KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/28)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<瞑想>にふさわしい3曲を紹介した。
始めに、瞑想の効用と風流音楽について次のように紹介された。
・瞑想は、ストレス解消や血液循環が良くなり、肉体疲労や病を回復させる力があるという。集中力が上がり、憂鬱な気分から解放されるともいう。しかし、本当に効果があるか確認する方法はない。直接体験して確かめることになる。瞑想方法は多様だが、共通するのは集中することだ。頭の中で思いを一ヵ所に集中する必要がある。最初は簡単でないが、静かな音楽と、そのリズムに集中するのもひとつの方法だ。
▼ 撥弦楽器の伽耶琴(カヤグム、가야금)演奏の代表的風流音楽「霊山会相(영산회상)」から、「上霊山(상령산)」を聴く。行間を読むように響く。
次に、撥弦楽器の「伽耶琴」や「玄琴(コムンゴ、거문고)」の奏法、仏教音楽「梵唄(범패)」について次のように説明された。
・撥弦楽器の、「伽耶琴」や「玄琴」は、「スルテ(술대)」という絃をはじく竹撥(ばち)、または指で音を出す。西洋楽器のバイオリンと違い、弓で一度音を出すとすぐに消えるため、遠ざかる音を装飾音(꾸밈음、Trill)で飾ると、長く響くように感じる。「上霊山」の場合、ゆっくりした速さと、音階の少ないのが特徴。一曲の演奏に、初めから終わりまで集中が必要、瞑想でもある。
・仏教音楽の「梵唄」も同様である。中でも、歌詞を長く解釈しながら歌う、サンスクリット語からなるもっとも長い歌「ジッソリ(짓소리)」は、五、六文字で一時間歌うこともある。母音を長く伸ばすため間違えると大変で、集中しなければならなかった。
▼ 梵唄「ジッソリ」から「挙霊山(거영산)」を聴く。遍路歌ではないが、聞き入っていることに気付く。
・九文字で構成される歌詞を二度繰り返し、もう一度繰り返すとき一文字だけを長く歌う。大変短い歌詞だが、意味のない母音をリズムに合わせて歌う。長い歌詞のパンソリに匹敵するくらい難しい。僧侶の修行のひとつの方法ともされる。
(ちなみに、イ・ソンヒの父は、梵唄の指導者といわれている)
最後に、(韓国の)伝統音楽と瞑想の親和性について次のように紹介された。
・西洋の音楽は和音が多い反面、伝統音楽はメロディーがシンプルなため、瞑想に役に立つともいう。
▼ 「コル・ニドライ」(Max Bruch作曲)の、牙筝(アジェン、아쟁)とピアノ演奏(2005年、明洞聖堂大聖堂)を聴く。チェロも哲学的といわれる・・・が。
2015年11月4日水曜日
2015年5月28日木曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 仏教音楽
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、今年の5月25日(月)(陰暦4月8日)の釈迦誕生を祝う日(「灌仏会」)にちなんで、仏教に関連する3曲を紹介した。
(付記)
イ・ソンヒの父が、梵唄の指導者であったことから、彼女の音楽の源泉(才能)がそこにあったような気がしてならない。
(本ブログ関連:”(資料)イ・ソンヒのスター・ストーリー「3.宗教家である父と、自然とともに過ごした幼い子供」”)
始めに、「初八日(초파일)」の祭事と、風流を楽しむ曲「霊山会相(영산회상)」について次のように紹介された。
・「初八日」は、毎月8番目の日だが、昔は陰暦4月8日の釈迦誕生の日を指して祝った。寒暑もない春に、人々は米を持って寺に向かった。交通も不便な時代、寺にたくさんの知り合いが集い、親に付いてきた子供たちもいて、おもちゃや菓子を売る人もいた。五色の提灯や音楽も聞こえる。そんな素晴らしい季節に誕生された。
▼ 霊山会上(浄土)の仏と菩薩を讃嘆する意の「霊山会相仏菩薩(영산회상불보살)」を聴く。荘重に編曲したもの。
・両斑の風流曲に「霊山会相」がある。もともと仏教の声楽曲だった。「霊山会相仏菩薩」の歌詞からなり、歳月を経て、風流を楽しむときの音楽になった。
次に、釈迦と摩訶迦葉(マハーカッサパ)の間の拈華微笑と、仏教音楽の梵唄(ぼんばい)について次のように紹介された。
・古代インドのマガダ国の首都の近くにある、霊鷲山(りょうじゅせん)での出来事。釈迦が菩薩に対して仏教の教義を説いていると、空から花の雨が降ってきたという。また、ある日、説法を聞きに集まった大衆の前で、釈迦は一輪の花を見せたが、何も語らない。大衆は訳が分からないまま黙っていると、ただ一人、弟子の摩訶迦葉だけは釈迦を理解し微笑んだ。仏心を伝える仕草の拈華微笑は、字や言葉を使わぬ以心伝心に通じる。この光景をあらわした「霊山会相図」や、音楽にした「霊山会相」がある。
▼ 僧侶が梵唄で長く伸ばして歌う「ジッソリ挙霊山(짓소리 거령산)」を聴く。一体どんな場面で歌ったのだろうか。
・僧侶が儀式で歌うものを「梵唄(범패=声明)」と言う。「ジッソリ(짓소리)」は梵唄のひとつ、「挙霊山(거령산)」は曲名で、16文字の歌詞を長く伸ばして歌うのが特徴。長くは一時間も歌うため、世の中で最も長い歌だろう。梵唄は、梵の音、「梵音(범음)」とも言う。「梵」はインドを意味し、宇宙の原理を指すこともある。また、このリズムを、水中で泳ぐ魚に例えて、「魚山(어산)」とも言う。統一新羅時代に唐から入り、歌曲や民謡など民間の音楽にも大きな影響を及ぼした。伝統文化ともいえる。
▼ 「霊山会相」の中から、シタール、弦楽器ヘグムとヤングムの演奏「細霊山(세령산)」を聴く。インドの香りは・・・静かな曲だ。
(付記)
イ・ソンヒの父が、梵唄の指導者であったことから、彼女の音楽の源泉(才能)がそこにあったような気がしてならない。
(本ブログ関連:”(資料)イ・ソンヒのスター・ストーリー「3.宗教家である父と、自然とともに過ごした幼い子供」”)
始めに、「初八日(초파일)」の祭事と、風流を楽しむ曲「霊山会相(영산회상)」について次のように紹介された。
・「初八日」は、毎月8番目の日だが、昔は陰暦4月8日の釈迦誕生の日を指して祝った。寒暑もない春に、人々は米を持って寺に向かった。交通も不便な時代、寺にたくさんの知り合いが集い、親に付いてきた子供たちもいて、おもちゃや菓子を売る人もいた。五色の提灯や音楽も聞こえる。そんな素晴らしい季節に誕生された。
▼ 霊山会上(浄土)の仏と菩薩を讃嘆する意の「霊山会相仏菩薩(영산회상불보살)」を聴く。荘重に編曲したもの。
・両斑の風流曲に「霊山会相」がある。もともと仏教の声楽曲だった。「霊山会相仏菩薩」の歌詞からなり、歳月を経て、風流を楽しむときの音楽になった。
次に、釈迦と摩訶迦葉(マハーカッサパ)の間の拈華微笑と、仏教音楽の梵唄(ぼんばい)について次のように紹介された。
・古代インドのマガダ国の首都の近くにある、霊鷲山(りょうじゅせん)での出来事。釈迦が菩薩に対して仏教の教義を説いていると、空から花の雨が降ってきたという。また、ある日、説法を聞きに集まった大衆の前で、釈迦は一輪の花を見せたが、何も語らない。大衆は訳が分からないまま黙っていると、ただ一人、弟子の摩訶迦葉だけは釈迦を理解し微笑んだ。仏心を伝える仕草の拈華微笑は、字や言葉を使わぬ以心伝心に通じる。この光景をあらわした「霊山会相図」や、音楽にした「霊山会相」がある。
▼ 僧侶が梵唄で長く伸ばして歌う「ジッソリ挙霊山(짓소리 거령산)」を聴く。一体どんな場面で歌ったのだろうか。
・僧侶が儀式で歌うものを「梵唄(범패=声明)」と言う。「ジッソリ(짓소리)」は梵唄のひとつ、「挙霊山(거령산)」は曲名で、16文字の歌詞を長く伸ばして歌うのが特徴。長くは一時間も歌うため、世の中で最も長い歌だろう。梵唄は、梵の音、「梵音(범음)」とも言う。「梵」はインドを意味し、宇宙の原理を指すこともある。また、このリズムを、水中で泳ぐ魚に例えて、「魚山(어산)」とも言う。統一新羅時代に唐から入り、歌曲や民謡など民間の音楽にも大きな影響を及ぼした。伝統文化ともいえる。
▼ 「霊山会相」の中から、シタール、弦楽器ヘグムとヤングムの演奏「細霊山(세령산)」を聴く。インドの香りは・・・静かな曲だ。
2018年8月1日水曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」暑い夏を乗りきる
