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2017年8月10日木曜日

エセーニン詩集

Amazonに発注した「エセーニン詩集」(内村剛介訳、弥生書房)が届いた。図書館で何度か借りた本だ。結局、手元に置きたくなって求めたわけだ。エセーニンの詩は、内村剛介訳の「母への手紙」ではじめて知った。無頼漢がふと見せた悔恨と思慕が共感を呼ぶ。

さらに、シベリア抑留経験をして、ロシア(当時ソ連)の精神世界を深く抉って見せてくれた内村剛介訳だったからこそ読むことができた、読みたいと思った。

(本ブログ関連:”エセーニン / 内村剛介”)

エセーニンの詩「母への手紙」に出てくる、息子を待ち続ける母の、心配なばかり風音にも子の帰還を想い、通りに出て立ち尽くす心情を痛いばかりに感じる。なぜなら、エセーニンの酒場での強面も、実は、母はその心底をすっかり知っているのではないか。強がりと甘えまでも混じる。

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お前さん、ぼくを案ずるばっかりに  ひどくふさぎこんでるというではないか、
- 心配ごとを押しかくしてさ。
時代ばなれの古めかしいシューバをひっかけ、
しょっちゅう道端まで出て来るというではないか。
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2019年8月27日火曜日

ユダヤ教の現代がわかる 2019-1、ロシア無頼

素人の横好きというか歳相応の冷や水というか、夏の終わりを好奇心で満たしてみたく、一般公開講座の第2弾に出かけた。今日から3日間、「ユダヤ教の現代がわかる - 宗教と言語の観点から -」を聴講する。

(本ブログ関連:”ユダヤ教の現代がわかる 2019”)

第1回目の今日は、早稲田大学産業経営研究所研究員の志田雅宏(まさひろ)氏による、「ユダヤ教文化の歴史性と多様性」について、ユダヤ教の理解(解釈)の仕方の歴史性や、ユダヤ教の宗派の多様性について紹介があった。
以前、他所の一般公開講座「ユダヤの歴史を学ぶ」*で、志田雅宏氏の回を聴講したことがある。

(本ブログ関連:”志田雅宏氏の「ユダヤの歴史を学ぶ」”)

ユダヤ教
・ユダヤ聖書の理解に2つのトーラー(律法)がある。
  - 成文トーラー: モーセが文書(文字化)したとされるものに従う
  - 口伝トーラー: モーセの口伝したとされるものに従う、ラビによる解釈の集大成にタルムードがある
・神の信仰の仕方に、人間の自由意志が認められる面がある

ユダヤ教の宗派
・ユダヤ教の伝統をどのように守るかによっていろいろな宗派が存在
  - 超正統派: 東欧のアシュケナームの伝統を持つ
                      イスラエル(メアシュリーム)と米(NY ブルックリン)に居住       
  - 正統派: 西欧(ドイツ)起源で、イスラエルで最大勢力
  - 保守派: 米最大の宗派、女性ラビが存在し礼拝時に男女同席もする
  - 改革派: さらに現代的価値観に合わせ、米西海岸に多い
  - 他にパレスチナで入植活動する宗教シオニズムがある


(付記)
昨日(8/26)のブログで、ロシアの詩人「エセーニン」について触れたつながりで次に記す。「エセーニン詩集」の訳者内村剛介氏が著した書籍がAmazonから、今日の講座に出かける直前にタイミングよく届いた。さっそく電車の中で読んだところ、気になった部分があった。

(本ブログ関連:”エセーニン”、”内村剛介”)

書名は「ロシア無頼」(内村剛介著。高木書房)、1980年に発行されたもので、ソ連崩壊の10年ほど前のこと。ここでいう「ロシア」はその意味で、ソ連時代の根の深いところにある原初的意味合いである。なお、内村氏は戦後にシベリア抑留を経験している。
書名にある「無頼」の徒について、旧いロシアに誕生した(農奴や奴隷から導き出された)彼ら「ブラトノイ」の語源を紹介している。
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ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。
ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイディシ(ユダヤ人のことば)が起こりである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終わりまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イディシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然の成りゆきであろう。
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2018年2月13日火曜日

