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2012年10月15日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 チョン・スニョン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/10)に、人物シリーズ49回目として、中国の二胡に似た、二弦の擦弦楽器の奚琴(해금:ヘグム)奏者、チョン・スニョン(정수년)を紹介した。 

まずヘグムの紹介から始まった。
・昔、楽器を二種に大別し、弦楽器を「糸」、管楽器を「竹」と表現した。弦楽器中心の小規模室内楽を「ジュル(弦)風流(줄풍류)」、管楽器中心の場合は管楽器材料の竹(テナム、대나무)のテをとって「テ風流(대풍류)」と呼んだ。
・ヘグムは「ジュル風流」・「テ風流」共に使用されたが、ヘグムを糸でも竹でもない(弦楽器・管楽器のどちらにも属さぬ楽器)の意「非糸非竹(비사비죽)」と呼ばれた。
伝統的な弦楽器は、カヤグム(伽耶琴、가야금)」やコムンゴ(거문고)のように、爪弾いたり撥(スルテ)で音を出すものが中心だったため、弓で弦を擦(こす)るヘグムは弦楽器とみなされなかった。しかも竹製であるが、息を吹き込み音を出す管楽器でもないという訳だ。
・両方の楽器と共に演奏可能なヘグムについて、若干否定的な見方をされて来たが、現代では多くの人々に注目されている。

▼チョン・スニョンによる「その夜から明け方が来るまで(그 저녁무렵부터 새벽이 오기까지)」を聴く。ゆったりとした空気と時間が流れていく、そんな異国趣味?の漂う・・・どこまでも感傷的な美しい曲だ。



(チョ・へリョン演奏による:Youtubeに登録のSuperTheseusに感謝)

(ヘグム紹介の続き)
・この「その夜から明け方が来るまで」は、国楽室内楽団スルギドゥンのアルバムに収録された。雪が降り積もったソラク山で夜を過ごし、明け方を迎える、その美しい情景を曲の中に描いた。元々、舞踊曲だったが、その後テレビドラマの挿入歌がきっかけで話題となり、一般にヘグムが認識されるようになった。
・チョン・スニョンは、スルギドゥンで「その夜から明け方が来るまで」のヘグム演奏を担当した。
この後、ソロアルバム「공(空)」を発表。当時、国楽家たちにヘグムに対する偏見と、独奏楽器にすることへ抵抗感が少なくなかった。彼女の奏でる音色はそれまでの荒く騒がしいヘグムのイメージと違い、すっきりと落ち着いていて人々の心を揺るがす不思議な力があった。

▼チョン・スニョンによる「この世で美しいものたち(세상에서 아름다운 것들)」を聴く。新国楽というカテゴリーがあれば、その名がふさわしいだろう・・・古い皮に入った葡萄酒の香りは妖しい気がする。

・アルバム「공(空)」は、多くのヘグム奏者に影響を与え、そのことで彼女は「国楽界にヘグム革命」をもたらしたと評価されたそうだ。

次のようにチョン・スニョンのプロフィールが紹介された。
・1964年 忠清北道永同に生まれる。(イ・ソンヒと同年代)
・中学時代からヘグムを学ぶ。国立国楽高等学校、ソウル大学に進学。大学卒業後、KBS国楽管弦楽団で活動し、現在は、韓国芸術総合学校伝統芸術院で教授を務め、夫のポ・ソンジェ(パンソリ一家に生まれた国楽家)と共に国楽の伝承と普及に尽力している。

▼チョン・スニョン他による民謡「晋州遊戯(チンジュユヒ、진주유희)」をアレンジした曲を聴く。のびやかな陽射しを受けて、軽やかに歩を進む・・・そんなゆったりした気分にさせる。


(感想)
国楽人口が、大学でも多数養成されれば、かれらの行き場は拡大する。革命とか新天地(フュージョン、コラボ)が登場するかもしれないが、それも国楽のカテゴリーなのだろうか・・・もっと自由のような気がするが。

2012年12月11日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 姜垠一

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/5)に、人物シリーズ57回目として、ヘグム(奚*琴:けいきん、해금)のフュージョン奏者である姜垠一(カン・ウニル、강은일)(1967年~)を紹介した。

(*)Wikipediaによれば、「中国東北部のシラムレン川の谷に住んでいたモンゴルまたは契丹に近い民族である奚(けい)によって作り出されたとされる。」(Ko-Wikipediaも同様)

(本ブログ関連:"ヘグム")

まず、ヘグムの復習から始まった。
・ヘグムは、バイオリンやチェロといった、弓(または棒など)で弦を擦って音を出す擦弦楽器の一つで、もともと中国北方の遊牧民の楽器といわれる。楽器「二胡」とよく似た形状で、馬にまたがって演奏できるよう小さく、奏法も比較的単純である。左手で弦の持つ位置や引っ張る力を調整して、音程を自由に変え、様々な音楽を演奏する。その利点から最近は、フュージョン国楽にもよく使われる。

▼姜垠一のヘグムによる「未来の記憶」の中から「サーカス(서커스)」を聴く。これもフュージョンか。キーワードに「ワールドミュージック」があるそうだが・・・。

次のように姜垠一のプロフィールが紹介された。・・・ちなみにイ・ソンヒ(1964年生まれ)と同世代である。
・1967年 ソウルに生まれる。
・国立国楽高等学校で本格的にヘグムを学ぶ。4年全額奨学生として漢陽大学に入学してヘグムを専攻。同卒業後。KBS国楽管弦楽団に参加するも、京畿道立国楽団の新設に合せ移籍して主席団員として活躍。間もなくしてソロ演奏家の道に進む。

(参考)ブログ「ヘグム勉強部屋(해금 공부방)」

▼姜垠一のヘグムによる「リベルタンゴ&白鶴(Libertango&백학)」を聴く。テレビCMで聞いたYo-YoMaの演奏を思い出す。

・最近、高校時代の同級生(コムンゴ奏者:ホ・ユンジョン、打楽器と鉄弦琴(チョルヒョングム、철현금)奏者:ユ・ギョンファ)と共に、現代音楽トリオ「サンサン」を結成し演奏活動を続けている。

▼姜垠一のヘグムによる「ヘイヤ(헤이야)」を聴く。これはこれでジャンルだと思うよ。

2011年5月18日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 ヘグム

今日のKBS WORLD「国楽の世界へ」では、中国の二胡(中央アジアを起源(馬頭琴と同種?))に似た、二弦の擦弦楽器、奚琴(해금:ヘグム)が紹介された。
(なお、KBS WORLDの同紹介ページタイトル「国楽の世界へ」右側にある、スピーカーアイコンをクリックすると放送内容を聞くことができる)
楽器、奏法、逸話などの解説は、KBS WORLDの紹介ページに詳述されているので、放送で聴いた楽器の音色などについて感じたことを素人なりに記す。

