KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/18)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、代表的な「瀟灑(しょうしゃ)園(소쇄원)」の園林のほかに関連した3曲を紹介した。
始めに、「朝鮮時代の園林中、最高と評される『瀟灑園』」について次のように紹介された。
・家の庭や花壇を「庭園」というが、昔は「園林」の表現をよく使った。庭園は、人工的に整備した庭を意味し、園林は自然のままに、もともとあったかのように自然に溶け込んだ場所を指す。朝鮮時代、最高の園林と評される「瀟灑園」は、全羅南道の潭陽地域にある。竹林を抜けて園に入ると小さな東屋が目に入る。管理が届き、自然の美しさが際立つ。土と石を積んだ程よい高さの仕切り、小川の上に設けられたでこぼこ石の橋脚、小川の水は、竹で作った水路に沿って流れ池になり、やがて滝になるようだ。
▼ テグムとシンセサイザー演奏で「瀟灑園」を聴く。まるで朝霧に浮かぶ景観がしのばれるよう。今様である。
次に、瀟灑園近くにある「息影亭(식영정)」で活動した鄭澈(정철、1536年~1593年)について次のように紹介された。
・瀟灑園が位置する潭陽は、昔から竹が知られ、東屋も有名。園の中に「光風閣(광풍각)」、「霽月堂(제월당)」の東屋があり、園の向かいに「環碧堂(환벽당)」、近くに「息影亭」もある。環碧堂は四方が青の意、息影亭は影も休む場所の意を持つ。特に、息影亭は、朝鮮中期の文人、鄭澈が活動した場所と知られる。彼の代表作「星山別曲(성 산별곡)は、ここを素材に、季節ごとに移り変わる景色を表現したこの作品だ。この山のおもむきを音楽にしたものがある。
▼黄秉冀(황병기)作曲の「山韻(산운)」をコムンゴとテグム演奏で聴く。古い器で新酒を飲むような風情がする。
最後に、朝鮮時代発生した(始め両班女性の間で流行した)「歌辞(가사)文学」について次のように紹介された。
・学者ソンビが数人集まると、東屋を囲んで座り、茶と酒を楽しんだ。自然や彼らの暮らしについて談話したことだろう。また、詞や作品を作ることもあった。中でも代表的なものが「歌辞(가사)文学」だ。歌辞とは、朝鮮時代の代表的な詩歌形式で、韻律を生かし、自然と人の心を歌った。上記の「星山別曲」も歌辞文学に含まれる。これから、歌辞文学は潭陽で生まれたともいわれる。
▼ 風流に女唱歌曲(여창가곡)の伝統歌曲「界楽(계락)」の「青山島(청산도)」を聴く。(軽快に歌うものもあるが)
・青山島は、全羅南道の莞島地域の島で、四季を通じて、青い島の意から、青い島、青山島と名付けられた。物寂しい姿が美しいと評される島だが、一度は訪れてみたい・・・という。