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2018年8月8日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 千字文

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/1)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、千文字で構成された漢字の手本に使われた、中国梁の時代の長詩「千字文」ほかにまつわる話を紹介した。

始めに、パンソリ「春香歌(춘향가)」で若者「李夢龍(이몽룡)」が歌った「千字文」について次のように紹介された。
・昔、音読は自ずとリズムも加わり、歌のように聞こえた。子どもも「千字文」で歌い遊んだりした。そんな千字文が、パンソリ「春香歌」で違って歌われる。「李夢龍」が、美しい「春香(춘향)」に一目ぼれする。いったん帰宅するも、彼女の顔が浮かんで読書に身が入らない。そこで、子ども時代に学んだ千字文を、好きに読み本来の意と変えて、春香と遊びたい内容にして読んだ。春香への想いを漢詩に表せるほど、実力をそなえていた。物語では、若くして科挙に合格する。

▼ パンソリ「春香歌」から「千字文後解(천자 뒤풀이)」を聴く。金演洙(김연수、1907~1974)の歌詞整理のお蔭とか。

次に、朝鮮時代中期の文人「申光洙(신광수)」の「關山戎馬(관산융마)」について次のように紹介された。
・千字文だけでなく、心のこもった詩を歌にすることもあった。詩にリズムを付けて歌う「詩唱(시창)」に「關山戎馬」がある。この曲は、朝鮮時代中期の文人「申光洙」(1712年~1775年)が、科挙試験で提出してナンバー2に合格したときの作品だ。当時の平壌で、妓生がよく歌ったといわれる。

▼ 詩唱「關山戎馬」の歌を聴く。秋の川に西から風が吹いてくる・・・、静かに長々と歌う。

最後に、長い物語を歌にした「誦書(송서)」の「三説記(삼설기)」について次のように紹介された。
・小説を歌にした曲に「誦書」があり、特に「三説記」が知られる。三人のソンビ(文人)が、冥界の王「閻魔大王」のミスで地獄に落ちてしまう話だ。自分のミスを認めた閻魔大王は、彼らに好きに生まれ変われる約束をする。すると、一人は英雄に、一人は科挙に合格して高官に、最後の一人は、素朴に生きたいと言った。良い家柄に生まれ、正しい教育を受け、孝行し、子孫も栄え、病気もせず長生きしたいと。ところが、三人目の話を聞いて、閻魔大王は激しく怒り、それが可能ならば、自分も閻魔大王を止めてそのように暮らしたいと言った。平凡が簡単でないことを教えてくれる。

▼ 誦書の「三説記」を聴く。平凡が簡単でないのか、それとも《それは欲の深い》ことなのか。

2011年12月25日日曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金月荷

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/21)に、人物シリーズ7回目として、「歌曲(가곡)」、「歌詞(가사)」そして「時調(시조)」の名唱(명창)、金月荷(김월하 、1918年~1996年)が紹介された。

正歌(정가)の復習(10/26)から始まった。
・金月荷の得意とする正歌には、歌曲、歌詞そして時調がある。
・比較的身分の高い教養ある人々の間で親しまれた音楽で、詩をメロディーにのせて歌うという形式。

▼名妓黄真伊(황진이)が宗室の碧溪水(벽계수)を川の流れに例えて誘った詩に因んだ、金月荷による平時調(평시조)の「靑山裏碧溪水よ(청산리벽계수야)」(歌詞聴く。ときにファルセットが妙に艶めかしさを感じさせる。
(Youtubeに登録者のkoartny80に感謝)
(参考:資料

次のように金月荷のプロフィールが紹介された。
・1918年、ソウルに生まれる。(1918年02月08日、京畿道高陽?)
・(人生の大きな変転を経て)歌の道に足を踏み入れたのは30代後半の時と、かなり遅い。
・女性による歌曲、「女唱歌曲(여창가곡)」の発展、後進の育成に努める。