▼チョン・スニョンによる現代曲「その夕方頃から夜が明けるまで」を聴く:甘く切ない演奏に・・・

・二弦の擦弦楽器ながら、奏法により、多様な音色を奏でることができる。
▼カン・ウンイルによる現代版編曲「ヘイヤ」を聴く:ウェスタンのフィドルを思わせるような音色とテンポに・・・

・ヘグムが高くてはっきりとした音を出すのに比べて、二胡はより低く、やわらかい音色を持つのが特徴とのこと。
▼二胡の演奏、キム・セヨンによる現代曲(童謡)「故郷の春」を聴く:今日は現代風演奏ばかりで・・・

・ヘグムは、糸でもなく竹でもないという意味の「非糸非竹(비사비죽)」とも言われている。糸は弦楽器を表し、竹は管楽器を表し、このどちらにも属さない楽器という意味。(同じ弦楽器でありながら)弦をこすって連続的に音を出す奚琴(ヘグム)は、伽耶琴(カヤグム)や玄琴(コムンゴ)のように爪弾いて音を出す弦楽器とは、弾き方の点で大きな違いがあるため・・・とのこと。

(雑感)
二弦の擦弦楽器といえば、胡弓を奏で、夜の街を哀調を帯びながら過ぎ行く、富山市八尾町の「おわら風の盆(越中おわら節)」の音を思い出す。ただし越中おわら節に胡弓が導入されたのは最近のことらしい。

(Youtubeに登録のa207445に感謝)

2018年5月30日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 楽器ヘグムと国楽室内楽団スルギドゥン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/23)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、擦弦楽器「ヘグム(奚琴、해금)」と国楽室内楽団「スルギドゥン(슬기둥)」の話を紹介した。

始めに、擦弦楽器「奚琴(ヘグム)」の特徴と、親しまれるきっかけとなった曲「その夜から明け方が来るまで(그 저녁 무렵부터 새벽이 오기까지)」について次のように紹介された。
・弓で二弦を擦って奏する擦弦楽器「奚琴(ヘグム)」は、最近、音色が楽しまれるようになった。昔はそれほどでなく、弦を弾いて音を出す撥弦楽器「カヤグム(伽耶琴、가야금)」や「コムンゴ(玄琴、거문고)」の方が人気だった。奚琴は、主に笛と演奏することが多く、特定の楽器扱いされなかった。奚琴は、指で弦を引く圧で音程をとるため、どんな曲も演奏できる長所があるが、小さく軽い構造のため、物乞いが演奏することも多く、物乞いの奚琴ともいわれた。そんな奚琴が親しまれるようになった曲に「その夜から明け方が来るまで」がある。冬の日、雪で覆われた山で夜を過ごし、太陽が昇る早朝を迎えたときの感動を表わしたもので、テレビドラマの音楽で知られる。

▼ <奚琴の趣きを世に知らせるきっかけになった>「その夜から明け方が来るまで」を聴く。何度聴いても心地よい、今様に。

次に、国楽の室内楽団「スルギドゥン」(指使いの名称由来か)について次のように紹介された。
・「その夜から明け方が来るまで」は、1997年、国楽の演奏団「スルギドゥン」のレコードにもある。スルギドゥンは、もともとは青少年の公開放送のためにできたチームだった。20代のミュージシャンが集まり、若者向けに音楽を披露し人気を博し、いろいろな音楽を作った。

▼ 「花の香り(꽃분네야)」と「塩売り(소금장수)」を聴く。東洋的に優しく、楽しく今様に。

最後に、伝統音楽普及に活躍した「テグム(大笒:대금)」奏者・作曲家キム・ヨンドンについて次のように紹介された。
・1980年代後半から90年代初、演奏団の「スルギドゥン」は、多くの国楽をドラマや映画音楽に作り、人々に親しまれた。奚琴の魅力再発見のため、今の時代に合わせる努力をした。当時、スルギドゥンと共に、活躍した作曲家キム・ヨンドンがいる。彼は元々、横笛「テグム」奏者だった。スルギドゥンと共に伝統音楽普及に活躍し、同グループの一員と記憶されることもある。

▼ キム・ヨンドン作曲の親しみやすい国楽曲「小舟(조각배)」を、イ・ソンヒの歌で聴く。(彼女の8集に収録です)

(音量にご注意!・・・音質には歪があるけれど)

(Youtubeに登録のlys2187に感謝)

2012年4月2日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 コッピョル

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/28)に、人物シリーズ21回目として「ヘグム(奚琴、해금)の演奏家のコッピョル((李)花星(이)꽃별・Ccotbyel、1980年~)を紹介した。

まず、へグムの復習から始まった。
・ヘグムは、弓で弦をこすって音を出す擦弦楽器で、大きめの小槌(こずち)を逆さに持つような形で、中国の二胡と似ている。
・絹糸をより合わせた二本の弦の内側に、馬の尾の毛で作った弓を挟み入れて、弦とこすり合わせて音を出す。弦を持つ位置や、引っ張る力の強さによって音程が変わる。

▼コッピョルの演奏による「コリアンビター(Korean Bitter)」を聴く。今風の響きはとても親和力がある・・・ただし、どうしても西洋楽器のように対象化してしまうよ。(cf.DaumのTVポッド版)

次のようにコッピョルのプロフィールが紹介された。
・1980年8月23日 ソウルに生まれる。
・国立国楽中学・高校、韓国芸術総合学校、伝統芸術院でヘグムを学ぶ。
・2001年 大学2年生のとき日本巡回公演に参加、その後日本で正式に音楽活動を始める。

▼コッピョルの演奏による「Small flowers Near by the railroad」を聴く。現代曲演奏として、同心円が広がっていくようです。確かに心地よいのですが・・・。

▼コッピョルの演奏による「トラジ(桔梗、도라지)」を聴く。現代風でも、これは良いね。楽器がのびやかに歌っていますよ。

(付記)
演奏家コッピョル(花星)の名は、ロマンチックだ。それも本名(李花星)のようだ。親の愛が感じられる。国楽ということもあって、アーティストの名前に漢字名をさがしたが、花星もよいが「コッピョル」の響きもよい。

(付記)
韓国ジャズ歌手の珠玉、ウンサン(웅산)との協演がYoutube(「Yesterday」)にあります。追憶にひたりながらも、どこか凛とした東洋的な強い女性像が浮かびます。
(Youtubeに登録のjinurockに感謝)

2015年2月11日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」立春3曲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/4)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第91回として、立春(입춘)(2/4)にまつわる3曲の話を紹介した。

