▼▼ 青字下線付語句のリンク先は、マウス右クリック+<新しいタブ>で進んでください。(本ブログ関連)の最下段に「次の投稿ホーム」があるとき次ページがあります。▼▼
検索キーワード「テグム」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「テグム」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2012年7月24日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 趙昌勲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/18)に、人物シリーズ37回目として横笛のテグムの演奏家、趙昌勲(チョ・チャンフン、조창훈)を紹介した。

始めに横笛の管楽器「テグム(大笒:대금)」の(伝説と楽器)紹介から始まった。
・歴史書「三国遺事」(1270年代後半~1280年代中頃)にある、新羅時代(約1500年前)の伝説的背景に作られた楽器であり効能があったため、万事の萬と波、息の笛として「萬波息笛(まんぱそくてき)」(만파식적)と知られている。学者たちはこの伝説の楽器が「テグム」と推測している、そうだ。
(付記) テグム(名称/楽器)成立は、文献上どれくらい歴史を遡行できるのだろうか。

▼趙昌勲のテグムによる「清声曲(チョンソンジャジンハンイプ、청성자진한잎)」を聴く。楽器の特性を強調しているようで・・・気が緩まない。
(参考)박용호演奏の映像がYoutubeにある・・・こちらは穏やかで。(登録者koartny80に感謝)

・(上記より続き) テグムは、フルートと同じ横笛である。フルートの高く澄んだ美しい音色に対して、テグムは奏者の荒い息遣いまでもが音色となって聞こえる。即ちテグムは高音の際に、何か破れるような荒い音がする、他の伝統楽器にない特徴がある。吹き口と指で押さえる穴の中間位置に、清孔(チョンゴン、청공)という特有の穴がひとつあり、ここを葦から取った薄い膜で塞ぐことで、息遣いにより膜が震えて独特な音色を作り出す。

▼趙昌勲のテグムによる「重光之曲(チュングァンジコク、중광지곡)」の中から「相靈山(サンリョンサン、상령산)」を聴く。清孔の響きを強調すると、どこか大陸的でホーミーを想わせる。国楽の習い事で人気のある楽器として、男性に一番というのも分かる気がする。

1970年代に、趙昌勲と朴正煕(박정희)大統領との次のような逸話が紹介された。
・大統領に縦笛の短簫(タンソ:단소)を教えたことがある。しかし大統領が悲劇的な最期を迎えた後は、長い間、自らもソウルを離れ、地方で国楽団体を作り、細々と演奏活動を行っていた。

▼趙昌勲のタンソの演奏による「細靈山(セリョンサン、세령산)」を聴く。テグムに比べて、高音で明るい。素直な響きが、小中学校の音楽教材に使われているのが分かるような気がする。

2011年5月14日土曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 テグムとソグム

ブログへの登録が遅れてしまったが、5/11に放送されたKBS WORLD「国楽の世界へ」では、管楽器 [テグムとソグム]が紹介された。
国楽の習い事に人気のある楽器について、女性に一番は伽耶琴(カヤグム)で、男性に一番は今回紹介の管楽器テグム(대금:大笒)だそうだ。楽器、奏法、逸話など解説は、KBS WORLDのリンク先に詳述されているので、放送に聴いた楽器の音色に感じたことを素人なりに記す。

[テグム]
・長さ1m程の竹製の横笛で、合奏に使用の場合、オーケストラでいえばオーボエのような音合わせの楽器に当たるようだ。また、葦の薄片でふさいだ穴(청공)が独特の響きをもたらす。
▼キム・ソンジンによる「淸聲ジャジンハンイプ」を聴く。管の長さに比して、想像以上澄んだ高音が響く。葦の薄片が、まるで中央アジアにあるような、同時に二種類の音を出す効果を出しているようだ。
▼イ・センガン(テグム)、ホ・ボンス(チャング:太鼓)による「オッモリ、トンサルプリ」を聴く。高音軽快に吹き、チャングとリズムを掛け合いしている。

[ソグム]
・統一新羅時代という時代に、広く演奏された楽器と伝えられるものに、三弦三竹(삼현삼죽)があり、弦楽器はカヤグム、コムンゴそして琵琶が、管楽器はテグム、チュングムそしてソグム(소금:小笒)だそうだ。
・ソグムは、テグムにあった独特の穴(청공)がない、高音パートを奏でる楽器で、現代の創作音楽でも広く愛されているそうだ。
▼ハン・チュンウンによる現代曲「ランのための歌」を聴く。フルートに似た音色で、素朴な味合いある響きがする。

今回は、楽器が歴史や伝統と密接につながっていることも紹介された。

2012年9月18日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金政丞

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/12)に、人物シリーズ45回目として風流音楽(풍류음악)の伝承者で、管楽器テグム(大笒:대금)の若き奏者である金政丞(キム・ジョンスン、김정승)を紹介した。

「郷制(ヒャンジェ)弦(ジュル)風流」の紹介から始まった。
・方言のように、歌も地域ごとに少しずつ雰囲気やメロディーに違いがある。教養人の「風流音楽」も、地方に伝わるうち少しずつ変化した。
・「風流音楽」中、特に弦楽器が中心となる楽曲を、弦=ジュル(줄)と合わせて、地域ごと特色ある「ジュル風流」と呼ぶ。さらに故郷の郷=ヒャン(향)と、制度の制=ジェ(제)を合わせて「ヒャンジェ・ジュル風流」と呼び現在唯一、全羅北道地方に今なお強く息づいている。

風流音楽の継承者、金政丞について次のように紹介された。
・現在、注目を浴びているテグム奏者の金政丞は、風流音楽の技術と精神を受け継いでいる。

▼金政丞の管楽器タンソ(短簫:단소)ほかによる「平弄(ピョンロン、평롱)」を聴く。緩やかに流れるピアノの響きに合わせて、タンソの音色がのどやかな気分に浸らせる・・・モダンな感じで。

次のように金政丞のプロフィールが紹介された。
・祖父の金茂圭(キム・ムギュ、김무규)は、全羅南道求禮(クレ)地方に伝承された「クレ・ヒャンジェジュル風流」の芸能保有者で、タンソ演奏にも長けたという。1990年代に国楽ブームを巻き起こした映画「西便制」に、弦楽器コムンゴを演奏する老人役で登場した。
・この祖父を持つ金政丞は、同年代の多くの若手演奏家が大衆と調和を図り、フュージョン音楽に関心を持つケースが多い中で、国立国楽院の正楽団と風流音楽を受け継ぐ正農楽会で、宮中音楽と風流音楽の伝承に専念している。
・一方で、現代音楽アンサンブル活動も行い、現代の韓国音楽の発展にも尽くしている。紹介する音楽は、伝統的なメロディーをそのまま生かし、ピアノやチェロなどの伴奏を加える形式である。

