スカンディナビア半島の基部に位置するフィンランドについては、童話「
ムーミン」のアニメの普及(初期のアニメは原作者の主張で再放送できていない*)、社会福祉制度の研究者たちの発言(いまだに「
ではのかみ」として紹介が多い)などでよく知られている。多くの日本人は、北欧の一画に位置する美しい国と想い描いている。
(*)再放送できない元々の経緯について、Wikipediaは曖昧にしている。ちなみに原作者はスウェーデン語話者。
最近、彼らの本質的な価値観が露わになった。深く触れるつもりはないが、ネットの時代だからこそ衆知された。(過去、先住民の
サーミ人に対して行なった行為が倫理的に解消されずフィンランド人の奥に残っている・・・ある意味。長期にわたるスウェーデン支配の裏返しのようなものかもしれない。差別は差別を生み、その一番弱いところで露骨になる。)
■ Google検索の生成AI Labs
フィンランドの言語環境、それに伴う歴史について、「(検索)フィンランドの国内の話者 言語の割合」の結果を転載する。
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フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、フィンランド語が約87〜90%、スウェーデン語が約5%**を占めます。その他、ロシア語(約1.5%)やエストニア語(約0.9%)なども話され、北部の自治体では先住民族のサーミ語も公用語(準公用語)として扱われています。
主要言語の割合(概算)
・フィンランド語: 約87〜90%(圧倒的多数)
・スウェーデン語: 約5.2%(約5%)
・ロシア語: 約1.5%
・エストニア語: 約0.9%
その他の言語
・サーミ語: ラップランド地方の一部自治体で公用語。話者数は少ないが、先住民族の言語として尊重されています。
・カレリア語: フィンランド南東部の自治体で話されています。
フィンランドでは、母語以外に最低2つの言語を学ぶことが義務付けられており、バイリンガル教育が盛んです。
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(**)スウェーデン語が約5%使われているそうだが、潜在的話者は、40~50%いるともいう(Geminiによる)。過去700年間、スウェーデンに支配されていた結果かもしれない。
そこで、フィンランドにおけるサーミ人の歴史について、生成AI Gemini とQ&Aした結果を記す。
■ Google生成AI Gemini
Q.フィンランドの原住民であるサーミ人に対して、 今のフィンランド人 白人種はどこから来たのですか? それはいつごろのことですか? ラップランドに住むサーミ人に対する人種隔離があったのですか?
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A.フィンランドの歴史、そしてサーミ人とフィンランド人の関係は非常に複雑で、長い年月をかけた移動と文化の変遷が含まれています。
ご質問の「今のフィンランド人はどこから来たのか」「人種隔離があったのか」という点について、歴史的・学術的な視点から解説します。
1. フィンランド人の起源と移住時期
現在のフィンランド人(フィン人)は、人種的には「コーカソイド(白人種)」に分類されますが、遺伝的・言語的には他のヨーロッパ諸国とは異なる独特のルーツを持っています。
どこから来たのか?:
主なルーツは、現在のロシア・ウラル山脈周辺からボルガ川流域にかけて住んでいたフィン・ウゴル系民族だとされています。彼らは西へ移動し、現在のエストニアやフィンランドへと定住しました。
いつごろのことか?:
フィンランドの地に人類が住み始めたのは氷河期明けの約1万年前ですが、現在の「フィンランド人」の直接の祖先となる人々がまとまって移住してきたのは、紀元前3000年〜紀元後500年頃にかけての数波にわたる移動と考えられています。
2. サーミ人との関係
サーミ人はフィンランド人よりもさらに古くからフェノスカンディア(北欧北部)一帯に住んでいた先住民です。
居住地の変化: かつてサーミ人はフィンランド全土に住んでいましたが、後から来たフィンランド人が南部に定住し、農業を広げるにつれて、狩猟採集やトナカイ遊牧を営むサーミ人は徐々に北部のラップランドへと押し上げられていきました。
「白人」という区別: 現代ではサーミ人も白人種と見なされますが、19世紀〜20世紀初頭の擬似科学(優生学)の影響下では、フィンランド人やスウェーデン人は自分たちを「より高度な白人」、サーミ人を「アジア的で劣った人種」と区別して見ていた歴史があります。
3. 人種隔離や差別の歴史
アメリカや南アフリカのような法的な「人種隔離(アパルトヘイト)」という形ではありませんでしたが、サーミ人に対しては <「同化政策」> という名の深刻な人権侵害が行われていました。
強制寄宿学校***(19世紀末〜20世紀):
サーミ人の子供たちは親から引き離され、寄宿学校に入れられました。そこではサーミ語を話すことが厳しく禁じられ、フィンランド語とフィンランドの文化を強制されました。これにより、多くのサーミ人が自身の言語やアイデンティティを失いました。
人種生物学的な調査****:
20世紀前半、フィンランドやスウェーデンの研究者がサーミ人の集落を訪れ、「人種的な特徴」を調べるために全裸にして写真を撮ったり、頭蓋骨の測定を行ったりするといった、屈辱的な調査が行われました。
土地の奪取:
フィンランド政府による森林開発やダム建設により、サーミ人の伝統的なトナカイ遊牧の土地が奪われてきた歴史があります。
現在の状況
現在、フィンランド政府は過去の過ちを認め、サーミ人の権利を守るための <サーミ議会(Sámi Parliament)> を設置しています。しかし、今なお土地の権利や、先住民としての自治権をめぐる議論は続いています。
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(***)カナダでも、白人移植者は、先住民の子どもたちを同化政策の寄宿学校に集めた。カナダの場合、跡地から多数の子どもたちの骨が見つかった。
(****)人体測定といった優生学は、北欧諸国(スウェーデン、ノルウェー、デンマークなど)で20世紀前半に発展した。(検索 Labs)
■ BBC
「ローマ教皇、カナダ先住民に『深くおわび』 同化政策の寄宿学校は『悲惨な誤ち』」(2022年7月27日)
ー https://www.bbc.com/japanese/62302763
フィンランドの言語の紹介に、必ずスウェーデン語が顔を出す。またロシア語との関係からも複雑。昇華されない歴史感情が見えてくる。多分、永遠に続く課題だろう(電子化され翻訳される時代になったことが・・・)。