(本ブログ関連:”立春”)

始めに、太陰暦とそれを補正する二十四節気が使われたことと、立春について次のように紹介された。
・昔、月齢に基づいた旧暦(太陰暦)を使った。農業では、太陽の動きが重要だったため節気が考えられ、1年を太陽の動きに合わせて24等分に分類(二十四節気)した。節気の始まりが、まさに立春である。立春は太陽暦の2月4日辺りになる。ちなみに旧正月は、昨年の1月31日、今年は2月19日となり、立春(2/4)がその間に二度あることになる。韓国では、こういった年に結婚をすると縁起が良いといわれた。

▼ 横笛ソグム(小笒)・テグム(大笒)、弦楽器ヘグム(奚琴)とギターによる演奏「風が伝える言葉(바람이 전하는 말)」を聴く。素朴ながら憂いを含んだ春風、どこか高原の響きして、今様である。

次に、立春を祝う行事「春聯(れん)」について次のように紹介された。
・立春に健康と幸せを祈って、漢字で「立春大吉(입춘대길)」と書いて貼り紙する風習がある。または、喜ばしいことを祈願して「建陽多慶(건양다경)」を書く。普通は短く書くが、昔の記録に長く書くものもあった。日記を書くように、「今は貧しくても、まだ若い上に両親も健康だから、暖かい春になると喜ばしい兆しもあるだろう」といった内容もある。

▼ 弦楽器ヘグムに似た中国弦楽器二胡(アルフ)による演奏「故郷の春(고향의 봄)」を聴く。春のぬくもりにまどろみつつ浮き浮きしたアレンジで、今様である。

・二胡は二弦からなり、弦の間に弓を入れて音を出す。二胡はバイオリンのように柔らかい音を出す反面、ヘグムは鋭い音色が特徴。

最後に、季節の始まりが春、節気の始まりが立春であと次のように説明された。
・東洋では春を、宇宙の気運が下から上に湧き出る季節とする。ゆえに植物も育つ。また四季を人生に例えると、春が子どもの頃に当たるというのもそのためだ。春は気運が湧き出る季節、始まりの季節であり、立春は節気の始まりである。

▼ 若芽が弾ける様子を演奏した歌と演奏「春(봄)」を聴く。春を南国の陽気さで歌う、今様である。


※ 今回は、国楽をひと休憩したのかな・・・春は陽気に!といった感じの回だった。

2018年1月24日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」玄琴(コムンゴ)、奚琴(ヘグム)

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/17)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、撥弦楽器「玄琴(コムンゴ、거문고)」、擦弦楽器「奚琴(ヘグム:해금)」にまつわる話を紹介した。

始めに、高句麗の官吏「王山岳(왕산악)」と「黒鶴(검은학)」による「玄琴」の起源について次のように紹介された。
・高句麗の官吏「王山岳」が「玄琴」を初めて作ったといわれる。当時、中国から来た七弦琴を、楽器だが演奏法を知らなかった。王山岳がそれを改造して玄琴を作ったという。彼が作った曲を演奏すると、黒い鶴が飛来して踊った。黒い鶴を「黒鶴(검은학)」ということから、玄琴(거문고)が名付けられた。黒は、死や悪を象徴する否定的イメージがある反面、権力を意味し、また、鶴は縁起良い鳥と言われたことから、玄琴に音楽を楽しむだけでなく、神秘的力を持つ意があった。

▼ 玄琴演奏で、<王の長寿を祝う曲>「寿延長之曲(수연장지곡)」を聴く。鶴が自然なまま舞い続けるよう。

次に、朝鮮時代後期のソンビ「吳熙常(오희상)」(1763~1833)の、玄琴演奏の原則について次のように紹介された。
・王山岳が玄琴を作って以来、学者ソンビのものとして、読書に飽きたとき、来訪の友と風流を楽しむとき演奏した。朝鮮時代後期のソンビ「吳熙常」は、次の五つの状況では玄琴を演奏しないと記した(五不彈)。第一、風が強く雨多く降るとき。第二、野卑な人前。第三、市場の道端。第四、座姿が適切でないとき。第五、服をきちんと整わぬとき。大げさかも知れぬが、ソンビの姿勢といえる。中国古楽器に「古琴」がある。形や奏法は玄琴と全く違うが、修養のため演奏したという点で似ている。

▼ 「古琴」演奏と歌で <恋人との別離の悲しみを、木も岩もない山中で、鷹に追われる雉(きじ)に例えた> 韓国曲「男唱歌曲、編楽(남창가곡 편락)」を聴く。風雅な響きして・・・。

最後に、中国の擦弦楽器「胡弓」に似た「奚琴」について次のように紹介された。
・玄琴は、楽器本体にくっつけた木の上に六弦を乗せ、指で押さえながら音を出す。古琴は七弦で、本体に印をつけて弦を抑える場所を分かるようにしている。昔のソンビの記録に、琴がよく登場するが、玄琴でなく中国の古琴を指すことが多い。他に、韓国でよく演奏する中国楽器に、擦弦楽器「胡弓」があり、韓国の「奚琴」に似て親しまれている。

▼ 奚琴の演奏で、「密陽アリラン(밀양아리랑)」を聴く。こちらは、思いっきり今様で・・・。

2012年9月4日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 クリム(The林)

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/29)に、人物シリーズ43回目としてフュージョン国楽グループ・クリム(그림)を紹介した。

クリム誕生の紹介から始まった。
・1985年、音楽団体スルギドゥン(슬기둥)が初めて、大衆歌謡形式の国楽曲の発表を機に、2000年代に入り若い音楽家たちの手で本格的に<フュージョン国楽>という分野が確立され、その流れの中でクリムが誕生した。

▼クリムの演奏による「路戯(길놀이)」*を聴く。洋楽(器)と融合すると、固有の大地の響きより広い響きがしてくる・・・聞く耳、聞きたい耳、聞かせたい耳が集まる。
(*)むかし、本格的に演奏を始める前に、関心を集めるため演じたものと解説が加えられた。

クリムというグループの説明の続き。
・2001年1月 打楽器演奏家兼、作曲家のシン・チャンニョルの呼びかけで、国立国楽高校の同級生の、コムンゴのパク・チャンユン、カヤグムのチョン・ヘシム、ヘグムのキム・ジュリなどにより結成された。
・伝統的音楽だけに没頭してきた演奏家たちにとって、全く新しい世界だった。
・伝統音楽を教えてきた先生たちからは激しく叱責され、その存続が危ぶまれる時期もあった。紆余曲折を乗り越え、伝統的な国楽公演ホールではなく、若者たちの集まる空間を主な演奏場所とて育った・・・という。

