KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/15)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第6回として、日本の「花祭り」に当たる、旧暦4月8日に釈迦の誕生を祝う仏教行事の「灌仏会(かんぶつえ)」すなわち「初八日(チョパイル、초파일)」について紹介された。
まず「初八日」の行事について次の紹介から始まった。
・旧暦4月8日(今年5月17日、最近では新暦4月8日)の釈迦生誕日を祝う「灌仏会」(花祭り)は、韓国ではキリスト教のクリスマスに比する行事である。釈迦生誕日の4月8日から「初八日」と呼ばれ、「釈迦誕生日(釋迦誕辰日、석가탄신일)」、「お釈迦様がいらした日(부처님오신날)」と呼ばれ、全国的に行事が行われる。
▼仏教象徴の花からチョン・ジュソンの歌による「蓮の花咲く」を聴く。今様の・・・音色に東洋の香りを重ねて。
韓国(朝鮮)仏教、「八関会」について次のように紹介された。
・紀元前5世紀頃インドに始まった仏教は、西暦372年高句麗に伝来したとされ、以後、統一新羅、高麗では国教に指定された。現在、登録文化財の約65%が仏教関連といわれ、仏教は韓国に深く根付いた伝統文化でもある。
・釈迦誕生日は、「初八日」と呼ばれ、様々な行事が行われてきた。特に新羅時代の風習である「八関会(팔관회)」と、「タプトリ(탑돌이)」は長く続いた。
八関会は、不殺生、不偸盗、不姦淫、不妄語、不飮酒の5戒律に、贅沢しない、高い処に座らない、午後に断食を行うの3戒律を合わせて、一日に8戒律を守る仏教儀式である。
タプトリは、夜通し塔の周りを巡り、自ら、そして家族の健康と安寧を祈願する仏教の修行である。
▼キム・ヨンイム歌による「タプトリ」を聴く。繰り返す旋律が次第に心地よく耳に、心に残るよ。
「タプトリ」について、関連する逸話(三国遺事(13世紀末))と、行事が次のように紹介された。
・新羅のキム・ヒョンが初八日にタプトリを行ったところ、美しい女人が現れ一目で魅了されるが、後にトラの化身であることを知る。しかしひたむきな愛に感動したトラは命をかけて彼を守った。
・初八日は、道に沿って明るい提灯が飾られる。この風習も統一新羅時代に始まったといわれる。ニンニク、スイカ、つるなどの形の提灯が並び楽しむことから、「観灯遊び(관등놀이)」という。中でも蓮の花形の提灯が一番多く見られ、蓮の提灯を点す意から「蓮灯会」とも呼ぶ。毎年、この時期に開く蓮灯会は、韓国を代表する祭りのひとつであり、昨年重要無形文化財に指定された。
▼パク・ヤンドク他の歌による南道雑歌「報念(보렴)」(報施念佛の略)を聴く。土の香りがしてくる・・・祈りが集合して次第にうねりとなるような本当の力を感じる。