朝鮮日報(日本語版)の記事「大統領選:韓国の50代とは」(12/27、参考図)は、50~60代で一括されがちの50代だけを取り出して、その世代の特性を次のように報じている。(甘恵琳(カム・ヘリム)記者)
ところで40代についての分析が、各紙相変わらず登場してこないのはなぜだろう。
・韓国の50代(1952~1962年生まれ)は778万人だ。全人口(5093万人)の15.2%を占めている。50代の人口は2002年の455万人から、ここ10年で実に70%も増えた。全有権者に占める割合も02年の12.9%から12年には19.2%と毎年増加した。【朝鮮戦争】終戦直後のベビーブーム世代(1954~1963年生まれ)とほぼ重なっている(統計庁・行政安全部)。
・平均5.2人(2010年、ソウル大の調査)の兄弟と共に育った50代は、経済開発が本格化した時代に青少年期を送った。小・中・高校時代はすし詰め状態の教室で苦労し、春窮期こそなかったものの、コメが足りず、混・粉食奨励運動を経験した。
・この世代は1971~1981年にかけて大学に入学し、暗黒の維新時代(故・朴正煕〈パク・チョンヒ〉元大統領による独裁政権時代)に大学生活を送った「維新世代」だ。1970年代後半から1980年代にかけて社会進出を果たし、1988年のソウル五輪を見守り、平均1.9人の子どもを出産した。統計庁によると、同世代は半数以上(64.2%)が経済的困難から望む段階の学校教育を受けることができなかったが、せめて子どもには正規教育以外にも学習の場を与えようと「学校外教育」を韓国中に広めた世代でもある。これら世代の90%以上が、大学の授業料と結婚のための資金を子どもに援助すべきだと回答している。通貨危機以降、青年失業が増え、50代家庭の子どもたちは大学に通う期間が4年を超えたり、卒業しても就職できないといったケースが増えている。50代は、子どもが失業している間、経済的支援をしなければならない負担までを抱くようになった。
・産業化世代の末っ子であると同時に「初の職場が一生の職場」といった公式がもろくも崩れ去るのを目の当たりにした。これら世代が、企業で課長や次長などの中間管理職に昇進した1990年代後半には、通貨危機が勃発した。解雇やリストラといった単語に初めて接するようになったほか、部長や役員クラスだった先輩世代が1人また1人と名誉退職に追い込まれるのを見守った。職場に残る代わりにアルバイトに変えられる痛みを経験した。定年に満たずに50代半ばで退職するのが一般的となり、「サオジョン【사오정】」(「45歳定年」を縮めた言葉)、「オリュクド【오륙도】」(「56歳まで職場に通うのは泥棒」を縮めた言葉)などの新造語が生じるきっかけを提供した。
・現在の50代は、月平均283万ウォン(約22万3000円)を出費しているが、大学の授業料を除いた子どもの養育費で60万ウォン(約4万7000円)、両親への支援に28万ウォン(約2万2000円)を使っている。これらの世代は年平均で4779万ウォン(約377万円)を稼ぎ、自宅を合わせて2億9633万ウォン(約2340万円)の資産を持っている(ソウル大の調査)。50代の3人に2人(68.5%)が親が今も生存しており、親への経済的支援も行っている。親と子どもに対する支援に責任を負っているため、老後の準備や自分の啓発にはほとんど投資できない。50代の5人に1人(20%)は家計が苦しく、老後の準備ができないと回答した。1年間に公演や展示会、スポーツ観戦などを1度でも行った経験のある50代は、半数(47.8%)にも満たなかった(統計庁)。
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