▼クリムの演奏による「歌客(가객)」を聴く。西洋宗教音楽風に響かせて始まる。やがて中東のイメージがして・・・いろいろ試行錯誤の一つだろう。

クリムの名称(語義)について次のように解説された。
・グループ名クリムの正式表記は、英語冠詞「The」と漢字「林」を合成した「The林」で、「その林」を意味する。韓国語「その=ク(그)」と漢字「林=リム(림)」を合わせて「クリム」と呼んでいる。
・伝統音楽の<林>の中で、若者たちの感性に合った音楽を生み出し、そこから新しい<林>を作り出す若い演奏家たちをイメージした名前・・・とのこと。

▼クリムの演奏による「Cool Running」を聴く。若者に受け入れられる音楽、新しい音楽、として聞かせていただいた。

(補足)
・現在メンバーは、シン・チャンリョル(신창렬:作曲、パーカッション)、コ・ソクジン(고석진:作曲、ギター)、キム・ジュリ(김주리:ヘグム)、パク・ウジン(박우진:ベースギター)、シン・ヒョンジョン(신현정:作曲、ピアノ、シンセサイザー)、チョン・ヘシム(정혜심:カヤグム)、チョン·ジンウ(정진우:テグム、テピョンソ)が一緒に活動している。

2017年3月15日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 つつじの花

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/8)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「つつじの花(진달래꽃)」に関連した曲を紹介した。

始めに、詩人金素月(김소월、1902年~1934年)の「つつじの花」の詩について次のように紹介された。
・詩にさほど興味がなくても、だれもが知る作品がある。金素月の詩「つつじの花」もそうだ。韓国人が好きな詩のトップを争うこの詩を、始めから終わりまで謳える人も多い。「私が嫌いになって/去って行かれるなら/何も言わずに行かせて差し上げます」に始まり、後半を「つつじの花を//その道筋にまき散らし//自分は絶対涙など見せない」と語る、易しい表現の短詩だが心に響く。多くの作曲家が、この詩に曲を付けている。

▼ 「つつじの花」の歌を聴く。金素月の詩を、古い西の彼方の民謡のように素朴に歌う。

次に、金素月の「つつじの花」の詩を収めた、唯一の詩集「つつじの花」について次のように紹介された。
・金素月の唯一の詩集「つつじの花」に載る「つつじの花」の詩は、高麗の歌謡曲「帰乎曲(가시리)」、および「アリラン」と共に代表的な別れの歌だ。1922年発表の「つつじの花」の詩は、3年後発行の詩集で一部表現が変わる。詩中、「寧邊に薬山/つつじの花」とある「寧邊」は、北部の平安道の地名で、「薬山」は同地の山名だ。薬草が多く、体に良い水が湧くことで薬山と呼ばれる。山が険しく、「平安道で外敵を防御できるところはここしかない」という記録もある。その景色は美しく、春には赤いつつじが薬山を覆い、燃えているような壮観さという。

▼寧邊の歌「寧邊歌(영변가)」を聴く。薬山東台の美しい景色と人生の無常を・・・賑やかに歌っている。

最後に、「寧邊の薬山」の意と、金素月の詩集「つつじの花」初版本の文化財登録について次のように紹介された。
・「寧邊歌」は、1節が「寧邊の薬山」と始まるため「寧邊歌」と名付けられた。薬山のつつじの花を知る人なら、その一区切りだけで風流と別れの歌と気付くはず。それを現代風にしたのが詩人金素月だ。彼の詩集「つつじの花」は、1925年の初版が4点が現存し、文化財に登録されている。美しいだけでなく、子供たちのおやつ(花煎、화전)になる花でもある。

▼  擦弦楽器ヘグム演奏による「つつじ」を聴く。ヘグムはビオラに似て深く掴み入るよう・・・今様に。

2011年7月10日日曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 長短(チャンダン)

水曜日(7/6)放送の、KBS WORLD「国楽の世界へ」では、前回説明した打楽器によるリズムをとる長短(チャンダン:장단)法について、さらに詳しく解説された。
(この番組のおかげで韓国の国楽を初めて体系的に聴くことができる。感謝。)

韓国の伝統音楽の分類(KoWiki)に、「正楽(정악)」と「民俗(音)楽(민속 음악)」があり、今回は「宮中やソンビたちの音楽、いわゆる<正楽>に使われている長短」の演奏技法、記譜法が紹介された。

<トドゥリ(還入:도드리)>
「正楽の中でも最も代表的なチャンダンがトドゥリです。トドゥリはチャンダンの名前でありながら、楽曲の名前にもなっている」とのこと。
▼正農樂會による「トドゥリ演奏」を聴く。宮中をイメージしながら聴くと、六拍子のリズム、旋律ともに軽快で、思った以上に華やかな感じる。

【杖鼓:チャング(장구)の奏法】
(奏法:叩き方)
チャンダンの場合は「左手は手のひらで直接叩き、右手は竹を薄く削って作ったチェ(채)という撥(ばち)を持って叩」く。
(→サムルノリの場合は、両手の撥で叩く。)

(声で表す奏法)
・両手で(杖鼓の)両面を同時に叩く場合:"トン"
・左手だけで打つ場合:”クン”
・右手に持ったチェを使って叩くとき:”トッ”
・(右手に持った)チェでちょっとした技巧を使って打つ場合:”キドッ”
・(右手に持った)チェを小刻みに揺さぶって打てば:”トロロロ”
・(右手に持ったチェを)点を打つように軽く当てる場合:”ト”
実際に、言葉だけによるものと、楽器(杖鼓)と一緒に言葉もまじえたものと両方紹介された!!
「トン」、(一拍休止)、「キドッ」、「クン」、「トロロロ」、「ト」
(なるほど、楽譜のように視覚で伝えるものと違って、言葉によるので口伝えしやすそうだ。ただし、上記の声で覚えて、合わせて、六拍子で自分の手を動かしてみると・・・難しい。)

(記譜法)
上記の声を、六拍子の升目に記号に変えて表示している。
(五線譜しか知らないが、和楽器でも同様な記譜法があるのだろうか・・・)

<タリョン(打令:타령)>
「(トドゥリ)よりもちょっとテンポのある曲には打令(タリョン)というチャンダンが使われます。タリョンもさきほどのトドゥリ同様に、チャンダンの名前でありながら、楽曲の名前でもある」とのこと。

「トン」、(二拍休止)、「キドッ」、(一拍休止)、「ト」、「クン」、(一拍休止)、「キドッ」、(二拍休止)
▼ミン・イシク(カヤグム)、チョン・スニョン(ヘグム)、パク・ヨンホ(テグム)による「靈山會相」の中からタリョンチャンダンを聴く。奚琴(ヘグム)の緩やかにのぼりさがりする音が印象的で、舞を伴うように気がしてくる。