▼金政丞の管楽器トゥンソ(洞箫、퉁소)ほかによる「獻天壽(ホンチョンス、헌천수)」を聴く。・・・とてもソフィストケートされて。

上記「獻天壽」の演奏について解説された。
・宮中音楽、民間の舞踊音楽としても演奏されていた一曲。宮中音楽として演奏される場合は主に、センファン(笙簧、생황)とタンソの二重奏か、ここにヤングム(洋琴(楊琴)、양금)」が加わった三重奏で演奏されることが多い。金政丞は、民間で広く親しまれていたトゥンソを使って演奏している。

▼金政丞の管楽器テグムほかによる「淸聲曲(チョンソンゴク、청성곡)」を聴く。ピアノを水琴窟のように脈を打たせて、古風にテグムの高音を響かせる・・・。

2013年3月5日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 韓忠垠

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/27)に、人物シリーズ69回目として、横笛ソグム(小笒:소금)の若手演奏者、韓忠垠(ハン・チュンウン:한충은)を紹介した。

まず、「三絃(弦)三竹」の解説から始まった。
・約1500年前の統一新羅時代に奏された楽器に「三絃(弦)三竹(삼현삼죽)」がある。<三弦(弦)>とはカヤグム・コムンゴ・琵琶を、<三竹>とはテグム(大笒)・チュングム(中笒)・ソグム(小笒)を指すといわれる。その中でチュングムは朝鮮時代に、琵琶も植民地時代にその伝承が途絶えた。

・ソグムも、一時期、中国伝来の唐笛に押され、演奏されなくなったが、1950年に再び、復活することになる。昔の形と少し異なるが、高く澄んだ音は以前のまま(?)という。最近は、創作音楽で独奏楽器としても使われる。

(付記)
古楽器による西欧クラシック演奏がある。上記古代の楽器(演奏)が、近現代(最近)になって途絶えたり、復活したりするのが気になる。歴史的な検証を知りたいところだ。

▼韓忠垠のテグムとソグムによる「morning」(2006年)を聴く。この日常生活に違和感のない、木管のソフトな響きがする軽やかな今の音色だ。

次のように韓忠垠のプロフィールが紹介された。
・学生時代に偶然聞いたラジオのテグム演奏に魅了され国立国楽高等学校に入学。
・現在、KBS国楽管弦楽団のテグム副主席の若手演奏家。幅広い人脈ネットワークを持つ。
・大衆音楽家と出会いも増え、ピアノと共にジャズ演奏したことで<フュージョン国楽>にも関心を持ち、長い経歴を持つ創作室内楽団「スルギドン」や、フュージョンロックグループ「ユーラシアの朝」などと演奏活動を行う。映画界では、キム・ギドク監督のデビュー作「ワニ」のメインタイトル曲を担当するなど、多くの人気作品の映画音楽を手がけた。
・最近では、国境を越えた音楽交流を行い、新しい音楽への挑戦を目指している。

(付記)
明るい照明、採光のある今様のショッピン街を通るとき、心地よい音楽が流れる・・・今の音楽だ。

2016年10月26日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 散調

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/19)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「散調(산조)」に関わる3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”散調”)

始めに、「伽倻琴(カヤグム)散調」の創始者、金昌祖(김창조、1856~1919年)について次のように紹介された。
・散調は、1800年代末、全羅南道霊岩にいた金昌祖が、それまで伝わったリズムを一定形式に構成して作った、撥弦楽器「伽倻琴」による「伽倻琴散調」という独奏曲形式が最もよく知られる。その頃、同様な試みをする者が多くいて伽倻琴散調を作ったが、金昌祖が創始者とされる。彼が広く知られたのは、活発に活動する弟子が多くいたこともある。その中に、金昌祖の孫娘の金竹坡(김죽파)もいる。

▼ 「伽倻琴散調(가야금산조)」を聴く。辺り静かに、伽倻琴の弦が女性の呟きのようにしみる。

次に、散調のテンポ構成と、西洋楽器による演奏例として金秀哲(김수철)の「ギター散調」について次のように紹介された。
・散調はもともと、即興的リズムを演奏する音楽だ。<テンポは、チンヤン、チュンモリ、チュンチュンモリ、チャジンモリ>と呼ばれ、緩から、中庸、急へと移り変わる。即興的音楽だが、奏者特有のリズムもあり、それぞれに奏者の名が付く。金竹坡流散調は、祖父金昌祖のリズムを基に、自身のリズムを加え人気を博した。コムンゴやテグムの散調なども作られた。安定的な構造に加え、感動を与える多様なリズムが合わさり、華麗な器楽曲とされる。最近、西洋楽器で即興的な散調演奏の試みがあって、従来の散調の趣きと組み合わせて奏される。

▼ 大衆音楽家の金秀哲(김수철)による演奏「ギター散調」(2002年)を聴く。どこかウェスタン風な香りする、今様に編曲している。

・金秀哲は、一時期、国中を騒がせた人気歌手だ。ソウル五輪とアジア大会の前夜祭、2002年日韓ワールドカップの開幕式など国際イベントで、伝統的音楽と楽器を基に演奏した。彼のギターの国楽演奏は、深い理解により多様な試みと変化を引き出した国楽ミュージシャンとも言えるだろう。

最後に、横笛テグム(大笒:대금)と似た、西洋の木管楽器フルートによる散調の演奏について次のように紹介された。
・西洋のクラシック楽器フルートでも散調演奏がある。(木管楽器)フルートの構造と奏法は、竹管の横笛大笒と似る。ただし、テグムには「清孔」という孔があり、葦の内皮をはって振動させるため、独特な荒っぽい音が魅力であるのに対し、フルートは清く柔らかい音が特徴。今は、フルートによる、国楽の散調といった形で演奏もされる。

▼ <チュンチュンモリ>テンポによる、フルート演奏「フルート散調」を聴く。これはこれで、ひとつのフルート曲だなあ。

2016年6月29日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 笛

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/22)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「笛」(大笒(テグム)、洞箫(トゥンソ))」に関連した3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”大笒(テグム、대금)”、”洞箫(トゥンソ、퉁소)”)