(雑談)あとがき

書店であれ図書館であれ、念願の書籍を見つけて一安心すると、無意識なほどにしてしまうことがある。手にするや、「あとがき」にすぐ目を通すことだ。何となく、全体像をおさえておきたいと、ついやってしまう。

以前ネットで、「エセーニン詩集」(内村剛介訳、1968年)を手にしたときもそうだった。巻末にある内村氏の「あとがき」を開いた。するとこんな書き出しで始まった。
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この「あとがき」はおそらく「目次」のつぎにすぐに読まれることになるだろう。つまりエセーニンの詩そのものがまず目に触れるのではなくて、「目次」「あとがき」が眺められたのちにはじめてテキストが読まれるというのが、現代日本の読者のおおかたの接し方であろうと思うのである。”ダイジェスト”文化が病巣をそこまで張ってしまったのかといまさら歎いてみてもはじまらない。ダイジェストなしには、----”噛んで含めること”なしにはーーーーどうしょうもないほど、わがくにの読者の前歯は退化してしまっているらしいのだから。
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(本ブログ関連:”内村剛介”)

この「あとがき」に、わたしは前歯をへし折られた感がした。ずいぶん昔から、日本の読者状況は見透かされていたものだ。今も変わらないだろう。

更に今、テキストに入る前、だれもが目を通すものが新たに加わったとすれば、例えば、Amazonの「カスタマーレビュー」かもしれない。ときたま閲覧することがある。ただし、求める気のない、けれど世間で騒がせているような書籍の場合だけだが。これも、一種の <ダイジェスト文化の病巣> かもしれない。しかも、かなり毒性が強い。

2019年8月30日金曜日

無頼

内村剛介著「ロシア無頼」の中で、古い感覚での無頼を「ブラトノイ」と呼んでいた。少しでもその言葉をネットに探したところ、次の資料に触れられていた。

「ロシアにおける地下経済とマフィア ー 社会学的考察」*(青山学院大学 寺谷弘壬)に、ロシアの闇経済について紹介されている。(1993年に発表されたもののようだ)
(*)資料: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees1993/1993/22/1993_22_27/_pdf
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「マフィア」や「レケヅト」が日常的に使われる以前は、「ブラトノイ(Блатной=やくざ=泥棒仲間)」や「ブラターリ(блатрь=泥棒)」が使われ、「ウォール(вор=悪党)」と「スゥカ(сука=雌犬=うらぎりやくざ)」の二派に分けられていた。
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(本ブログ関連:”ブラトノイ”、”エセーニン”、”内村剛介”)

2023年8月17日木曜日

キツネノカミソリ

暑い夏、うなぎで誘ってむすこの近況を聞く。 いつも通りのこと、結局は私のむかし話に終始した。親父との会話は弾まないもの。私も父親とは聞くことに徹していたな。
そうそう、夜中に、洗面所に灯りをつけず入って鏡を見たとき、そこに親父がいた。今度は私の番、順送りってとこか。

分れてのち、台風7号の余波もない空には巨大な雲が並び、陽射しが熱い。喫茶店に逃げ込み、涼をとりながら古書の頁をめくった。ソ連が崩壊する8年前に出版された「ロシア無頼」(内村剛介著、高木書房)だ。1980年時点での、あるシミュレーションが描かれている。シベリア抑留を経験された著者の洞察を以ってすれば、すべてはお見通しか。

(本部ブログ関連:”内村剛介”)

公園の噴水(水あそび場)
まだまだ明るい、もったいないので、家路をそれて公園をぐるり巡ってみることにした。
いままで気にしていなかったが、公園管理事務所前にある、円周上に配置された8本の石柱の腹から水が噴き出ていた。そして円の中心にある低い石台からも激しく水を吐き出していた。石の造形を公園のストーンヘンジと洒落て見た。
この時期、格好の水遊び場所になって、幼い子ども(2、3人)連れの家族がつぎつぎ現れた。


コナラの立ち枯れ
公園の調節池(現在:から地)の北側小道に、「コナラ」の樹が、一部の枝を除いて葉が完全に枯れていた。幹の下側を薄茶色の大きな <紙> で覆っている(「調査中はがさないで下さい」の文言が記されている)。
「ナラ枯れ病」を防除できなかったのだろうか。「カシノナガキクイムシ」が媒介する菌に感染しないため、この虫の侵入を防除する <虫取り紙> のようだが・・・・。

