白くこぼしたような雪が、わずかに屋根に残っていたが、昼下がりになると空はカラリと晴れて、雪景色を忘れたようだ。穏やかな陽が夕方までつづいた。けれど陽の陰るころになると、いつもの冷気につつまれる。
まだ明るい昼下がりのこと、陽気に誘われて出かけた。といっても、狭い範囲の街巡りでしかないのだが。ある建物脇の通路に八重の「サクラ」が咲いていて、青空に栄える様子を観察していたとき、その奥に「ヒヨドリ」が1羽、静かに花の蜜を吸っているのが見えた。
(本ブログ関連:”ヒヨドリ”)
八重のサクラは盛りを過ぎたようで勢いはないが、西日を受けて薄桃色の花弁を輝かせていた。その下を人びとが行き交うけれど、花に囲まれてヒヨドリが蜜を漁っているとは誰も気付かない。ヒヨドリは、味わうのに忙しいせいか、鳴き声ひとつあげない。
寒さに家にこもっていては何事も気付かない、驚きも感動も乏しい。街に出て、ほんのささやかな出会いだったが、サクラとヒヨドリの光景を愛でることができたのは幸いだ。
(雑報)
きのうから行方不明のメガネがようやく見つかった。予備があるから余裕だったが、ふかふかのチョッキ(ダウンベスト)のポケットの奥に見つかった。一度、確認したはずなのに、これでテレビが見やすくなった。