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/25)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「上霊山」ほかまつわる話を紹介した。
始めに、「洪大容(홍대용)」(1731年~1783年)の小音楽会を記録した「朴趾源(박지원)」(1737年~1805年)の描写について次のように紹介された。
・朝鮮後期の哲学者で実学者の「洪大容」は、音楽を好み、コムンゴをよく奏し、中国伝来の楽器「揚琴」の奏法を開発した。小説「許生伝(허생전)」で知られる「朴趾源」は、ある夏の夜、親しくした洪大容の家の小音楽会を記録した。< 洪大容が楽器「瑟(슬)」を奏すると、金檍(김억)は琴を奏し、麯翁(국옹)が歌った。深夜、暑さが和らぐと、楽の音色はさらに清まる。左右の人々はみな静かに黙々と、まるで修練をする人が神を見たかのような姿だ > と、風流を楽しんだソンビがうかがえる。
▼ 風流音楽の代表「霊山会相(영산회상)」の「上霊山(상령산)」をコムンゴとセンファンの演奏で聴く。ゆるりと始まる。
次に、南道地域の女性たちが歌った「ドゥンドンギ打令(둥덩(당?)기타령)」について次のように紹介された。
・学者ソンビは、部屋で読書し友と政治や学問を語るのが常だったが、暑い日には板の間に座って小音楽会を開いた。彼らが風流を楽しむ間、庶民は暑さを乗り越えるにも、一日中仕事をして余裕はなかった。とはいえ、真夏にしばし仕事を忘れ、一息つく生活の知恵があった。南道地域の女性は、水入れの甕(カメ)に瓢箪(ヒサゴ)を置き、太鼓を叩くように奏して歌を楽しんだ。一人ずつ歌を歌い、心一新して労働の意欲を再び湧かせた。
▼ 「ドゥンドンギ打令」の歌を聴く。ずいぶんとソフィスティケートされて、舞台演奏だろうか。
最後に、「フィモリ雑歌(휘모리잡가)」にある、男と作男とのやりとりを歌うについて次のように紹介された。
・雨が降りそうなとき、魚の汁物や粥を食べるのも夏の楽しみのひとつ。ソウルと京畿道地方に伝わるテンポの速いフィモリ雑歌に、魚釣りに行った男の話が登場する。釣った魚を早く家に届けたいが他に誰もいない。そんなとき、近所の家の作男が通りかかる。この魚をわが家に届けて料理しておくよう頼んだが・・・。作男は色々と理屈を並べ、獲った魚を分けてくれるなら考ると、そんな使いまではやりきれないと答える、面白い内容の歌だ。
▼ フィモリ雑歌の「六・七月の曇りの日(육칠월 흐린 날)」の歌を聴く。今様ににぎやかに楽しく・・・。
始めに、「洪大容(홍대용)」(1731年~1783年)の小音楽会を記録した「朴趾源(박지원)」(1737年~1805年)の描写について次のように紹介された。
・朝鮮後期の哲学者で実学者の「洪大容」は、音楽を好み、コムンゴをよく奏し、中国伝来の楽器「揚琴」の奏法を開発した。小説「許生伝(허생전)」で知られる「朴趾源」は、ある夏の夜、親しくした洪大容の家の小音楽会を記録した。< 洪大容が楽器「瑟(슬)」を奏すると、金檍(김억)は琴を奏し、麯翁(국옹)が歌った。深夜、暑さが和らぐと、楽の音色はさらに清まる。左右の人々はみな静かに黙々と、まるで修練をする人が神を見たかのような姿だ > と、風流を楽しんだソンビがうかがえる。
▼ 風流音楽の代表「霊山会相(영산회상)」の「上霊山(상령산)」をコムンゴとセンファンの演奏で聴く。ゆるりと始まる。
次に、南道地域の女性たちが歌った「ドゥンドンギ打令(둥덩(당?)기타령)」について次のように紹介された。
・学者ソンビは、部屋で読書し友と政治や学問を語るのが常だったが、暑い日には板の間に座って小音楽会を開いた。彼らが風流を楽しむ間、庶民は暑さを乗り越えるにも、一日中仕事をして余裕はなかった。とはいえ、真夏にしばし仕事を忘れ、一息つく生活の知恵があった。南道地域の女性は、水入れの甕(カメ)に瓢箪(ヒサゴ)を置き、太鼓を叩くように奏して歌を楽しんだ。一人ずつ歌を歌い、心一新して労働の意欲を再び湧かせた。
▼ 「ドゥンドンギ打令」の歌を聴く。ずいぶんとソフィスティケートされて、舞台演奏だろうか。
最後に、「フィモリ雑歌(휘모리잡가)」にある、男と作男とのやりとりを歌うについて次のように紹介された。
・雨が降りそうなとき、魚の汁物や粥を食べるのも夏の楽しみのひとつ。ソウルと京畿道地方に伝わるテンポの速いフィモリ雑歌に、魚釣りに行った男の話が登場する。釣った魚を早く家に届けたいが他に誰もいない。そんなとき、近所の家の作男が通りかかる。この魚をわが家に届けて料理しておくよう頼んだが・・・。作男は色々と理屈を並べ、獲った魚を分けてくれるなら考ると、そんな使いまではやりきれないと答える、面白い内容の歌だ。
▼ フィモリ雑歌の「六・七月の曇りの日(육칠월 흐린 날)」の歌を聴く。今様ににぎやかに楽しく・・・。
2013年12月3日火曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 伽椰琴
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/27)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第33回として、日本の琴に似た弦楽器「伽椰琴」にまつわる話を紹介した。
まず、弦楽器「伽椰琴(カヤグム、가야금)」の歴史から次のように紹介された。
・世界には多種の、世代、ジャンル、あるいは宗教によっても、それぞれに音楽がある。一国の王ならば、国民固有の音楽に対するプライドを願ったかもしれない。伽耶(3世紀~6世紀中頃)末期の王、嘉悉(カシル、가실、?~?)は、(韓国)史上、最初に音楽の力で民を治めることに注目した。この王の下に誕生したのが弦楽器の「伽椰琴」だ。
▼ 「霊山会相」中の「上霊山(상령산)」を聴く。18世紀以降の両班の風流音楽らしく揺ったり流れる。
次に、伽椰琴の創生に関わる嘉悉王と于勒(ウルグ、우륵)の話題を次のように説明された。
・伽椰琴は改良され、様々な音楽に広く使われたが、「上霊山」の演奏に使われた伽椰琴は、「正楽伽椰琴」と呼ばれ、1500年ほど前に誕生した当時の形を維持しているという。
(注)伽椰琴には、正楽演奏の「正楽伽椰琴」と、民俗楽演奏の「散調伽椰琴」の二種類がある。
・伽椰琴の創始者は、于勒が有名。(「三国史記」に、楽器作成者は嘉悉王とされている)
・伽椰琴の、半円形の上面は「空」を、平らな下面は「地面」を、弦の支えは12ヶ月を表し、奏でる音が自然に溶け込むよう考えられている。楽器が出来た後、嘉悉王から、「各国に方言があるように、音楽もひとつである必要は無い。お前が伽耶という国にふさわしい音楽をつくるのだ」と命ぜられた于勒は、伽耶国の地方名を曲名とし、全12曲を作曲した。最初の曲は「ハガラド(하가라도、現在の金海市地域,)」、2番目の曲は「サンガラド(상가라도、現在の高霊地域)」となっている。
▼ ファン・ビョンギ作曲の「加羅都(カラド、가라도)」(1963年)の第1章を聴く。古趣ただよう・・・透明感のある今様である。
最後に、伽耶から新羅に投じた于勒と、新羅王の真興(ジンフン、진흥、534年~576年)との交流を次の通り解説された。
・于勒が12曲を完成させてすぐ、伽耶は新羅に滅ぼされる。于勒は、国の危険を察し、伽椰琴と作曲した音楽を持って新羅に投降した。新羅の真興は、于勒を歓迎し、自国の若者たちを于勒の元へ派遣し、そのメロディーを学ばせた。于勒の音楽をマスターした若者たちは、さらに思いを込めた編曲と演奏をした。この事を耳にした于勒は、初めは怒りを示したが、若者たちの演奏を聞き、涙を流し感嘆したという。
・また王も、こうした新しい音楽を好んで演奏させた。それに対し家臣たちは、 滅んだ国の音楽は、わが国をも滅ぼすと揃って抗議したが、王は、国が滅んだのは王の責任であり、音楽には何の罪もないと主張し、伽耶伝来の音楽を、新羅のものとして演奏を指示した。伽椰琴が現在までに伝えられたのは、その価値を見抜いた真興王のおかげだとも言える。
▼ ファン・イジョン作曲の「于勒の舞(우륵의 춤)」の中から第1楽章を聴く。軽やかな・・・今様である。
まず、弦楽器「伽椰琴(カヤグム、가야금)」の歴史から次のように紹介された。
・世界には多種の、世代、ジャンル、あるいは宗教によっても、それぞれに音楽がある。一国の王ならば、国民固有の音楽に対するプライドを願ったかもしれない。伽耶(3世紀~6世紀中頃)末期の王、嘉悉(カシル、가실、?~?)は、(韓国)史上、最初に音楽の力で民を治めることに注目した。この王の下に誕生したのが弦楽器の「伽椰琴」だ。
