KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/7)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<秋の香り>する3曲を紹介した。
始めに、山でパンソリに励んだ宋蟋蟀(송실솔)と、文臣の金尚容(김상용、1561~1637)について次のように紹介された。
・パンソリには滝下で励む姿が浮ぶ。滝の大音を突き抜けて、自身の声が聞こえるまで努めてこそ、力ある声が出るという。女性の歌い手もそう練習した。晴雨の日々を滝下で鍛錬し、一年が過ぎた頃、滝の音はなく声だけが聞こえたという。次に、山頂から広い世を見渡しながら、さらに一年を風と戦った。そうして見事な声を身に着けた歌い手が宋蟋蟀だ。彼女の声は、コムンゴやセンファン、トゥンソなど、どんな楽器とも調和した。ちなみに、彼女の名の「蟋蟀」はコウロギの意で、この虫のように清い声の持ち主だったのだろう。
▼ 朝鮮中期の文臣、ソンビの金尚容の定型詩(女唱チルム時調(여창지름시조))を歌にした、梧洞(오동、アオギリ)の木に雨が落ちる「梧洞へ(오동에)」を聴く。悩み深く憂いが続くよう。
続いて、金尚容の詩作で、梧洞(アオギリ)の葉にあたる雨音の持つイメージについて次のように紹介された。
・金尚容の詩作「梧洞へ」(甁窩歌曲集)は、梧洞(アオギリ)の木の歌だ。梧洞に雨粒が落ちる音を聞くと、もともと悩んでいたのが更に悩ましく思えるという内容。梧洞の葉は大きく、雨粒があたる音が大きく響いた。梧洞の葉の雨音も悩ましく聞こえたようだ。昔のソンビは、寝室近くに梧洞を植えない者もいた。
次に、小説の詩からできた歌「秋風感別曲(추풍감별곡)」について次のように紹介された。
▼ 小説の詩を歌にした、秋風を感じる「秋風感別曲(추풍감별곡)」を聴く。気持ちを言葉に、言葉を詩に、詩を歌に。
・「秋風感別曲」の生まれた小説に登場する女性「彩鳳(채봉)」は、「張弼成(장필성)」と恋に落ちる。父が不在の間、母の勧めで二人は婚約をしたが、父が戻ると、二人は別れる羽目になる。父は彩鳳を金持ちの家に嫁がせた。紆余曲折の末、彩鳳は<妓生>になる。ある日の夜、彩鳳は張弼成を恋しく思い、「秋風感別曲」という詩を歌う。このように長い物語を歌にしたものを、「誦書(송서)」という。
最後に、演奏曲「水国に秋が来る(수국에 가을이 드니)」について次のように紹介された。
▼ 打楽器テグムとピアノ演奏による、「水国に秋が来る」を聴く。秋風に葉が舞うように、今様に。
・「水国に秋が来る」は、尹善道(윤선도、1587~1671)の漁師の歌、「漁父四時詞(어부사시사)」を基に作られたもので、春夏秋冬で構成された、その中から秋の漁村を表現している。