始めに、文武(문무)王と金庾信(김유신)将軍に関わる楽器「万波息笛(만파식적)」について次のように紹介された。
・統一新羅時代の楽器「万波息笛」は、一万種の波も鎮められる管楽器の意を持つ。これを吹くと、敵が退き、病が治り、干ばつには雨が降って、梅雨には雨が止む。風や波までも穏やかになる。国のあらゆる悩みを解決する笛だった。伝説に、ある日、海に浮かんだ不思議な島に竹があり、昼は二つに、夜は一つとなる。三国統一の立役者といわれる文武王と金庾信将軍は、死後、海の竜隣り、その竜が未来を懸念して送ったのが竹で作った楽器万波息笛だ。大笒の祖と伝説もある。

▼ 大笒演奏で「清声曲(청성・자진한잎)」を聴く。大笒の響きには円やかさがあるようだ。Fl.とPicc.の違いに似て。

・夏の暑い日、風通しの良い縁に横になり聴けば、あらゆる心配事が無くなりそう。清い声(청성)は、伝統音楽で音域を指し、特に高音の意だ。”자진한잎”は、元々詩を歌詞にして歌う歌曲を指す。この「清声曲(청성・자진한잎)」は、「太平歌(태평가)」の曲の音域を上げて演奏する音楽だ。竹笛「タンソ(短簫:단소)」の独奏もあるが、大笒独奏の方が、楽器の特徴をよく表し、特有の音色、清い響きをよく際立たせる。

次に、管楽器「大笒」にある「清孔(청공)」について次のように紹介された。
・大笒には、吹き口と指孔以外に、清い孔の意の「清孔」がある。ここに、葦から採取した内皮を貼り付け、これが清(청)という。息を吹き入れたとき、この清が響き、大笒ならではの音を出す。

▼ 大笒演奏で、大笒散調から「チャジンモリ(자진모리)」のリズムを聴く。優雅にかつすばやく空を舞うよう。

最後に、大笒と共通した清孔を持つ「洞箫」に関わる話題や構造について次のように紹介された。
・大笒と似た楽器に、洞箫がある。この楽器に関する面白い表現がある。一人のときは偉そうにするものの、いざ人前では何も言えない人を、「部屋の中の洞箫」と言う。部屋の中でひっそりと演奏するような大衆的な楽器だった。最近では、北の咸鏡道地域の仮面舞踊「獅子遊び(사자놀이)」以外に、洞箫の音色を聴くことはほとんどない。また、洞箫は大笒と同じほどの大きさで、清孔もある構造で似るが、大笒は肩の上に横に載せて吹き、洞箫は縦にして吹く違いがある。

▼ 洞箫演奏「獅子遊び」から「獅子の踊り(사자춤)」で宴会が終わる時の曲「罷宴曲(파연곡)」を聴く。洞箫をよく知らない。

2018年5月30日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 楽器ヘグムと国楽室内楽団スルギドゥン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/23)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、擦弦楽器「ヘグム(奚琴、해금)」と国楽室内楽団「スルギドゥン(슬기둥)」の話を紹介した。

始めに、擦弦楽器「奚琴(ヘグム)」の特徴と、親しまれるきっかけとなった曲「その夜から明け方が来るまで(그 저녁 무렵부터 새벽이 오기까지)」について次のように紹介された。
・弓で二弦を擦って奏する擦弦楽器「奚琴(ヘグム)」は、最近、音色が楽しまれるようになった。昔はそれほどでなく、弦を弾いて音を出す撥弦楽器「カヤグム(伽耶琴、가야금)」や「コムンゴ(玄琴、거문고)」の方が人気だった。奚琴は、主に笛と演奏することが多く、特定の楽器扱いされなかった。奚琴は、指で弦を引く圧で音程をとるため、どんな曲も演奏できる長所があるが、小さく軽い構造のため、物乞いが演奏することも多く、物乞いの奚琴ともいわれた。そんな奚琴が親しまれるようになった曲に「その夜から明け方が来るまで」がある。冬の日、雪で覆われた山で夜を過ごし、太陽が昇る早朝を迎えたときの感動を表わしたもので、テレビドラマの音楽で知られる。

▼ <奚琴の趣きを世に知らせるきっかけになった>「その夜から明け方が来るまで」を聴く。何度聴いても心地よい、今様に。

次に、国楽の室内楽団「スルギドゥン」(指使いの名称由来か)について次のように紹介された。
・「その夜から明け方が来るまで」は、1997年、国楽の演奏団「スルギドゥン」のレコードにもある。スルギドゥンは、もともとは青少年の公開放送のためにできたチームだった。20代のミュージシャンが集まり、若者向けに音楽を披露し人気を博し、いろいろな音楽を作った。

▼ 「花の香り(꽃분네야)」と「塩売り(소금장수)」を聴く。東洋的に優しく、楽しく今様に。

最後に、伝統音楽普及に活躍した「テグム(大笒:대금)」奏者・作曲家キム・ヨンドンについて次のように紹介された。
・1980年代後半から90年代初、演奏団の「スルギドゥン」は、多くの国楽をドラマや映画音楽に作り、人々に親しまれた。奚琴の魅力再発見のため、今の時代に合わせる努力をした。当時、スルギドゥンと共に、活躍した作曲家キム・ヨンドンがいる。彼は元々、横笛「テグム」奏者だった。スルギドゥンと共に伝統音楽普及に活躍し、同グループの一員と記憶されることもある。

▼ キム・ヨンドン作曲の親しみやすい国楽曲「小舟(조각배)」を、イ・ソンヒの歌で聴く。(彼女の8集に収録です)

(音量にご注意!・・・音質には歪があるけれど)

(Youtubeに登録のlys2187に感謝)

2016年5月25日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 瀟灑園ほか

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/18)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、代表的な「瀟灑(しょうしゃ)園(소쇄원)」の園林のほかに関連した3曲を紹介した。

始めに、「朝鮮時代の園林中、最高と評される『瀟灑園』」について次のように紹介された。
・家の庭や花壇を「庭園」というが、昔は「園林」の表現をよく使った。庭園は、人工的に整備した庭を意味し、園林は自然のままに、もともとあったかのように自然に溶け込んだ場所を指す。朝鮮時代、最高の園林と評される「瀟灑園」は、全羅南道の潭陽地域にある。竹林を抜けて園に入ると小さな東屋が目に入る。管理が届き、自然の美しさが際立つ。土と石を積んだ程よい高さの仕切り、小川の上に設けられたでこぼこ石の橋脚、小川の水は、竹で作った水路に沿って流れ池になり、やがて滝になるようだ。

