KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/26)に、人物シリーズ60回目として、パンソリの歌い手(名唱)、朴東鎭(パク・ドンジン、박동진:1916年7月12日~2003年7月8日)を紹介した。
パンソリ(판소리)について、次の説明から始まった。
・10年ほど前には、小学生から大人まで、全国民がパンソリのワンフレーズくらいは覚えて歌えるというほど、パンソリに親しんでいた時期があった。
▼朴東鎭による「フンボカ(흥보가:興甫歌)」の中から「草花の柄の入ったタンス(花草欌)をもらってくる題目(화초장 대목)」を聴く。意地悪な兄ノルブは、舌切り雀の婆さんのよう・・・。叫ぶように歌う、このトーンで歌いつづくのか。
次のように朴東鎭のプロフィールが紹介された。
・1916年 忠清南道公州に生まれる。
・16歳の時にパンソリを始め、全国を回りながら、何人もの師匠について歌を勉強した。
・1960年代にはパンソリをはじめ伝統文化全般が衰退期にあった。伝統音楽にとって近代化は厳しい時代で、人々の関心を再びパンソリに集めるため彼は大きな役割を果たした。
▼朴東鎭による「赤壁歌(적벽가)」の中から「赤壁江に火を放つ題目(적벽강에 불 지르는 대목)」を聴く。搾り出すよう声を震わせ歌う。
パンソリ一曲は、普通3,4時間、長いもので7時間に及ぶ。現代伝わる5つのパンソリ全ての一曲完唱を目指し、遂にこれを成し遂げた。現在では、パンソリを一曲歌いきることが、パンソリ界で名唱と呼ばれるための通過儀礼のようになっている。また、忘れ去られていた昔の歌を発掘したり、新しい歌への挑戦へも積極的だった。
▼朴東鎭による「裵裨將(ペビジャン)伝(배비장전)」の中から、「方子(パンジャ)と爱郎(エラン)が裵裨將を驚かす題目(방자와 애랑이 짜고 배비장 놀래키는 대목)」を聴く。済州島に赴任した文官裵裨將の軽率さを風刺する・・・だそうだ。
・2003年 87歳で没する。金冠文化勲章が追叙される。