KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/25)に、人物シリーズ38回目として日本の雅楽器の篳篥(ヒチリキ)に似た縦笛ピリの演奏家である姜孝善(カン・ヒョソン、강효선)を紹介した。
まず。縦笛のリード管楽器であるピリ(觱篥:피리)の復習(構造、音色、役割)から始まった。
・ピリは、竹製胴体部分に八つの穴があり、2枚リードのキョプソ(舌、겹서)をさして、オーボエのように縦に持って吹く。国楽器中、最も形の小さな楽器だが、その音色は力強く存在感があり、合奏時には主旋律を引っ張っていく。管楽器の花形と言っても過言でない。
・昔から、宮中の宗廟(チョンミョ)祭礼楽など宮中音楽をはじめ、農村の庶民たちの踊りの伴奏まで、様々なシーンで幅広く演奏されてきた。現代では、その存在感から、創作管弦楽で主旋律を担当することも多いが、音域がそれほど広くはないため、伽耶琴(カヤグム:가야금)」や、奚琴(ヘグム:해금)と演奏する場合、脇役になる場合が多かったようだ。
▼姜孝善のピリほか演奏による「相霊山(上霊山、상령산)」を聴く。洋風伴奏とのコラボは印象を新たにするでしょう・・・。
次のように姜孝善のプロフィールが紹介された。
・1976年2月4日 生まれる。幼い頃からピアノとバイオリンを習び、その後、国立国楽中高等学校に進学してピリを専攻。
・2006年 国立国楽院の団員として活動。ファーストアルバム「アトラクション(Attraction)」(2006年)収録のピリ音楽は、それまでの伴奏なしにメロディーを淡々と吹いて聞かせる伝統的なピリのイメージを大きく覆すもので、新しい可能性を見せた。
・現在、演奏の範囲を欧米に広げ、カミン(가민)の名で活動している。
▼姜孝善のピリほか演奏による、(アルバム「アトラクション」より)Michael Staudacher作曲「Life as a day-In life」の「The evening」を聴く。・・・なるほど、新しい音楽誕生という感じです。
▼姜孝善のピリほか演奏による「牡丹雪と夕立(함박눈과 소낙비)」を聴く。コラボって、どうしても東儀秀樹の篳篥の音色にかぶさる。時空を超えるのは大変なことだ。