そういえば以前のこと、まだ雪が残っている茨城県の錫高野で鉱物採集したときに、沢を下りてくる風の冷たさに閉口した。熱燗できる缶の日本酒を飲んだが、寒さを癒すことはできなかった。顔だけ赤くして震えていた。
図書館から借りた「生き急ぐ」(内村剛介著)を返しに行った帰り、あるお宅の白木蓮(ハクモクレン)のつぼみが膨らんで、白い花を僅かながら覗かせているのが見えた。寒風のなか春はひた走ってくる。
「生き急ぐ」には、デカダンスにモスクワに散ったエセーニンの詩「母への手紙」を載せていて、その詩の中に、無頼をつづける息子を気遣う母への気休めに「春 わが家の白い庭で木々が枝をぐっと伸ばすころ/ぼくは帰ってくよ/八年前みたいに 朝早く/起こすのだけはやめとくれ」という気を許す一節がある。
(本ブログ関連:1/13、2/16)
★★★★★ 孫が、皿の料理を手づかみでゆったりと食べている動画が届いた ★★★★★