KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/25)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「上霊山」ほかまつわる話を紹介した。
始めに、「洪大容(홍대용)」(1731年~1783年)の小音楽会を記録した「朴趾源(박지원)」(1737年~1805年)の描写について次のように紹介された。
・朝鮮後期の哲学者で実学者の「洪大容」は、音楽を好み、コムンゴをよく奏し、中国伝来の楽器「揚琴」の奏法を開発した。小説「許生伝(허생전)」で知られる「朴趾源」は、ある夏の夜、親しくした洪大容の家の小音楽会を記録した。< 洪大容が楽器「瑟(슬)」を奏すると、金檍(김억)は琴を奏し、麯翁(국옹)が歌った。深夜、暑さが和らぐと、楽の音色はさらに清まる。左右の人々はみな静かに黙々と、まるで修練をする人が神を見たかのような姿だ > と、風流を楽しんだソンビがうかがえる。
▼ 風流音楽の代表「霊山会相(영산회상)」の「上霊山(상령산)」をコムンゴとセンファンの演奏で聴く。ゆるりと始まる。
次に、南道地域の女性たちが歌った「ドゥンドンギ打令(둥덩(당?)기타령)」について次のように紹介された。
・学者ソンビは、部屋で読書し友と政治や学問を語るのが常だったが、暑い日には板の間に座って小音楽会を開いた。彼らが風流を楽しむ間、庶民は暑さを乗り越えるにも、一日中仕事をして余裕はなかった。とはいえ、真夏にしばし仕事を忘れ、一息つく生活の知恵があった。南道地域の女性は、水入れの甕(カメ)に瓢箪(ヒサゴ)を置き、太鼓を叩くように奏して歌を楽しんだ。一人ずつ歌を歌い、心一新して労働の意欲を再び湧かせた。
▼ 「ドゥンドンギ打令」の歌を聴く。ずいぶんとソフィスティケートされて、舞台演奏だろうか。
最後に、「フィモリ雑歌(휘모리잡가)」にある、男と作男とのやりとりを歌うについて次のように紹介された。
・雨が降りそうなとき、魚の汁物や粥を食べるのも夏の楽しみのひとつ。ソウルと京畿道地方に伝わるテンポの速いフィモリ雑歌に、魚釣りに行った男の話が登場する。釣った魚を早く家に届けたいが他に誰もいない。そんなとき、近所の家の作男が通りかかる。この魚をわが家に届けて料理しておくよう頼んだが・・・。作男は色々と理屈を並べ、獲った魚を分けてくれるなら考ると、そんな使いまではやりきれないと答える、面白い内容の歌だ。
▼ フィモリ雑歌の「六・七月の曇りの日(육칠월 흐린 날)」の歌を聴く。今様ににぎやかに楽しく・・・。