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2024年9月27日金曜日

曼殊沙華:由利あけみ「長崎物語」

ヒガンバナ(彼岸花)」を「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」ともいう。葉を伴わず、真っ赤な花を茎の先に咲かせる。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

・ヒガンバナの漢字名である彼岸花には、いかにも宗教的な香りがして、「死」との距離の近さを感じる。そんな訳ではないかもしれないが、自然に咲き広がることのないこの花を、小学校の石垣上の土手に善意で植えた人物がいたようだ・・・それが増え過ぎて、今はすべて刈り取られている。
・曼殊沙華の燃えるような真っ赤な花模様に、女性の熱い情念を想起する。演歌などにそんなイメージが歌い込まれる。石川さゆりの「天城越え」の歌詞には、直接的な表現はないが聞くたび真紅の曼殊沙華が浮かんでくる。


由利あけみ「長崎物語」
由利あけみ(1913年(大正2年)~2010年(平成22年))の歌「長崎物語」(作詞:梅木三郎、作曲:佐々木俊、1939年(昭和14年))は長く歌いつがれ、私が子ども時代にも「赤い花なら 曼珠沙華」のフレーズをよく耳にした。江戸期に、鎖国令のため南方へ追放された「じゃがたらお春」の運命を偲(しの)び、ひとの別れを悲しむ歌だ。歌詞を理解したわけではなかったが、「まんじゅしゃげ」の言葉は記憶に残った。
時代に翻弄されたじゃがたらお春の、故郷をなつかしむ美文が知られていて、その「じゃがたら文」を伝えた江戸中期の学者に対して、後に疑惑がもたれたそうだ(Wikipedia)。

赤い花なら 曼珠沙華
阿蘭陀(オランダ)屋敷に 雨が降る
濡れて泣いてる じゃがたらお春

■ Youtube: 「長崎物語(由利あけみ)」(登録者:0jac5)
https://www.youtube.com/watch?v=Xj_8h-8PxMo


(付)
山口百恵の「曼珠沙華」
山口百恵の歌「曼珠沙華」(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、1978年(昭和53年))では「マンジューシャカ」と歌う。ある意味内面的な場面であり、深まる苦悩の象徴として曼珠沙華が登場する。

マンジューシャカ 恋する女は
マンジューシャカ 罪作り
白い花さえ 深紅に染める