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STS-1 が1981年4月12日に打ち上げて以来、16カ国から355人(日本人宇宙飛行士は7人)がシャトルに搭乗して852回飛んだ。5機(現存は3機)のシャトルは、5.42億マイルを超える旅をし、地球(惑星)学、天文学、生物学、材料科学などの科学分野で2,000以上の実験場所を提供した。
考えてみれば、イ・ソンヒの登場する3年前からスペースシャトルは宇宙を飛んでいたわけで、かつてのガガーリンやグレン宇宙飛行士のようなヒーローを、アームストロング船長のようなリーダーを生み出さず、こつこつと研究と技術を積み重ねていく集団の物語を作ってきた。
スペースシャトルは、巨大な外部エンジンにおんぶされるようにして飛立つイメージが強い。そして、見慣れたせいか、宇宙をあまねく飛翔するというより、定期便のようになった。だから、子どもたちにとって、地球周回は驚異ではなくなっているだろう。大人にしてみれば、この巨大なプロジェクトを推進してきたマネージャーが表に出て、いろいろな体験を語って欲しいと思っている。
(追記)
アトランティスが暗闇のケネディ宇宙センター滑走路に着陸する姿は、最後の任務を終えてスペースシャトルの歴史の幕を閉じるに相応しい光景だった。もしこれが、明るい夏の陽ざしのもとだったら、人々の熱狂も加わり違った様相を見せたかもしれない。スペースシャトルは冒険でも挑戦でもなく、科学技術の申し子だった。次のステップへの偉大な踊り場だった。だから、静かに帰還するのが一番似つかわしいと思う。チャレンジャーとコロンビアを忘れないためにも。
(本ブログ関連:"スペースシャトル")