▼ 「霊山会相」中の「上霊山(상령산)」を聴く。18世紀以降の両班の風流音楽らしく揺ったり流れる。
次に、伽椰琴の創生に関わる嘉悉王と于勒(ウルグ、우륵)の話題を次のように説明された。
・伽椰琴は改良され、様々な音楽に広く使われたが、「上霊山」の演奏に使われた伽椰琴は、「正楽伽椰琴」と呼ばれ、1500年ほど前に誕生した当時の形を維持しているという。
(注)伽椰琴には、正楽演奏の「正楽伽椰琴」と、民俗楽演奏の「散調伽椰琴」の二種類がある。
・伽椰琴の創始者は、于勒が有名。(「三国史記」に、楽器作成者は嘉悉王とされている)
・伽椰琴の、半円形の上面は「空」を、平らな下面は「地面」を、弦の支えは12ヶ月を表し、奏でる音が自然に溶け込むよう考えられている。楽器が出来た後、嘉悉王から、「各国に方言があるように、音楽もひとつである必要は無い。お前が伽耶という国にふさわしい音楽をつくるのだ」と命ぜられた于勒は、伽耶国の地方名を曲名とし、全12曲を作曲した。最初の曲は「ハガラド(하가라도、現在の金海市地域,)」、2番目の曲は「サンガラド(상가라도、現在の高霊地域)」となっている。
▼ ファン・ビョンギ作曲の「加羅都(カラド、가라도)」(1963年)の第1章を聴く。古趣ただよう・・・透明感のある今様である。
最後に、伽耶から新羅に投じた于勒と、新羅王の真興(ジンフン、진흥、534年~576年)との交流を次の通り解説された。
・于勒が12曲を完成させてすぐ、伽耶は新羅に滅ぼされる。于勒は、国の危険を察し、伽椰琴と作曲した音楽を持って新羅に投降した。新羅の真興は、于勒を歓迎し、自国の若者たちを于勒の元へ派遣し、そのメロディーを学ばせた。于勒の音楽をマスターした若者たちは、さらに思いを込めた編曲と演奏をした。この事を耳にした于勒は、初めは怒りを示したが、若者たちの演奏を聞き、涙を流し感嘆したという。
・また王も、こうした新しい音楽を好んで演奏させた。それに対し家臣たちは、 滅んだ国の音楽は、わが国をも滅ぼすと揃って抗議したが、王は、国が滅んだのは王の責任であり、音楽には何の罪もないと主張し、伽耶伝来の音楽を、新羅のものとして演奏を指示した。伽椰琴が現在までに伝えられたのは、その価値を見抜いた真興王のおかげだとも言える。
▼ ファン・イジョン作曲の「于勒の舞(우륵의 춤)」の中から第1楽章を聴く。軽やかな・・・今様である。
2015年10月7日水曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 風流音楽
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/30)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、ソンビ(선비)が「風流(풍류)」を楽しむときに聞いた音楽にかかわる3曲を紹介した。
始めに、自ら「看書痴(간서치)」と称した、李徳懋(이덕무、1741年~1793年) の詩について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむとき聞く音楽を、風流音楽という。朝鮮後期のソンビ李徳懋の詩に、「秋の風は心を元気にし、森を通り過ぎる風は、まるでコムンゴのように聞こえる。水鳥はひっそりと、陶淵明の詩を聞いている。彼の詩は心の中を清くし、平和で古めかしい」という内容がある。李徳懋は本を読むことが好きで、自ら「看書痴」(読書に没頭し、世事に興味ない人)と表現したほどだ。秋風を感じながら詩を謳うソンビの趣に、一度は真似てみたい、それにぴったりの音楽がある。
▼ 朝鮮後期、風流音楽の「霊山会相(영산회상)」の一曲目、大笒(テグム)演奏「上霊山(상령산)」を聴く。ゆたりと響く。
次に、洪吉周(홍길주、1786年~1841年)の「読書の5つのレベル」について次のように紹介された。
・李徳懋と同時代のソンビの洪吉周は、読書を5つのレベルに分けて記録した。① 最も高いレベルは、体を清くすること。② 古いものから学び、今直面した問題にうまく適用させること。③ 文章を磨き上げて、世の中に名を知らせること。④ 記憶力を生かし、他の人に誇示すること。⑤ 最も低いレベルでは、暇つぶしに読書をして時間を無駄にすること。昔、ソンビにとって読書は、生活そのものであり義務でもあった。早朝、読書で一日を始め、昼寝するときも本をそばに置いた。時には、友人と自然の中で、詩を作ったり、絵や音楽を楽しんだ。これを風流と言いう。
▼ 風流音楽「霊山会相」の6曲目、下絃の楽曲の意、「下絃還入(하현도드리)」演奏を聴く。風流と素朴の一体のよう。
最後に、ソンビの風流とは別の「民間風流(민간풍류)」について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむときに聞く風流音楽(または風流)という。九曲で構成される霊山会相などが代表的だ。また、庶民のパンソリが宮廷でも親しまれ、風流音楽は、地方から貴族に、そして庶民へと伝わった。このように変化した風流を、「民間風流」という。わずか数十年前まで、各地に律房(율방)という風流の室内演奏空間があった。人々が定期的に集まり、聞かせるためでなく、自分たちが好きな音楽を演奏していた。
▼ 民間風流から「クルゲヤンチョンとウチョ(글게양청, 우조)」を聴く。舞いを誘う趣がある。なるほど民間だ。
・「クルゲヤンチョン」は、ソウルの風流「ヤンチョントドゥリ」と同じ曲だが、ソウルでなく全羅道地域の律房で歌われたもの。
始めに、自ら「看書痴(간서치)」と称した、李徳懋(이덕무、1741年~1793年) の詩について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむとき聞く音楽を、風流音楽という。朝鮮後期のソンビ李徳懋の詩に、「秋の風は心を元気にし、森を通り過ぎる風は、まるでコムンゴのように聞こえる。水鳥はひっそりと、陶淵明の詩を聞いている。彼の詩は心の中を清くし、平和で古めかしい」という内容がある。李徳懋は本を読むことが好きで、自ら「看書痴」(読書に没頭し、世事に興味ない人)と表現したほどだ。秋風を感じながら詩を謳うソンビの趣に、一度は真似てみたい、それにぴったりの音楽がある。
▼ 朝鮮後期、風流音楽の「霊山会相(영산회상)」の一曲目、大笒(テグム)演奏「上霊山(상령산)」を聴く。ゆたりと響く。
次に、洪吉周(홍길주、1786年~1841年)の「読書の5つのレベル」について次のように紹介された。
・李徳懋と同時代のソンビの洪吉周は、読書を5つのレベルに分けて記録した。① 最も高いレベルは、体を清くすること。② 古いものから学び、今直面した問題にうまく適用させること。③ 文章を磨き上げて、世の中に名を知らせること。④ 記憶力を生かし、他の人に誇示すること。⑤ 最も低いレベルでは、暇つぶしに読書をして時間を無駄にすること。昔、ソンビにとって読書は、生活そのものであり義務でもあった。早朝、読書で一日を始め、昼寝するときも本をそばに置いた。時には、友人と自然の中で、詩を作ったり、絵や音楽を楽しんだ。これを風流と言いう。
▼ 風流音楽「霊山会相」の6曲目、下絃の楽曲の意、「下絃還入(하현도드리)」演奏を聴く。風流と素朴の一体のよう。
最後に、ソンビの風流とは別の「民間風流(민간풍류)」について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむときに聞く風流音楽(または風流)という。九曲で構成される霊山会相などが代表的だ。また、庶民のパンソリが宮廷でも親しまれ、風流音楽は、地方から貴族に、そして庶民へと伝わった。このように変化した風流を、「民間風流」という。わずか数十年前まで、各地に律房(율방)という風流の室内演奏空間があった。人々が定期的に集まり、聞かせるためでなく、自分たちが好きな音楽を演奏していた。
▼ 民間風流から「クルゲヤンチョンとウチョ(글게양청, 우조)」を聴く。舞いを誘う趣がある。なるほど民間だ。
・「クルゲヤンチョン」は、ソウルの風流「ヤンチョントドゥリ」と同じ曲だが、ソウルでなく全羅道地域の律房で歌われたもの。
2011年12月19日月曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 鄭在國
KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/14)に、人物シリーズ6回目として日本の篳篥(ひちりき)とよく似た管楽器ピリ(觱篥:피리)の名人鄭在國(チョン・ジェグク、정재국:1942年3月10日~)が紹介された。
ピリという楽器については、以前の本番組(6/1)でも紹介されているが、次のように復習した。
・韓国を代表する管楽器で、竹で作られ、本体部分に8つの穴が開けられた縦笛。
▼鄭在國のピリ独奏による(霊山會相)の「上霊山(相霊山、상령산)」を聴く。余韻をもってピリが伸びやかに響く・・・どこかで聞いたような。
次のように鄭在國のプロフィールが紹介された。
・1942年、忠清北道鎮川に生まれる。
・1956年、国立国楽院併設の国楽士養成所に入所。
・1972年、史上初めてピリ独奏会を開く。
ピリの完成につとめておられるようだ。
▼鄭在國による、ピリの音色を人の声で真似て歌う口音(구음)「壽齊天(수제천)」を聴く。元々、宮中の音楽のようで・・・ゆたりとして。
▼鄭在國による、鄭在國流ピリ散調の中から「チ(ジ)ュンジュンモリ」を聴く。アップテンポでピリが奏でられる。やはり、この響きの方が親しみやすいかな。
★ 孫娘-2枚 ★
ピリという楽器については、以前の本番組(6/1)でも紹介されているが、次のように復習した。
・韓国を代表する管楽器で、竹で作られ、本体部分に8つの穴が開けられた縦笛。
▼鄭在國のピリ独奏による(霊山會相)の「上霊山(相霊山、상령산)」を聴く。余韻をもってピリが伸びやかに響く・・・どこかで聞いたような。
次のように鄭在國のプロフィールが紹介された。
・1942年、忠清北道鎮川に生まれる。
・1956年、国立国楽院併設の国楽士養成所に入所。
・1972年、史上初めてピリ独奏会を開く。
ピリの完成につとめておられるようだ。
▼鄭在國による、ピリの音色を人の声で真似て歌う口音(구음)「壽齊天(수제천)」を聴く。元々、宮中の音楽のようで・・・ゆたりとして。
▼鄭在國による、鄭在國流ピリ散調の中から「チ(ジ)ュンジュンモリ」を聴く。アップテンポでピリが奏でられる。やはり、この響きの方が親しみやすいかな。
★ 孫娘-2枚 ★
2013年1月8日火曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 金静子
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/2)に、人物シリーズ61回目として、弦楽器カヤグム(伽耶琴、가야금)の第一人者、金静子(キム・チョンジャ、김정자、1942年4月16日~)を紹介した。新年最初の放送である。
まず、カヤグムにまつわる逸話の紹介から始まった。
・カヤグムの故郷、伽耶が滅亡した際、同国の楽師ウルグ(于勒、우륵)はカヤグムを抱えて新羅に亡命し、新羅の若い音楽家たちにカヤグム音楽を伝承した。ある日、ウルグは、弟子たちが思いを込めて編曲したものを聞き、初め腹を立てたが、聴き終えて「楽しげだが無節制ではなく、悲しみもあるが悲痛ではない。正しい音楽だと言えるだろう。お前たちはこの音楽を王様の前で演奏するがいい」といった。
▼金静子の演奏による「霊山会相(ヨンサンフェサン、영산회상)」の中から「相霊山/上霊山(サンリョンサン(상령산)」を聴く。弦の音と音の空隙に不思議な余韻があって、それ自体ひとつの響きのよう。まさに東洋的な余白の美といえる。
・カヤグムは、朝鮮時代後期から多様な形に改良され、現代ではいくつもの種類がある。正しい音楽と書く「チョンアク(正楽、정악」)は、身分の高いソンビたちの風流として伽耶時代から伝えられて、今でも当時のメロディーを維持しながら演奏され、そこに昔の人々の音楽に対する思想もしっかりと込められている。
次のように金静子の進んだ道が紹介された。
・1942年 生まれる。
・1960年 ソウル大学に入学して初めてカヤグムを始める。当時、まだ近代化の波の真っ只中にあり、伝統文化は古びたもの、切り捨てなくてはならないものと見なされていた。
国楽科を設立して、国楽を後世に残すため努力した師匠イ・ヘグの姿に心を打たれ、カヤグムに対する関心と愛情をわかせた。
▼金静子の演奏による「男唱歌曲(남창가곡)」の中から「初数大葉(초수대엽)」を聴く。これもまた穏やかで粛然とした音色だ。むしろ余白に音を聴くようなものか・・・。
・大学でカヤグム専攻当時、ソンビたちが雑念を抑えるために演奏したという理想的で冷静な正楽を、生涯をかけて演奏すると心にきめた。
・長年、ソウル大学国楽科で学生たちの指導し、今も演奏活動を行っている。正楽を正しく次の世代に伝えていくため、色々な大学で教授として学生の指導にあたっている。
自身と同じような研究者による「正農楽会(정농악회)」(1977年)を発起した経験もある。正農楽会は人間の心を鎮める正しい音楽で畑を耕そうという意味が込められた名前で、正しい音楽で正しい人々を育てようという趣旨があるという。
▼金静子の演奏による「ウットドゥリ(웃도드리)」を聴く。優雅な調べだ。正楽の成立について知りたい・・・古楽というよりは、間の取り方に新しいものを感じる。
まず、カヤグムにまつわる逸話の紹介から始まった。
・カヤグムの故郷、伽耶が滅亡した際、同国の楽師ウルグ(于勒、우륵)はカヤグムを抱えて新羅に亡命し、新羅の若い音楽家たちにカヤグム音楽を伝承した。ある日、ウルグは、弟子たちが思いを込めて編曲したものを聞き、初め腹を立てたが、聴き終えて「楽しげだが無節制ではなく、悲しみもあるが悲痛ではない。正しい音楽だと言えるだろう。お前たちはこの音楽を王様の前で演奏するがいい」といった。
▼金静子の演奏による「霊山会相(ヨンサンフェサン、영산회상)」の中から「相霊山/上霊山(サンリョンサン(상령산)」を聴く。弦の音と音の空隙に不思議な余韻があって、それ自体ひとつの響きのよう。まさに東洋的な余白の美といえる。
・カヤグムは、朝鮮時代後期から多様な形に改良され、現代ではいくつもの種類がある。正しい音楽と書く「チョンアク(正楽、정악」)は、身分の高いソンビたちの風流として伽耶時代から伝えられて、今でも当時のメロディーを維持しながら演奏され、そこに昔の人々の音楽に対する思想もしっかりと込められている。
次のように金静子の進んだ道が紹介された。
・1942年 生まれる。
・1960年 ソウル大学に入学して初めてカヤグムを始める。当時、まだ近代化の波の真っ只中にあり、伝統文化は古びたもの、切り捨てなくてはならないものと見なされていた。
国楽科を設立して、国楽を後世に残すため努力した師匠イ・ヘグの姿に心を打たれ、カヤグムに対する関心と愛情をわかせた。
▼金静子の演奏による「男唱歌曲(남창가곡)」の中から「初数大葉(초수대엽)」を聴く。これもまた穏やかで粛然とした音色だ。むしろ余白に音を聴くようなものか・・・。
・大学でカヤグム専攻当時、ソンビたちが雑念を抑えるために演奏したという理想的で冷静な正楽を、生涯をかけて演奏すると心にきめた。
・長年、ソウル大学国楽科で学生たちの指導し、今も演奏活動を行っている。正楽を正しく次の世代に伝えていくため、色々な大学で教授として学生の指導にあたっている。
自身と同じような研究者による「正農楽会(정농악회)」(1977年)を発起した経験もある。正農楽会は人間の心を鎮める正しい音楽で畑を耕そうという意味が込められた名前で、正しい音楽で正しい人々を育てようという趣旨があるという。
▼金静子の演奏による「ウットドゥリ(웃도드리)」を聴く。優雅な調べだ。正楽の成立について知りたい・・・古楽というよりは、間の取り方に新しいものを感じる。
2015年3月5日木曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」キンアリほか
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/25)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第94回として、民謡「アリラン(아리랑)」にまつわる曲と、改良管楽器について話を紹介した。
(本ブログ関連”アリラン”)
(本ブログ関連”アリラン”)
始めに、西道(半島北部地域の黄海道と平安道地方)民謡の「キンアリ(긴아리)」について次のように紹介された。