(本ブログ関連:”ニレ立枯病”)

キツネノカミソリ
今度は本当に帰路につく。公園と外部(北側)を仕切る緑陰を狭い車道が通っていて、湿った斜面(国分寺崖線)との境界に金網が張られている。ある一画に、ヒガンバナ科の「キツネノカミソリ」が群生しているのに出会った。一瞬、ヒガンバナかと思ったが、濃い橙色の6枚の花弁に気付く。日陰に咲く様は、力強く存在感がある。

(本ブログ関連:”キツネノカミソリ”)

2025年10月15日水曜日

(資料)ブラトノイ

ブラトノイ
ロシアの集団「ブラトノイ」の語源・定義について、ネット上の資料を集めていたが中断したまま、とりあえず、今のところ収集したものを載せる。

(本ブログ関連:”ブラトノイ”、”エセーニン”)

■ 本ブログ ①
「ユダヤ教の現代がわかる 2019-1、ロシア無頼」2019年8月27日
書名は「ロシア無頼」(内村剛介著。高木書房)、1980年に発行されたもので、ソ連崩壊の10年ほど前のこと。ここでいう「ロシア」はその意味で、ソ連時代の根の深いところにある原初的意味合いである。なお、内村氏は戦後にシベリア抑留を経験している。
書名にある「無頼」の徒について、旧いロシアに誕生した(農奴や奴隷から導き出された)彼ら「ブラトノイ」の語源を紹介している。
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「ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。
「ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイディシ(ユダヤ人のことば)が起こりである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終わりまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イディシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然の成りゆきであろう。
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■ 本ブログ ②
「無頼」2019年8月30日
「ロシアにおける地下経済とマフィア ー 社会学的考察」*(青山学院大学 寺谷弘壬)に、ロシアの闇経済について紹介されている。(1993年に発表されたもののようだ)
(*)資料: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees1993/1993/22/1993_22_27/_pdf
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「マフィア」や「レケヅト」が日常的に使われる以前は、「ブラトノイ(Блатной = やくざ = 泥棒仲間)」や「ブラターリ(блатрь=泥棒)」が使われ、「ウォール(вор=悪党)」と「スゥカ(сука=雌犬=うらぎりやくざ)」の二派に分けられていた。
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生成AI「Google Bard」(現 Gemini の旧称)
Q.ロシアの「ブラトノイ」と呼ばれる集団の起源について、帝政ロシアまで遡って教えてください?
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A.ロシアのブラトノイと呼ばれる集団の起源は、帝政ロシアまで遡ることができます。19世紀後半の帝政ロシアは、貧困と不平等が蔓延し、政府は国民の生活を守る能力に欠けていました。こうした状況の中、犯罪組織が台頭し始め、彼らは暴力や恐喝によって利益を上げるようになりました。

当時、ロシアにはさまざまな犯罪組織が存在しましたが、そのなかでも最も有名な組織の一つが、シベリアで活動していた「カムチャッカ・ギャング」です。カムチャッカ・ギャングは、暴力と恐喝によって勢力を拡大し、ロシア全土にその恐怖を広めました。

カムチャッカ・ギャングは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織となりました。彼らは、ロシアの経済や政治にも深く関与しているとされており、ロシア社会の安定を脅かす存在となっていました。

ソビエト連邦の成立後、カムチャッカ・ギャングは、政府の厳しい取り締まりによって、表立った活動は抑制されました。しかし、ソ連崩壊後の1990年代になると、マフィアの活動が活発化します。

ソ連崩壊後のロシアは、経済が混乱し、政府の統治力が弱まったことから、マフィアはさまざまな犯罪で利益を上げるようになりました。こうした状況の中、カムチャッカ・ギャングの流れを汲む組織が、再び台頭し始めました。

そのなかでも、セルゲイ・プラトノイによって結成された「ブラトノイ」は、ロシアのマフィアのなかでも最大級の組織となりました。ブラトノイは、麻薬取引、武器取引、恐喝、殺人など、さまざまな犯罪に関与しているとされています。

ブラトノイは、ロシア国内だけでなく、世界各地にも活動を広げています。2000年代には、アメリカやヨーロッパで、ブラトノイと関係のある犯罪組織による犯罪が相次いで発生しました。

