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2015年11月4日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 瞑想の音楽

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/28)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<瞑想>にふさわしい3曲を紹介した。

始めに、瞑想の効用と風流音楽について次のように紹介された。
・瞑想は、ストレス解消や血液循環が良くなり、肉体疲労や病を回復させる力があるという。集中力が上がり、憂鬱な気分から解放されるともいう。しかし、本当に効果があるか確認する方法はない。直接体験して確かめることになる。瞑想方法は多様だが、共通するのは集中することだ。頭の中で思いを一ヵ所に集中する必要がある。最初は簡単でないが、静かな音楽と、そのリズムに集中するのもひとつの方法だ。

▼ 撥弦楽器の伽耶琴(カヤグム、가야금)演奏の代表的風流音楽「霊山会相(영산회상)」から、「上霊山(상령산)」を聴く。行間を読むように響く。

次に、撥弦楽器の「伽耶琴」や「玄琴(コムンゴ、거문고)」の奏法、仏教音楽「梵唄(범패)」について次のように説明された。
撥弦楽器の、「伽耶琴」や「玄琴」は、「スルテ(술대)」という絃をはじく竹撥(ばち)、または指で音を出す。西洋楽器のバイオリンと違い、弓で一度音を出すとすぐに消えるため、遠ざかる音を装飾音(꾸밈음、Trill)で飾ると、長く響くように感じる。「上霊山」の場合、ゆっくりした速さと、音階の少ないのが特徴。一曲の演奏に、初めから終わりまで集中が必要、瞑想でもある。
・仏教音楽の「梵唄」も同様である。中でも、歌詞を長く解釈しながら歌う、サンスクリット語からなるもっとも長い歌「ジッソリ(짓소리)」は、五、六文字で一時間歌うこともある。母音を長く伸ばすため間違えると大変で、集中しなければならなかった。

▼ 梵唄「ジッソリ」から「挙霊山(거영산)」を聴く。遍路歌ではないが、聞き入っていることに気付く。

・九文字で構成される歌詞を二度繰り返し、もう一度繰り返すとき一文字だけを長く歌う。大変短い歌詞だが、意味のない母音をリズムに合わせて歌う。長い歌詞のパンソリに匹敵するくらい難しい。僧侶の修行のひとつの方法ともされる。

(ちなみに、イ・ソンヒの父は、梵唄の指導者といわれている)

最後に、(韓国の)伝統音楽と瞑想の親和性について次のように紹介された。
・西洋の音楽は和音が多い反面、伝統音楽はメロディーがシンプルなため、瞑想に役に立つともいう。

▼ 「コル・ニドライ」(Max Bruch作曲)の、牙筝(アジェン、아쟁)とピアノ演奏(2005年、明洞聖堂大聖堂)を聴く。チェロも哲学的といわれる・・・が。