KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/8)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「つつじの花(진달래꽃)」に関連した曲を紹介した。
始めに、詩人金素月(김소월、1902年~1934年)の「つつじの花」の詩について次のように紹介された。
・詩にさほど興味がなくても、だれもが知る作品がある。金素月の詩「つつじの花」もそうだ。韓国人が好きな詩のトップを争うこの詩を、始めから終わりまで謳える人も多い。「私が嫌いになって/去って行かれるなら/何も言わずに行かせて差し上げます」に始まり、後半を「つつじの花を//その道筋にまき散らし//自分は絶対涙など見せない」と語る、易しい表現の短詩だが心に響く。多くの作曲家が、この詩に曲を付けている。
▼ 「つつじの花」の歌を聴く。金素月の詩を、古い西の彼方の民謡のように素朴に歌う。
次に、金素月の「つつじの花」の詩を収めた、唯一の詩集「つつじの花」について次のように紹介された。
・金素月の唯一の詩集「つつじの花」に載る「つつじの花」の詩は、高麗の歌謡曲「帰乎曲(가시리)」、および「アリラン」と共に代表的な別れの歌だ。1922年発表の「つつじの花」の詩は、3年後発行の詩集で一部表現が変わる。詩中、「寧邊に薬山/つつじの花」とある「寧邊」は、北部の平安道の地名で、「薬山」は同地の山名だ。薬草が多く、体に良い水が湧くことで薬山と呼ばれる。山が険しく、「平安道で外敵を防御できるところはここしかない」という記録もある。その景色は美しく、春には赤いつつじが薬山を覆い、燃えているような壮観さという。
▼寧邊の歌「寧邊歌(영변가)」を聴く。薬山東台の美しい景色と人生の無常を・・・賑やかに歌っている。
最後に、「寧邊の薬山」の意と、金素月の詩集「つつじの花」初版本の文化財登録について次のように紹介された。
・「寧邊歌」は、1節が「寧邊の薬山」と始まるため「寧邊歌」と名付けられた。薬山のつつじの花を知る人なら、その一区切りだけで風流と別れの歌と気付くはず。それを現代風にしたのが詩人金素月だ。彼の詩集「つつじの花」は、1925年の初版が4点が現存し、文化財に登録されている。美しいだけでなく、子供たちのおやつ(花煎、화전)になる花でもある。
▼ 擦弦楽器ヘグム演奏による「つつじ」を聴く。ヘグムはビオラに似て深く掴み入るよう・・・今様に。