▼金月荷による女唱歌曲の界面平弄(계면평롱)(北斗七星(북두칠성))(歌詞)を聴く。哀調と女心を・・・ハイトーンで。

▼金月荷による詩唱(시창)、「關山戎馬(관산융마)」(歌詞)を聴く。申光洙の詩で、杜甫の「登岳陽樓」からきているそうで・・・。朗々と歌われている。

(本ブログ関連:"ファン・ジニ"、"イ・ソンヒと黄真伊の関係 "、"イ・ソンヒの「分かりたいです」、そして漢詩 "、"イ・ソンヒの「分かりたいです」 ")

2012年6月4日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金光叔

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/30)に、人物シリーズ30回目として西道(서도)民謡の伝承者、金光叔(キム・グァンスク、김광숙)を紹介した。

まず、民謡「アリラン」の紹介から始まった。
・ソウルを中心とした地域で歌われてきた京畿アリランの他に、珍島アリラン、密陽アリラン、江原道アリランなど、各地域にメロディーの異なるアリランが伝えられている。
・平安道地方の民謡に、アリランの仲間のキンアリ、チャジンアリという歌が残っている。なお隣接の黄海道地方の民謡と合わせて、西道民謡と呼んでいる。

▼金光叔による「キンアリ、チャジンアリ」を聴く。今まで聞いてきたものとは違って、独特な発声で洗練した歌い方という印象がする。

西道民謡の特徴を次のように紹介した。
・西道民謡は、深い「)」のこもった歌声に、心持ち鼻にかかった独特な発声法が特徴。
・この地域の大同江の水を飲んで育った人でなければ歌えないと比喩されるほど。

▼金光叔による「開城難逢歌(개성난봉가)」を聴く。小中学校で合唱曲として音楽の時間に教えているそうだ・・・どんな感じで歌っているのだろうか、難しいだろうな。

次のように金光叔のプロフィールが紹介された。(参考:ソウル新聞
・1952年 ソウルにて黄海道出身の両親の間に生まれる。
・西道民謡を伝えた吳福女(오복녀)の弟子となる。

▼金光叔による「詩唱 關山戎馬(시창 관산융마)」を聴く。大陸的で、大平原に風を受けたような気がする。

(本ブログ関連:"西道民謡")

2015年12月16日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 關山戎馬

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/9)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、朝鮮時代中期の文人、申光洙신광수、1712年~1775年)の詩「關山戎馬(관산융마)」を元にした3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”關山戎馬”)

始めに、申光洙の詩「關山戎馬」とその背景について次のように紹介された。
・漢詩にリズムをつけた「詩唱(시창)」に、晩秋の趣を歌う「關山戎馬」がある。朝鮮時代の文人申光洙の詩を歌ったものだ。「秋江寂寞魚龍冷(秋の川はわびしく、魚は冷たい)」に始まり、西風を受けて楼閣に立つ人、梅の花、笛の音色などが登場する。中国の詩人杜甫に「登岳陽樓」の詩がある。楼閣「岳陽楼」に登り、広く美しい洞庭湖を眺めながら、戦の絶えぬ故郷を憂い歌った。申光洙は、この詩をモチーブに、岳陽楼に登り、關山の戦を心配する「登岳陽樓嘆關山戎馬」を詩作した。

登岳陽楼 (杜甫)
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昔聞洞庭
今上岳陽楼
呉楚東南坼
乾坤日夜浮
親朋無一字
老病有孤舟
戎馬関山北
憑軒涕泗流