(参考)Web上に、五線譜にして聴くことができるものがある。

<シジョ(時調:시조)>
「韓国の伝統詩を・・・音楽に合わせて、言葉を長く伸ばして歌う」とのこと。
▼羽調時調(우조시조)で、イ・ジュナによる「月正明(월정명)」を聴く。言葉を演奏する・・・やがて楽器と一体化する。
월정명 월정명커늘/배를 저어 추강(秋江)에 나니/・・・

(Youtubeに登録のddaengsunに感謝)

(歌うこと、演奏すること、そして舞うことなど自然なことだから、それらは次々発生し、派生する。音楽の分類は、演奏の楽器・奏法、歌の唱法・題材、そして成立時期・場所、継承などに細分化されるだろう。大きな分類を知ることで、理解が深まればよいのだが、・・・難しくなってきたよ。)


★★★★★ 孫が、人形劇を見た帰り、茹でたトウモロコシを両手で咥えている写真が届いた ★★★★★
★★★★★ 孫娘が、仰向けに寝たまま、可愛い瞳でカメラを見上げている写真が届いた ★★★★★

(孫たちにとって、ふくらまして使う家庭用ビニールプールの季節になった)
★★★★★ 孫と孫娘が、空プールに横になり、まるで浮いている様に見える写真が届いた ★★★★★
★★★★★ 孫が、空プールの中で、上手につづけて「でんぐり返し」する動画が届いた ★★★★★

2016年3月29日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 絵

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/23)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「絵」に関連した3曲を紹介した。

始めに、1866年、フランス艦隊の江華島占領(丙寅洋擾、병인양요)と当時の朝鮮文化について次のように紹介された。
・朝鮮時代末の大院君体制下、フランスの江華島侵攻(1866年)は、西欧による最初の侵入事件である。1ヵ月ほどで占領したフランス軍は、財宝などを略奪して撤退する。ときのフランスの将軍は、<貧しい家にも本があり、また、床暖房、寺院にかけられた肖像画、越冬用キムチ漬けの甕>など記録した。朝鮮文化を知り、3千冊にのぼる書籍も持ち帰ったという。

▼ パンソリ「春香歌(춘향가)」から春香の「部屋飾り(방치레)」を伽耶琴(カヤグム)演奏と歌で聴く。淡々と描写するよう。

次に、朝鮮時代に絵が広く好まれたことを、パンソリ「春香歌」(春香伝)や「歳画(세화)」を通じて、次のように紹介された。
・朝鮮時代、本に劣らず絵も好まれ、どの家にも絵が掛かった。パンソリ「春香歌」で、春香の部屋を飾る「部屋飾り」は、その様を詳しく描写する。南部にある全羅北道南原地域は、漢陽(現ソウル)から遠く離れた地だ。そこに引退した妓生の娘、春香は、四方の壁に数々の絵を飾った。
・昔、人々は正月に「歳画」を掛け、悪鬼払いした。虎や鷹の動物絵が多かった。学者ソンビは、詩を書いたり絵を描くことも基本的嗜みとした。有名な画家の逸話に、人々が彼らの絵を手に入れようとする物語がある。絵は日常生活の一部だった。

▼ 奚琴(ヘグム)の演奏「月下情人(월하정인)」を聴く。月明かりに照らされた二人の姿と心を今様に描く。

最後に、朝鮮後期の画家、申潤福(신윤복, 1758年~没年不詳)の絵「月下情人」などについて次のように紹介された。
・「月下情人」の絵は、朝鮮後期の画家、申潤福の代表作のひとつだ。月明りの下、ある家壁の角に、男女が立つ姿を描き、「月の光が照らす真夜中に、二人の心は二人だけが知っている」と残した。
     月沈沈夜三更
     両人心
     事両人知
後世の人々は、この言葉から二人の心がどうなのかを推し量った。申潤福や金弘道(김홍도、1745年~没年不詳)は、朝鮮時代の庶民生活を描いた風俗画で知られる。喜ぶ民を描いたからこそ、それら作品が後の世にも知られた。

▼ パンソリ「水宮歌(수궁가)」から「兎絵像のくだり(토끼 화상 대목)」を聴く。なんだかアニメ風な味わいがする・・・。

・亀は、兎を捕まえに陸地へ行く計画を立てるが、海の中で生きたため、兎を一度も見たことがない。そこで、絵師を呼び、兎の絵を描いてもらう、興味深い場面を歌った内容だ。

2009年9月26日土曜日

山寺音楽会:五台山月精寺

「NAVERニュース」掲載の「聯合ニュース(연합뉴스)」<文化便り>(9/25)によれば、五台山(오대산)月精寺(월정사)で開催される「五台山仏教文化祝典 第六回-生命の始原との出会い」(10月16~18日)の二日目に、歌手イ・ソンヒ、ヘグム奏者コッピョル(꽃별)などが出演する。
(YouTubeに登録のsonicscapeeに感謝)

2013年12月31日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 クリスマス

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/25)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第37回として、「クリスマス(크리스마스)」にまつわる話を紹介した。

まず、イエスの「5つのパンと2匹の魚」の奇跡の紹介から次のように始まった。(聖書に基づき改編)
・イエスを慕い従った人々に、夕暮れに与える食べ物が全くなく困った時、弟子はわずかに残ったパンを5つと魚を2匹差し出した。イエスはこれを裂いて5千を超える人々に与え満腹にした。このイエスの奇跡は、小さくとも、自ら所有するものを人々に喜んで差し出す行為に、尊い価値を知らせた。独占する心を、喜んで分け与える心に変えること、それがイエスの奇跡だった。

▼ パンソリ「イエス伝」中の「イエスが馬小屋で誕生する題目」を聴く。こんな・・・布教の巧みさを考える。

次に、韓国のキリスト教の広まりについて次のように解説された。
・1549年、ザビエルが日本にカトリックを布教した。文禄・慶長の役(1592年~1598年)の際、西洋のセスペデス(Sespedes)神父が、日本から朝鮮に入った記録があるが、戦乱中の宣教活動は限定的だった。1631年、中国へ朝貢の使節を通じて、カトリックが本格的に伝来した。カトリックはまず学問として西学(서학)の名で広まる。当初、友好的だったが、その後百年余りの間、迫害を受け数多くの殉教者も出したが、現在数多い信者がイエスの生き方とその教えに感化されることとなった。