ブラトノイは、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織です。彼らは、ロシアの経済や政治に深く関与しているとされており、ロシア社会の安定を脅かす存在となっています。

このように、ロシアのブラトノイと呼ばれる集団の起源は、帝政ロシアまで遡ることができます。19世紀後半の帝政ロシアで台頭した犯罪組織が、ソ連崩壊後の混乱を背景に、再び台頭し、現代のロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織へと成長したと考えられます。

具体的な歴史的経緯を以下にまとめます。
・19世紀後半の帝政ロシア:貧困と不平等が蔓延し、政府の統治力が弱まる。犯罪組織が台頭し始める。
・20世紀初頭:カムチャッカ・ギャングがロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織となる。
・ソビエト連邦成立後:カムチャッカ・ギャングは政府の取り締まりにより表立った活動を抑制される。
・ソ連崩壊後:マフィアの活動が活発化。カムチャッカ・ギャングの流れを汲む組織が再び台頭し始める。
・1990年代:セルゲイ・プラトノイによってブラトノイが結成される。
・2000年代:ブラトノイはロシアのマフィアのなかでも最大級の組織となる。

ブラトノイは、ロシアの闇社会において大きな影響力を持つ組織であり、ロシア社会の安定を脅かす存在です。彼らの活動を理解するためには、帝政ロシア時代から続く、ロシアの犯罪組織の歴史を把握することが重要です。

なお、ロシア語で「ブラトノイ」は「兄弟たち」を意味します。これは、ブラトノイが、犯罪組織のメンバー同士が兄弟のように結束していることを示す名称です。
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ロシアの国営通信社「RIAノーボスチ」が設立のロシア・トゥデイが運営するメディア
「ロシア語で『友だち』を表す10語:それぞれに微妙なニュアンスが」(ゲオルギー・マナエフ、2022.5.23)より抜粋
    ー https://jp.rbth.com/education/86306-roshiago-tomodachi-arawasu-10-go
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 ロシアでも、当然、男性間の友情は大いに賞賛されている。だから、ロシア語に「友人、兄弟、仲間、相棒」を指す言葉がいくつもあるのは不思議ではない。そして、それぞれに微妙なニュアンスがある。

1.Брат「ブラート」(兄弟)
 「Брат(ブラート)」は、もちろん、単なる友だち以上の関係を意味する。本当に親しく、いっしょにいくつかの試練をくぐり抜けたりした間柄だと、ロシア人はこの言葉で呼びかけ合う。そのいわゆる「指小形」に「братишка(ブラティーシカ)」があり、これはよりフレンドリーだ。

