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2014年5月20日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 瀟湘八景

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第56回として、八つの景勝地、「瀟湘(しょうしょう)八景(소상 팔경)」にまつわる話を紹介した。

まず、パンソリ「沈清歌(심청가)」中の歌「泛彼中流(범피중류)」について、次のようにな解説から始まった。
・物語を歌い語るパンソリは、口承文芸のひとつで、12作品のうち、今伝わる5つの中に「沈清歌」がある。沈清歌の中でも「泛彼中流」の歌は、美しい景色をのんびりとしたリズムで歌う。泛彼中流は、舟が海の中を突き進む意だが、波中を行く舟の様子や島の近くでカモメが飛び交う景色など歌う。陽射しの心地よい、ある午後の平和な風景が目に浮かぶ。
・沈清歌は、父親の目を治す治療費のため舟に乗って売られていく、沈清の物語だ。この景色は二度と見ることができないと、彼女の目になんとも美しく映った。

▼ 「沈清歌」中の「泛彼中流」を聴く。茫々たる滄海に、蕩蕩たる波濤は逆巻く・・・漢詩の風景に漕ぎ出る。

・この泛彼中流の背景は、昔の詩人や画家がよく題材にした中国の洞庭湖の南、「瀟湘八景」と言われる、二つの流れが合流する大きな湖のあたり。この地名から、泛彼中流を瀟湘八景歌とも呼んだ。

次に、瀟湘八景の美しい景色を表す表現について、次のように紹介された。
・山あいの村にきれいな空気が漂う「山市(さんし)晴嵐」。夕陽に染まる漁村の「漁村夕照(せきしょう)」。また、遠く川の入り口から帆掛け船が入り来る「遠浦帰帆」。夜の瀟湘川に雨が降る「瀟湘夜雨」。さらに、洞庭湖に映った秋空の月を「洞庭秋月」と言い、哀愁を感じさせる言葉だ。
・ソウル近郊の京畿地域民謡「バンア打令(방아타령)」にも、瀟湘八景の一部を歌った歌詞がある。「バンア」は、穀物をつく器具などを指し、「バンア打令」は、もち米をつく音を真似て歌われたといわれる。

▼ 「バンア打令(방아타령)」を聴く。帆に風受け・・・どこか勇壮、足腰に力を入れて進む。自然に拍を打つ。

最後に、瀟湘の川辺に伝わる娥皇と女英(아왕、여영)の二人の悲伝について、次のような説明された。
・美しい場所には、悲伝が伝えられることも多い。その昔、堯王は舜を後継者に決めて、二人の娘(娥皇と女英)を嫁がせる。舜が王となり、歳月が流れたある日、南の地域を回って海岸沿いの蒼梧山で急に命を落とす。娥皇と女英はすぐに蒼梧山に向かうが思いのままにいかず、二人抱き合って泣いた場所が、瀟湘の川辺だ。結局二人は川に身を投げて舜王の後を追う。彼女たちが涙を拭いた手を川辺の竹やぶに振り払った、その涙が血涙となって竹の節についた。その後、この地域ではシミのある竹が生えるようになったという。

▼ 「横笛テグムの音(젓대 소리)」を聴く。古色に西洋の香りする・・・現代音楽風、今様である。

・この地域の竹を、瀟湘斑竹という。