▼ <清い音色が晩秋を思わせる>竹笛短簫(단소)の伴奏で、詩唱「關山戎馬」の歌を聴く。語尾を延ばす詩吟のよう。

次に、關山戎馬にまつわる、申光洙と平壌の妓生牧丹(모란)との逸話について次のように紹介された。
・關山戎馬は、申光洙が35歳の頃、科挙の一次試験で2位に入った作品で、すぐに歌として歌われ、広く知られた。当時の学者ソンビは、生前に作品が親しまれた人として、中国の白居易と朝鮮の申光洙を挙げた。申光洙の詩は、特に平壌の妓生によく歌われたのを聞いて感想を残している。平壌に留まったとき、妓生の牧丹と共に東屋に訪ねたり舟遊びを楽しんだ。牧丹が彼の詩「關山戎馬」を歌うと、その声に空の雲も止まってしまったという。この歌はしばらく歌われなかったが、最近、新民謡で歌われる。

▼ 新民謡「關山戎馬」を聴く。新民謡といっても、それほどくだけたわけでない。むしろスッキリしているくらい。

最後に、新民謡について次のように説明された。
・新民謡に、昔の民謡のメロディーそのままではなく、柔らかく美しいメロディーに、伝統的な楽器全てを含めて、声楽法も変えた朝鮮北部のものがある。この關山戎馬も同じで、詩唱のリズムに似ても、孤独感や哀切感はなく少し明るい。

▼ <關山戎馬を恋の物語に解釈した、秋の江を意味する>「秋江추강이)」の歌を聴く。イ・サンウンを思い出した。

・「秋江」は、愛する人と別れた後の心境を歌っている。戦時に、關山戎馬を聞いた人々が涙を流したという。これを、「秋江」は、恋のストーリーに解釈して歌っている。

2018年6月6日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 「瀟灑園」ほか

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/30)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、自然を楽しむ建物「瀟灑園(しょうしゃえん、소쇄원)」ほかの話を紹介した。

始めに、全羅南道の潭陽地域にある、景色の美しい「東屋」の「瀟灑園」について次のように紹介された。
・暑く感じる日が多くなった。そんな昼、景色の良い東屋が浮かぶ。そこに座り、小川の流れる音を聴けば、どんなに心安らぐだろうか。山水のあるところ、多く東屋がある。有名な園に「瀟灑園」がある。全羅南道の潭陽地域にある同園は、最高の園林と評される。瀟灑園は、美しい自然を最大限残し、東屋などいくつもの建物がある。所々に風景を楽しむ小さな東屋を配置している。中でも、「光風閣(광풍각)」、「霽月堂(せいげつどう、제월당)」が有名。

▼ 管楽器の大笒(テグム:대금)の演奏で、園林の趣きを表現した「瀟灑園」を聴く。空気が流れるように、今様に。-

次に、江陵地域にある、五つの月が見られるという楼閣「鏡浦臺(경포대)」について次のように紹介された。
・自然を楽しむ所に建てた小さい建物が東屋。少し規模が大きいものが「楼閣」。韓国東岸の江陵地域に、楼閣で有名な「鏡浦臺」がある。海と湖があるこの地は、五つの月が見られるという。「空の月」、「海に照らされた月」、「湖に沈んだ月」、「杯の中の月」、そして「愛する人の瞳の中の月」だ。そんな鏡浦臺の趣きを表現した歌があるんです。十二の欄干が設置された楼閣に上がると、と始まり、鏡浦臺とその周辺の美しい自然を歌う曲です。

▼ 漢詩にリズムをつけた詩唱(시창)、「十二の欄干(십이난간)」の歌を聴く。文字毎に対応なので詩吟に似る。

最後に、パンソリ「春香歌(춘향가)」の、若い春香(춘향)と李夢龍(이몽룡)について次のように紹介された。
・東屋や楼閣は一人でも楽しめるが、愛する人と一緒なら、より幸せなはず。妓生の娘「春香」と、両班の御曹司「李夢龍」の身分を越えた恋物語、パンソリ「春香歌」にも、温かい春の日の楼閣が登場する。ある朝、遠く山霧がかかる中、木と花で囲まれた美しい楼閣が描かれる。その楼閣の前には、カササギ(烏鵲)が「牽牛」と「織女」に橋を作ったという「烏鵲橋(오작교)」がある。若い李夢龍は、牽牛と織女の物語を思い浮かべる---  もし自分が牽牛であれば、織女は誰れなのかと。そのとき、遠くでブランコに乗った春香を見つける。美しい女性との出会いを夢想した彼の前に、美しい春香が現れたのだ。

