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2019年4月25日木曜日

バスクと鉄

以前、バスク語教室の第3回目で「バスク文化」が紹介された。その回、先生がスペイン・バスク州ビスカヤ県の「ビルバオ」地域の街歩きガイドBOOKを配られた。おしゃれなカラー写真と図版で解説・構成された上質紙の冊子だ。

(本ブログ関連:”バスク語”)

ビルバオ地域は、かつて県内で産出された鉄鉱石をもとに、製鉄業でスペインの重要な地位を占めたという。Wikipediaによれば、「高品質の鉄がヨーロッパ中に輸出された。19世紀後半まで製鉄業は発展し続け、資源はビルバオに富をもたらした」という。上記の旅行ガイドは、かつての工業都市を脱して、文化都市への様変わりを宣言しているようだ。

ところで、国立国会図書館デジタルコレクションに、「民族形成と鉄の文明」*(宍戸儀一著、道統社、昭和17年)がデジタル保存・公開されている。その記述に、「ダクチリと原バスク人」の項があり、原バスク人と鉄の関係について触れている。素人の覗き見でしかなく、この書全体でどのような位置づけされているのかもよく知らないが、次のような記述が気になった。・・・これが、現在のバスク人とどうつながるか、つながらないかの知識はないけれど、バスク人と鉄の関係がうかがえたような気がした。
(*) 民族形成と鉄の文明: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1060237

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ヒューウィット(Hewitt)**によれば、ダクチル(dactyl***)族はフリギア(Phrygia)に於いてフィン系の原バスク人と合一したといふ。
・・・ヒューウィット説に従えば、彼等は、地中海の西端に辿り着いてエブロ河(Ebro)を母川とするイベリア・バスク人になった。この説の当否は問題であるが、コウカサス南麓のエベル(Eber)の国やフリギア辺境のイブレーズ町(Ibreez)とイベリア・バスク人との間になんらかの所縁だけはあったのであらう。
原バスク人は、ヒューウィットによって採鉱冶金者なる原フィン人と同一視される。しかるに、フィン語では金属はもともとバスキ(vaski)と呼ばれた。
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(**) James Francis Hewitt: ”The Ruling Races Of Prehistoric Times”
           https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.283692/page/n385
(***)ダクチル:ギリシャ神話に登場、metalworkingを人に授ける

地図:「民族形成と鉄の文明」所載
フリギア:現トルコ中央部














ヒューウィットの説にほぼ負った記述であるため、妄想世界に引き込まれて行きそうな危惧がある。果たして、この説がどうなのか自信ないし、現在の研究者たちにどう判断、評価されているかも知らない。ローマと対峙したというバスク人の祖先が、ギリシャ系とフィン系が合一したというのは夢がある。
(ちなみに、フィンランド語で「vaski」は「真鍮」。ただし「鉄」は「rauta」)

(本ブログ関連:”山師”)

2026年1月17日土曜日

小惑星イダ(Ida)の衛星ダクティル(Dactyl)

以前、バスク語入門講座に出席したとき、バスク人のエリアである、スぺインのカンタブリア海に面したビルバオ地方について、かつて製鉄の工業都市から文化都市へと変貌しているという解説があった。そこで、古い資料をもとに、バスクと鉄の関連について調べた。

(本ブログ関連:”バスクと鉄”)
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国立国会図書館デジタルコレクションに、「民族形成と鉄の文明」(宍戸儀一著、道統社、昭和17年)がデジタル保存・公開されている。その記述に、「ダクチリと原バスク人」の項があり、原バスク人と鉄の関係について触れている。

(同書に紹介された)ヒューウィット(Hewitt)によれば、ダクチル(dactyl)族はフリギア(Phrygia)に於いてフィン系*の原バスク人と合一したといふ。(ダクチル:ギリシャ神話に登場、metalworkingを人に授ける)
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(*)先日(2025年12月23日)、フィンランド人(フィン族)について触れたが、原バスク人と関連あるというのは興味深い。


小惑星にも衛星がある
あるとき、火星と木星の間にある小惑星帯のひとつである「小惑星イダ(Ida)」の周りをまわる「衛星ダクティル(Dactyl)」があることを知り、上記の「ダクチル(Dactyl)族」のことを思い出した。ちなみに、衛星ダクティル(1.6x1.4x1.2 km)は、小惑星イトカワ(538x294x209 m)より大きい。

Dactylの名の由来は、
・「ギリシア語で『指』を意味する」(検索AI Labs)。
・「ギリシア神話に登場する『イダ山』に住む生き物の名前を取って『ダクティル』と命名された」(Wikipedia)。
・「ダクティルスは古代の鍛冶屋であり、治癒魔術師でもあった。いくつかの神話では、彼らはヘパイストスに雇われており、人間に金属加工、数学、アルファベットを教えたとされている」(e-Wikipedia)

ところで、鉄に縁の深い小惑星は「ベスタ(Vesta)」で中心部に重い金属の核があるという。

2019年5月28日火曜日

2019春期バスク語-7

昨日まで「真夏日」が4日間連続したと思ったら、今日は夕方から雨という。天気予報の雨雲レーダーは、今晩から明日の午前中まで、雨雲が関東一円を這う様子を描く。夕方、空模様を心配しながら「バスク語教室」へ出かけた。