・アリランは遊びにも、仕事にも歌う。疲れた時、楽しい時、気持ちを込めてリズムに合わせて歌う。西道に伝わるアリランに、「キンアリ」、「チャジンアリ(자진아리)」がある。種をまき、畑を耕す時、海で貝を採る時も歌う。主に女性が歌い。「キンアリ」の歌詞は、採った貝は塩辛にして、去った人の心はつかもうという「男女相悅之詞」だ。短い歌詞に「やあぁ」という表現が何度も出る。嘆きのようにも、ため息にも聞こえる。どこか悲しい感もするが、(土着固有のリズムが生み出した)命に対する想いがする。
▼ 歌「キンアリ」を聴く。長閑で物静かな歌だ。(参考「韓国民俗文学事典」、「カン・グクスの音楽物語」)
・伝統音楽に、いくつかの曲を繋いだものが多い。ゆっくりから速いテンポに移り変わる。①上層のソンビが楽しんだ音楽「霊山会相」もそのひとつ。「上霊山(상령산)」というゆっくりのテンポから始まり、7~8曲ほど続けて演奏し、最後は大変早いテンポで締めくくる。②「散調」の形式も緩やかなテンポから速いテンポに移る。「チュンモリ(중모리)」に始まり、「チュンチュンモリ(중중모리)」、「チャジンモリ(자진모리)」、「フィモリ(휘모리)」に至る。③民謡も同様、最後の場面が一番楽しく、「チャジンアリ」まで歌いきってこそ、すっきりする。歌詞に面白いものがある。ある女が嫁入りの日、女を愛した男が大騒ぎした。すると女は、ここで騒がないでうちに作男で入ってきなと言った。
▼ 「チャジンアリ」の歌を聴く。何となく滑稽で素朴な曲調に編曲した今様である。
最後に、管楽器「太平簫(テピョンソ、태평소)」とその改良した「チャンセナプ(장새납)」について次のように紹介された。
・民謡の歌詞は、率直ながらもユーモアに溢れる。言葉に表しづらい本音を歌で伝える。どんな状況でも楽観的であった昔の人々の性格が表れている。
・管楽器「太平簫」は、ラッパのような形をしている。別名「セナプ(새납)」とも呼ばれる。北側には伝統楽器に手を加えた改良楽器が多くあり、セナプを改良した長尺の「チャンセナプ」がある。セナプは明るい音色が迫力あり、行進曲の演奏によく使われる。反面、改良したチャンセナプはもう少し柔らかい音色が特徴。
・管楽器「太平簫」は、ラッパのような形をしている。別名「セナプ(새납)」とも呼ばれる。北側には伝統楽器に手を加えた改良楽器が多くあり、セナプを改良した長尺の「チャンセナプ」がある。セナプは明るい音色が迫力あり、行進曲の演奏によく使われる。反面、改良したチャンセナプはもう少し柔らかい音色が特徴。
▼ 民謡「龍岡キナリ(룡강기나리)」を楽器チャンセナプの演奏で聴く。いろいろな味付けをしている。
2012年7月30日月曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 姜孝善
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/25)に、人物シリーズ38回目として日本の雅楽器の篳篥(ヒチリキ)に似た縦笛ピリの演奏家である姜孝善(カン・ヒョソン、강효선)を紹介した。
まず。縦笛のリード管楽器であるピリ(觱篥:피리)の復習(構造、音色、役割)から始まった。
・ピリは、竹製胴体部分に八つの穴があり、2枚リードのキョプソ(舌、겹서)をさして、オーボエのように縦に持って吹く。国楽器中、最も形の小さな楽器だが、その音色は力強く存在感があり、合奏時には主旋律を引っ張っていく。管楽器の花形と言っても過言でない。
・昔から、宮中の宗廟(チョンミョ)祭礼楽など宮中音楽をはじめ、農村の庶民たちの踊りの伴奏まで、様々なシーンで幅広く演奏されてきた。現代では、その存在感から、創作管弦楽で主旋律を担当することも多いが、音域がそれほど広くはないため、伽耶琴(カヤグム:가야금)」や、奚琴(ヘグム:해금)と演奏する場合、脇役になる場合が多かったようだ。
▼姜孝善のピリほか演奏による「相霊山(上霊山、상령산)」を聴く。洋風伴奏とのコラボは印象を新たにするでしょう・・・。
次のように姜孝善のプロフィールが紹介された。
・1976年2月4日 生まれる。幼い頃からピアノとバイオリンを習び、その後、国立国楽中高等学校に進学してピリを専攻。
・2006年 国立国楽院の団員として活動。ファーストアルバム「アトラクション(Attraction)」(2006年)収録のピリ音楽は、それまでの伴奏なしにメロディーを淡々と吹いて聞かせる伝統的なピリのイメージを大きく覆すもので、新しい可能性を見せた。
・現在、演奏の範囲を欧米に広げ、カミン(가민)の名で活動している。
▼姜孝善のピリほか演奏による、(アルバム「アトラクション」より)Michael Staudacher作曲「Life as a day-In life」の「The evening」を聴く。・・・なるほど、新しい音楽誕生という感じです。
▼姜孝善のピリほか演奏による「牡丹雪と夕立(함박눈과 소낙비)」を聴く。コラボって、どうしても東儀秀樹の篳篥の音色にかぶさる。時空を超えるのは大変なことだ。
まず。縦笛のリード管楽器であるピリ(觱篥:피리)の復習(構造、音色、役割)から始まった。
・ピリは、竹製胴体部分に八つの穴があり、2枚リードのキョプソ(舌、겹서)をさして、オーボエのように縦に持って吹く。国楽器中、最も形の小さな楽器だが、その音色は力強く存在感があり、合奏時には主旋律を引っ張っていく。管楽器の花形と言っても過言でない。
・昔から、宮中の宗廟(チョンミョ)祭礼楽など宮中音楽をはじめ、農村の庶民たちの踊りの伴奏まで、様々なシーンで幅広く演奏されてきた。現代では、その存在感から、創作管弦楽で主旋律を担当することも多いが、音域がそれほど広くはないため、伽耶琴(カヤグム:가야금)」や、奚琴(ヘグム:해금)と演奏する場合、脇役になる場合が多かったようだ。
▼姜孝善のピリほか演奏による「相霊山(上霊山、상령산)」を聴く。洋風伴奏とのコラボは印象を新たにするでしょう・・・。
次のように姜孝善のプロフィールが紹介された。
・1976年2月4日 生まれる。幼い頃からピアノとバイオリンを習び、その後、国立国楽中高等学校に進学してピリを専攻。
・2006年 国立国楽院の団員として活動。ファーストアルバム「アトラクション(Attraction)」(2006年)収録のピリ音楽は、それまでの伴奏なしにメロディーを淡々と吹いて聞かせる伝統的なピリのイメージを大きく覆すもので、新しい可能性を見せた。
・現在、演奏の範囲を欧米に広げ、カミン(가민)の名で活動している。
▼姜孝善のピリほか演奏による、(アルバム「アトラクション」より)Michael Staudacher作曲「Life as a day-In life」の「The evening」を聴く。・・・なるほど、新しい音楽誕生という感じです。
▼姜孝善のピリほか演奏による「牡丹雪と夕立(함박눈과 소낙비)」を聴く。コラボって、どうしても東儀秀樹の篳篥の音色にかぶさる。時空を超えるのは大変なことだ。
2011年6月7日火曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 ピリ
先週水曜日(6/1)に放送の、KBS WORLD「国楽の世界へ」では日本の篳篥(ヒチリキ)に似た、「管楽器の花形と言っても過言ではない」主旋律楽器「ピリ(觱篥:피리)」が紹介された。遅くなったが次の通り記す。
この2枚リードの木管楽器は、さしずめ小型のオーボエといったところだろう。
▼チョン・ジェグクによる「柳初新之曲の中から上霊山」を聴く。放送では「優雅な宮中の雰囲気が漂う」と解説された。合奏の中に聴く音は、YoutubeやTV팟などで聴く<独奏>と比べて煌びやかだ。
ピリは更に、郷楽に使われたヒャンピリ(郷觱篥:향피리)、唐楽に使われたタンピリ(唐觱篥:당피리)、細く小さい繊細なセピリ(細觱篥:세피리)の3種類に分けられるそうだ。
ピリは、広義に吹奏する全てを指し、狭義に上記楽器を指すという。
▼オ・セチョルの草笛による「ハン五百年、チョンソンアラリ」を聴く。草笛の素朴な音色におもわず引き込まれる。Youtubeに草笛奏者の呉世哲氏の名があるが同じ方だろうか。
世の東西を問わず、笛の音が盗賊の心にも響き悪事を思いとどませるといった逸話がある。教科書で知った盗賊「袴垂」も同じだ。
▼アン・ウンギョンによる創作音楽「蛙に」を聴く。現代曲・・・だが、カエルの気分になって聴くのもよい。
この2枚リードの木管楽器は、さしずめ小型のオーボエといったところだろう。
▼チョン・ジェグクによる「柳初新之曲の中から上霊山」を聴く。放送では「優雅な宮中の雰囲気が漂う」と解説された。合奏の中に聴く音は、YoutubeやTV팟などで聴く<独奏>と比べて煌びやかだ。
