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2011年10月21日金曜日

メアリー・ブレア 生誕 100周年

今日のGoogle画面のロゴは、可愛らしい色彩で描かれている。

メアリー・ブレア(1911年10月21日~1978年7月26日)の生誕100周年を記念してのことだ。2年前の9月18日に、東京都現代美術館で開催された「メアリー・ブレア展」に行ったことを思い出した。

彼女が担当した、ディズニーアニメ作品の色彩は、まさにアメリカの豊かさを象徴していた。それは、清潔で、色鮮やかで、まぶしかった。金髪で青い目をした、肌の白い主人公たちの世界だ。ディズニーが、世界市場への適合を意識していない、アメリカの国力が十分にみなぎっていた時代の色彩だ。ぼくらは、それを無条件で受け止めていたし、欲していた。

(本ブログ関連:"メアリー・ブレア")

2023年5月1日月曜日

(資料)デイジー(ひなぎく)、ボーカロイド

時間も空間も奇妙な世界「不思議な国のアリス」(1865年)で、物語の始まりに、アリスは姉さんが読んでいる文字だらけの本よりも、「デイジー(Daisy、ひなぎく)」の花を鎖に編むことを想っていた。

(本ブログ関連:”アリス”)


デイジーの花言葉は「純真(Innocence)」で、まさにアリスの無邪気さ、純粋さに当てはまる。子どもの世界は空想に満ちている。それを象徴するような、ディズニーアニメの「ふしぎの国のアリス」(1951年)の色彩*は素晴らしい・・・特にアリスはいっそう。
(*)同アニメの色彩設計を担当したのがメアリー・ブレア。Googleは、index画面に特別な日として関係する人物を、同社のロゴと組み合わせてグラフィック化している。2011年10月21日に、メアリー・ブレア生誕100周年を記念したイラストが表示された。そのアーカイブに、彼女についての解説がある。
https://www.google.com/doodles/mary-blairs-100th-birthday

(本ブログ関連:”メアリー・ブレア”)

ところで、コンピュータの音声合成ソフトを使った歌うキャラクターに「初音ミク」**がいる。何と、コンサートを開いている映像がある。複数台のプロジェクターを投影して、あたかも舞台上に実体があるように映じる仕掛けに驚く。初め大規模な「ホログラフィー」かと早合点した。
(**)初音ミクは、VOCALOID2のキャラクター

(本ブログ関連:”初音ミク”)

コンピュータを使って最初の音声合成による歌声を発したのは、IBMの第一世代メインフレーム IBM704(本来、科学技術専用の計算機:ベル研、1961年とのこと)だ。
デイジー・ベル」***(女性の名前)を歌った、IBM704の男声VOCALOID4 CYBER DIVAの女声による歌声が Youtubeに登録されている。一体どうやって制作したのだろう****。
(***)ちなみにデイジーの学名は Bellis perennis で、「Bellis はラテン語で『美しい』を意味する bellusに由来する可能性があり、perennisはラテン語で『永遠』を意味」するとのこと。(e-Wikipediaより)

(****)「田廻音楽事務所」のサイトに、下記のYoutube登録者である 田廻弘志氏による解説が載っている。
 - Future Music With Future VOICES > 01 Daisy Bell「楽曲について」の項
http://tama-music.com/sale/future_01.html

(Youtube)
Daisy Bell by Vocoder, IBM704 and VOCALOID4
https://www.youtube.com/watch?v=TXK_cE9AqAI


(参考)
養命酒製造株式会社のサイトにヒナギク(デイジー)についての項がある。
「生薬ものしり事典103  欧州では骨折や傷の薬に用いられた『ヒナギク』」
- 見出し「デイジーの英名でも知られる愛らしい花」
- 出典:牧幸男『植物楽趣』
https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crudem/210329/

2009年9月18日金曜日

メアリー・ブレア

「東京都現代美術館」で開催されている「メアリー・ブレア展」に行った。

彼女は、ディズニー・スタジオで、「シンデレラ」(1950年)、「ふしぎの国のアリス(不思議の国のアリス)」(1951年)、「ピーター・パン」(1953年)などの制作に参加し、その後の独自のアート作品も今なお親しまれているという。
ディズニー・スタジオでの彼女の役割をシステム開発を例にしてみると、画面展開(=状態遷移)に従い、シーンごとのイメージをアイデアスケッチする「コンセプト・アート」(=基本設計)を担当したり、画面の部品イメージを固める「カラー・アンド・スタイリング」(=詳細設計)を担当したようだ。

「妻」として、2人の男の子の「母」として、「プロのアーティスト」として彼女が造った作品には、色彩は豊かに暖かみを増して、人物像は愛らしくシンプルになっていくのを見ることができる。
(YouTubeに登録のにkuz0123NecleaTwilightWander感謝)

