいじましい・・・来年の干支は「子(ね)」)

2019年12月19日木曜日

(雑談)顔が似ている女子選手

歳をとると顔の識別力が衰える気がする。前兆はそのむかし、女優の「原田知世」と「石田ひかり」の識別がつかないのに気付いたことから始まった。要は、タレントに対する関心が希薄になっていったせいかもしれない。

(本ブログ関連:”顔の識別”)

最近、女子フィギュアスケートの「紀平梨花(きひら りか)」(2002年7月21日生まれ)と女子プロゴルファーの「渋野日向子(しぶの ひなこ)」(1998年11月15日生まれ)の若い二人の笑顔を見ていると、よく似ていると感心することがある。それも清清しい。

二人の選手の性格がどうかとか、業績がどうかといったことに詳しくないし、テレビのスポーツ報道でちらりと見かける程度なのだが。とはいえ、スケートでは選手の層の厚さを感じるし、ゴルフでは飛びぬけた才能が新鮮だし・・・、若い選手がつぎつぎ輩出するのを見ていると、元気をもらえる気がする。

Googleで、二人の選手名を並べて検索したところ、<似ている>という話題が並んだ。みながそう思っていると分かって、なんだかうれしくなった。

2019年12月18日水曜日

(雑談)たまたま今日が暖かいだけで

ほろ酔い加減があるように、体を動かした後に来るだるさ加減も心地よい。

毎週月曜日に遠出するとき、電車の1/fの揺れにいつかまどろむ。不思議なことに降車駅に近づくと目が覚める。

水曜日の健康体操もそう。無理のないストレッチだが、なまった体を軽くする。そして、帰宅すると気が抜けたようにうつらうつらして、また寝覚めが気持ちよい。

きょう(12/18)は、久し振りに暖かい。暖かいというだけで気が緩み眠気を誘う。
12月に入って東京都心の最高気温は行きつ戻りつする。
(背景色が   は15℃以上、   は10℃未満)
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  1日 11.5
  2日 16.4
  3日 17.0
  4日 15.3
  5日 14.5
  6日 10.4
  7日   7.1
  8日 13.2
  9日   9.5
10日 14.3
11日 15.3
12日 18.9
13日   9.4
14日 16   
15日 12.5
16日 12.3
17日   9.7
18日 15.5
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2019年12月17日火曜日

セイヨウウスユキソウ

米ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年)で歌われた「エーデルワイス」の草の和名が「西洋薄雪草(セイヨウウスユキソウ)」とは知らなんだ。映画が公開されてすぐ、「エーデルワイス」のおだやかな旋律は、日本で誰もが知る親しまれた歌になった。

歌詞に「Blossom of snow」があって、白い雪の花のイメージから冬にでも咲くくらいに思っていた。気になって調べてみれば、Wikipediaに「開花期は7-9月」とある。(他のネット上の花サイトに「5~6月」という記載もある)

もともとドイツ語の歌で、「エーデルヴァィス」に高貴な花「Edel(noble)weiß(white)」の意がある。またミュージカルの英語歌詞に、「我が祖国に永遠の祝福があらんことを(Bless my homeland forever)」とある。

英語の作詞者「オスカー・ハマースタイン2世」(1895年~1960年)について、Wikpediaに「祖父はユダヤ系ドイツ人のオスカー・ハマースタイン1世、父親は劇場主。ニューヨーク生まれ」と記されている。まさに、ブロードウェイを隆盛したユダヤ人興行師の家系といえるだろう。(遅れてきたユダヤ人の映画製作者たちは、はじかれるようにしてハリウッドへ転進することになるのだが)

ドイツ語圏のオーストリアから脱出という展開に、ユダヤ系ドイツ人の作詞家はどのような思いをして英語の作詞をしたのだろうか。


(Youtubeに登録のRodgers & Hammersteinに感謝)

