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2026年9月4日金曜日

あざみの歌

秋の公園の散歩道に、赤紫色のアザミの花が咲いている。あまりにありふれた野草ながら、色合いといい、名前といい、そこからあるイメージがわく。

(本ブログ関連:”あざみ”)

高校時代に、遠くから眺めるような女生徒がいた。だから誰もが口にしたことはない。卒業後、仲間が集まったとき、みなが彼女のことを語り出した・・・、そんな経験がある。

日本人の心情に、そばにいるのに手に入らない、近寄りがたい清純さを感じさせるのは、ラジオ歌謡で知られる「あざみの歌」(作詞:横井弘 、作曲:八洲秀章、昭和24年⁅1949年⁆8月8日 )にあるのではないだろうか。「唱歌・童謡ものがたり」(読売新聞文化部、岩波現代文)の、秋の項の最初にとりあげられる(以下同書より)。

作詞者の横井弘は、初年兵として茨城で勤務したが終戦となり、四谷の自宅が戦火で焼失したため、母と二人で信州に移った。戦後、八ヶ岳の八島ヶ原湿原(八島湿原)を散策しながら「あざみの歌」を作詞したという。

この歌は、私ら世代には「イヨマンテの夜」(作詞:菊田一夫、作曲:古関裕而、昭和24年)で知られる伊藤久男の唄でレコーディング(昭和26年⁅1951年⁆)されたが、その前のNHKの「NHKラジオ歌謡」(昭和24年⁅1949年⁆8月)では、作曲者の八洲秀章の声で放送されたそうだ。

あざみの歌
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山には山の 愁いあり
海には海の 悲しみや
ましてこころの 花ぞのに
咲きしあざみの 花ならば
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■ Youtube(登録: CLC MVC)
「あざみの歌(昭和24年)伊藤久男」(2018/12/25)
    - https://www.youtube.com/watch?v=v3kXcsb7hWY

2018年8月11日土曜日

山の日 2018

今日は祝日「山の日」。本格的な山とはしばらく縁遠い。鉱物採集で山に入るのは、登山といえない。以前、ブログに記したように、鉱石(資源となる鉱物)の運搬上、鉱山(跡)が深山にあるケースは多くない。また、ズリ(跡)で鉱物採集するとき、地面に向かってハンマーを打ち下ろし、石を砕き続けるわけで、山景に親しむ余裕はない。

(本ブログ関連:”山の日”)

集団で鉱物採集地の山を登りくだりしたとき、いずれも後塵を拝したことがあった。それも、若者に同道してもらってのこと。以来、横付けという、車道から近い鉱山跡で採集するようになった・・・安直なことで。

山といえば、懐かしい想いのする「あざみの歌」(作詞横井弘、作曲八洲秀章)がある。戦後間もなく発表され、その後、倍賞千恵子も歌った憂いに満ちたこの曲を、あまり聴かれることはないようだ。私にとっては、彼女のイメージと重なって思い出深い、なにしろ寅さんの妹さくら役でもあるからだ。

「唱歌・童謡ものがたり」(読売新聞文化部、岩波現代文庫)によれば、作詞者横井弘(1926年10月12日~2015年6月19)は、まだ18歳の1945年5月に召集を受け、同年8月に終戦を迎える。あっという間の4ヶ月だったようだ。母子で暮らした四谷の家は焼け、人づてに長野県下諏訪の町に至ったという。復員した彼が八ヶ岳の八島ヶ原湿原で作ったのが「あざみの歌」だったとか。また、作曲者八洲秀章は、すでに旋律を作曲していて、それに合った詩を探していたという。

(本ブログ関連:”「唱歌・童謡ものがたり」”)

結果、Wikipediaによれば、「あざみの歌」は、作曲者八洲秀章の歌唱で、1949年(昭和24年)8月8日から1週間、NHKのラジオ歌謡で放送された。1951年には、歌手伊藤久男の歌でレコード化されている。

上記「唱歌・童謡ものがたり」に、作詞者横井弘とのインタビューが載っており、「でも、やはりこの歌が一番思い出深いなあ。自分の一生を決定づけた歌ですからね。華麗でも高貴でもないが、素朴に、ひたむきに咲いているアザミの姿に理想の女性像を重ねてみたんです。別に特定の人物はいませんが、この思いは今も全く同じです」とのこと。