▼ 「ホワイトクリスマス」を聴く。伽耶琴(カヤグム)による演奏・・・国楽から洋楽へ、いいかもしれない。

最後に、シルクロードを経由したキリスト教の話が次にように説明された。
・シルクロードの繁栄を狙っていた唐代の首都、長安には世界から人々が訪れ賑わっていた。その中で、景教というキリスト教一派が仏教に負けずに栄えていた。景教はトルコの宣教師ネストリウスから広まったもので、シルクロードを通じて中国に伝わったもので、ユーラシア大陸を行き来した躍動的な動きが感じられる。

▼ 「あなたは愛されるために生まれてきた人(당신은 사랑받기 위해 태어난 사람)」を聴く。二弦の擦弦楽器、奚琴(해금:ヘグム)による演奏・・・美しい調べする、今様である。

2016年3月23日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 甫吉島と尹善道

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/16)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、全羅南道南岸にある甫吉島(보길도)と、尹善道(윤선도、1587年~1671年、号は孤山)に関連した3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”尹善道”)

始めに、全羅南道南岸の小さな甫吉島と朝鮮中期の尹善道について次のように紹介された。
・全羅南道南岸の島「甫吉島」は、美しい景観で知られる。ソウルから木浦まで、最も速い列車でも4時間近くかかる。そこから半島最南端の海南に車で1~2時間近くかけて、さらに船に乗り1時間程の距離にある。交通が発達した今も遠い。徒歩で移動した朝鮮時代、もっと時間がかかったはず。でも、甫吉島は一度は行ってみたい自然の美しい所だ。また、朝鮮時代の代表的詩人、尹善道が詩作した場所でもある。

▼ (管)ソグム、(擦弦)ヘグム、カヤグム演奏「甫吉島の朝(보길도의 아침)」を聴く。長閑な朝の情景を今様に彷彿させる。

次に、尹善道が甫吉島に居たいきさつと、彼の作品「五友歌(오우가)」について次のように紹介された。
・尹善道は学者、政治家、そして優れた詩人でもあった。政治に空しくして世俗を去る決心し、済州島へ向かう。途中、暴風に遭い、寄ったのが甫吉島で、景色に魅せられここに変更する。芙蓉洞(부용동)に池を作り、そばに東屋を建て、舟遊びと風流を楽しんだ。芙蓉洞の山麓に庭園を作り、茶を楽しみ書を読む。ここでの作品の「五友歌」は<わが友が何人かと聞かれれば、水と石、松と竹、そして月の明かりだ>という内容だ。自然を友として暮らす風流を表した作品だ。

▼ 「五友歌」から、「わが友の数は何人だろう(내 벗이 몇이냐)」を聴く。風流に自然に親しむ如く。

最後に、尹善道の子孫、尹偉(윤위、1725年~1756年)の「甫吉島識(보길도지)」と尹善道の「漁父四時詞(어부사시사)」について次のように紹介された。
・尹善道の子孫、朝鮮中期の文臣尹偉が甫吉島を訪ね、「甫吉島識(보길도지)」を書した。その内容に尹善道の風流が浮かぶ。<天気が良いと東屋に行き、池に舟遊びする。子弟に五色の服を着せ、尹善道の書「漁父四時詞」の詞を歌わせる。東屋では管弦の演奏を聴き、人々の踊りを観覧する。踊る姿が池に映るのを見た>と、華やかに遊んだようだ。その時歌われた「漁父四時詞」は、海辺に暮らす漁師=学者(ソンビ)の四季を歌ったものだ。

▼ 「漁父四時詞」から、「春の歌」を歌と演奏で聴く。春は東風(秋は西風だが)、帆は穏やかな風に押されるよう。今様。

・「漁父四時詞」は、春、夏、秋、冬の詞で構成され、尹善道65歳の作品で、言葉の美しい響きをよく表したものと評される。

2014年12月10日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 山に関する歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/3)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第83回として、山に関する歌にまつわる話を紹介した。

始めに、数ある名山のなかの雪岳山(설악산、1,708m)について次のように紹介された。
・国土の7割が山であり、済州島の漢拏山(한라산、1,950m)、南部(小白山脈南端)地域の智異山(지리산、1,915m)、中東部江原道の雪岳山がある。山に関する歌も多く、山の景色から打令(타령)に至るまで多様だ。

(本ブログ関連:”韓国の山”)

・美しい雪岳山は、漢拏山と智異山に次ぐ韓国で3番目の高山だ。雪の山の意を持ち、秋から降る雪が積もり翌年夏にやっと融けるので、雪岳山と名付けられた。別名、雪山と呼ばれる。また、白い雄大な岩(花崗岩)が多いことから名付けられた説もある。雪岳山は、冬の景色が特に美しい。

▼ ヘグム演奏による雪に覆われた雪岳山の「日が暮れる頃から明け方まで(그 저녁 무렵부터 새벽이 오기까지)」を聴く。映画音楽のよう叙情的で美しい・・・今様である。


(Youtubeに登録のDoohan Leeに感謝)

次に、背景に山を取り入れた「風水(풍수)」について次のように説明された。
・美しい景色を誇る高い山がたくさんある一方、田舎や都会にも多くの山や野原がある。風水では、山を背に前方に水が流れるのが最高の場所で、地勢や水勢が人々の暮らしにも影響するという。国土に山や水がない所を探す方が難しいことから、今住む場所が最も良い所かも知れない。首都ソウルも山で覆われている。

▼ ソウルの景色と王様の長寿、国の平和を祈った短歌「鎭国名山(진국명산)」を聴く。指差しながら歌うのだろうか。

最後に、韓国固有の寺に山神を祀(まつ)った楼閣「山神閣(산신각)」について次のように解説された。
・昔の人々は山の神を大事にした。山寺には山神のため山神閣を作り神をもてなし、特別な日に、山神のための祭祀を行った。山に関する詩や歌もたくさんあるが、曲調の中には山の打令というジャンルもあるほどだ。

▼ 有名な山々を挙げながら歌う、西道(黄海道、平安道)立唱「前山打令(앞산타령)」を聴く。土の香りがする。

2015年5月8日金曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 申潤福

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/29)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、朝鮮後期の有名な画家、申潤福(신윤복, 1758年~没年不明)に関連する3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”申潤福”、”金弘道”)

始めに、画家金弘道(김홍도、1745年~1806年)と、申潤福の「蓮池の女人(연당의 여인)」図について次のように紹介された。
・天才画家といわれた金弘道は、主に庶民の生活を描いた。一方、申潤福は、上流階層の風流や男女の愛情を素材にした作品が多く、妓女がよく登場する。金弘道と比べて、華やかな色彩を使っている。
・申潤福の「蓮池の女人」図は、庭池に蓮の花が咲き、一人の女がそれを見つめ、長いキセルと楽器の「笙簧(センファン、생황)」を持って座っている。もと妓女の様だが、歳をとり引退して、過ぎし歳月を深く思うさまを描いている。

