国立国会図書館のデジタル資料に、近代朝鮮半島の地震観測資料がある。「朝鮮気象三十年報」(朝鮮総督府観測所編、昭和11年(1936年))に掲載の、「十三章 地震」(隼田公地 執筆)に、明治38年(1905年)~ 昭和9年(1934年)の30年間の、各行政地域別地震発生回数が表示されている。
行政地域ごとの測候所・簡易観測所で観測した地震回数が記されている。地域別に最大観測回数の観測地とその回数を転記するにとどめる。
・当時、観測の地震震度は、微震~弱震程度
・測候所は十数か所、簡易観測所は150数箇所
行政区域 観測地 回数
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平安北道 龍岩浦 6
平安南道 平壌 16
黄海道 馬山 4
京畿道 仁川 31
忠清北道 報恩 12
忠清南道 扶余 12
全羅北道 全州 15
全羅南道 木浦 8
咸鏡北道 清津 1
咸鏡南道 元山 7
江原道 横城 5
慶尚北道 大邸 15
慶尚南道 釜山・昌寧 6
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上記は、参考資料であって、観測設備や機器の精度など、現在と比べるべき点があるかもしれないが、大邸は昔ながらの地震観測地であるようだし、他地域にも特異な偏りが見られるようだ。