 一方、「братан(ブラターン)」は、リスペクトと権威のニュアンスを帯びる。

 カフカスの、イスラム教を信仰するロシア人は、すべてのイスラム教徒を「兄弟」とみなし、見知らぬ人にも使うことがあるので、ちょっと乱用気味だ。

 ロシアの路上で見知らぬ人から「ブラート」と呼ばれることも珍しくない。しかし、ほとんどの場合、その人はタバコや何らかの予備の品を欲しがっているだけかもしれないが。
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■ ブログ「本と奇妙な煙」(登録: kingfish)
「内村剛介インタビュー・その2 ロシアのヤクザ」(2017-03-22)
    ー 同ブログは  「『ブラトノイ』とは」より抜粋
    ー https://kingfish.hatenablog.com/entry/20170322
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【 「ブラトノイ」は普通日本風に「ヤクザ」と訳されているが 】
先ず語源的に言いますと、「ブラート」、いわゆる「袖の下」ということから来ています。(略)賄賂ですね。もともとの起こりはそこからなんで、「ブラトノイ」とは、したがって、「非合法な力によるところの絡めとり」と言いますか、「非合法な手段でもって権力を手に入れる」ということを意味しています。しかしながら、そこに篭められた彼らの意図というのは、最終的に麗しい世の中を作りたい、アナーキックな世界を実現したいという願いであって、「ブラトノイ」とはだからこの手段と意図とをいわばドッキングした存在にほかならないと言えると思います。つまり、権力に向かってはたしかにそれを「絡めとる」「掠めとる」わけですが、しかし、その後に目指すところのものは権力の無い世界であるということですね。(略)ここに見られる無頼性、そのアナーキズム的性格というものは、広くロシアの芸術や政治とも密接に繋がっていると言えるわけです。(略)
このロシア的無頼性というやつはどこから来たかと言いますと、そもそもロシアのように余りにも広大な土地に対して、人間の数が極めて少ない(略)
[強力なパワーによる]強制的な力をもってして人間を狩り集め[労働させるという発想になる](略)
中央集権的な力によって、その広い土地と人間とをドッキングさせるというのが唯一の方法だったわけです。
(略)
[16世紀ロシアでエンクロージャーが始まり権力者が「ここは俺の土地だ」と宣言した時に大人しく降伏したのが「クレポスノイ」(農奴)、それは我慢できん、ここを出て新しい土地を探すと逃亡したのが「コザック」]
こうして彼らは山野を開拓してそこに定着していくわけですが(略)そうすると、今度は彼らコザックの内部で「階級化現象」が生じてくるんですね。そして、この階級化したコザック社会のリーダーたちは、やがて寝返りを打ってモスクワの皇帝権力と癒着を始めるのです。(略)
すると、また息苦しくなった「コザック」の本流は、再びそこを逃げ出して外へ向かうんですよ。(略)
こうして彼ら不満分子が外へ向かって逃亡すればするほど、彼ら逃亡者によって開拓された土地、フロンティアは、最終的には全部ツァーリの財産として追認、回収されて、結果として帝政ロシアの領土が広がっていくという、非常によくできた円環的システムになっているわけですね。
(略)
 そして最後に第三の対応があります。つまり「ここは俺の土地だ。それを認めよ。いやならここから出ていけ」という強者の命令に対して、「そんなことは嫌だね。俺は頭を下げないし、逃亡もしない。俺は一匹狼で暮らすよ」と宣言し、これを実行した者たちです。つまり、屈服して土地に止まったような農奴にもならないし、また生まれ故郷を捨て、徒党を組んで外へ出て行ったコザックの道をも選択しない。しかし、そうかといって新しい領主にも従わない。自分はあくまでここに止まり、独りの力で立って見せるという誇り高い立場ですね。これがつまり「ブラトノイ」であって、いわゆるロシア・ヤクザの系譜の始まりもここにあると言われています。
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2010年2月16日火曜日

エセーニン

学生時代に、「平家物語」を読んで貴族や武士が何事にも涙するのに驚いたが、トルストイの小説でもそうだった。農奴を抱える貴族たちがどうして教会で涙するのかと。
そうそう、(韓国)歌謡曲に「涙」が似合うことは言うまでもない。(本ブログ関連:1/24

「内村剛介 ロングインタビュー」に、バレリーナと同乗したブレジネフが車中でエセーニンの詩に啜り泣いたという挿話がある。エセーニンについては、「ブラトノイ」と呼ばれる一匹狼的無頼漢たちにとって唯一のヒーローであると同書で説明されている。エセーニンが酒場に入ってきたときに、ある種の緊張感がその場に走ったのを見たという恩師の話も紹介されている。

(本ブログ関連:”エセーニン”)

「エセーニン詩集」に、そういえば無頼の心情もあって、若い女性に好まれるというのもうなづけるような気がする。若く死んだものは惜しまれ、残ったものがそれに涙する。その涙には困るのだが。

ところで、涙は似合わない内村氏について、学生時代に読んだ文章から古武士のような方だと思ったことを記憶している。出身は茨城県との県境、栃木県那須郡境村大字大木須とのこと。剛健さは母方ゆずりのようだ。

(本ブログ関連:2009年4/7

★★★★★ 退院後、孫が金目鯛の煮付けを美味しそうに頬張る動画が届いた ★★★★★

2010年3月10日水曜日

春の寒さ

昨晩の雨は、屋根の雪を固まりにして、深夜にドスンドスンと音を立てて落した。それは驚かせるに十分な響きだった。 今日の風は随分と寒い。まるで雪の上を走って来る風のようだ。芯から冷たい。

そういえば以前のこと、まだ雪が残っている茨城県の錫高野で鉱物採集したときに、沢を下りてくる風の冷たさに閉口した。熱燗できる缶の日本酒を飲んだが、寒さを癒すことはできなかった。顔だけ赤くして震えていた。

