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2015年7月12日日曜日

イ・ソンヒ「ヒマワリ」

近くにあるこじんまりとした農地に、例年ひまわりの種が撒かれ、次第に成長して畑いっぱいに黄色の花を咲かせる。黄に塗られた景観に、素人考えだが、苗どきに間引きなど調整をしなかったのではないかと思うほど密だ。畑を埋める黄色い花のにぎやかさに誘われて、幼い子どもと一緒に写真を撮ろうと親子連れが集まって来る。

太陽の光を浴び、熱い風に身を任せ揺れるひまわりの佇まいを見るとき、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演した、映画「ひまわり(I Girasoli)」(1970年日本公開)で、(物語上)ウクライナの大地に広がるひまわり畑の光景が浮かぶ。人の歴史も悲しみも知らず、ひまわりの花は、自然のままに畑を黄色に染める。それに感応する者に、自身が自然の存在であることを知らせる。そして、永遠に続くものにこそ託すべきものがあることに気付かせる・・・癒えぬことのない悲劇に対置して、ひまわりの意味が描かれているようだ。

以前、ソウルの音楽ショップで購入した、8090の中高年向けアンソロジーのCD全集に、音楽グループ「ひまわり해바라기)」の歌が入っていた。残念ながら彼らの代表曲「愛のままに(사랑으로)」 (1989年)が選ばれてなかったが。ひたすらに未来を信じる若者たちの純な心する作品で、その点において、なんとも郷愁を誘われる。(Youtubeに登録のpops8090にいつもながら感謝)

さて、イ・ソンヒについても、14集に「ひまわり(해바라기)」(2009年)の歌がある。女性らしい愛の心残りを揺り戻すようにして歌う。ドラマチックな展開をする。降りそそぐ愛を永遠に待ち続けるよう(おんな心は難解すぎて・・・)。この作品を含めて同アルバムについて、「安定圏に入った作法とは別に依然として新しいスタイルに対する好奇心が感じられる。歌の感情線もさらに深まった」(ムン・ジョンホ)という評論が聞かれた。


(Tvポットに登録のKnightmareに感謝)