▼ テグムとシンセサイザー演奏で「瀟灑園」を聴く。まるで朝霧に浮かぶ景観がしのばれるよう。今様である。

次に、瀟灑園近くにある「息影亭(식영정)」で活動した鄭澈(정철、1536年~1593年)について次のように紹介された。
・瀟灑園が位置する潭陽は、昔から竹が知られ、東屋も有名。園の中に「光風閣(광풍각)」、「霽月堂(제월당)」の東屋があり、園の向かいに「環碧堂(환벽당)」、近くに「息影亭」もある。環碧堂は四方が青の意、息影亭は影も休む場所の意を持つ。特に、息影亭は、朝鮮中期の文人、鄭澈が活動した場所と知られる。彼の代表作「星山別曲(성 산별곡)は、ここを素材に、季節ごとに移り変わる景色を表現したこの作品だ。この山のおもむきを音楽にしたものがある。

▼黄秉冀(황병기)作曲の「山韻(산운)」をコムンゴとテグム演奏で聴く。古い器で新酒を飲むような風情がする。

最後に、朝鮮時代発生した(始め両班女性の間で流行した)「歌辞(가사)文学」について次のように紹介された。
・学者ソンビが数人集まると、東屋を囲んで座り、茶と酒を楽しんだ。自然や彼らの暮らしについて談話したことだろう。また、詞や作品を作ることもあった。中でも代表的なものが「歌辞(가사)文学」だ。歌辞とは、朝鮮時代の代表的な詩歌形式で、韻律を生かし、自然と人の心を歌った。上記の「星山別曲」も歌辞文学に含まれる。これから、歌辞文学は潭陽で生まれたともいわれる。

▼ 風流に女唱歌曲(여창가곡)の伝統歌曲「界楽(계락)」の「青山島(청산도)」を聴く。(軽快に歌うものもあるが)

・青山島は、全羅南道の莞島地域の島で、四季を通じて、青い島の意から、青い島、青山島と名付けられた。物寂しい姿が美しいと評される島だが、一度は訪れてみたい・・・という。

2017年8月23日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」瀟灑園

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/16)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、庭園「瀟灑園(소쇄원)」に関連する曲を紹介した。

始めに、朝鮮前期の隠棲者、梁山甫(양산보、1503年~1557年)の庭園「瀟灑園」について次のように紹介された。
・約500年前、学者ソンビの梁山甫がいた。若い頃、国家のため勉学に励んだが、彼の師が政騒に巻き込まれ毒殺刑に処されると、故郷に隠遁を始めた。全羅南道潭陽の蒼巖村(창암촌)に居を建てた。自然美を生かした「瀟灑園」の敷地に小川が流れ滝となり、その一部は竹のかけひを通り池となる。池に魚が泳ぎ、近くに小さな東屋がある。

▼ 横笛テグム演奏による「瀟灑園」聴く。景色が浮かぶように、今様に。

次に、「息影亭(식영정)」の美を表した鄭澈(정철、1536年~1594年)の「星山別曲(성산별곡)」について次のように紹介された。
・瀟灑園入り口に小さな東屋「待鳳台(대봉대)」(待鳳:大事な方の訪れを待つ意)がある。園の中に幾つか小さな建物があり、こじんまりしている。梁山甫は、瀟灑園を大層気に入り、子孫に<建て替えるな>と言ったほど。後の学者ソンビも、瀟灑園を見て詩作し、作品を残した。歳月が流れ、建物は小さく、或いは消えたりしたが、代表的園林としていまだに知られる。潭陽は、瀟灑園以外に自然美を楽しむ東屋がある。主なものに「息影亭」、「環碧堂(환벽당)」がある。ソンビはこれらの場に交流した。朝鮮時代の文人「鄭澈」も、作品「星山別曲」に息影亭の美しさを表現している。

▼ テグムとコムンゴ演奏で、<息影亭の美しさをモチーフ>にした「山韻(산운)」を聴く。緑深く、今様に。

最後に、江陵地域の「寒松亭(한송정)」の景色の美しさについて次のように紹介された。
・東屋は、柱はあるが壁のない、内外区分ない建物で、自然の一部に溶け込む。地域ごと有名な東屋があり、江原道江陵地域に「寒松亭」があった。今は消え去ったが、朝鮮時代に風流を楽しむ代表的な一つだった。寒松亭に、五つの月が浮く話がある。空の月、海の中の月、杯の中の月、瞳の中の月、そして、心の中の月。風流を楽しむに相応しい景色だったろう。

▼ <寒松亭の傍にある松で小舟を作り、舟に乗り美しい景色を楽しみたい>という「寒松亭(한송정 자진솔)」の歌を聴く。ゆるり巡り歩く・・・。

2014年4月2日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金弘道

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/26)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第49回として、風俗画家の「金弘道」(キム・ホンド、김홍도、1745年~没年不詳)にまつわる話を紹介した。

    (本ブログ関連:”金弘道”)

まず、朝鮮王朝後期の風俗画家として有名な金弘道の紹介から、次のように始まった。
・金弘道の代表作「書堂(서당)」は、登場の人物をそれぞれ生き生きと描いている。書堂は塾のような所で、先生に叱られて泣く子、それを興味津々と眺める子、どこか申し訳なさそうな先生、こうした瞬間を捉えた「書堂」は、彼の作品中、最も知られている一枚だ。
・その他の作品の、「相撲(씨름)」は、組み合う二人を息を呑んで見つめる観衆、ひとり飴売りする少年などの姿を描いている。また、「舞童(무동)」は、楽器ピリ、テグム、ヘグム、プク、チャングなど奏する丸座の傍らで、長い袖をひらめかして踊る子供の姿を描いている。金弘道は、風俗画だけでなく、宮中画、仙人図、仏教画、ソンビ画、細密画など様々な作品を残した。

▼ 竹風流(대풍류)の中の「念仏打令(염불타령)」を聴く。随分とソフィスティケートされた演奏。

次に、金弘道の人物と音楽に対する造詣について、次のように説明している。
・金弘道は、1745年(朝鮮王朝の英祖(영조)の代)、ヤンバンと庶民の中間の中人身分に生まれた。7歳頃から、文人であり画家、評論家として知られた姜世晃(강세황)の元で絵を学ぶ。その後、師の推薦を受け、絵画担当の官庁、図画署(도화서)で画家として働く。実力を伸ばし、才を認められ、王の公式肖像画「御真(어진)」を任せられ、20代の若さで、当時の王「英祖(영조)」と、後年「正祖(정조)」となる王子(世子)の御真を描いた。
・金弘道は、絵だけでなく人格も高く評価された。当時の記録に、「彼は風采が美しく、心が広く、些細なことは気にもとめなかったので、人々は彼を仙人のような人だと言った」、さらに「彼を見た人たちはみな、高尚で世俗離れしていて、平凡な人とは何か違うということを、一目で見極めることができた」と記されている。
・また、1784年の作品「檀園図(단원도)」には、旅行家の鄭瀾(정란)先生、同僚画家の姜熙彦(강희언)を交えて、コムンゴで風流音楽を奏する自身を描いている。

