この世に、とりあえず納得できることなら何でも信じてしまう頓珍漢な人がいて、そんな人たちの住む村や町があるという。先日(5/22)、冬場に家々の暖炉から熱気が排出して上空に溜まった結果、「夏が暑い」のだと思い込んでしまった村人が登場する童話について記した。
そんなおバカというか愉快な人々が住む(ポーランドの)村ヘルムについて、アイザック・バシェヴィス・シンガーの児童書「まぬけなワルシャワ旅行」(工藤幸雄訳)の巻末に訳者解説があり、他にも似た町があると紹介している。
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民話のなかで、おかしな主人公たちの住む町としては、イギリスではゴタム、オランダにはカンペン、イタリアではクネオ、ドイツではシュリートブルクなどがある。
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そこで、ネットに探してみたところ、唯一、「イギリスのゴタム村」を舞台にした昔ばなしの紹介ページがあった(ブログ「アマミツル空の色は Ⅱ」に感謝)。ゴタム村の人々もなるほどと思わせる粗忽振り。それ以外の町については、これからゆっくり探していきたい。
日本におバカな村を舞台にした昔ばなしがないものかと考えた。それらしい所が思いつかない。でも、おバカな人々が出てくる話しがある。「落語」の長屋であり、熊さん八さんの世界だ。イディッシュ語の昔ばなしに通じる、思い込みと逆転世界といったおバカな物語りだ。(例えば「粗忽長屋」、「頭山(あたまやま)」)
(本ブログ関連:”(雑談)本当は誰なの”)
イディッシュ語テキストの代表である「College Yiddish」の著者ウリエル・ヴァインライヒ(Uriel Weinreich)の妻、民俗学者のベアトリス・ヴァインライヒ(Beatrice Weinreich)の著「イディッシュの民話(Yiddish Folktales)」(秦剛平訳、青土社)をさっそく注文した。楽しみだ。