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2014年5月7日水曜日

(資料) イ・ソンヒ 伝説を超える

「舞台に上がった彼女が歌い始めると、辺りの空気は一瞬息を止める。胸の最も奥深いところに届く澄んだ清らかな声。その3分45秒間の歌(「Jへ」)が終わって、今年デビュー30周年を迎えた歌手ははにかむように笑った。」という書き出しから始まる、女性誌<レディ京郷>の記事「歌手イ・ソンヒ、伝説を超える」(5月号(4/28)、ノ・ジョンヨン記者)は、この4月にコンサートを無事成功させたイ・ソンヒの音楽に対する言葉を、次のように報じている。

イ・ソンヒの語り口には、独特なものがあるという話を聞いたことがあるが、今回その面を感じる。

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震えて、昨晩一睡もできませんでした。
柔らかいおかっぱの、白いジャケットに黒いスーツのズボンを履いて、少女のような微笑を見せる彼女を見たら、本当に昔のままだと思う。2009年発表した「愛よ...(사랑아...)」のアルバム以後5年振りだ。デビュー30周年を記念する、15番目の正規アルバム「セレンディピティ(Serendipity)」をもって帰ってきた彼女が久しぶりに大衆の前に立った。

悩みが本当に多かったアルバムです。30年目の歌手として、どのように位置づけなければならないだろうか、どんな曲をどのように歌わなければならないだろうか、色々な考えを整理するのに、音楽を作る2年間は一人だけの時間を過ごしました。そうするうちに、アルバムが出る頃になると、ちらほら周りで待ってくださる方々や、助けてくださる方々ができましたよ。私一人だけの音楽ではない、多くの人たちと一緒に作ったアルバムだと思います。

1984年の江辺歌謡祭で、「Jへ」で突風を起こしていつのまにか30年。ちっちゃな体躯で、爆発的な歌唱力を噴出した「小さな巨人」は、もう韓国歌謡界の歌姫として、色々な後輩歌手のメンター(指導者・相談相手)として、絶えず努力するミュージシャンとして、大衆と向きあっている。歌手としても変わらず良い歌を聞かせるというのは、歌っている人にもまた、聞く人にも本当に幸せなことだ。特に、しばらくアイドルと電子音楽に飲み込まれていた歌謡界に、陶磁器をこねるように一曲一曲真心を込めた彼女の歌は、贈り物のようにうれしい。

振り返ってみると、いつも遠くのものを眺めてうらやみ、それを追い求めようとしていたようです。近くにあったんですね。ある瞬間、私が探したそのすべてのことが、すぐ私のそばにあったということを知るようになりました。音楽もそのうちの一つです。30年間、歌を歌いましたが、どんな感興(想いや関心)があろうかと思われるでしょうが、感動がありましたよ。初めてデビューした時、とても大きな愛を受けたし、頂上に立ってみたりもしましたし、降りてきてみたりもしました。その時その時感じた幸福と感謝するということは様々ですが、今感じる幸福がその時より小さいとは考えません。むしろ、今より多くの感謝の気持ちを込めなければならない、という思いで作りました。

今回のアルバムには、彼女が過去2年間書いては消すことを繰り返した百余曲の歌のうち、選択された11曲の歌が盛り込まれた。このうち、イ・ソンヒは合計9曲を作曲して、7曲の歌詞を書いた。シンガーソング・ライターとしての面目躍如の作品だ。タイトル曲(「その中であなたに出会って(그 중에그대를 만나)」)を書いたパク・グンテをはじめとして、イダンヨプチャギ(ダブル・キック)、ソン・ウジョンなど若いミュージシャンとの作業も目につく。

今回のアルバムに参加した彼らは、みな若い仲間たちです。生活パターンがみな違ったんですよ。私は早く寝て早く起きるスタイルで、その仲間たちは、午後5時に起きて明け方ずっと仕事をして、朝に退勤するフクロウ型でした。妥協をしようとして、午後4時に始めることに合意を見たんですが、苦しがりましたよ。フクロウたちを連れて作業したため、ちょっと一苦労しましたよ(笑い)。アルバム作業で記憶に残るエピソードです。

一つ明らかなのは、彼女が伝説に留まるというより、前に進むのを選んだということ。「セレンディピティ」は、30年目の歌手の内省と同時に、彼女の挑戦精神がうかがえるアルバムでもある。

