KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/22)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「笛」(大笒(テグム)、洞箫(トゥンソ))」に関連した3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”大笒(テグム、대금)”、”洞箫(トゥンソ、퉁소)”)
始めに、文武(문무)王と金庾信(김유신)将軍に関わる楽器「万波息笛(만파식적)」について次のように紹介された。
・統一新羅時代の楽器「万波息笛」は、一万種の波も鎮められる管楽器の意を持つ。これを吹くと、敵が退き、病が治り、干ばつには雨が降って、梅雨には雨が止む。風や波までも穏やかになる。国のあらゆる悩みを解決する笛だった。伝説に、ある日、海に浮かんだ不思議な島に竹があり、昼は二つに、夜は一つとなる。三国統一の立役者といわれる文武王と金庾信将軍は、死後、海の竜隣り、その竜が未来を懸念して送ったのが竹で作った楽器万波息笛だ。大笒の祖と伝説もある。
▼ 大笒演奏で「清声曲(청성・자진한잎)」を聴く。大笒の響きには円やかさがあるようだ。Fl.とPicc.の違いに似て。
・夏の暑い日、風通しの良い縁に横になり聴けば、あらゆる心配事が無くなりそう。清い声(청성)は、伝統音楽で音域を指し、特に高音の意だ。”자진한잎”は、元々詩を歌詞にして歌う歌曲を指す。この「清声曲(청성・자진한잎)」は、「太平歌(태평가)」の曲の音域を上げて演奏する音楽だ。竹笛「タンソ(短簫:단소)」の独奏もあるが、大笒独奏の方が、楽器の特徴をよく表し、特有の音色、清い響きをよく際立たせる。
次に、管楽器「大笒」にある「清孔(청공)」について次のように紹介された。
・大笒には、吹き口と指孔以外に、清い孔の意の「清孔」がある。ここに、葦から採取した内皮を貼り付け、これが清(청)という。息を吹き入れたとき、この清が響き、大笒ならではの音を出す。
▼ 大笒演奏で、大笒散調から「チャジンモリ(자진모리)」のリズムを聴く。優雅にかつすばやく空を舞うよう。
最後に、大笒と共通した清孔を持つ「洞箫」に関わる話題や構造について次のように紹介された。
・大笒と似た楽器に、洞箫がある。この楽器に関する面白い表現がある。一人のときは偉そうにするものの、いざ人前では何も言えない人を、「部屋の中の洞箫」と言う。部屋の中でひっそりと演奏するような大衆的な楽器だった。最近では、北の咸鏡道地域の仮面舞踊「獅子遊び(사자놀이)」以外に、洞箫の音色を聴くことはほとんどない。また、洞箫は大笒と同じほどの大きさで、清孔もある構造で似るが、大笒は肩の上に横に載せて吹き、洞箫は縦にして吹く違いがある。
▼ 洞箫演奏「獅子遊び」から「獅子の踊り(사자춤)」で宴会が終わる時の曲「罷宴曲(파연곡)」を聴く。洞箫をよく知らない。