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2024年1月20日土曜日

大寒 2024、ツグミとかすみ網

きょうは二十四節気の「大寒(だいかん)」、小寒(1/6)を経ての大寒となれば、寒さは最も厳しい。小雨混じりの昼過ぎはとりわけで、(予定に浮かんだ)外出もする気にならない。

(本ブログ関連:”大寒”)

昨深夜から日付を越えたYoutubeで、長時間に及んだJAXA小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸ライブと記者会見を視聴した。おかげで眠りがままならず、昼頃までうつらうつらし続けた。


ツグミ(鶫)と霞網(かすみあみ)

ところで、探鳥会のベテランの方が毎日配信する、早朝の野鳥情報によれば、最近「ツグミ(鶫)」が50羽~100羽の大群となって押し寄せているようだ。探鳥会で私が目にできるのはせいぜい10数羽なので、大規模のツグミの群れを目撃したら圧倒されるだろう。

(本ブログ関連:”ツグミ”)

実際、大量なツグミの群れをイメージできないけど、野鳥狩猟に「かすみ網(霞網)」が使われた時代、食用にツグミを捕獲したという。「野鳥歳時記」(山谷春潮著、日新書院、第五版、昭和21年12月20日)によると、いまでは考えられぬ情報が記載されている。(抜粋)
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鶫(つぐみ)といへば霞網猟での第一位の猟鳥で、一猟期木曽谷だけの収穫が二十万羽*を下らぬといはれる。従って鶫の句には鳥屋場(とやば)**のそれが多い。食料としても極めて美味である。
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(*)かすみ網: 木曽谷だけで一冬に5、60万羽の野鳥(ツグミを含めて)が獲れたという。
(**)鳥屋場: 網を張って鳥を捕らえる所。

2024年3月28日木曜日

「野鳥歳時記」(冨山房百科文庫)

夜遅く、Amazonに発注した「野鳥歳時記」(山谷春潮著、冨山房百科文庫、1995年)が届いた。実は、配送予定日に受領できなかった場合、キャンセル扱いになるという(いつもにない)メールを着信して、Amazonへ電話確認したりした。その後、郵便受けに投函されていて安心した。なにより、夜分、風雨の中を配送された業者さんに感謝する。

同書の古書である 日新書院版(昭和21年、第5版)を手元に置いているが、戦後すぐの発行のため全てのページが焼けて(酸化して)変色している。また、日新書院版の初版が戦前(昭和18年)であり、その後に野鳥分類学上の進展もあって、最新情報を知りたく求めた。

(本ブログ関連:”野鳥歳時記”)

新版(冨山房版)の校閲にあたり、「野鳥の会」会員の志村英雄氏が中心となり、同社編集部も参加したようだ。後記を原著者の長男 山谷渉氏が記している。版が新たになると、時代の道筋を見るようで興味津々になる。
内容の変更から、時代の価値観の変化を見ることができる。例えば、「ツグミ」の項で、「かすみ網(霞網)」で捕らえたり、食したという旧版の記述が、自然保護の観点から新版で省かれていることで見てとれる。

歳をとって書籍の旧版と新版を対照すると、古く語られたことに何か意味を感じるものだ・・・今の人びとびとにとっては、どうでもよいことかもしれないが。これからも、両版を見比べてみたい。

2024年5月10日金曜日

(資料)愛鳥週間、「野鳥」・「探鳥会」という言葉

きょうから、「鳥類保護連絡協議会」(現「日本鳥類保護連盟」の母体)が設けた「愛鳥週間」(5月10日~16日)が始まる。地元の自然観察会に入会して、月2回開催の探鳥会に参加してきたが、正直なところ、この愛鳥週間の催事について意識したことがなかったし、どんなことをするのかよく知らないでいる。