ピリは更に、郷楽に使われたヒャンピリ(郷觱篥:향피리)、唐楽に使われたタンピリ(唐觱篥:당피리)、細く小さい繊細なセピリ(細觱篥:세피리)の3種類に分けられるそうだ。
ピリは、広義に吹奏する全てを指し、狭義に上記楽器を指すという。
▼オ・セチョルの草笛による「ハン五百年、チョンソンアラリ」を聴く。草笛の素朴な音色におもわず引き込まれる。Youtubeに草笛奏者の呉世哲氏の名があるが同じ方だろうか。
世の東西を問わず、笛の音が盗賊の心にも響き悪事を思いとどませるといった逸話がある。教科書で知った盗賊「袴垂」も同じだ。
▼アン・ウンギョンによる創作音楽「蛙に」を聴く。現代曲・・・だが、カエルの気分になって聴くのもよい。
2016年4月27日水曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 笛(ピリ、觱篥)
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、オーボエに似た楽器「ピリ(觱篥:피리)」に関連した3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”ピリ”)
始めに、笛の総称「ピリ(피리)」の中で、狭義の楽器「ピリ(觱篥:피리)」について次のように紹介された。
・笛といえば、西洋楽器のフルートやリコーダーを思い浮かべるが、韓国伝統楽器に、「タンソ(短簫:단소)」や「トゥンソ(洞箫、퉁소)」がある。笛の総称を「ピリ(피리)」という。昔、柳や草で音を出し、「柳笛(버들피리)」や「草笛(풀피리)」がある。専門的意味での「觱篥」は、指ほどの太さで、長さ約20~30cmくらいの竹管で、八つの穴があり、2枚リードの「キョプソ(舌、겹서)」をはめて振動させて縦方向に吹く。小さくとも大きなしっかりした音を出す。宮中音楽から民謡、仮面劇(タルチュム、탈춤)に至るまで、多様なジャンルのメロディーを担当する。
▼ 朝鮮後期、宮中の宴で奏した8曲構成の「平調会相(평조회상)」の最初の曲「上霊山(상령산)」を觱篥独奏で聴く。朗々。
次に、子どもが玩具に作った柳笛、麦わらの茎で作った「麦笛(보리 피리)」について次のように紹介された。
・柳がみずみずしい頃、昔の子どもは柳笛を作った。水分たっぷり含んだ太めの枝を切り、軽くねじると皮と芯が分離する。枝の片方の端を削り、吹き口を作る。適当な大きさで穴を開けると、簡単な民謡くらいは演奏できた。竹で作った笛と、ある程度似た音が出た。また、麦が実る春頃、麦わらの茎で笛を作ったりした。「麦笛」という。大した玩具のなかった昔、子どもにとって、春に楽しむ立派な玩具だった。春と笛の音はよく似合うようだ。
▼ 觱篥と様々な楽器演奏で、京畿民謡の「倡夫打令(창부타령)」(倡夫は、巫女ムーダンの夫ながら楽器演奏者を指す)を聴く。浮き立つような軽快な響きがする。
最後に、「郷觱篥(향피리)」、「唐觱篥(당피리)」、「細觱篥(세피리)」の3種の觱篥について次のように紹介された。
・郷觱篥は、宮中音楽からソンビの風流音楽、民族音楽に至るまで、韓国固有の音楽で演奏された笛だ。
・唐觱篥は、唐の笛の意で、本来は中国伝来の音楽演奏に使われたが、韓国の宮中音楽で演奏したりした。
・細觱篥は、音が小さく、上流階層が演奏を楽しむ風流房(풍류방)と呼ぶ処で弦楽器中心に演奏 の際に使った。
・最近は、楽器ごとに、演奏者の個性を生かして、一般に親しまれる音楽が多い。觱篥は、もともと多様な形で演奏された楽器で、創作音楽で演奏されることは多くなかったが、今後が期待できるだろう。
▼ 創作音楽の觱篥演奏、「カエルへ(개구리에게)」を聴く。子どもも喜ぶ愉快な音楽、今様である。
(本ブログ関連:”ピリ”)
始めに、笛の総称「ピリ(피리)」の中で、狭義の楽器「ピリ(觱篥:피리)」について次のように紹介された。
・笛といえば、西洋楽器のフルートやリコーダーを思い浮かべるが、韓国伝統楽器に、「タンソ(短簫:단소)」や「トゥンソ(洞箫、퉁소)」がある。笛の総称を「ピリ(피리)」という。昔、柳や草で音を出し、「柳笛(버들피리)」や「草笛(풀피리)」がある。専門的意味での「觱篥」は、指ほどの太さで、長さ約20~30cmくらいの竹管で、八つの穴があり、2枚リードの「キョプソ(舌、겹서)」をはめて振動させて縦方向に吹く。小さくとも大きなしっかりした音を出す。宮中音楽から民謡、仮面劇(タルチュム、탈춤)に至るまで、多様なジャンルのメロディーを担当する。
▼ 朝鮮後期、宮中の宴で奏した8曲構成の「平調会相(평조회상)」の最初の曲「上霊山(상령산)」を觱篥独奏で聴く。朗々。
次に、子どもが玩具に作った柳笛、麦わらの茎で作った「麦笛(보리 피리)」について次のように紹介された。
・柳がみずみずしい頃、昔の子どもは柳笛を作った。水分たっぷり含んだ太めの枝を切り、軽くねじると皮と芯が分離する。枝の片方の端を削り、吹き口を作る。適当な大きさで穴を開けると、簡単な民謡くらいは演奏できた。竹で作った笛と、ある程度似た音が出た。また、麦が実る春頃、麦わらの茎で笛を作ったりした。「麦笛」という。大した玩具のなかった昔、子どもにとって、春に楽しむ立派な玩具だった。春と笛の音はよく似合うようだ。
▼ 觱篥と様々な楽器演奏で、京畿民謡の「倡夫打令(창부타령)」(倡夫は、巫女ムーダンの夫ながら楽器演奏者を指す)を聴く。浮き立つような軽快な響きがする。
最後に、「郷觱篥(향피리)」、「唐觱篥(당피리)」、「細觱篥(세피리)」の3種の觱篥について次のように紹介された。
・郷觱篥は、宮中音楽からソンビの風流音楽、民族音楽に至るまで、韓国固有の音楽で演奏された笛だ。
・唐觱篥は、唐の笛の意で、本来は中国伝来の音楽演奏に使われたが、韓国の宮中音楽で演奏したりした。
・細觱篥は、音が小さく、上流階層が演奏を楽しむ風流房(풍류방)と呼ぶ処で弦楽器中心に演奏 の際に使った。
・最近は、楽器ごとに、演奏者の個性を生かして、一般に親しまれる音楽が多い。觱篥は、もともと多様な形で演奏された楽器で、創作音楽で演奏されることは多くなかったが、今後が期待できるだろう。
▼ 創作音楽の觱篥演奏、「カエルへ(개구리에게)」を聴く。子どもも喜ぶ愉快な音楽、今様である。
2011年6月25日土曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 ヤングム
水曜日(6/22)放送の、KBS WORLD「国楽の世界へ」では、ペルシャ(イラン)のサントゥール(santur)に似た打絃樂器の、「朝鮮時代後期(英祖(1694~1776)の代初期)に中国を経て伝えられた西洋の琴、洋琴(楊琴)(ヤングム:양금)」が紹介された。今回も15分間の国楽の旅を楽しませてもらった。感謝。
▼短簫(タンソ:단소)と共に、イ・ジヨンが洋琴を奏でる「弦楽霊山会上」を聴く。短簫の笛の音に対して、リズムをとって行方を照らすように下支えしている。
楽器は台形の箱型で、その上に金属製の細い弦(4本×14セット)が載せられている。バチで弦を叩いて音を出す。
▼チョン・ミョンソンによる「太陽の歌」を聴く。古風に弦の一音一音響きを残しながら、緩やかに奏している。まるでジリジリと太陽の陽がさしてくるように。
【洞簫(トゥンソ:퉁소)】
その他に、韓国固有の古楽器で、竹製の縦笛、洞簫の紹介があった。
▼トン・ソンボンおよびコ・ジャンウクによる咸鏡道地方(半島根元の東北部)の民謡「トンドルナリ」を聴く。リフレインされる素朴で初源的なフレーズに次第に聞き入ってしまう。
(Youtubeに登録のMehdibeygに感謝)
▼短簫(タンソ:단소)と共に、イ・ジヨンが洋琴を奏でる「弦楽霊山会上」を聴く。短簫の笛の音に対して、リズムをとって行方を照らすように下支えしている。
楽器は台形の箱型で、その上に金属製の細い弦(4本×14セット)が載せられている。バチで弦を叩いて音を出す。
▼チョン・ミョンソンによる「太陽の歌」を聴く。古風に弦の一音一音響きを残しながら、緩やかに奏している。まるでジリジリと太陽の陽がさしてくるように。
【洞簫(トゥンソ:퉁소)】
その他に、韓国固有の古楽器で、竹製の縦笛、洞簫の紹介があった。
▼トン・ソンボンおよびコ・ジャンウクによる咸鏡道地方(半島根元の東北部)の民謡「トンドルナリ」を聴く。リフレインされる素朴で初源的なフレーズに次第に聞き入ってしまう。
(Youtubeに登録のMehdibeygに感謝)
