韓国文化院の四谷移転1周年を記念して催された公演「韓国の風景」を見に、(同庁舎内にある)ハンマダンホールに行った。公演は2部に分かれていて、1部は伝統音楽の演奏(4題目)を、2部は伝統舞踏の演舞(7題目)が行なわれた。
多数の演目を鑑賞したが、韓国の伝統芸術について印象しか語ることができない。そのうえで素人ながら一番印象に残ったものを挙げてみたい。
・1部の伝統音楽では、弦楽器カヤグムによる洋風な旋律の演奏や、力強く緩急のある二重奏などがあったが、やはり「シナウイ(시나위)合奏」(4名)にひかれた。シナウイは、本来巫俗儀式の「クッ」の伴奏音楽を指しているとのことで、韓国の大地から湧き出るようにエネルギッシュであり、まるで濃音と激音で構成されたようにリズムは途切れることなく、楽器演奏は互いに掛け合い、即興性があって興味深い。
・2部の舞踏では、「花ござ(화문석)」の上で静かに直立して優雅に舞うものも、鶴の衣装をまとったり、大きな人の仮面をつけたりして舞うものなど多種多数あったなかで、視線を下にして白い衣装で腰を落とすように踵で歩を進めて舞う「サルブリ舞」が印象に残った。「サルブリ舞」は儀式「クッ」から派生した踊りとのことで、当然ながら、シナウイ合奏の奏者が伴奏した。
(本ブログ関連:2009年の12/24)