2019年12月16日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)-9

市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)」の第9回目に出かけた。最近、この講座で聞いた話題の映画を見たり(12/10)して、少々充実してきた感じ・・・。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

余談から先に記す。
・講座の帰り道、例によって駅前にある魚料理屋で食事を終えて立ち上がろうとしたとき、眼鏡が見当たらないのに気付いた(食事の際、うるさいので眼鏡はずしている)。不思議に思いながら帰宅したところ、上着のポケットから出てきた・・・散々探したのに!
・駅近くの本屋で、漫才コンビ「ナイツ」の塙宣之の「関東芸人はなぜ M-1で勝てないのか 言い訳」(集英社新書)を求める。これは面白い。QAの聞き書きスタイルだが、まさに真剣白刃取りの感がする。「関東芸人」が気になる、テレビを通じてでのファンでしかないが、最近の芸人魂(関西も含めて)を教えてくれる・・・。

さて、いよいよ本題。
今回は「現代アメリカとユダヤ人 ― 米国ユダヤ社会とイスラエルとの関係を軸に ―」について、防衛大学校名誉教授の立山良司氏から、米国とイスラエルの関係を宗教的側面から教えていただいた。そこで、日頃興味をひいている話題についてのみ次に記したい。

トランプ政権の中東政策(略)

米国のユダヤ人社会
・米国のユダヤ人の人口
   - ポグロム迫害から避難してきた以外、特別な流入人口増はない
   - ただし、ナチス迫害時に移住者が少ないのは、危機感が広がってなかったからという
   - 米国の移民局は移住受付時に、ユダヤ人としてカウントしていないという
   - 米国内ユダヤ人の人口調査は、研究機関によるもので、シナゴーグの資料ではない

米国ユダヤ人の政治傾向:強いリベラルな傾向(略)

米国とイスラエル:(支援関連:略)

イスラエル・ロビーの活動
・ロビー団体: 「AIPAC(米イスラエル交響問題委員会)」対「J Street

白人の「キリスト教福音派」の影響の拡大
・キリスト教福音派が政治的な影響力を持ったのは
   -1960年代: 価値観が多様化した時代
   -1980年代: キリスト教右派が人工中絶などに批判的になる(モラル・マジョリティ)
   -1990年代: ワシントンで活動開始 ⇒ 共和党支持となる

イスラエル側から見た:変わる米国
・イスラエルにとって、2019.12.6の米国下院(民主党多数)での決議のショック
   - イスラエルによる「西岸併合」に対して反対を決議
   - イスラエル支持傾向のある民主党が、反イスラエルの投票をした

(感想)
国家を持たない(時代の)ユダヤ民族と、国家(イスラエル)を持った(時代の)ユダヤ民族を、どのように切り分けるか。ユダヤ人自身が、どのように整理しているかを聞いてみたい。まして、遠い国にいる者が、勝手に推測したり論理化できるはずもないのだから。

2019年12月15日日曜日

ラスト・クリスマス(Wham!)

クリスマスソングにもオーソドックスなものから、お洒落なものまでいろいろある。最近の曲は知らないけれど、感覚が新しいなと思ったのに、男性デュオ「ワム!」の「ラスト・クリスマス」があった。

1984年にリリースという、ワム!の次のYoutube映像(オフィシャルビデオ)を見れば随分以前だったのが分かる。(この年の夏、イ・ソンヒが登場している・・・う~む、なにか時差を感じるな)

ワム!と同じく同時代のイギリスで活躍した、こちらは男女デュオの「スウィング・アウト・シスター」も気になったものだ。

(本ブログ関連:”Wham!”、”Swing Out Sister”)


(Youtubeに登録のWham!に感謝)

2019年12月14日土曜日

ジンギスカン料理

今日(12/14)の日付になった深夜の00:12~00:52に、テレ東の番組「ドラマ24 孤独のグルメSeason8 11話 武蔵小杉の一人ジンギスカン」を見た。