2012年4月7日土曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 李銀珠
KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、今週水曜日(4/4)に、人物シリーズ22回目として「京畿民謡(경기민요)の名人、"銀のお盆の上で玉を転がすような声"という代名詞で呼ばれているほどの美声の持ち主の李銀珠(이은주、1922年~)」を紹介した。
(本ブログ関連:"民謡"、"民謡(続)")
▼李銀珠の歌による「離別歌(이별가)」を聴く。ソウルに近いからというわけではないが、どこかスマートで伸びやかさを感じる。・・・・内面的な理解までは。
次のように李銀珠のプロフィールが紹介された。
・1922年 京畿道楊州に生まれる。(本名、李潤蘭(이윤란))
・14歳で京畿民謡大家の元慶兌(원경태)門下に入る。李銀珠の芸名を授かる。
・1942年 20歳で京城放送局と専属契約を結ぶ。
・李昌培(이창배)の下で後輩の指導にあたる一方で、積極的な音楽活動をする。
・1975年 京畿民謡の芸能保有者(重要無形文化財第57号)として選定される。
▼李銀珠ほかの歌による「ノドル江辺(노들강변)」(1934年、パク・ブヨン(박부용))を聴く。新民謡なんだね明るいな、すいすいと前向きな、水辺の柳が春風に揺れて・・・。
▼李銀珠ほかの歌による「回心曲(회심곡)」(歌詞)を聴く。太古宗奉元寺の霊山斎(「和請」)のCDでも聞いたが、女性ながら太く芯のある声に驚く。経文ではなく民謡の要素が強いとのこと、人生を宗教的に省みて俯瞰することにつながるのかな・・・。
(歌詞:ブログ「花の世 国楽芸術団」より。感謝。)
(本ブログ関連:"(資料)霊山斎、奉元寺")
(余聞)
以前、地元駅そばにあった韓国家庭料理店の名前が「ンジュ(銀珠)」だった。今は、「明洞」の名になっているが・・・家庭料理店らしいメニューと雰囲気は変わらない。
(本ブログ関連:"昼さまざま"、"明洞")
(本ブログ関連:"民謡"、"民謡(続)")
▼李銀珠の歌による「離別歌(이별가)」を聴く。ソウルに近いからというわけではないが、どこかスマートで伸びやかさを感じる。・・・・内面的な理解までは。
次のように李銀珠のプロフィールが紹介された。
・1922年 京畿道楊州に生まれる。(本名、李潤蘭(이윤란))
・14歳で京畿民謡大家の元慶兌(원경태)門下に入る。李銀珠の芸名を授かる。
・1942年 20歳で京城放送局と専属契約を結ぶ。
・李昌培(이창배)の下で後輩の指導にあたる一方で、積極的な音楽活動をする。
・1975年 京畿民謡の芸能保有者(重要無形文化財第57号)として選定される。
▼李銀珠ほかの歌による「ノドル江辺(노들강변)」(1934年、パク・ブヨン(박부용))を聴く。新民謡なんだね明るいな、すいすいと前向きな、水辺の柳が春風に揺れて・・・。
▼李銀珠ほかの歌による「回心曲(회심곡)」(歌詞)を聴く。太古宗奉元寺の霊山斎(「和請」)のCDでも聞いたが、女性ながら太く芯のある声に驚く。経文ではなく民謡の要素が強いとのこと、人生を宗教的に省みて俯瞰することにつながるのかな・・・。
(歌詞:ブログ「花の世 国楽芸術団」より。感謝。)
(本ブログ関連:"(資料)霊山斎、奉元寺")
(余聞)
以前、地元駅そばにあった韓国家庭料理店の名前が「ンジュ(銀珠)」だった。今は、「明洞」の名になっているが・・・家庭料理店らしいメニューと雰囲気は変わらない。
(本ブログ関連:"昼さまざま"、"明洞")
2011年4月28日木曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 伽耶琴(カヤグム)
昨日のKBS WORLDに、「国楽の世界へ」(毎週水曜日 後半15分)が始まった。韓国の伝統音楽(すなわち国楽(국악))や楽器について紹介する番組である。解説を担当されるのは、埼玉県出身で、2年前から高麗大学大学院韓国語文化教育学専攻している岸加那子さんだ。
ラジオの特性から楽曲、楽器の音を聴くことができる。まさに耳学問であるが、今後も耳を傾けていきたい。
第1回目は、「伽耶琴(カヤグム:가야금)」という、絹糸の12弦を張った、小ぶりだが日本の琴と似た楽器が紹介された。
「25弦の伽耶琴」
▼伽耶琴3重奏団「伽耶美(가야미)」の、(現代の)25弦の伽耶琴による、「アリラン」演奏を聴く。随分と現代的な澄んだ音で奏でられている。
「正楽(정악)伽耶琴」
・(伽耶琴の起源は)1500年前、東南部にあった伽耶国の王によって「正楽伽耶琴」と呼ぶ琴が作られた。胴体は桐の木、長さ150cm、幅30cmで、12本の弦が張られている。
・演奏法は、楽器をひざの上に載せ、右手でひいた弦を左手で上から押して揺さぶり(ビブラート)をかけて音に変化をもたらす。
・「正楽伽耶琴」は、宮廷や貴族たちの楽しみの際に演奏されたため、ゆったりとしたメロディ、深い音を奏でるのが特徴。
▼弦楽「霊山会相」の中から、チェ・チュンウン演奏を聴く。一音一音を確かめるような古雅(重厚)な響きが伝わる。
「散調(산조)伽耶琴」
・朝鮮時代後期に、「正楽伽耶琴」を小型にした楽器が登場する。コンパクトになり、音が高くなり、弦の間隔が狭まり以前より早いテンポの演奏ができるようになった。
・弦も細くなり、感情起伏の激しい庶民の音楽を演奏するのに適したものになった。
▼ユ・デボン流・伽耶琴散調のなかから、もっともテンポの早い「フィモリ(吹き荒れる)チャンタン」(伽耶琴:ペク・イニョン、チャング:チョン・ファヨン)を聴く。伽耶琴の響きを間断なくつぎつぎと繰り出す。
音と合わせて識ることになるので、KBS WORLDのホームページに上記内容のページを載せて、その音源をいつでも聴取できるようにしていただけると幸いである。
⇒すでに、KBS WORLDのホ-ムページに掲載されていました、早とちりだったかな。感謝。
(参考)
「国楽放送」という放送局があるようだ。
ラジオの特性から楽曲、楽器の音を聴くことができる。まさに耳学問であるが、今後も耳を傾けていきたい。
第1回目は、「伽耶琴(カヤグム:가야금)」という、絹糸の12弦を張った、小ぶりだが日本の琴と似た楽器が紹介された。
「25弦の伽耶琴」
▼伽耶琴3重奏団「伽耶美(가야미)」の、(現代の)25弦の伽耶琴による、「アリラン」演奏を聴く。随分と現代的な澄んだ音で奏でられている。
「正楽(정악)伽耶琴」
・(伽耶琴の起源は)1500年前、東南部にあった伽耶国の王によって「正楽伽耶琴」と呼ぶ琴が作られた。胴体は桐の木、長さ150cm、幅30cmで、12本の弦が張られている。
・演奏法は、楽器をひざの上に載せ、右手でひいた弦を左手で上から押して揺さぶり(ビブラート)をかけて音に変化をもたらす。
・「正楽伽耶琴」は、宮廷や貴族たちの楽しみの際に演奏されたため、ゆったりとしたメロディ、深い音を奏でるのが特徴。
▼弦楽「霊山会相」の中から、チェ・チュンウン演奏を聴く。一音一音を確かめるような古雅(重厚)な響きが伝わる。
「散調(산조)伽耶琴」
・朝鮮時代後期に、「正楽伽耶琴」を小型にした楽器が登場する。コンパクトになり、音が高くなり、弦の間隔が狭まり以前より早いテンポの演奏ができるようになった。
・弦も細くなり、感情起伏の激しい庶民の音楽を演奏するのに適したものになった。
▼ユ・デボン流・伽耶琴散調のなかから、もっともテンポの早い「フィモリ(吹き荒れる)チャンタン」(伽耶琴:ペク・イニョン、チャング:チョン・ファヨン)を聴く。伽耶琴の響きを間断なくつぎつぎと繰り出す。
音と合わせて識ることになるので、KBS WORLDのホームページに上記内容のページを載せて、その音源をいつでも聴取できるようにしていただけると幸いである。
⇒すでに、KBS WORLDのホ-ムページに掲載されていました、早とちりだったかな。感謝。
(参考)
「国楽放送」という放送局があるようだ。
2015年7月16日木曜日
KBS WORLD「国楽の世界へ」 三伏
KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/8)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、夏の最も暑い時期、旧暦6月から7月の間に入る雑節「三伏(삼복)」に関わる3曲を紹介した。
始めに、雑節「三伏」の字義と、それに関連する諺(ことわざ)について次のように紹介された。
