今日から、テレビ放送はアナログからデジタル(地デジ)へ移行した。今はデジタル礼賛の時代だが、一つ気になる点がある。緊急地震速報の遅れだ。アナログ放送と比べて、デジタル放送では2秒程度の遅延があるという。これについては、2台のアナログとデジタルのテレビを並べて比較したわけではないので・・・。
デジタル受像機は、画像解析処理に2秒近く余計にかかり、アナログ受像機と比べて遅延が発生するという解説がインターネットに散見される。驚きと落胆を含めて、本当にそうなのかといいたい。
では、首都圏直下型地震が発生した場合、あるいは直近の立川断層帯で活断層による地震が発生した場合、震源に近いわけで、このとき緊急地震速報はどの程度役にたつのだろうか。地震データは、いったん気象庁に集約されて関係メディアに配信されるので、その時間も考慮する必要があるが・・・。
地震はP波=7Km/秒なので、2秒の遅れは7×2=14Km範囲内の地震には緊急速報は間に合わない。立川断層帯は約10Kmの距離に存在するので、テレビで知らされる間もなく、「きたっ!」と慌てふためくだけなのかもしれない。
聴くのはアナログのレコードからデジタルのCDへ、録音はアナログのオープンリールテープからデジタル録音機へ。見るのは、アナログのブラウン管テレビから地デジテレビへ。録画はアナログのVHSテープからデジタルレコーダーへと確実にデジタル化してきた。
技術の進歩は、メディアの変化をもたらしながらも、結局消費を促している。印刷技術が識字率を向上させたように、デジタルはどのような知的幸いをもたらしてくれるのだろうか。単に消費の繰り返しに終わらないようにしたい。
(本ブログ関連:立川断層帯、2010/9/28、2011/6/11)