▼ 霊山会相の中の「中霊山(중령산)」を聴く。ゆたりとして、霞湧く山中奥深く、コムンゴ、テグムの調べを楽しむよう。

・また、自画像とされる作品「布衣風流図(포의풍류도)」は、中央に琵琶を演奏しながら座る人物の着衣が、華やかな色彩の絹でなく、素朴な麻のところから、官職につかぬソンビを連想させる。周りに、刀、巻物、ひょうたん、そして楽器のセンファンが置かれている。絵の人物が奏している琵琶は、コムンゴ同様、ソンビの楽器とされた。また、センファンは、仙人が演奏する楽器として頻繁に登場する。素朴ながら知性溢れる姿は、金弘道を連想させる。

▼ 霊山会相の中の「打令(타령)」を聴く。素朴な楽器が、奏者の手にかかると味わいのある響きする。

2014年12月24日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 丹青

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/17)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第85回として、華やかな色彩の「丹青(단청)」にまつわる話を紹介した。

始めに、丹青の意味と用途について次のように説明された。
・「丹青」とは、日本では、赤と青、色彩や絵具または絵を描くことを言う。韓国では、宮殿や寺の本堂などに五色(赤、青、黄色、白、黒)で描いた華やかな模様(または塗装工事そのもの)を指し、五色で世の中の調和を成す意を含む。
朝鮮時代、兩班階層の建物は華やかものが多く、当時はほとんど木造で、丹青に木材の防腐や、害虫からの防虫など役割があった。丹青は、建物の特殊な用途と威厳を象徴するもので、普通の家で使えぬよう法で定めていた。

▼ 管楽器テグム演奏「平穏な山寺の日常(평온한 산사의 일상)」を聴く。都会人のセンスか虫の音も交えて・・・今様である。

次に、丹青の歴史について次のように説明された。
・丹青は、先史時代に、神に祭祀を捧げる祭壇を飾るのに始まる。丹青は悪鬼を追い払うためでもあり、権力を表す手段でもあった。今は三国時代の建物はないが、高句麗の古墳の壁画に、蓮華や雲など多様な模様が描かれている。新羅の「雁鴨池(안압지)」には丹青の跡が残る瓦や丹青の絵具を入れた入れ物などが発掘され、当時丹青が使われていたのが分かる。

▼ 宮中舞踊の笛とテグム、ヘグム演奏「処容舞の伴奏音楽(처용무 반주음악)」を聴く。処容舞を合わせて見ると興味深い。

最後に、世の中を構成する「五方色(오방색)」について次のように解説された。
・処容舞は、鬼を追い払うために<仮面>で踊る舞いをいう。5人で舞い、それぞれの服装は、東西南北と中央の方向を象徴する「五方色」と呼ぶ五色からなる。東は青、西は白、南は赤、北は黒、中央は黄色で表す。五方色は色々なところで目にできる。楽器の配列をこの色に合わせて、東に青い楽器、西に白い楽器を置く。食べ物や体中の臓器もこの色に合わせて区分できる。
世の中は全て五方色で構成され、丹青は世の中の調和を具現するという意がある。

▼ カヤグム演奏「空の模様(하늘그림)」を聴く。描写的でコラボというのか・・・今様である。

・高麗時代、宋の使者の目に映った丹青の華やかさが「高麗図経」に綴られている。

2011年8月7日日曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 長短(チャンダン) 〔続々々々〕

先週、水曜日(8/3)放送の、KBS WORLD「国楽の世界へ」では、5週続いて、リズムの長短(チャンダン:장단)を紹介しているが、「チュンモリよりもう少し速く音楽を進めていくという意味を持つ」リズム<チュンジュンモリ(중중모리)チャンダン>について解説された。
音楽だけでなく、言語や文化的な背景についても、丁寧に説明されている。感謝。
(長短の紹介に合わせて、ブログのタイトルに"々"を付けていたら・・・リズムのように続いて・・・)

〔モリ〕
長短の名前によく使われる「モリ(모리)」について、次のような解説があった。
・「モリ」は、韓国語動詞「モルダ(몰다)」からきており、「何か対象になるものを自分が望む方向に動かす」という意味で、「音楽を思った方向に進めていくという風に捉え」られるとのこと。

▼ウォン・ジャンヒョン(テグム)、キム・チョンマン(チャング)による「テグムサンジョ」の中からチュンジュンモリを聴く。演奏による、鳥の鳴き声のようなテグムの笛の音も軽快だし、チャングのリズムにも調子を合わせやすく、ホッとする。ようやく聴き取れるようになったのかな・・・。

〔ハン〕
例えば、民俗楽の「散調」のテンポを速めていくなかに、韓国特有の感情といえる「ハン(한)」を「こめるだけでなく、それぞれのテンポの長短にのせて徐々にこれを解いていこうとするものが多い」という解説があった。

<チュンジュンモリチャンダン>
「ワンフレーズ12拍からなって、(チュンモリと比べて)テンポが少しずつ速くなりながら、メロディーの起伏も激しく」なり、「チュンモリ同様、1拍目と9拍目にアクセントが入る」とのこと。

(参考)チュンジュンモリチャンダンについてKoWikipediaによれば、
・パンソリ·散調で用いられて少し早いリズムで12拍調子だ。 3分拍構成の遅い4拍になっており、12/8拍子や6/8拍子で書く。
・打法は、덩 궁 딱 /궁 딱 딱 /궁 궁 딱 /궁 웅 궁。

▽(解説用の)チュンジュンモリチャンダンのリズム構成を聴く。あれっ、速いなあというのが感想だ。
▽(解説用の)演奏用に変化したバージョンを聴く。あれっ・・・やっぱり、随分と複雑に速くなっている。

▼ユ・ミリ(歌)、キム・チョンマン(プク)によるパンソリ「春香歌の中からチャジンサランガ(춘향가 중 사랑가)」を聴く。どうしても、リズム取りがもつれてしまう。言葉の区切りを理解しないと難しいのだろう。