たまたま、チャンネルを廻していたら(今はチャンネル選びのやり方を何というのだろうか)、ドラマの舞台が武蔵小杉駅周辺になっているのに気付いた。サラリーマン姿がよく似合う役者松重豊が、駅の表道にある小洒落たレストランを避けて、おじさんたちを癒す道というべき裏通りの飲み屋街を歩いて、「ジンギスカン(料理)」の店に入る。そこで、網やジンギスカン鍋を使いながら焼肉を実に美味そう食すのだ。

見ていてたまらない。このドラマは、他のグルメ番組のように目をむいて驚く表情を浮かべ、料理を褒めちぎるようなことはしない。仕事を離れたサラリーマンがゆっくり食事を堪能するさまに、サラリーマン経験者なら(そうでなくても)大いに納得するだろう。かみしめるように味わい、ときにホホーと独り言(感嘆)する。深夜、おもわず舌なめずりしてしまう、よだれが垂れそうになる困った番組だ。

毎週、市民講座へ通う途中、利用する武蔵小杉駅前に小さな飲食店が寄り添うよう集まった路地があるのを知っている。講座の帰り道、飲み屋街の近くにある魚料理店をよく利用する。いつも気になるステーキ屋があるのだが、歳とった私の影がそれを制止する。そして「まぐろ丼」を選ぶことになる。

今回、「孤独のグルメ」の舞台となった店名は実在する。ただし、店主役の高田延彦と会えることはなさそう。

2019年12月13日金曜日

正月事始め

日めくりカレンダーを見て、おもむろに気付いた。きょうは「正月事始め(しょうがつごとはじめ)」。先日に行ったスーパーの1階フロアに、「しめ縄」やミニ「鏡餅」など正月飾りがずらりと並んで販売されていたのを思い出した。

師走中旬ともなれば、クリスマスの準備もあって何かと気ぜわしく慌ただしい。それでものんびり正月準備を始められる現代人と比べて、昔のひとは多忙な日常を切り抜けて、準備に本腰を入れたのだろう、「正月事始め」についてWikipediaは次のよう記している。
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・「正月事始め」とは、正月を迎える準備を始めること。かつては旧暦12月13日、現在は新暦12月13日に行われる。昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があった。
・江戸時代中期まで使われていた「宣明暦」では、12月13日の「二十七宿」は必ず「」*になっており、鬼の日は婚礼以外は全てのことに吉とされているので、正月の年神様を迎えるのに良いとして、この日が選ばれた。
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上記の古い暦に登場した「鬼」は、お伽噺の「オニ」と違って「吉」を表すという。月の通り道(白道)を分割した中の一つに当るというが。(インドの性格占いまでたどれそうなので・・・難解のため省略)

いわゆる「鬼」の恐ろしいイメージと抱き合わせれば、今日は「13日の金曜日」。あまりにイメージが相反するため、鬼もいまごろ戸惑っていることだろう。映画の「13日の金曜日」は趣味に合わないので、その映画シリーズをいずれも見たことはない。

2019年12月12日木曜日

公園の日時計

大型の公園に秋の気配というか、紅葉の具合を確かめたく出かけてみた。平日の昼過ぎ、思った以上に人影は少ない。木々の葉は落ちて、紅葉を楽しむには時期を過ぎていたようだ。せっかく立ち寄ったのだから、公園ボランティアの会が発行している、樹木紹介の案内書に従って園内を巡ってみた。

案内書には、40種の樹木を図示していて、今回は1番から13番目までの樹木を見て周った。中でも「マテバシイ」(ブナ科)、「ネズミモチ」(モクセイ科)、「ハクウンボク」(エゴノキ科)は、素人目に見当がつかない。案内書の解説文を読んだ後、次の木を探しに歩いた瞬間、あっさりと揮発してしまう・・・それほど地味で見慣れない。暖かい気温のせいか、次第に汗ばんでくる。