▼ 笙簧演奏で「足跡(발자욱)」を聴く。心にこしかたをたどるような風情する・・・今様である。

・笙簧は、羽をたたんでいる鳳凰の姿に、その音色は鳳凰の鳴き声に例えられ、鳳凰の音ともいう。金弘道は笙簧を神仙と一緒に描いたが、申潤福は妓女が演奏する楽器として描いた。

次に、作品「舟遊清江(주유청강)」、「賞春野興(상춘야흥)」図について次のように紹介された。
・川に船を浮かべ風流を楽しむ「舟遊清江」図も同じだ。妓女が笙簧を奏し、男は横笛「大笒(대금)」を吹いている。
・花が綺麗に咲く春の庭園で風流を楽しむ様を描いた「賞春野興」図がある。身分あるらしい二人の男が主人公で、丘上で自分の敷物に座り、その間に妓女が二人、向かい側に玄琴(コムンゴ、거문고)、大笒、奚琴(ヘグム、해금)など奏する者がいる。演奏が素晴らしいからか、独奏の場面だったからか、人々は玄琴の方を見ている。演奏が終わると、二人は詩作したり、絵を描き、この日を記録しただろう。

▼ 玄琴の音を繰り返し奏する意の演奏「両清還入(양청도드리)」を聴く。千年万歳、素朴で舞踏的な香りする。

最後に、「雙劍對舞(쌍검대무)」図について次のように紹介された。
・申潤福は、身分の高くない両斑や妓女などに注目して多く描いた。それらには、愛情がこもっている。印象深い作品に「雙劍對舞」図があげられる。向かい合う二人の踊り子が、長い剣を持って踊る。見物するソンビや妓女、そして演奏する者の姿もあり、派手な服装の踊り子が印象的だ。・・・短い剣を持ち活き活きとしているとのこと。

▼ 竹管楽器を中心に奏する風流の意の「竹風流(대풍류)」を聴く。踊り子の姿をとのこと・・・こちらは洗練された響きだ。

2014年11月18日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 清声濁声

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/12)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第80回として、国楽(伝統音楽)の音域を指す「清声濁声(청성탁성)」にまつわる話を紹介した。

始めに、国楽の音域、弦楽器「玄琴(コムンゴ、거문고)」と打弦の「匙(スルテ、술대)」について次のように紹介された。
・国楽の五つの音域で、中心となる音域を「中声(중성)」と言う。中声から1オクターブ高い音域を「清声(청성)」、1オクターブ低い音域を「濁声(탁성)」と言う。
・代表的な弦楽器「玄琴」は時々、打楽器ではと言われることもある。竹棒の「匙」で弦を叩いて演奏するためだ。弦を弾ませてきれいな音を出すのでなく、力いっぱい叩いて音を出すのが特徴。匙が弦を叩いて、筒の本体にぶつかる音も玄琴の音色を構成する。さらに、左手で弦をこすりつけて出すのもまた玄琴の音だ。バイオリンやハーフのような音色に慣れた人には、聞き慣れぬ音色かもしれないが、文化によってこのような違いもある。

▼ 玄琴散調から、国楽の拍子「チュンチュンモリ(중중모리)」を聴く。躍動感あって喜怒哀楽の部分に聞かれるとのこと。

次に、管楽器「大笒(テグム、대금)」の特徴であるリード部分の響きについて、次のよう解説された。
・「大笒」演奏の姿はフルートと似るが、その音色は全く違う。大笒の構造に、息を入れる吹き口の少し下方にもう一つ穴があって、<吹き口>と、音の高さを変えるためにおさえる<音孔>の間に位置し、これを「清孔(청공)」という。この清孔に、葦(あし)の茎内にある「ソクチョン(속청)」という白い薄膜(=リード)を張り付けて塞ぐ。息を吹くたびソクチョンに振動が伝わり、不思議な音がする。風になびく旗音に似た小さい音だ。フルートの音色に慣れた人には、練習不足で未熟な音に聞こえるかもしれないが、大笒演奏は、このソクチョンの見事な振動にかかっている。

▼ 振動の響きを重視した大笒演奏「清声曲(청성곡)」を聴く。この楽器は、音色も深く素晴らしいし演奏スタイルも格好いい。

最後に、白磁「月壺(달항아리)」の<破調>に似た造形から「奚琴(ヘグム、해금)」について、次のように説明された。
・月壺は、模様のない白磁の丸壺で、月のイメージから呼ばれた。しかし、完全な丸でなく、片方は丸く反対側はへこんだ形がほとんどだ。大きな月壺を作るとき、上下別々に作って貼り付けたため、窯の中で模様がつぶれたり、壺の形がへこんだ。丸い形を作れなかったのではない。優れた陶磁器は既によく知られていた。わざわざへこんだ形にしたのだ。
・中国の二胡に似た、二弦の擦弦楽器、「奚琴」にもそんな響きがあるようだ。

▼ 京畿民謡「臼引き打令(방아타령)」を奚琴演奏で聴く。中国風の響きがする。

2014年4月2日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金弘道

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/26)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第49回として、風俗画家の「金弘道」(キム・ホンド、김홍도、1745年~没年不詳)にまつわる話を紹介した。

    (本ブログ関連:”金弘道”)

まず、朝鮮王朝後期の風俗画家として有名な金弘道の紹介から、次のように始まった。
・金弘道の代表作「書堂(서당)」は、登場の人物をそれぞれ生き生きと描いている。書堂は塾のような所で、先生に叱られて泣く子、それを興味津々と眺める子、どこか申し訳なさそうな先生、こうした瞬間を捉えた「書堂」は、彼の作品中、最も知られている一枚だ。
・その他の作品の、「相撲(씨름)」は、組み合う二人を息を呑んで見つめる観衆、ひとり飴売りする少年などの姿を描いている。また、「舞童(무동)」は、楽器ピリ、テグム、ヘグム、プク、チャングなど奏する丸座の傍らで、長い袖をひらめかして踊る子供の姿を描いている。金弘道は、風俗画だけでなく、宮中画、仙人図、仏教画、ソンビ画、細密画など様々な作品を残した。