(本ブログ関連:”バスク語”)

バスク語教室は、月一回のペースで、東京外国語大学教授の萩尾生氏から「バスク文化」を紹介していただいている。先月(4/16)の「バスクの地理」に続き、今回は「バスクの名前」(人や屋号の名前の変遷など)について、図や歌を交えて解説された。

① 存在と名前
  ・存在(izan)+ α : izadi(自然)、izaera(性格)
  ・名前(izen): ponte-izen(洗礼名)、ezizen(あだ名)
② 文字(ローマ字による)
  ・近世: 教会・印刷技術により普及、 「バスク初文集」(エチェベリ、1545年)
  ・近現代: バスク・ナショナリズム、人名の統一など <純粋化>(サビノ・アラナ)
  ・現在: バスク語の公用語化、スペイン(1979年)、フランス(1966年)
  ・バスクアカデミーの設立(1966年): 標準語
③ 人名
  ・人名は多様: 固有、宗教的、聖地、上記のアラナによる、自然、地名・・・などに由来
④ 親族名称
  ・私(Ni)が男女別に、「兄」と「姉」の表現が異なる
  ・財産相続: 相続者は長子に限らず3/4相続、相続者以外*は家から町に出る。
   (*)相続者以外: 僧侶、役人になったり、海外に出たりする。独身のまま家付きも可
⑤ 家(屋号)
  ・家(etxe): etxeko egin(親しくなる)、etxeko jaun(家長) ← (~ko:位置属格)

(付記)
バスク人と鉄の関係について ⇒ (本ブログ関連:”バスクと鉄”)

2019年7月2日火曜日

2019春期バスク語-12

空模様を気にすることなく一日を過ごせた。明日は、九州はふたたび大雨とのこと。東京もくだり気味のようだ。(ところで、今月の福島県石川町への訪問はいつになるやら、気象情報のAccuWeatherで一ヶ月先まで天気予報を見たりして・・・)

今日のバスク語教室は、月一回のペースで、東京外国語大学教授の萩尾生氏から紹介いただいている「バスク文化」の第3回目で、「年間暦と伝統行事」(暦用語と関連語)について、写真や動画を交えて解説された。

① 太陽(eguzki)に関連する用語
 ・eguzuki = egun(朝・明かり)+ zuki(光?)
 ・egunsenti(曙)、egutegi(カレンダー)

② 月(ilargi)に関連する用語
 ・ilargi = il(月、死)+ argi(光)
 ・ilberri(新月)、ilzahar(満月)

③水(ur)に関連する用語
 ・euri(雨)、edur(雪)、urutzi(空)

④ カレンダー
 ・月(1月~12月)・・・・・・ 農業に関連か
 ・曜日(月曜日~日曜日)・・・ 月の満ち欠けに関連か
 ・季節(春~冬)
 ・行事

バスク語の単語に「k」の表記が多い理由について、バスク語の独自性を出すため、周囲で使用の言語の「c」や「q」表記を、「k」にまとめたそうだ。

「バスクと鉄」の関連が深いことから、以前ブログに記した原バスク人と原フィン人の関連について雑談した。

(本ブログ関連:”バスクと鉄”)

2019年5月21日火曜日

2019春期バスク語-6(小満2019)

二十四節気「小満(しょうまん)」の今日、雨に濡れた木々の若葉は緑を深め繁っている。「立夏」も過ぎてのこと、気分は初夏のはずだが、気象庁のカレンダーの「夏」は6月から。まずは、梅雨(例年の「梅雨の入り」は6月8日)まぢかである。
(昨日のブログに、勘違いして「小満」について記してしまった・・・ここに訂正)

(本ブログ関連:”小満”)

朝から雨風が止まず、夕方の「バスク語教室」がどうなるのか気掛かりだったが、5時過ぎには雨もすっかり上がった。傘も持たず出かけた・・・結果は、大丈夫だった。

(本ブログ関連:”バスク語”)

今回も、宿題のプリントを全員が順に回答し、新しい章ではいつも通り丁寧な解説と説明をいただいた。(テキスト第4章)
① 能格(主語)で、次の文を使えるようにする。
  ・否定文: 「いいえ(Ez)」を使う場合
  ・疑問文: 回答が、「はい(Bai)」、「いいえ(Ez)」の場合
  ・疑問文: 疑問詞「何を(Zer)」、「誰が(Nork)」を使う場合

 ② その他の表現
  ・「ある一つの~だ(~ bat(dut))」、「~という名前だ(~ du izena)」
  ・数詞(-ta = eta)、時刻/時間(何時ですか?(Zer ordu da?)、~時です)

③ 話題
  ・TV番組「世界遺産」*: バスク地方の鉄の町だったビルバオ**にある「ビスカヤ橋」
    (*)TBS: https://www.tbs.co.jp/heritage/1st/archive/20080224/onair.html
    (**)本ブログ関連:”ビルバオ”
  ・子どもの命名: (フランコ死後)バスク語の名が自由化され、音の良さに頼った奇妙な名付けがある。