(参考)KJPOPに「春香歌中愛歌」が載っている。

▼アン・ヒャンヨン、オ・ジョンスク、サム・ヘソンによる南島民謡「ナムウォンサンソン」を聴く。素直に聴けました。9拍目のアクセントが不思議に、体の芯でリズムをとるのに効いているようだ。とてもよかった。


★★★★★ 孫と孫娘が、部屋の中だがイモムシ型の浮き袋にまたがって、楽しく遊ぶ動画が届いた ★★★★★

2011年9月26日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 風流音楽

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/21)に、民謡から一転して、「悠々自適な生活を送っていた、風流を楽しむ学者、ソンビ(선비)たちの音楽、“風流音楽”」を紹介した。
案内役の岸さんは、日本向けに理解しやすく解説されている。感謝。

「ソンビたちは学問の合間合間に、コムンゴ(玄琴)の演奏を楽しんでいた」そうで、今の若者がギターを片手に爪弾く感じだろうか。ただし、「スーパースターK2」のチャン・ジェインのように自由なスタイルで楽しむというわけにはいかなかったようで、「(コムンゴを演奏する際に)守るべき規則、つまり心得のようなものがあった」という。つぎの通り紹介された。
その一、テンポが速く、騒がしい音楽はコムンゴでは弾かない。
その二、教養のない人や、卑しい身分の人の前では弾かない。
その三、市場などの道端では弾かない。
その四、正しい姿勢で座り、弾かなくてはならない。
その五、整った身なりでなければ弾いてはならない。

▼チョン・テソク(コムンゴ)、ファン・ギュイル(テグム)による「トドゥリ (還入:도드리)」を聴く。以前(7/10)に聴いた煌(きら)びやかな演奏と比べると、ずっと地味というか端正である。

ソンビの生活スタイルというか行動律について紹介があった。まさに士大夫といったところか。

▼イ・ドンギュによるナムチャン歌曲「羽調言楽"ピョクサチャンイ(벽사창이)"」(歌詞)を聴く。自分の狼狽振りを(他者に)歌って聞かせるわけだから、その落差にユーモアが漂う気がして・・・。

最後に、「風流」の語釈から、風流音楽の起源が語られた。

▼ホン・ジョンジン(テグム)、ムン・ジェスク(カヤグム)、キム・ジョンス(チャング)によるキム・ジュクパ伝承、民間風流の中から「ケミョン、クルゲヤンチョン」を聴く。なんだか浮き浮きしてくる・・・垣根がとれると何事も楽しくなるものですね。

ところで、ソンビが登場(誕生)した時代、その概念が体系化(成立)した時代、あるいは彼らの日々生活の実態はどんなものだったのだろう。

2012年1月10日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 徐龍錫

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は新年最初の放送を、先週水曜日(1/4)に、人物シリーズ9回目として大笒(テグム)散調(サンジョ)の名人、徐龍錫(ソ・ヨンソク서용석、1940年2月7日~)を紹介した。

まず楽器の大笒(テグム、대금)の復習から始まった。
・竹で作られた横笛で、長さはおそよ1メートルほど。
・音色も、荒々しく、震えるような音を出すところが特徴。

▼徐龍錫による徐龍錫流*大笒散調の中から「チュンジュンモリ」を聴く。高音で軽やかに吹いているが、やっぱリズムの取り方が難しい。
(*)リズムを最初に設定した人の名前を付けて、「OOO流大笒散調」などと区分する、とのこと。

次のように徐龍錫のプロフィールが紹介された。
・1940年2月7日、全羅南道谷城(곡성)の国楽人の多い一家に生まれる。
・20代に演奏家として、女性国楽団、国劇団(金素姫김소희が中心に立ち上げ)などで活動。
・三人の息子達も演奏家として活動中。

▼徐ヨンホによる徐龍錫流牙筝(アジェン:아쟁)散調の中から「チニャンジョ」を聴く。どこかチェロに似た響きのする楽器で、深みがある。

▼徐龍錫のテピョンソの演奏でサムルとテピョンソ「シナウィ」を聴く。やっぱりアジア的な響きがして、辰年にちなんでいえば中国の龍踊りの賑やかさを思い出すけれど・・・。

2012年12月4日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金大禮

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/28)に、人物シリーズ56回目として、亡くなった人の魂を讃える珍島シッキムグッ(씻김굿)をとりおこなう巫堂(ムーダン、무당:"シャーマン")である、芸能保有者の金大禮(キム・デレ、김대례、1935年~2011年)を紹介した。

(本ブログ関連:"シッキムグッ")

まず、珍島シッキムグッの説明(復習)から始まった。
・珍島シッキムグッの「シッキム」は「洗い流す」の意を持ち、亡くなった人の怨恨をきれいに拭い去り、明るく安らかな気持ちで冥土に旅立てるように祈りながら行う「クッ」(グッ、굿:お祓い、祭儀)である。
・近年、各地方の様々な民間信仰やクッは<迷信>と虐げられ、その伝承が危ぶまれる時期があったが、珍島地方では今も、巫俗*音楽の伝統がしっかり守られ、家族に不幸があるとシッキムグッを行うことが多い。このようなグッを行う巫堂は、生涯、人々のために祈りを捧げる。神を喜ばせ、成仏できない魂を慰める歌や踊りを、長期に渡る厳しい修練の中で学ぶ。
(*)巫俗:巫女(みこ、ふじょ)の巫(ふ)と、俗世の俗の字を当てたシャーマニズム、または民間信仰を指す。

▼金大禮ほかによる「珍島シッキムグッ」の中から「招魂シッキムグッ(혼맞이 씻김굿)」を聴く。以前、番組で「巫俗音楽」紹介があったときのものか。招魂の願いが、次々沸き起こるように聞こえてくる。

・巫堂は、大きく次の二つに分類できる。
① 神が体に降臨し、特別なお祓いを受け巫堂となる降神巫(カンシンム、강신무)で、韓半島中部より北の地方に多い。
② 代々、家業として巫俗を司っている、世襲巫(セスプム、세습무)で、南部地方に多い。
珍島地方では世襲巫が多く、各村ごとに、その地域を担当する巫堂がいて、日常的に村の人々のためにグッを行い、その代わりに、麦や穀物などを謝礼として受け取るという関係にあった。

次のように金大禮のプロフィールが紹介された。
・1935年 羅南道珍島に生まれる。母親は、実家が巫俗(무속)を司った家系で、テグム・サンジョの創始者として名高いパク・ジョンギ名人の三女である。この地域で有名な巫堂だった影響もあり、歌や踊りを真似しながら遊んだという。
・11歳 普通学校2年のとき中退。巫堂の道に進み、母方のおばからグッの伝授を受ける。
・17歳 結婚。嫁ぎ先も巫俗家系のため、一生涯をかけてグッに従事することになる。

