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2015年7月2日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 機織りの歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/24)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、機織りに関わる3曲を紹介した。

始めに、機織り仕事で女性が歌った「機織り歌(베틀가)」について次のように紹介された。
・昔、機織りして布を作り、縫って服を作ったが、女性の仕事だった。年に一度、七夕の日にだけ出会う、彦星と織姫の伝説で、彦星は農作を、織姫は機織りをする。新羅時代に、女性が二組に分かれて機織りを競った。一ヵ月間競争をして、勝敗を決めた。負けた方が酒や馳走を用意して、勝った方をもてなした。現在の「秋夕(추석)」の由来という説もある。
・昔、女性は、大家族のため毎日三食の膳立ても大仕事だった。食事の準備から家事、畑仕事までこなし、夜には機織りした。夜なべのため歌が、多様な民謡となり伝わった。糸を織りあげる織機をベトル(베틀)と言い、その仕事歌を「機織り歌」という。

ヘグムカヤグムコムンゴ他の演奏「機織り歌」編曲を聴く。回転の音、軋む音、仕上がる音が掛け合う、今様である。

次に、機織り歌の歌詞内容には、婚家への嫁の様々な思いや、噂話が歌われていると次のように紹介された。
・機織り歌の歌詞内容は様々だ。嫁入りした先の暮らしが大変で、愚痴をこぼす内容などで、姑の悪口や、親に対して貧しい家に嫁がせたことを恨むもの。親元を思うように訪ねられぬ自分を嘆くものがある。また、色々な噂を組み合わせたものもある。結婚を控えた男が、予め嫁の実家を訪ねると、嫁になるはずの女に既に赤ちゃんがいるのを目撃して、男は黙って帰ってきてしまうという内容の歌がある。

▼ 慶尚北道醴泉地域の「麻をより合わせて繋ぐ歌(삼삼는 소리)」の一部を聴く。同じ旋律を繰り返し、語るよう素朴に歌う。

最後に、糸車を回しながら歌う「糸車打令(물레타령)」について次のように紹介された。
・同じような噂話があって歌ができたのだろう。口から口へと伝えられ、誰かがリズムを付け、歌になり、ストーリーの主人公より歌が注目を浴びるようになった。やがて、それが民謡となった。機織りしながら歌う歌は、母から娘へと歌い継がれた。母の歌を娘は寝耳で聞いたのだろう、嫁に行ってからは、自分も同じように歌った。その時になってようやく、どうして母がこの歌を歌ったのかが分かるようになった。

▼ 「糸車打令」(歌詞)を聴く。ゆたりと聞こえるが、糸車はビュンビュン音をたてて回らせたのだろうか。

糸車には、母と娘をつなぐ絆も縒ったようだ・・・とのこと。