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2019年3月23日土曜日

明け暮れ阿呆

何かよいものはないか、何処かにあるに違いないと探し回り、とどのつまりはたまらない。それもそのはず、安い麻袋に放り込んだが、袋の底が破れていて、何もかも漏れ落とし、軽いのは力が付いたからと勘違いして、後ろを確かめることもしない。

そんな「明け暮れ阿呆」について語る詩がある。S.ブラントが1494年に著した風刺詩集の「阿呆船(Das Narrenschiff )」(尾崎盛景訳)に次のように語られている。(エラスムスの「痴愚神礼讃」(1511年)とともに気休めに活用する)

(本ブログ関連:”阿呆船”)

いろいろよいこと聞きながら
少しも知恵が増しもせず、
何でもかんでも聞きたがり、
ちっともそれでよくならず、
見るもの何でも欲しがって、
いつになってもかっこ鳥。
新しいものならとびついて、
そのすぐ後で熱がさめ、
またほかのものに手をのばす、
阿呆の持病じゃなかろうか。
・・・

この阿呆船には、いずれも阿呆がちりばめられ、もしもそこから漏れているなら名乗り出よとのこと。いやはや、どれもこれもわが身に立ち返ることしきり。阿呆さ加減を思い知ることになる。