途中、間違えて入った脇道で、ブログに紹介したこともある「日時計」と出会った。ちょうど午後1時8分のことだったが、日時計の影は  午後1時半くらいをさして見える。

(本ブログ関連:”日時計”)

紅茶とジャム

スーパーでカナダ産の<蜂蜜>を購入した(メープルシロップではない)。以前のブログ(9/6)に「ロシア式紅茶」について、イチゴジャムに蜂蜜を混ぜたものをスプーンに盛り、紅茶をすするときその都度舐めるらしいと記したが、本当にそうなのかいまだよく分からない。

ロシアの、果実のシロップ漬に近いという「ヴァレーニエ」とジャムの区別が混乱していて、どう違うのか、紅茶にどちらを使うのか、はっきりさせたい気がする。

(本ブログ関連:”紅茶”)

そこで、実際にロシアの慣習はどうなのか、Youtubeを探したところ、日本滞在のロシア女性の意見(あるいは紹介)を2例ほど見た。いずれも、紅茶にジャムを溶かし込み飲むという点で一致している。上記のような、舐めるといった味わい方の説明はない。

次の映像は、薔薇のジャムを例に語っているが、ジャム入りは冬の暖かい飲み物ととらえているようで、また、日本でいう「ロシアンティー」という表現はないとのこと。
また「ヴァレーニエ」とジャムを同義に語られていて、材料にイチゴやラズベリーが使われるという。紅茶に入れて飲めば、喉の炎症を抑える効果があるともいう*。日本でいえば、柚子(ゆず)か花梨(かりん)のシロップといったことのよう。

(*)日本のフランス文学者が、モスクワの空港のカフェで、ジュースを頼んだのに「ヴァレーニエ」らしきものが出されたという話を思い出す。もしかしたら、顔色の悪いアジア人の注文に、体調が悪いのではと気をきかした店員が「ヴァレーニエ」を出したのかも知れない・・・なんて。


(Youtubeに登録のBlinchik in Japanに感謝)

2019年12月11日水曜日

年賀状

令和2年の来年の「干支(えと)」は「(ね:ねずみ)」。「子年(ねどし)」の時の西暦年を12で割ると4余る。
    2020÷12=12×168+4
ちなみに、西暦年が4で割り切れる年は「閏年(うるうどし)」なので、
    2020÷4=4×505
来年は閏年となり、2月が例年と比べて1日長い29日間になる。この一日増えることは、けっこう有効なことで、プロジェクト管理上大変ありがたい。

ところで歳をとると、年賀状書きが億劫になってきている。といってもパソコン頼みで手書きではない。
手書き ⇒ プリントゴッコ ⇒ ワープロ専用機 ⇒ パソコン
これまでに手間が軽くなるよう変遷したかに見えるが、依然としてノルマ感がぬぐえない。

来年の年賀状裏のデザインに、(以前ブログでも触れたが)「子年」にちなんで「ミッキーマウス」の古いアニメから借用しようかと思っている。飛行機狂いのミッキーに、飛行機ファンの立場から妙に納得する。

(本ブログ関連:”ミッキーマウス”)


(Youtubeに登録のClaudiaCaffreyに感謝)

2019年12月10日火曜日

「テルアビブ・オン・ファイア」

昨日(12/9)受講した市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)」で紹介された映画「テルアビブ・オン・ファイア」を見に渋谷まで出かけた。

映画のトーンはコメディーであり、舞台はイスラエル・エルサレム地区、パレスチナ(のラマッラーの街)にある放送局内、およびその途中にあるイスラエル軍管理の検問所だ。そして、上記舞台に生活するひとびとが、パレスチナで放送されるメロドラマ(脚本)作りに絡まっていくといったストーリー展開である。ある意味、現実世界の舞台とメロドラマの舞台が入れ子構造になっていくような気配すらする。
(コメディということについて、旧ロシア帝国末の作家チェーホフが、自身の作品を喜劇としてとらえたように・・・)