・「三伏」は、夜が最も短い「夏至」から、2~3週間経つと初伏。その十日後が中伏、秋が始まる立秋が過ぎると末伏の三伏を指す。三伏の「伏」は、伏せるの意で人が犬のように伏せる姿に見える。また、あまりに暑いので秋の気運が伏している意もある。三伏の暑さに牛の角も曲がるとか、唇についた飯粒も重く感じるといった諺もある。今年の初伏は7月13日だ。
▼ 笛テグムとソグム、ピアノなど演奏の「太陽を呑み込む(태양을 삼키다)」を聴く。ケーナの乾いた雰囲気する今様だ。
次に、三伏の時期、魚獲りを題材にした歌「フィモリ雑歌 六七月(휘모리잡가 육칠월)」について次のように紹介された。
・三伏の暑さは、農作物にとって最適で、稲は三伏に歳を取るという。暑いから不満と思うわけにはいかない。暑さを乗り切るため、昔は渓谷に足をひたしたり、海辺の砂で体を温めたりした。熱を熱でもって治める方法だ。鶏肉を蒸した参鶏湯(삼계탕)やスイカを食べたり、川辺で魚を獲り直ぐに食べたりした。晴れた日より曇りの日に魚がよく獲れる。「フィモリ雑歌 六七月」には、両班にもかかわらず職も無く遊び暮らす、閑良(한량)身分の男が登場する。ある曇った夏の日、閑良は魚を獲り、通りがかった男の子に、魚を家まで運び、調理しておくよう伝えて欲しいと頼む。男の子は口をとがらせ、自分も雇われ人で、できるか分からないと答える。そんなやり取りをユーモアに歌う。
(参考:”キム・ウンハPDの音楽喫茶”に感謝)
▼ 歌「フィモリ雑歌 六七月」を聴く。語りに節を付けたようで素朴な感じする。パンソリよりは少しだけ具体的。
最後に、ソンビの体面と、あるときそれを越える話題について次のように紹介された。
・身分制社会では、暑さをしのぐ方法も身分によって違った。体面を保つことを自分の命より重視したソンビは、どんなに暑くても服を脱ぐことはなかった。ただ、扇子をあおぎ、読書したり詩作した。音楽の演奏や鑑賞もそのひとつだった。
・成大中(성대중、1732年~1809年)に、洪大容(홍대용)の別荘<留春塢(유춘오)>で開かれた音楽会の記録「記留春塢樂會」がある。洪大容はカヤグムを、洪景性(홍경성)はコムンゴを、李漢鎭(이한진)はテュンソを取り出すことから始まる。弦楽器ヤングムや、鳳凰を象徴する管楽器センファンも登場する。歌を歌う者の姿、また上座に座った年長者の様子もある。馳走と酒、多様な楽器の演奏、雰囲気も真っ盛りになる。すると、年長の金用譲(김용겸)が急にお辞儀をした。素晴らしい音楽を聴かせてもらい、年長の自分が辞儀をするのは当然なことではないかといった。
▼ ソンビが風流を楽しむ曲「短い霊山会上(짧은 영산회상)」を聴く。悠然とすれば自ずと時と風は通り過ぎる感じ。・・・<この曲は元々仏教音楽に由来する>とのこと。
(参考: ”トゥルムェ文学(들뫼 문확)”に感謝)
始めに、雑節「三伏」の字義と、それに関連する諺(ことわざ)について次のように紹介された。
・「三伏」は、夜が最も短い「夏至」から、2~3週間経つと初伏。その十日後が中伏、秋が始まる立秋が過ぎると末伏の三伏を指す。三伏の「伏」は、伏せるの意で人が犬のように伏せる姿に見える。また、あまりに暑いので秋の気運が伏している意もある。三伏の暑さに牛の角も曲がるとか、唇についた飯粒も重く感じるといった諺もある。今年の初伏は7月13日だ。
▼ 笛テグムとソグム、ピアノなど演奏の「太陽を呑み込む(태양을 삼키다)」を聴く。ケーナの乾いた雰囲気する今様だ。
次に、三伏の時期、魚獲りを題材にした歌「フィモリ雑歌 六七月(휘모리잡가 육칠월)」について次のように紹介された。
・三伏の暑さは、農作物にとって最適で、稲は三伏に歳を取るという。暑いから不満と思うわけにはいかない。暑さを乗り切るため、昔は渓谷に足をひたしたり、海辺の砂で体を温めたりした。熱を熱でもって治める方法だ。鶏肉を蒸した参鶏湯(삼계탕)やスイカを食べたり、川辺で魚を獲り直ぐに食べたりした。晴れた日より曇りの日に魚がよく獲れる。「フィモリ雑歌 六七月」には、両班にもかかわらず職も無く遊び暮らす、閑良(한량)身分の男が登場する。ある曇った夏の日、閑良は魚を獲り、通りがかった男の子に、魚を家まで運び、調理しておくよう伝えて欲しいと頼む。男の子は口をとがらせ、自分も雇われ人で、できるか分からないと答える。そんなやり取りをユーモアに歌う。
(参考:”キム・ウンハPDの音楽喫茶”に感謝)
▼ 歌「フィモリ雑歌 六七月」を聴く。語りに節を付けたようで素朴な感じする。パンソリよりは少しだけ具体的。
最後に、ソンビの体面と、あるときそれを越える話題について次のように紹介された。
・身分制社会では、暑さをしのぐ方法も身分によって違った。体面を保つことを自分の命より重視したソンビは、どんなに暑くても服を脱ぐことはなかった。ただ、扇子をあおぎ、読書したり詩作した。音楽の演奏や鑑賞もそのひとつだった。
・成大中(성대중、1732年~1809年)に、洪大容(홍대용)の別荘<留春塢(유춘오)>で開かれた音楽会の記録「記留春塢樂會」がある。洪大容はカヤグムを、洪景性(홍경성)はコムンゴを、李漢鎭(이한진)はテュンソを取り出すことから始まる。弦楽器ヤングムや、鳳凰を象徴する管楽器センファンも登場する。歌を歌う者の姿、また上座に座った年長者の様子もある。馳走と酒、多様な楽器の演奏、雰囲気も真っ盛りになる。すると、年長の金用譲(김용겸)が急にお辞儀をした。素晴らしい音楽を聴かせてもらい、年長の自分が辞儀をするのは当然なことではないかといった。
▼ ソンビが風流を楽しむ曲「短い霊山会上(짧은 영산회상)」を聴く。悠然とすれば自ずと時と風は通り過ぎる感じ。・・・<この曲は元々仏教音楽に由来する>とのこと。
(参考: ”トゥルムェ文学(들뫼 문확)”に感謝)
2017年7月25日火曜日
水晶果
冷たい飲み物に多種多様ある。韓国の庶民の味で、好みは「バナナ牛乳」だが、日本の店頭で見かけたことがない。乳製品の性質上、輸入販売できないという・・・そんな理由を聞いたことがある。
缶入り飲み物では、「水晶果*(수정과)」が喉ごしがいい。自販機から取り出して飲むと、冷たくて、シナモンの香りが広がり美味い。この作り方を、Youtubeにいくつも紹介がある。驚いたのは、材料の「シナモン」すなわち「ニッキ」/「桂皮」が、乾燥した皮であり、そのまま使用していることだ。てっきり粉末状にしたものと思っていたからだ。
(* 水晶果: 正式には「水生果」のようだ。鉱物趣味にとっては、「水晶果」の方がいいのだが)
① シナモンの皮を水で煮込むと茶色の液体になる。
② 別途、生姜のスライスを水煮する。
③ これら、①と②を混ぜ合わせ、(無漂白)砂糖を加えれば煮汁ができあがる。
④ 最後に、柔らかな干し柿をカップに置き、上記③の煮汁を足して冷やせば完成。
以前、ソウルの延世大学の近くにある「奉元寺」(太古宗: もしかして、イ・ソンヒの父親と縁があるのではないかと思い)を訪れたとき、< 境内に「玉泉梵音大学と霊山斎保存会」の名を記した建物があり、茶室でボランティアの方に水晶果をいただき、干し柿のサービスを受けた > ことがある。
暑い夏に、甘い香りなのに、きりりと引き締める、冷たく冷やした「水晶果」はかかせない。
缶入り飲み物では、「水晶果*(수정과)」が喉ごしがいい。自販機から取り出して飲むと、冷たくて、シナモンの香りが広がり美味い。この作り方を、Youtubeにいくつも紹介がある。驚いたのは、材料の「シナモン」すなわち「ニッキ」/「桂皮」が、乾燥した皮であり、そのまま使用していることだ。てっきり粉末状にしたものと思っていたからだ。
(* 水晶果: 正式には「水生果」のようだ。鉱物趣味にとっては、「水晶果」の方がいいのだが)
① シナモンの皮を水で煮込むと茶色の液体になる。
② 別途、生姜のスライスを水煮する。
③ これら、①と②を混ぜ合わせ、(無漂白)砂糖を加えれば煮汁ができあがる。
④ 最後に、柔らかな干し柿をカップに置き、上記③の煮汁を足して冷やせば完成。
以前、ソウルの延世大学の近くにある「奉元寺」(太古宗: もしかして、イ・ソンヒの父親と縁があるのではないかと思い)を訪れたとき、< 境内に「玉泉梵音大学と霊山斎保存会」の名を記した建物があり、茶室でボランティアの方に水晶果をいただき、干し柿のサービスを受けた > ことがある。
暑い夏に、甘い香りなのに、きりりと引き締める、冷たく冷やした「水晶果」はかかせない。
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