図書館から借りた「生き急ぐ」(内村剛介著)を返しに行った帰り、あるお宅の白木蓮(ハクモクレン)のつぼみが膨らんで、白い花を僅かながら覗かせているのが見えた。寒風のなか春はひた走ってくる。

「生き急ぐ」には、デカダンスにモスクワに散ったエセーニンの詩「母への手紙」を載せていて、その詩の中に、無頼をつづける息子を気遣う母への気休めに「春 わが家の白い庭で木々が枝をぐっと伸ばすころ/ぼくは帰ってくよ/八年前みたいに 朝早く/起こすのだけはやめとくれ」という気を許す一節がある。 (本ブログ関連:1/132/16) 

 ★★★★★ 孫が、皿の料理を手づかみでゆったりと食べている動画が届いた ★★★★★

2009年4月7日火曜日

母への手紙

このブログの趣旨には唐突であるが記す。ロシア詩人セルゲイ・エセーニンの詩「母への手紙」(内村剛介訳)を紹介するブログがあったので記そうと思ったが、現在、残念ながら該当のブログが無くなっている。・・・2010.2.16修正
合わせてYouTubeの <音楽> を聴きながら詩を読むとき、この歳になるといろいろな想いにつきうごかされる。時代も場所も内容も異なるが、懐かしさ、はては悔恨まで、どこか通じるものがある。
YouTubeの(詳細)に原詩と英訳が記載されている。

(YouTubeに登録の77easterly77に感謝)
歌手を夭逝のマキシム・トローシンとしているが声質が気になる。

2017年7月16日日曜日

路に立つ木は曲がって

子どものためのサイト「Yiddish far Kinder」の「」のページに紹介されている、イディッシュ語作家イツィク・マンゲルの詩「路に立つ木(אויפֿן וועג שטייט אַ בוים)」(Itzik Manger 1901年~1969年)は、歌にもなって、いろいろな歌手が披露していて、子守歌の範疇にも紹介されているようだ。

上記サイトには、この詩の簡単な紹介とともに、原詩イディッシュ語 - ローマ字表記(転写)- 英語訳を並列したpdfもある。(素直な)英語訳を参考に、この詩(歌)の見聞きすると、こんな感じだろうか。(イディッシュ語については、いつかチャレンジしたい)
母から飛び立ちたいと願う息子(Itsik)だが、寒さを案じる母は衣(ころも)を着重ねさねさせようとして・・・いつか、その衣が母の想いだったと気付くことになる。路に立つ木は曲がっていて、木のすべての鳥たちは飛び立った。

この歌(詩)は、次のYoutube(アニメ)で初めて知ったわけで。母親の無限の愛を感じさせる。アニメの中で、空を漂うさまに、シャガールの絵を思い出す。歌は、1951年、Leo Fuldによって歌われヒットしたそうだ。
次のアニメは、Efim Chernyの歌によるとのこと、童謡なような親しみやすさを感じる。


(Youtubeに登録のshosh38に感謝)

■ 作者イツィク・マンゲル自身によるイディッシュ語朗誦もある。いつか、聞き取れることを願ってリンク先を記す。
https://www.youtube.com/watch?v=RnhQHQrJj6Q


(付記)エセーニンの「母への手紙」
母親に対する思いを、さまざまな作品で知ることができる。なかでも、内村剛介訳のエセーニンの詩「母への手紙」*は忘れられない。エセーニンの生涯と重ねて読む(理解する)のとは別に、素直に共感できるものがある。うるさく思った母親の気遣い(しぐさ)が、実は心深く残っている。
(* Youtube:この登録者77easterly77の解説「もっと見る」には、英訳も併記されている )

2024年12月26日木曜日

(資料)ロシア社会で歌われる特殊・伝統的な歌(Youtube)

ロシアの詩人の「エセーニン」(1895年 ~ 1925年)については、内村剛介氏の翻訳を通していろいろと知ることができた。エセーニンは、ロシア革命の時代に詩作したが、その前後に農村とモダンの間をたどっていた。しかも、暴力集団(ブラトノイ)とも大きく関わっていた特異な詩人だ。

(本ブログ関連:”エセーニン”、”ブラトノイ”)

ロシアの特定の集団や犯罪者の間で歌われた伝統的な歌について、Youtubeをメインに収集した。(ロシアでの人気を知ってではなく、Youtubeで偶然めぐり合わせたものによる)