エルサレム在住のパレスチナ青年が(パレスチナ側に通う際)、検問所のイスラエル軍司令官(多分中東系のミズラヒームのよう)の発言から、メロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の脚本作りに絡み合うことになる。結果、メロドラマの結末をどうするかで、イスラエル側、パレスチナ側(この場合は放送関係者)に立って意見が衝突することになる。主人公の青年が最終的に打った手は果たして・・・。また、舞台の小道具に、料理「フムス」が効果的(象徴的)に使われている。いつか食べてみたい気がする(味の程は予想できないけど)。

この映画は、次のような関係を承知しているのが前提(ベスト)かもしれないけど、それら理解が不十分な私でも楽しませてもらった。
・イスラエルとパレスチナ(およびアラブ)の政治的・地理的関係
・ユダヤ人とアラブ人の多様!な民族関係
・ヘブライ語とアラビア語の関係など

ところで、映画のプログラム(冊子)に、ユダヤ学者の根本豪氏が解説した「エルサレムとラマッラーの間に」があって、イスラエル人とパレスチナ人の関係について記述がある。興味を持った部分について次に抜書きさせていただく。
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・エルサレムに住んでいるパレスチナ人は基本的には東エルサレムのIDとヨルダンのパスポートを持ち、ラマッラーのあるヨルダン川西岸地区とイスラエルの間を、検問所を通り行き来できる。その一方で、西岸に本籍があるパレスチナ人は特別な許可を得なければイスラエル側に入ることはできない。
・ヘブライ語とアラビア語は言語系統が同じセム語であり、単語の構成要素である「語根」も五分の一が共通しているという。
・イスラエル人にとってアラビア語の響きは、古代のヘブライ語を想起させるものでもある。喉から絞り出すような音の響きは東欧のアシュケナジー系のユダヤ人が失った「本当の」ヘブライ語の発音に近い。逆にアシュケナジームに憧れるミズラヒームはわざわざそれを発音しないようにすることもある。
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なお、ネット(livedoorNEWS「映画ランドNEWS」)にも根本氏の解説*が掲載されている。
(*)解説: https://news.livedoor.com/article/detail/16881991/

(「東京映画祭」記者会見: 監督およびイスラエル軍司令官役の俳優)

(Youtubeに登録の東京国際映画祭に感謝)

2019年12月9日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)-8

先週(12/2)休講だった市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)」へ久し振りに出かけた。受講に遠出となるが、電車の心地よい <1/f> の揺れを体感できるよい機会でもある。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

きょうの講座は、東京外国語大学特任助教の細田和江氏から「現在のイスラエル② ―文化、文学、パレスチナとの関係を中心にー」について、イスラエルの文化(特に文学者や映画作品など)の紹介をいただいた。特に興味をひいた話題について次に記したい。

古い聖書の言葉(典礼語)の「ヘブライ語」を、現代イスラエルの口語として再生
・アイスクリーム(グリダー:גלידה) ← g-l-d(frost)アラム語
・映画(コルノア:קולנוע)← 声(コル:קול)+動作(ノア:נוֹעַ‎

イスラエルでヘブライ語定着のための文学潮流
・1920年代: 移民文学(ヨーロッパからパレスチナへの移民の寂しさ)
・(外国文学のヘブライ語翻訳出版も行なわれる)
・イスラエル建国(1948年)後、ヘブライ語の国語化のための政府助成
・1940-50年代: 社会派リアリズム、英雄譚(シオニズムでのユダヤ人の運命を誇る)
・1960年代以降: 私小説(中東戦争の恐怖から逃れて、私的な領域についての表現へ)
・1960年代以降: マアバラー文学(一時キャンプ文学)
                         ホロコーストを経験していない中東系出身のユダヤ人(ミズラヒーム)の文学
                         ヨーロッパ系ユダヤ人からの差別を受け、低い地位に置かれた
・1970年代: ホロコースト文学(ホロコースト経験者の子世代による文学)
                    イスラエルは教育に利用を始めた
・1980年代: パレスチナ人の文学、イスラエルへの移民2世の文学

