みなが歌い知る演歌にもかかわらず、オリジナル歌手を意識しないことがある。「ここは、地の果て アルジェリヤ」の歌詞で知られる「カスバの女」(1955年、作詞:大高ひさを、作曲:久我山明)もその一つだ。歌手は、エト邦枝(えと くにえだ)である。先日、親類とのアルジェリアにまつわる話題で知った。そして、彼女についてこれ以上知らない。
昔、サラリーマンが4,5人集まって酒でも飲めば、この歌を誰かが口にした。歌詞の「カスバ」には、暗い迷路で作られた魔窟のようなものを連想したし、やるせなさに共感した想いがある。外人部隊についても、実際はいかなるものか知らず、勝手なイメージを膨らませたわけだ。
なぜアルジェリアなのか、そしてなぜ演歌なのか。
ところで、この歌を作曲した久我山明は、孫牧人(손목인)である。彼について、Wikipedia(①、②)は次の通り記している。
・本名は、孫得烈(손득렬)。
・1913年4月13日、慶尚南道 晋州に生まれる。
・東京音楽学校ピアノ科を卒業。
・「他郷暮らし(타향살이)」(1934年、歌:高福壽(고복수)、原題:異郷(타향))が最初の作品。
・「木浦の涙(목포의 눈물)」(1935年、歌:李蘭影(이난영))、「カスバの女」(1955年)など作曲。
・1999年1月9日 著作権問題の協議のため東京に訪問滞在中に没する。
そして・・・歴史は、彼に思いもしない烙印を押したようだ。
(参考)
ブログ「Kindred Spirits -赤毛のアンがお好きですか?」に、孫牧人のJazzとの関わりが紹介されている。感謝。
(Youtubeに登録のR2Radio2、RedHairedANNE、John Noh、orienkoreanに感謝)