昔のヒット曲だけ歌って留まっている歌手で残るより、自らを鞭打って発展していく姿をお見せしたかったです。今まで、私を好きになってくださり、愛してくださった(ファンの)心を考えても、そのようにしなければならないと考えましたし。今回のアルバムは、『これまで、私に送ってくださった応援と愛、その時の記憶と暖かい心が力になって、私が今このようにしています』というメッセージが込められたアルバムです。それが長い時間、私を愛された方々に本当に報いる道だと思います。

果てしない青春の名で

今春、歌謡界は、とりわけカムバックの便りでいっぱいだ。イ・ソンヒをはじめとして、イ・スンファン、イ・ソラなど「歌王」たちの帰還が続いている中、トレンドを越えてオーラを見せるミュージシャンのカムバックは、日ごとに変化する歌謡界に新しい活力を吹き込んでいる。イ・ソンヒも、全世代を貫いて「通じる」歌を誕生させた。とても多くの音に埋もれて暮らして、淋しくても孤独だとは知らない人々のための音楽だ。

大衆音楽をする人間として、人々が自然に聞いて感性に浸ることができる音楽を基本とするけれども、日常の音、人々の声が音楽に自然に埋めたら良いという気持ちで、様々な音楽的実験をたくさんしました。私は音楽が多様でなければならないと思います。音楽には年輩(歳頃)がありません。先輩にも習う点が多く、とても若い仲間にも私が学ぶ点があります。先輩、後輩と一緒に舞台に上がるほど良いものがあるでしょうか?一緒に舞台で交わってみようとする、緊張とときめきと期待しているところです。

実際に、「最近の音楽をやっている仲間たちはどんな音楽をするか」という好奇心に、音楽放送モニタリングはもちろん、弘大のインディーズバンド公演も尋ね廻ったと。歌謡界の大先輩イ・ソンヒが見る最近のアイドル歌手はどんな姿であろうか?

女性歌手は、ボーカリストや音楽的多様性より、見せる面に集中しているようです。一律的にセクシーコードが多い反面、男性アイドルはもっと多様になりました。メタル・サウンドからロック、ダンス、ヒップホップまで多様なジャンルを消化しましたよ。個人的に名前はよく分からないが、注意深く見ています。

時間は、彼女だけ避けたようだ。アイドルの後輩たちの名前をいくつか覚えておけばよかったと、子どものように笑う彼女から、とうてい歳月の痕跡を探し見ることはできない。食傷ぎみである質問だが、童顔の秘訣を尋ねないわけにはいかなかった。

冗談で、そんな質問受けるたびに、『少し施術しました』といいます(笑い)。どうして変わらないのでしょう。詳しく見れば、時間の跡は明らかです。それでも、その変化が大きくないと考えられるのは、私が持つ明確なイメージのいくらかが、まだ変わらなかったからのようです。もし、今、私がアップスタイルに髪を上げて、ドレスを着れば、明らかに歳月の跡を探して見ることができるでしょう。相変らず、おかっぱの髪とズボンを守ることが、変わらないように感じられるようにするのじゃないのかと思います。

30周年という数字は、明らかに大きな意味を持つ。しかし、振り返ってみれば、彼女には一年一年が意味深い時間だった。もちろん、いつも良かったときだけがあったわけではない。今よりはるかに大いなる関心と熱い拍手の中にいた時もあったし、一人で孤独な時間を過ごした時もあった。それでも彼女が今この場所に立っているのは、留まらなかったからではないか?

昔のヒット曲だけ歌う歌手だったら、多分私はこの場所にいなかったでしょう。なじんだものを捨てて、新しいものを取って努力してきたから可能なのでした。もちろん、そういう努力が皆成功したのではなかったです。失敗した時もあったが、それを恐れないで何か絶えず試みたことが、今日の私を作った力ではないのかと思います。今後も継続して、自らに質問を投げかけて挑戦するつもりです。一つ明らかなことは、失敗したとして、私の努力しただけ成果が現れないといって、恐れをなしたり萎縮したり、あるいはマイクを置くことはないということです。その一歩一歩を進んでみるならば、また再び良い年がくるのだと信じます。
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