昨晩、福島県まで鉱物採集の遠出が決まった。
早朝、東の空、たなびく雲の下が真っ赤に染まっていた。不思議なことに、その赤色が、雲の上に漏れていない。駅ホームの穏やかな気温に、返って真冬の厳しさを思い出す。これからは、歳と相談して採集の季節も考えねばならないだろう。
いつもの待ち合わせ駅前から、H氏の車に同乗させていただき、一路北上する。
<真米鉱山>
目指す「真米(まごめ)鉱山」のある福島県南会津町の空気は澄み、陽射しは鋭い。森の木々は葉を艶やかに反射して、包むように広がる。来てよかった。
ここでは、蛍石や硫化鉱物(方鉛鉱、閃亜鉛鉱など)が採れるという。期待が膨らむ。
<鱒沢>沿いに車を走らせるも、10年振りとのこと、目指すズリがなかなか見つからないようだ。車を降りて、数ヶ所確認したが、結局沢の入り口まで戻る。(帰宅して、ネット情報で確認したところ、もう少し上流を探した方がよかったかもしれない)
ということで、真米鉱山とはすれ違いに終わった。
<伊守山鉱山>
採集場所を、急遽変更。栃木県塩谷郡塩谷町「伊守(いもり)山鉱山」へ移す。道路沿い、まさに横付けである。鉱山とは思えぬ小さな丘、あるいは小山だ。斜面を一周しながら登る。けっこう急傾斜である。(本来は金山とのこと)
見上げると、坑道が何箇所か見える。小山の一番上の方にある坑道に入れるようだ。(私は臆病なので遠慮した)
ここでの採集物である「重晶石」(BaSO4)は、薄いガラス板状の小さな四角の結晶で、薄紅色の母岩に斜めに張り付いている。今回の採集はこれだけであるが、満足だった。
ちなみに、重晶石でできた「砂漠のバラ」も有名である。