■ ChatGPT
Q.ロシアの歌のジャンルに、暴力団の中で歌われる歌がありますか。
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A.ロシアには、特定の社会集団や犯罪者の間で歌われる伝統的な歌のジャンルがあります。このジャンルは「ヴォルガ・バルバス(Vory v Zakone*)」や「ロシアン・シャンクス(ロシアン・プリズン・ソング)」とも呼ばれることがありますが、一般的には「ロシアン・プリズン・ソング」や「シャン・ソング(Shan's songs**)」として知られています。

この音楽の特徴は、ロシアの刑務所や犯罪者の文化にルーツがあることです。具体的には、ロシアの暴力団(「ヴォーリ・ヴ・ザコネ」または「法の下の盗賊たち」)や、刑務所内で生まれ育った歌が多く、犯罪者の価値観や経験を反映しています。これらの歌には、しばしば裏社会での生活、忠誠心、裏切り、自由を求める気持ち、刑務所の厳しい生活などがテーマとして表現されます。

ただし、このジャンルは犯罪者の文化に深く結びついているため、一般社会ではその内容が問題視されることもあります。そのため、これらの歌は一般的にはロシア社会の中でも特定の集団、特に暴力団や犯罪者の間で人気があるものの、広く公認されている音楽のジャンルではありません。
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(*)Vory v Zakone(ヴォルガ・バルバス:вор в зако́не)
    ー Google 生成AIの Search Labs(現 Gemini)による
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「Vory v Zakone(ヴォーリ・ヴ・ザコネ)」はロシア語で、「thieves professing the code(掟を公言する泥棒たち)」を意味し、ソ連の労働キャンプで誕生した犯罪者集団を指します。1920年代後半に結成され、独特の言語やルール、タトゥー、入会儀式などによって知られていました。
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(**)”Shan's songs”は、「都市の下層階級と犯罪組織をテーマにしたブラトナヤ・ペスニャ(「犯罪者の歌」)」を包含している(e-Wikipedia)。また、「ペスニヤ」は、「ブラトナヤ・ペスニャまたはブラトニャクは、犯罪サブカルチャーや都市の暗黒街を描写したロシアの歌のジャンルであり、ロマンチックに表現され、本質的に犯罪的に倒錯したユーモアを持つことが多い。」とのこと(e-Wikipedia)。


■ nisso.net(株式会社 日ソ)
新刊書 > おすすめ > 芸術(音楽)
http://www.nisso.net/subject/asp/geijutsuongaku.asp?iPageNum=32&eng=
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◎ M5900:アレクサンドル・シードロフ: ヴァーニャの港を覚えている 収容所群島のブラトノイと囚人の歌 
Сидоров А. - Я помню тот Ванинский порт. М.: ПрозаиК, 2013. 384 c. 9785916311921

    (参考追記)
        ■ Youtube(登録: DELTA)
        「Я помню тот Ванинский порт」(歌 Вячеслав Мырзин)
        https://www.youtube.com/watch?v=yLG_06PO3ZQ

◎ M5899:こんにちは私のムルカ ブラトノイと街の俗謡集(77曲収録) アレクサンドル・シードロフ編
Здравствуй, моя Мурка! Лучшие блатные и уличные песни. Составитель: Александр Сидоров. М.: ПрозаиК, 2010. 208 c. 9785916310931
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■ Youtube(登録: Музыкальный Рай)
「БЛАТНОЙ РАЙ - Жиганские Хиты для Братвы 2022 | Лучшие Воровские Песни | Русский Радио Шансон | 12+」
https://www.youtube.com/watch?v=qZw_VSQpXCg   (← 4時間ほどに 72曲収める

■ Youtube(登録: Музыкальный Рай)
「БЛАТНОЙ РАЙ - Лучшие Дворовые Песни 2022. Хулиганские Хиты для Пацанов. Русский Радио Шансон. (12+)」
https://www.youtube.com/watch?v=G3-7kJiD1Hk

■ Youtube(登録: РУССКИЙ ШАНСОН)
「СТАРЫЙ БЛАТНЯК | Суперсборник настоящего шансона」
https://www.youtube.com/watch?v=HuzeSOJoI_0