KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/17)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「小正月(정월 대보름)」に関連した3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”小正月”)
始めに、陰暦の「小正月」に行なわれた「踏橋遊び(답교놀이)」の由来と風習などについて次のように紹介された。
・今年の2月22日は満月で、陰暦1月15日の「小正月」である。風習の大半は正月に行われ、多くが小正月と関連する。以前は正月同様に特別な日だった。ソウルの古称「漢陽(한양)」もこの時期、「踏橋遊び」という橋を往来する風習があった。「橋」と「足」は共に「다리」と言い、人々はこの日に橋を渡ると足も健康になると清渓川の橋を渡った。女性が「踏橋遊び」で他の男性とぶつかるのを戒めた学者ソンビもいた。また、そこに歌い手が集まり、山の打令を歌った。
▼ 京畿山打令(경기산타령)で最初に歌う「遊令(놀량)」を聴く。徒党を組むよう、勇ましく響く。
次に、「ソンソリ(선소리)山打令」、「売暑(더위팔기)」の「自分の暑さ(내 더위)」などについて次のように紹介された。
・山打令は、ソウルと周辺の京畿地域、北の西道地方に伝わる歌。円陣で立ったまま歌う、「ソンソリ山打令」と言う。朝鮮時代、旅芸人の頭(모갑)がリズムに合わせて歌い、残りの仲間も小太鼓を持って歌い踊る。「遊令」から始まり、表の山の「表山打令」、裏山の「裏山打令」と続く。この時期、農村では豊作を祈願して、木や枝を燃やしたりした。また、「売暑」の風習もあった。小正月に陽が昇る前に会った人の名を呼び、「自分の暑さ」といって夏の暑さを押し付ける。名を呼ばれた側は、「自分の暑さ、暑さ返し(맞더위)」と暑さを押し返す。
▼ 三つの災いを解く歌「三災解(삼재풀이)」を聴く。仏教的、五行的、巫俗的・・・混ざる感じなのだろうか。
最後に、「三災解」の由来と儀式や「農楽(농악)」について次のように紹介された。
・三災は元々、水、火、風の三つの災いを指すが、ここでは、その年の干支に当たる人が災いに遭う可能性が高い意を指す。正月、家族で三災に当たる者に、災いを解く儀式を行った。昔の人々は、同じ場所に生まれ育ち、共に農漁業をして生きた。みなで豊作に喜び、凶年に悲しんだ。互いの協力は、生存とかかわる問題だった。
▼ 南部の農楽のリズム「サムルノリ(사물놀이)」で、「湖南農楽加楽(호남 농악가락)」を聴く。新酒の香りが残る。
・年始の正月、平和と安寧のため、シャーマニズムの祓い「クッ(굿)」の儀式や、綱引きなどの行事をして心を一つにした。そんなとき欠かせないのが、農楽の歌だった。