イスラエル内の「アラブ」文学
ミズラヒームMizrahi_Jews、上掲)
・パレスチナ人: イスラエル人から見れば「スパイ」、アラブ人から見れば「裏切り者」
                        イスラエル建国時にパレスチナに移った人
・両者はともにヘブライ語、アラビア語の文学作品がある

イスラエル/パレスチナ映画
・ブレッカス映画: ミズラヒームの影響を受けたジャンクフード的(←ヨーロッパ目線だが)映画

ちなみに、
① ヨーロッパの啓蒙運動の時代(18C末~)に、イディッシュ語は一段低く見られていた。
② ホロコーストの生き残りに対して、戦前からイスラエル在住のユダヤ人は「それ見たことか」と言った冷淡さがあった。
一方、戦前のヨーロッパのユダヤ人は、イスラエル在住のユダヤ人を低く見ていた。
③ イスラエルの人口構成(2019.9発表)
                       人数            構成比
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    ユダヤ人   6,744,000人    74.2%  ← 内ミズラヒーム 2,655,800人(ユダヤ人の43.5%)
    アラブ人   1,907,000人    26.0%
        他           441,000人      4.8%
    (合計)   9,092,000人   100.0%
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(感想)
・ホロコースト文学の登場が時代を下ったこと、その執筆者がホロコースト経験者の子世代であったこと。
・イスラエルが国民国家として、多数の民族や多言語をどう調整していくのか興味深い。
・ブレッカス映画について、サイト「NOBODY」に次の記載がある。
  (出典) https://www.nobodymag.com/interview/hillamedalia/index1.html
   「ブレッカスというのは、チーズが入っている三角形のお菓子で、安くておいしいけれども身体に悪いものなんです。」

(ブレッカス映画として:コメディ映画「テルアビブ・オン・ファイア」予告編)

(Youtubeに登録のシネマトゥデイに感謝)

2019年12月8日日曜日

その違いが気になる

冬の部屋着に、昔風の「ちゃんちゃんこ」と似ているが、綿入れでなく、襟(えり)付きであるが、袖(そで)のないものを着用している。特に和室にしっくりして、落ちついた着心地がする。合わせてミカンでも食えばまさに冬気分だ。

先日、ホームセンターで貼り付け型のカイロを買った。この部屋着の首筋近くの内側に貼り付けたらどうなるかと試したところ、ポカポカして効果抜群。歳をとると背中が寒くなる残念さがあって、それに対するうってつけのアイデアで、大成功である。


「ちゃんちゃんこ」、「はんてん」、「どてら」
ところで、いま着ている部屋着の名称は何かと・・・ふと思ってつまずいた。「ちゃんちゃんこ」なのか、「はんてん」なのか、それとも「どてら」だろうか。

この疑問についてネット検索したら、<幻の酒社>のサイトに解説*があった。
(*)解説: https://www.maboroshinosake.com/present/chanchan/chanchanko-hanten-dotera-chigai/

いま着ているものが、いずれにあてはまるか残念ながらはっきりしない。もしかしたら伝統からはずれた和洋折衷かもしれない。とりあえず着ていて差し障りないので、これ以上深入りする気はない・・・。


「ファスナー」、「チャック」、「ジッパー」
他に、布を付け合わせたり外したりできる、「(線)ファスナー」と「チャック」と「ジッパー」といった複数の呼称で呼ばれるツールがある。こちらは、業界代の表企業<YKK社>のサイトに解説**があった。
(**)解説: https://www.ykk.co.jp/japanese/ykk/mame/fas_01.html