▼ 竹風流(대풍류)の中の「念仏打令(염불타령)」を聴く。随分とソフィスティケートされた演奏。

次に、金弘道の人物と音楽に対する造詣について、次のように説明している。
・金弘道は、1745年(朝鮮王朝の英祖(영조)の代)、ヤンバンと庶民の中間の中人身分に生まれた。7歳頃から、文人であり画家、評論家として知られた姜世晃(강세황)の元で絵を学ぶ。その後、師の推薦を受け、絵画担当の官庁、図画署(도화서)で画家として働く。実力を伸ばし、才を認められ、王の公式肖像画「御真(어진)」を任せられ、20代の若さで、当時の王「英祖(영조)」と、後年「正祖(정조)」となる王子(世子)の御真を描いた。
・金弘道は、絵だけでなく人格も高く評価された。当時の記録に、「彼は風采が美しく、心が広く、些細なことは気にもとめなかったので、人々は彼を仙人のような人だと言った」、さらに「彼を見た人たちはみな、高尚で世俗離れしていて、平凡な人とは何か違うということを、一目で見極めることができた」と記されている。
・また、1784年の作品「檀園図(단원도)」には、旅行家の鄭瀾(정란)先生、同僚画家の姜熙彦(강희언)を交えて、コムンゴで風流音楽を奏する自身を描いている。

▼ 霊山会相の中の「中霊山(중령산)」を聴く。ゆたりとして、霞湧く山中奥深く、コムンゴ、テグムの調べを楽しむよう。

・また、自画像とされる作品「布衣風流図(포의풍류도)」は、中央に琵琶を演奏しながら座る人物の着衣が、華やかな色彩の絹でなく、素朴な麻のところから、官職につかぬソンビを連想させる。周りに、刀、巻物、ひょうたん、そして楽器のセンファンが置かれている。絵の人物が奏している琵琶は、コムンゴ同様、ソンビの楽器とされた。また、センファンは、仙人が演奏する楽器として頻繁に登場する。素朴ながら知性溢れる姿は、金弘道を連想させる。

▼ 霊山会相の中の「打令(타령)」を聴く。素朴な楽器が、奏者の手にかかると味わいのある響きする。

2012年7月30日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 姜孝善

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/25)に、人物シリーズ38回目として日本の雅楽器の篳篥(ヒチリキ)に似た縦笛ピリの演奏家である姜孝善(カン・ヒョソン、강효선)を紹介した。

まず。縦笛のリード管楽器であるピリ(觱篥:피리)の復習(構造、音色、役割)から始まった。
・ピリは、竹製胴体部分に八つの穴があり、2枚リードのキョプソ(舌、겹서)をさして、オーボエのように縦に持って吹く。国楽器中、最も形の小さな楽器だが、その音色は力強く存在感があり、合奏時には主旋律を引っ張っていく。管楽器の花形と言っても過言でない。
・昔から、宮中の宗廟(チョンミョ)祭礼楽など宮中音楽をはじめ、農村の庶民たちの踊りの伴奏まで、様々なシーンで幅広く演奏されてきた。現代では、その存在感から、創作管弦楽で主旋律を担当することも多いが、音域がそれほど広くはないため、伽耶琴(カヤグム:가야금)」や、奚琴(ヘグム:해금)と演奏する場合、脇役になる場合が多かったようだ。

▼姜孝善のピリほか演奏による「相霊山(上霊山、상령산)」を聴く。洋風伴奏とのコラボは印象を新たにするでしょう・・・。

 次のように姜孝善のプロフィールが紹介された。
・1976年2月4日 生まれる。幼い頃からピアノとバイオリンを習び、その後、国立国楽中高等学校に進学してピリを専攻。
・2006年 国立国楽院の団員として活動。ファーストアルバム「アトラクション(Attraction)」(2006年)収録のピリ音楽は、それまでの伴奏なしにメロディーを淡々と吹いて聞かせる伝統的なピリのイメージを大きく覆すもので、新しい可能性を見せた。
・現在、演奏の範囲を欧米に広げ、カミン(가민)の名で活動している。

▼姜孝善のピリほか演奏による、(アルバム「アトラクション」より)Michael Staudacher作曲「Life as a day-In life」の「The evening」を聴く。・・・なるほど、新しい音楽誕生という感じです。

▼姜孝善のピリほか演奏による「牡丹雪と夕立(함박눈과 소낙비)」を聴く。コラボって、どうしても東儀秀樹の篳篥の音色にかぶさる。時空を超えるのは大変なことだ。

2015年8月27日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 七夕

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/19)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「七夕(칠석)」にかかわる3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”七夕”)

始めに、年に一度だけ彦星(牽牛)と織姫(織女)が出会う「七夕」について次のように紹介された。
・昔、玉皇上帝の治める国に、牛飼の彦星と機織りの織姫がいた。恋に落ちて仕事を疎かにした二人に怒った玉皇上帝は、二人を天の川の両端に送り、年に一度だけ会えるようにした。いざその日も、二人は天の川にさえぎられて会えない。これを知ったカササギは、二人が会えるよう翼を連ねて架け橋(烏鵲橋)を作った。それを織姫が渡って彦星に出会う日を「七夕」という。明日(8/20)は旧暦7月7日、「七夕」だ。

▼ 演奏曲「牽牛と織女(견우직녀)」を聴く。国楽をカテゴリーにした東洋風バンド。今様である。

・七夕に雨が多い。七夕の前日や当日の雨は、彦星と織姫の喜びの涙、また当日の夜や翌日の雨は、悲しみの涙という。彦星は「わし座」のアルタイル、織姫星は「こと座」のベガにあたる。この二つは天の川を挟み東西に位置し、七夕の頃、空の中央に並ぶ。架け橋を作ったカササギは、七夕が過ぎると頭の毛が抜ける。二人が橋を踏んで渡ったから、橋を作るため石を頭で運んだからなど説がある。実際はこの頃、古い羽から新しい羽に換羽する。伝説は人々が自然を理解する方法でもあった。

次に、パンソリ「春香歌(춘향가)」から李夢龍(이몽룡)と春香(춘향)の出会いについて次のように紹介された。
・地方官の息子、李夢龍は、ある春の日、楼閣「広寒桜(광한루)」で南原地域の景色を鑑賞した。晴れた日に外出して、美しい乙女に巡り合えるのではと期待した。

▼ パンソリ「春香歌」から「赤城歌(적성가)」を聴く。彦星と織姫に例えて、高いトーンが地声のように歌う。

・<広寒桜も良いが、彦星と織姫の烏鵲橋の方が好きだ>から始まる。<自分は彦星になるが、織姫は誰だろう。ここでその相手と巡り合いたい>という。後に李夢龍と春香が、彦星と織姫に劣らぬ恋に落ちるのを予告する場面である。

最後に、七夕の節句に、星に向かって願い事することについて次のように紹介された。
・七夕は星に関連した節句で、この日に星に向かって願い事をした。北斗七星に向かっては家族の長寿を願った。また、子供たちは学問を、乙女は縫い物が上手になれるように祈った。

▼ 二弦の擦弦楽器の奚琴(해금:ヘグム)の演奏で、「七夕」を聴く。「たなばたさま」(1941年、作詞権藤はなよ、作曲下総皖一)・・・子ども時代を懐かしむ。