▼金大禮ほかによる「珍島喪輿歌(チンドサンヨソリ、진도상여소리)」を聴く。なぜか映画のように、白い喪服の人々が続く画面が想像される。

・1980年 珍島シッキムグッで重要無形文化財、第72号として認定される。
・2011年3月 没する。

▼金大禮による舞踊音楽「サルプリ(살풀이)を歌ったクウム(口音、구음)を、厄払いの宗教学的理解はないが、Youtube映像と合わせて聴く。巫俗音楽は、演じられる場面こそ相応しいに違いない。
(Youtubeに登録のehyundamに感謝)

2011年11月1日火曜日

オギヨディオラ

風も止んだし、雨も上がったから、さあ漕ぎ出るよ、「お~いこ~ら、ど~れ~」の掛け声で。
イ・サンウン(Lee-tzsche)の「オギヨディオラ(어기여디어라)」(歌詞)は、何度聴いてもいいな。Youtubeに、伝統楽器と協演しているものがある。彼女の独特な歌声に、横笛のテグム(대금:大笒)の柔らかい音色と、太鼓のチャング(장구:杖鼓)の揺ったりとしたリズムが加わり調和する。東洋的海原の広がりと潮風、波の揺れまで想像できるようだ。

ところで、イ・ソンヒの2集アルバム所収の「秋の風(갈바람)」も、漁師言葉で秋=西の風を意味すると聞いたことがある。
途絶の海にも、陶磁器の道も走ったし、実際ひとびとは行き交ったわけで、歌の世界ならでは一層心情を共有することができる。

(Youtubeに登録のjaysbar4uに感謝)

(本ブログ関連:"イ・サンウン"、"5大歌姫"、"1986~2009韓国女性歌手の好感度"、"オギヨディオラ")

2016年8月17日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 山雲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/10)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、東屋や蝉に関連した3曲を紹介した。

始めに、学者ソンビが風流を楽しんだ、潭陽(담양)にある東屋「息影亭(식영정)」について次のように紹介された。
・暑い日が続く。そんな日に、景色の良い東屋で涼み、横笛のテグムの音色を楽しみたい。聴くうちに眠りに誘われれば最高だろう。南の全羅南道潭陽には、学者ソンビが風流を楽しんだ著名な東屋が多く、その中に雲が休んでいく東屋の意の「息影亭」がある。星山(성산)の麓に建つ小さな東屋だ。光州湖の向かいに見える無等山は絶景。その周りを囲む杉、竹林、夏には華やかに咲く百日紅の花も美しい。

▼ 息影亭の景色を描く 「山雲(산운)」(作曲 黄秉冀(황병기)、1936年~)を聴く。風に流れる雲を今様に描写する。

次に、上記の曲「山雲」の元になった、歌辞作品が「星山別曲(성산별곡)」について次のように紹介された。
・朝鮮中期のソンビ、金成遠(김성원)が建てた息影亭に、歌辞(가사)文学、詩歌の大家の正哲(정철)がよく訪ねて風流を楽しんだ。その景色を表した歌辞作品が「星山別曲」だ。<夜間に降った雨のおかげで蓮の花が咲くと、山中が香りで満たされた>という内容の詞から始まる。先に聞いた「山雲」は、この「星山別曲」の山の景色を表現した曲だ。息影亭を建てた金成遠は、亭の名を影に例えた。影は原形を追いかけるように、人も自然の法則に従う、だから喜ぶことも、悲しみ怒ることもない。世に拘束されぬソンビの自由な様子が垣間見られる。

▼ 蝉の方言を使った「メアミ(매아미)」という蝉の歌を聴く。蝉のざわめきが返って辛さを薄めるというのか?

・この「メアミ」の曲には、山菜や粗酒が登場する。富裕層が普段食べる油っこい食物や良酒ではなく、山菜と味の劣る酒だ。民と同じく、名の知れぬソンビの普通の生活だ。美味くないと不満を抱くこともなく、素朴でも食べられることへの感謝。この曲は、素朴な暮らしを称える歌であり、人生の辛さを歌うものでもある。

最後に、北方地域の蝉の方言を使った「サルム打令(싸름타령)」について次のように紹介された。
・北の地域の民謡 「サルム打令」にも蝉が登場する。上記の蝉の歌とは全く違って、自分を去っていった恋人を想う、ある悲しい女性の心が込められた愛しい歌だ。

▼ 北方地域の蝉の方言を使った「サルム打令」の歌を聴く。蝉の声、鳴き声が人に泣くことを誘うのだろうか?

2014年5月20日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 瀟湘八景

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第56回として、八つの景勝地、「瀟湘(しょうしょう)八景(소상 팔경)」にまつわる話を紹介した。

まず、パンソリ「沈清歌(심청가)」中の歌「泛彼中流(범피중류)」について、次のようにな解説から始まった。
・物語を歌い語るパンソリは、口承文芸のひとつで、12作品のうち、今伝わる5つの中に「沈清歌」がある。沈清歌の中でも「泛彼中流」の歌は、美しい景色をのんびりとしたリズムで歌う。泛彼中流は、舟が海の中を突き進む意だが、波中を行く舟の様子や島の近くでカモメが飛び交う景色など歌う。陽射しの心地よい、ある午後の平和な風景が目に浮かぶ。
・沈清歌は、父親の目を治す治療費のため舟に乗って売られていく、沈清の物語だ。この景色は二度と見ることができないと、彼女の目になんとも美しく映った。

▼ 「沈清歌」中の「泛彼中流」を聴く。茫々たる滄海に、蕩蕩たる波濤は逆巻く・・・漢詩の風景に漕ぎ出る。

・この泛彼中流の背景は、昔の詩人や画家がよく題材にした中国の洞庭湖の南、「瀟湘八景」と言われる、二つの流れが合流する大きな湖のあたり。この地名から、泛彼中流を瀟湘八景歌とも呼んだ。

次に、瀟湘八景の美しい景色を表す表現について、次のように紹介された。
・山あいの村にきれいな空気が漂う「山市(さんし)晴嵐」。夕陽に染まる漁村の「漁村夕照(せきしょう)」。また、遠く川の入り口から帆掛け船が入り来る「遠浦帰帆」。夜の瀟湘川に雨が降る「瀟湘夜雨」。さらに、洞庭湖に映った秋空の月を「洞庭秋月」と言い、哀愁を感じさせる言葉だ。
・ソウル近郊の京畿地域民謡「バンア打令(방아타령)」にも、瀟湘八景の一部を歌った歌詞がある。「バンア」は、穀物をつく器具などを指し、「バンア打令」は、もち米をつく音を真似て歌われたといわれる。