▼ パンソリ「春香歌」から、(李夢龍が「広寒楼」で歌った)「赤城歌(적성가)」を聴く。朗々と張りのある声。

2016年11月4日金曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 人の本分を悟らせる曲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/26)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<人の本分を悟らせる曲>に関連した3曲を紹介した。

始めに、パンソリ「春香歌(춘향가)」で、朝鮮後期、「暗行御史(암행어사)」として働く李夢龍(이몽룡)を次のように紹介された。
・パンソリ「春香歌」は、妓生の娘春香と李夢龍の愛を歌う。李夢龍は、国王直属の「暗行御史」という官吏となり、密かに地方の民情や、行政の不備を探った。暗行御史となった彼は、一番先に春香を訪ねた。南原(全羅北道の南東)の地方官は、仕事せず、むやみに宴会を開き、民を苦しめていたし、罪のない春香をいじめた。李夢龍は、貧しい姿で地方官の宴会に行き、上流の両斑をからかったが、追い出されそうになって詩を歌う。<高級な器と美味い酒は民の血と涙>という内容だ。

▼ 「春香歌」から「官吏が現れる場面(어사출도 대목)」を聴く。怨嗟吐き出すような力強さみなぎる。
            金樽美酒千人血
            玉盤佳肴万姓膏
            燭漏落時民漏落
            歌声高処怨声高

次に、ソンビの申光洙신광수、1712年~1775年)の詩唱(시창)、「關山戎馬(관산융마)」について次のように紹介された。
パンソリは、詞を漢詩文にして権威づけて歌う。朝鮮時代の学識者ソンビらは、自ら心を詩で表現した。彼らには、詩作が日常だった。役人任用試験の「科挙」でも、与えられたテーマに合わせて詩作したものだ。中には、人々に広く伝わり、今では歌として歌われているものもある。代表的な歌に、漢詩にリズムをつけた詩唱の「關山戎馬」の曲がある。ソンビの申光洙が科挙試験で作った詩で、秋のわびしい情緒のリズムが今でも親しまれている。楼閣に上って、關山の戦いが終わらないことを嘆く意の題名で、国中が騒がしく、民が安らかでない様子を表した歌だ。
・ところで、申光洙は、後日平壌で妓生の牧丹(모란)と舟遊びを楽しんだ。牧丹がこの歌を歌うと、空の雲も止まってしまったという。川の上で聞いた曲が、なんと美しかったことか。

▼ <秋の川はわびしく、魚も寒さを感じるだろうに、人は西風に当たって楼閣にいる>で始まる詩唱「關山戎馬」を聴く。余韻深く。
            秋江寂寞魚竜冷
            人在西風仲宣楼
            梅花万国聴暮笛
            桃竹残年随白鴎

最後に、科挙試験で作詩されたものを基にした「竹枝詞(죽지사)」について次のように紹介された。
・ソンビが科挙試験で作詩したのを基にした歌「竹枝詞」がある。竹枝詞は、まっすぐ育つ竹に例えて、人の堅固な意志を歌った。<天と地は老いることがなく、月はいつまでも浮いているのに/ひっそりとした川と山はやっと百年が経った/・・・>という。人間がどれだけ小さい存在かを、そして宇宙時間で見れば限りなく短い人間の人生を語っており、どう生きるべきか、考えさせる歌詞だ。

▼ 歌「竹枝詞」を聴く。宇宙の無限と比べて「自省」する・・・そんな気にさせる、アウレリウスもさぞや。
            乾坤不老月長在
            寂寞江山今百年・・・