子どものころに「ふしぎの国のアリス」(日本公開:1953年)を見たつもりでいたが、「日本で公開されたディズニー映画『ふしぎの国のアリス』」(木下信一The Rabbit Hole)を拝見すると確信がもてない。再上映は1973年、TV放映は1979年とのことなので、それでは遅すぎるし。絵本やいろいろな情報で見たような気持ちになっていたのか、あるいは実際見た後に感想が固まったのかもしれない。ともあれ、わたしのこのアニメーションの印象は次の通りである。

アリスの金髪は遠い国のアニメーションを強く意識させた。アリスの白と水色の衣装は清潔さを思い知らされた。ふしぎの国は、色彩の豊富さ、美しさゆえに菓子世界のように見えた。多分それらは、豊かなアメリカのイメージにつながっていったと思う。
TVアニメ「鉄腕アトム」の次に、「悟空の大冒険」(1967年:虫プロダクション)が登場したとき、色彩や線描にアメリカの臭いを感じた、と同時に日本のアニメの進化を知った。
(YouTubeに登録のにquupii感謝)

ちなみに、イ・ソンヒはミュージカル「ピーター・パン(피터팬)」や「オズの魔法使い(오즈의 마법사)」に出演している。「ピーター・パン」(1991年4月27日- 5月1日)では、主人公ピーター・パン役を演じた。公演実況アルバムに「ミュージカル ピーター・パン」があり、「ピーター・パンの歌(피터팬의 노래)」があるようだ。
(1990年4月28日の「オズの魔術使い」では、主人公ドロシー役)

2026年5月5日火曜日

立夏、こどもの日 2026、ピーター・パン

きょうは二十四節気の「立夏」、夏の気配が立ち始める日。まさに公園の新緑は影を濃くし、下草も勢いよく伸びる。日向と日陰の境い目が明確になる季節となった。

(本ブログ関連:”立夏”)

合わせて、国民の祝日「こどもの日」でもある・・・彼らが公園の広場を駆けまわり、小川で水遊びする光景が容易に浮かんでくる。きのうと比べて涼し気であるけれど、連中は気にしないだろう。子どもでいることは羨ましい。


ピーター・パン
英国の「ピーター・パン」は、大人向け小説(「小さな白い鳥」)内のひとりのキャラクターとして初登場したが、主人公として本格的に登場するのは舞台劇だった。ロンドンや、ブロードウェイで演じられた後、(大人向け側面を持つ)児童文学「ピーターとウェンディ*」(ジェームス・マシュー・バリー作)が出版された。
(*)ピーターとウェンディが一緒に空を飛ぶのを見て、スーパーマンとロイス・レインがそうしたのを思い出す。
● 1904年12月27日に、ロンドンの「デューク オブ ヨーク ’s シアター」で、劇作家ディオン・ブーシコーの娘ニーナ・ブーシコーが、タイトルロール(題名役)を演じて初演。
● 1905年11月6日に、ブロードウェイ 41番街の「エンパイア シアター」で、モード・アダムスのピーター・パン役により、ニューヨーク デビューを飾った。


■ Gemini: 成立順のまとめ
発表年形態タイトル備考
1902年小説(一部)小さな白い鳥(J.M バリー作)キャラクターとしての初登場
1904年戯曲(舞台)ピーター・パン:大人にならない少年物語としての完成・初上演
1906年小説(抜粋)ケンジントン公園のピーター・パン『小さな白い鳥』の該当箇所を分冊化
1911年小説ピーターとウェンディ舞台版をもとにした決定版小説
1928年戯曲(台本)戯曲版の「台本」を書籍として出版

Gemini によると「当時のロンドンでは、小説を読んでから舞台を観に行くのではなく『舞台で大人気だった物語を、後から小説でじっくり読めるようになった』という流れだったことがわかります。」とのこと。


■ Youtube(登録: DisneySingItVideos)
「You Can Fly(from Peter Pan)」
    ー https://www.youtube.com/watch?v=kyd1j3mRsw4
    ー 色彩設計: メアリー・ブレア(本ブログ関連

2024年7月10日水曜日

ミレイの「オフィーリア(Ophelia)」と泰西名画

19世紀の英国に登場した、アンチ古典主義の画家集団「ラファエル前派」の一人に、「ジョン・エヴァレット・ミレイ(Sir John Everett Millais)」(1829年~1896年)がいる。特に彼の作品「オフィーリア(Ophelia)」(1851/52年)は、男性をおおいに惹きつけてやまない。