野鳥に関心ある広範な団体に、比較的カジュアルな「日本野鳥の会」がある。こちらは、中西悟堂氏ほか(文芸的色彩のあるひとびとを含めて)により創立されたことで知られている。メディアで、何かをカウントするイベントの際、(野鳥のカウントが得意である)会員が呼ばれたりする。
日本野鳥の会は、愛鳥週間に合わせてキャンペーン「愛鳥週間! 夏鳥をeBird*に投稿しよう」を実施するとのこと。
(*)eBird Japan:世界最大の野鳥観察情報のDB(日本では日本野鳥の会がサポート)
ー https://www.wbsj.org/activity/conservation/ebird/
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・5月10~16日は愛鳥週間(バードウィーク)です。野鳥の子育てが始まり、夏鳥も渡ってくるこの季節、日本野鳥の会では、期間中いつでも好きな時に野鳥を観察し、見た鳥を世界最大の市民科学プロジェクト “eBird” に情報を寄せていただくキャンペーン「愛鳥週間!夏鳥をeBirdに投稿しよう」を実施します。
・今回のテーマは「夏鳥」。観察対象種は「ツバメ」「キビタキ」「オオヨシキリ」の3種です。
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日本野鳥の会の主要な創立者である中西悟堂氏(当時82歳)とのインタビュー記事が、「文藝春秋デラックス 野鳥を楽しむ」(昭和53年(1978年)6月号)に掲載されている。その中から、興味ある話題を(長くなるが)抜粋する。
ー 日本野鳥の会 会長 中西悟堂、聞き手 読売新聞編集局参与 高野昭
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(小学生のころ寺に預けられ、厳しい修行を経験して仏教的な自然観を身につけたよう)
・ええ、結跏趺坐(けっかふざ)してますでしょう、すると、好奇心の強いヤマガラやヒガラといった鳥がやってきて、わたしの膝をつつくんですよ。まるで遊びましょうよ、というみたいに、ああ、こんなかわいらしい鳥と一生暮らしてみたいと思いました。

(武蔵野の自然に住み、野生の生き物に接すると同時に、多くの知己を得る)
・わたしの家の隣りが東京女子大学で、(鳥類愛護団体をつくるようにすすめた竹友藻風)彼はそこの英文学の教授をしていました。・・・私に相談もなしに、まず柳田国男さんに話をもちこんだのです。柳田さんも鳥が好きだし・・・。

(日ごろ使いなれている「野鳥」と「探鳥会」を造語している)
・考え出すのに、二カ月かかりました。最初は「山野の鳥」といったんです。柳田さんに、「野鳥というのは、いい言葉を考えてくれましたね」とほめられた。「探鳥会」という言葉も私がわたしが作ったのです。もっとも、はじめはこれも「鳥類見学旅行」といっていた。

(江戸時代と比べて、明治以降は鳥の暗黒時代)
・明治になって、「御留場(おとめば)」**の制度がなくなると、抑えられていた連中がワッと猟欲へかられる、そこへ村田銃が入る、的になりやすい鳥をどんどん撃とうというので大型の鳥は姿を消した。ツルは本州からいなくなってしまう、トキも佐渡や能登に隠れてしまうといった惨状でしょう。
それから、羽毛を輸出するために、鳥島のアホウドリが五百万羽ほど殺されている。アホウドリというのは少しのろい鳥で、人間のそばへ首をさしのべて寄ってくる、それをこん棒で殴って、どんどんトロッコで港へ運ぶ。本当にひどいものですよ。ですから、「鳥獣保護法」***が戦後にできるまでは鳥の暗黒時代です。

(戦後、空気銃の普及による被害)
・戦後は、農薬が散布したために、鳥の生命がどんどん絶たれている。それから、昭和二十五、六年には、空気銃が大流行した。そのころ許可を受けた空気銃は三十万丁、ヤミが百万丁。一人が一年に三十羽殺すと、三千万羽の鳥を殺している計算、加えて昔からカスミの被害も年に三千万羽くらいにのぼる。

(欲を六分に、心を風雅に)
・欲を六部くらいにして、もう少し風雅をもったらどうか、と思うんです。・・・
・不思議なことに、人間が澄んだ気持ちで近づくと鳥もよってくるんです。邪悪な気持ちだと逃げてしまう。そしてまた、鳥ほど悦ばしげに動いて、歌う動物はいないでしょう。あらゆる生物のうちで、もっとも幸福な生活をしているのではないですか。そんな鳥の生活をお手本にして生きてきたような気がします。
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(**)御留場: 一般の狩猟を禁止する場所。江戸時代、将軍の狩猟場をいう。
(***)1896年(明治28年)成立の「狩猟法」は、1963年(昭和38年)の法改正で、「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に名称を変更した。

(ゴンブログ関連:”アホウドリ”、”かすみ網”)

地元の公園をフィールドにする探鳥会はありがたいことに、初心者が初心者のまま低迷していても、居心地悪くならず許容してくれる。