▼ 「バンア打令(방아타령)」を聴く。帆に風受け・・・どこか勇壮、足腰に力を入れて進む。自然に拍を打つ。

最後に、瀟湘の川辺に伝わる娥皇と女英(아왕、여영)の二人の悲伝について、次のような説明された。
・美しい場所には、悲伝が伝えられることも多い。その昔、堯王は舜を後継者に決めて、二人の娘(娥皇と女英)を嫁がせる。舜が王となり、歳月が流れたある日、南の地域を回って海岸沿いの蒼梧山で急に命を落とす。娥皇と女英はすぐに蒼梧山に向かうが思いのままにいかず、二人抱き合って泣いた場所が、瀟湘の川辺だ。結局二人は川に身を投げて舜王の後を追う。彼女たちが涙を拭いた手を川辺の竹やぶに振り払った、その涙が血涙となって竹の節についた。その後、この地域ではシミのある竹が生えるようになったという。

▼ 「横笛テグムの音(젓대 소리)」を聴く。古色に西洋の香りする・・・現代音楽風、今様である。

・この地域の竹を、瀟湘斑竹という。

2012年9月4日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 クリム(The林)

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/29)に、人物シリーズ43回目としてフュージョン国楽グループ・クリム(그림)を紹介した。

クリム誕生の紹介から始まった。
・1985年、音楽団体スルギドゥン(슬기둥)が初めて、大衆歌謡形式の国楽曲の発表を機に、2000年代に入り若い音楽家たちの手で本格的に<フュージョン国楽>という分野が確立され、その流れの中でクリムが誕生した。

▼クリムの演奏による「路戯(길놀이)」*を聴く。洋楽(器)と融合すると、固有の大地の響きより広い響きがしてくる・・・聞く耳、聞きたい耳、聞かせたい耳が集まる。
(*)むかし、本格的に演奏を始める前に、関心を集めるため演じたものと解説が加えられた。

クリムというグループの説明の続き。
・2001年1月 打楽器演奏家兼、作曲家のシン・チャンニョルの呼びかけで、国立国楽高校の同級生の、コムンゴのパク・チャンユン、カヤグムのチョン・ヘシム、ヘグムのキム・ジュリなどにより結成された。
・伝統的音楽だけに没頭してきた演奏家たちにとって、全く新しい世界だった。
・伝統音楽を教えてきた先生たちからは激しく叱責され、その存続が危ぶまれる時期もあった。紆余曲折を乗り越え、伝統的な国楽公演ホールではなく、若者たちの集まる空間を主な演奏場所とて育った・・・という。

▼クリムの演奏による「歌客(가객)」を聴く。西洋宗教音楽風に響かせて始まる。やがて中東のイメージがして・・・いろいろ試行錯誤の一つだろう。

クリムの名称(語義)について次のように解説された。
・グループ名クリムの正式表記は、英語冠詞「The」と漢字「林」を合成した「The林」で、「その林」を意味する。韓国語「その=ク(그)」と漢字「林=リム(림)」を合わせて「クリム」と呼んでいる。
・伝統音楽の<林>の中で、若者たちの感性に合った音楽を生み出し、そこから新しい<林>を作り出す若い演奏家たちをイメージした名前・・・とのこと。

▼クリムの演奏による「Cool Running」を聴く。若者に受け入れられる音楽、新しい音楽、として聞かせていただいた。

(補足)
・現在メンバーは、シン・チャンリョル(신창렬:作曲、パーカッション)、コ・ソクジン(고석진:作曲、ギター)、キム・ジュリ(김주리:ヘグム)、パク・ウジン(박우진:ベースギター)、シン・ヒョンジョン(신현정:作曲、ピアノ、シンセサイザー)、チョン・ヘシム(정혜심:カヤグム)、チョン·ジンウ(정진우:テグム、テピョンソ)が一緒に活動している。

2018年1月18日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」冬の景色

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/10)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「冬の景色」にまつわる話を紹介した。

始めに、冬季の「三寒四温(삼한사온)」について次のように紹介された。
・「三寒四温」の言葉がある。冬に寒い日が3日ほど続き、次に4日ほど温暖な日が続く、その繰り返しをいう。最近、気候変動で当たらないとはいえ、昔も必ずしも三寒四温でなかった。寒い日もあれば、温かい日もあるという、前向きな意だろう。昔、ソウルを横切る漢江が凍結して、氷上で遊んだり、洗濯物が凍ってしまほど厳しかった。それでも、冬が過ぎると春が来る希望があったため、寒さにも耐えられた。

▼ 「冬の朝の景色(겨울 아침의 정경)」の演奏を聴く。雪原に朝霧が立つよう、今様である。

次に、貧家の娘が、金持ちの子の世話をする「子守娘(아이보개)」(1977年作)の曲について次のように紹介された。
・昔の冬の風景に、走りまわったり、鼻水を垂らしたり、汚れた手でビー玉を触る子どもたちの姿が浮かぶ。駒回し、凧揚げで遊ぶ子もいる。中には、新年のカレンダーで凧を作って叱られる子もいたろう。そんな様子を表した、子守りを指す「子守娘」の曲がある。子どもの日常を披露する舞踊曲だ。「凧」や「行進」など四楽章で構成される。

▼ <素直な子供たちの表情が浮ぶ>、カヤグムとテグム演奏で「子守娘」を聴く。凧、行進、羽根蹴りして家に帰る。

最後に、冬の南部地域に咲く椿の美しさと、その効用について次のように紹介された。
・冬に草木は冬仕度するが、中に忙しい植物がある。冬に花を咲かす椿だ。南部地域では、真冬にも椿が咲き、その景色はとても美しい。赤い椿に白い雪が積もる様から、白雪姫が思い浮かぶ。花が散るとき、花弁はパラパラ降るのでなく、房ごと落ちる。
また、椿は様々な使い道がある。椿油は、悪いコレストロールを抑制する効用があり、肌に良いとされる。昔の女性は、髪型を整えるとき、椿油を使った。恋人に会う前に、髪の手入れをする可憐な姿が想像される。

▼ 南道地域の民謡 「椿打令(동백타령)」の歌を聴く。海を眺める処、椿採りも穏やかに。