(Youtubeに登録のtengokuemakiに感謝)

2026年10月8日木曜日

寒露 2026、秋の野の露

きょうは二十四節気の「寒露」、草原の梅雨が寒く感じるころ・・・真夏の野鳥観察のとき、草原に輝く露が美しく輝いて見えたものだが。今、カレンダーでは中秋になって、25℃以上の夏日がつづくと、中途半端でいけない。夏じゃないけど、秋でもない。天気は愁いの秋でもない。

(本ブログ関連:”寒露”)

以前にも触れたが、端唄「秋の野に出て」に、風流を楽しむ*のに、着物の裾(すそ)が露に濡れるという唄詞(うたことば)がある。「江戸端唄集」(倉田喜弘編、岩波文庫)に、アッサリ記載されているが。
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秋の野に出て 七草見れば    サアヤレ 
露でこづま(小褄)が    みなぬれる    サァゝ 
よしてもく(来)んな(よ)    鬼あざみ(薊)
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(*)秋の野に出て、七草を楽しむのが夜では塩梅よくないのでは。月明かり(陰暦8~9月)に、提灯の灯を足して。それよりも、二人連れ(逢瀬)を楽しんでいるのか。鬼薊(あざみ)の棘が、ツンデレか? あるいは、恋の暗示・・・。

(本ブログ関連:”秋の野に出て”、”端唄”)

■ Youtube(登録: ひさごの小唄と爪弾き三味線)
「小唄『秋の野に出て』」(2025/10/11)
    ー https://www.youtube.com/watch?v=tNk1ILu0RYk
    ー 唄:瓢 千雅(ひさごせんが)

2019年8月11日日曜日

山の日 2019

きょうは、2016年以来施行されている祝日「山の日」だ。山にちなんだイベントもあるようだが、趣味の鉱物採集から遠ざかって以来、山に近寄ることもなくなった。いくつかの公園の中に、山の名を冠した標高50m~70m台の山がある。山というには余りにも低山。いつの間にか通り過ぎている。

(本ブログ関連:山の日”2016”、”2017”、”2018”)

「山の日」にちなんで、山にかかわる歌を思い浮かべた。その出しに「山には山の うれいあり」から始まる「あざみの歌」(作詞横井弘、作曲八洲秀章、1949年)がある。何と、昨年の今日もそれをブログに記していた。それじゃあ「山男の歌」ってか・・・、よほど山への想像力が足りないようだ。もともと、近場の高尾山が限界だったせいもある。

山といえば、おじさん好みの、山の怪異集「山怪」(山と渓谷社)シリーズがある。聞けばなんと累計17万部を突破したという。書店を巡ると書棚に真っ黒なカバーをした「山怪」シリーズが並んでいる・・・書店の規模に関わらず目にすることができる。どうやら秘かなブームのようだ。

(本ブログ関連:”山怪”)

「山怪」の発行元「山と渓谷社」のニュースリリース「累計17万部突破のベストセラー『山怪』第三弾! 現代版遠野物語『山怪 参 山人が語る不思議な話』刊行」*(2018/09/10)は次のように紹介している。(抜粋)
(*) https://www.yamakei.co.jp/news/release/20180910_02.html
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 インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手掛ける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)は、9月10日に『山怪 参  山人が語る不思議な話』を刊行しました。

 2015年6月に刊行されてベストセラーとなった『山怪 山人が語る不思議な話』、2016年1月に刊行された続編『山怪 弐 山人が語る不思議な話』(共に田中康弘・著)に続く第3弾に当たります。

 本書は、長年、マタギや狩猟など山に入り取材を続けてきた著者が、山に暮らす人や働く人をはじめ、多くの山人の元を訪ね、山の不可思議な体験談を取材しまとめた一冊です。本シリーズは「現代版遠野物語」として、新聞・雑誌等数多くのメディアで絶賛され、今作も同様に、すべて改めて取材した「現在形のフィールドワーク」であり、その集大成。シリーズ初となる北海道の取材を決行しています。

 また、前作『山怪』『山怪 弐』は、2018年8月15日放送のNHK BSプレミアム「異界百名山」の原案にもなりました。
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真っ黒な装丁をした本といえば、埴谷雄高の全集なんて思い出す・・・。