何度かブログに記したことだが、公園をなだらかに流れる小川の岸辺を、木立が被って陽の光がとざされる場所がある。絵画の中でしか知らぬが、平坦な地を流れる英国の川面を想い起させる。そして、そんな木陰の川筋を、ミレイの絵「オフィーリア」と結びつけたくなる誘惑にかられる。

(本ブログ関連:”ミレイ”)

ミレイ作「オフィーリア」
次の「Google Arts & Culture」*のリンクアドレス先で、ミレイの作品「オフィーリア」画像を高解像度(リンク先で表示の画像をダブルクリックする)で鑑賞できる。ひどくはかなく、残酷な、そして美しい作品だ。
(*)Google Arts & Culture
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タイトル: Ophelia
作成者: Sir John Everett Millais
作者の死亡地: London, United Kingdom
作者の出生地: Southampton, United Kingdom
作成日: Around 1851
実際のサイズ: w1118 x h762 mm
Provenance: Presented by Sir Henry Tate 1894
Original Title: Ophelia
タイプ: Painting
媒体/技法: Oil on Canvas
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ちなみに、上掲の絵画解説に「彼女が手にしている花は象徴的で、『ケシ(ポピー)は死を、『ヒナギク(デイジー)は純潔(無垢)を、 『パンジーは無駄な(むなしい)を意味している」と記されている。これらの中で、唯一の救いはデイジーの花かもしれない。
(実は、彼女の死を劇中で伝えた「ガートルード王妃」は、「シラン(芝蘭)」(変わらぬ愛)の花も語る)

(本ブログ関連:”デイジー”、”メアリー・ブレア”)

シェークスピアの劇「ハムレット」4幕7場、ガートルード王妃の語り
ー 坪内逍遙(1859年~1935年)訳
ー「PD図書室」に掲載:感謝
http://books.salterrae.net/osawa/html/hamlet.html#hamlet-4-7
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斜(なゝめ)に生ふる「青柳」が、白い葉裏をば河水の鏡に映す岸近う、「雛(ひな)菊」、「いらぐさ」、 「毛莨(きんぽうげ)」……  褻(みだら)なる 農夫(しづのを)は汚らはしい名で呼べど、 清淨な處女(むすめ)らは死人の指と呼んでをる…… 「芝蘭(しらん)」の花で 製(こしら)へた 花鬘(はなかづら)をば手に持って、狂ひあこがれつゝ來やったげなが、 それを掛けうとて 柳の枝に、 攀(よ)づれば枝の 無情(つれな)うも、折れて其身は花もろともに、 ひろがる裳裾にさゝへられ、 暫時(しばし)は たゞよふ水の 面(おも)。  
最期(いまは)の苦痛をも知らぬげに、人魚とやらか、水鳥か、歌ふ小唄の幾くさり、 そのうちに水が 浸(し)み、衣も重り、身も重って、歌聲もろとも沈みゃったといの。
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泰西名画
西洋絵画に描かれる顔の表現で、いつも気になることがある。白人特有の皮膚によるのか、(西洋画の肖像画の技法として承知していることだが)皮下を走る静脈が強調されることだ。だから、明治期に欧州へ絵画留学した日本の画家が、帰国して日本人を対象に同様な表現を試みた・・・結局、アジア人に似つかわしくないことに気付くことになるのだが。

オフィーリアの絵に、青味を下地にした顔を見るたび、生を残し浮遊する凄みを感じざる得ない。

ミレイの絵画には、どこか古風な感触がある。ぼくらが子どものころ聞いた「泰西名画」(本来はただ西洋絵画の意味でしかないのだが)の言葉の持つ、重い響きと暗鬱なイメージにつながる。そんな想いをする人物がいる。

(本ブログ関連:”泰西名画”、”絵画”)

以前読んだ、久世光彦著の「泰西からの手紙」(文芸春秋、1996.1~1997.12掲載より)から、そこで語られた「泰西名画」のイメージについて、似たような感想を持つことができる。
それは、泰西名画の言葉の響きに接した経験ある人なら大方が、夕暮れの光翳るなかに浮かぶ印象にたどりつくだろう。古書店で出会った古い美術書の、印刷技術が不十分な挿絵を見たときの印象だ。そんな思い出が語られる。
確かに昭和の時代、中産家庭の応接間には、泰西名画というにふさわしい古風な絵画が飾られていた。なぜあるのか誰も問わない、部屋の調和のために父親がどこからか運び込んだらしい、重い額縁に縁どられた絵があった。


参考:
(Youtube)「山田五郎 オトナの教養講座」
「【ミレイ】川で何してるの? 戯曲を描いたラファエル前派の最高傑作!【オフィーリア】」
https://www.youtube.com/watch?v=Fv05w_67pLo