KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/16)に、人物シリーズ2回目として「ビナリ(비나리)といわれる音楽の第一人者、イ・ガンス(이광수)」(1952~)」が紹介された。
まずピナリについて、次の通り説明から始まった。
・何かを切実に願いお祈りするときに、音楽にのせて歌う歌を、ビナリという。
・家庭の祭壇にお供え物をする儀式の「告祀(고사)」の際に、ビナリが歌われ、ビナリの別名を「告祀ソリ」ともいう。
▼イ・ガンスほかによる「祝願徳談(축원덕담)」を聴く。複数の打楽器とともに歌う声は、掛け声のように力強い。前口上のように語り聞かせる。
次のようにイ・ガンスのプロフィールが紹介された。
・1952年、清南道礼山に誕生。男寺党(ナムサダン:남사당=旅芸人)一座をひきいていた父を持つ。
・1978年、キム・ドクス、キム・ヨンベ、チェ・ジョンシル等とともにサムルノリ一座(4人編成)で、広場で踊ったり走りまわったりしながら演奏していた風物(プンムル:풍물)という音楽を舞台用に再構成し、サムルノリの公演を初めて行った。(サムルノリの誕生)
・現在、独立して活動中。
▼イ・ガンスほかによるサムルノリの「嶺南風物(영남풍물)」を聴く。風物の舞の動作を含まない分、演奏はリズムの技巧が主体になっている。伝統音楽の縦軸以外に、横軸も組み込んだイメージがする。
▼イ・ガンスによる民謡の「江原道アリラン」、「ハン五百年」を聴く。民謡はいいな、肩肘張らずに聞けるし、歌っている方も、自分の声の背に大地に根ざしたものを感じているだろうから。・・・ところで「ハン五百年」はどの地域を起源としているのだろうか。
ピナリといえば、ク・チャンモ(구창모)の「ヒナリ(희나리)」を思い出してしまうが、祈願のピナリと、生木のヒナリでは大違いなわけで・・・。
(Youtubeに登録のyokosuka30に感謝)