結論からいえば、商標による違いだけのようだが、私の感覚では、「チャック」はズボンに、「ジッパー」は財布のような小間物に、「ファスナー」はそれ以外の衣服に装着するイメージである。とくに「チャック」の呼称は、最近あまり耳にしない気がする。

2019年12月7日土曜日

大雪 2019(大根焚き)

きょうは、二十四節気の「大雪(だいせつ)」。前回が「小雪(しょうせつ)」だったので、雪降りの程度を示すものだが、順に冬の深まりを感じさせてくれる。昨日の天気予報では盛んにきょうの東京に初雪を予測していたが、どうやら<みぞれ>を含めて初降りはなさそうだ。とはいえ、きょうも真冬並みの寒さだったことに違いはない。

(本ブログ関連:”大雪”)

寒いときには温かい「おでん」が一番。その中でも熱々ほくほくとつまむ、つゆ味の沁みた大根は欠かせない。おとなには、たまらない食感でもある。そういえば、子どものころ、おでんの大根におとなが頬を緩めているのに合点がいかなかったものだ。

ところで、京都の冬の行事に、寺院で大根を煮炊きしたものを振る舞う「大根焚き」の行事があるという。京都の年始行事(1/1)「をけら参り(白朮祭)」には出かけたことがあるが、「大根焚き」はネットの記事を見るまで知らなかった。

「大根焚き」では、よく煮込んだ輪切りの大根と油揚げがお椀に入ったものを、ふうふういいながら食すようだ。無病息災の縁起物ということになるのだろう。きょうの各テレビ局のニュースとも、京都の「千本釈迦堂(大報恩寺)」の行事(12/7-8)を報じている。

(ニュース映像なのでいつまで見られるか・・・)

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2019年12月6日金曜日

(雑談)寒い、地震、兄姉

きょうも寒かった。朝のテレビの天気予報では、あしたは「初雪」になるかもしれないと報じた・・・二十四節気の「大雪(たいせつ)」にあたるので、マスコミが盛りあがったのかもしれないが・・・雪の源になる雨雲が千葉県東岸にずれていきそうな気配。
外へ出かけるに、マフラーはしないが、防寒コートと手袋は着用した。外気は頬を刺すくらい冷たい。真冬の感覚だ。

ところで、関東北部(茨城県北部)の地震が継続している。次に、きのうのブログに写しもれた分・きょうの分(関東北部についてのみ)を追記した。きょうは、今のところ1回(震度1以上、22:25現在)だけ「地震情報」に記載されている。

気象庁「地震情報」(抜粋)
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地震検知日時                       震央地名   マグニチュード 最大震度    情報発表日時
2019年12月6日20時57分    茨城県北部   M3.3     震度2  12月6日21時00分
2019年12月5日22時35分    茨城県北部   M4.5     震度3  12月5日22時39分
2019年12月5日15時01分    茨城県北部   M3.9     震度2  12月5日15時04分
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きょうは、サイト「今日は何の日」*によると、漫画家の畑田国男氏が1992年(平成4年)に提唱したからというわけでないが、のりで定めたような、兄弟姉妹の記念日のなかの「姉の日」だそうだ。ちなみに、弟の日 は3月6日、兄の日は6月6日、妹の日は9月6日という。
(*)「今日は何の日」: https://www.nnh.to/12/06.html

バスク語で、親族名称(兄、姉)を、主語(私=Ni)が男・女のどちらかによって呼称が異なる。
  ・Ni(男): 兄(anaia)、 姉(arreba)
  ・Ni(女): 兄(anaia / neba)、姉(ahizpa)
韓国語も同様で、親族名称(兄、姉)を、主語(私=나)が男・女のどちらかによって呼称が異なる。
  ・나(男): 兄(형、尊敬형님)、姉(누나、尊敬누님)
  ・나(女): 兄(오빠、尊敬오라버니)、姉(언니、尊敬Ø)