KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/30)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第54回として、「燃灯(연등、蓮の花の提灯)」にまつわる話を紹介した。
始めに、この時期の行事「燃灯祭」の仏教的な意味について、次のよう説明された。
・ソウルをはじめ各地で、蓮の提灯の意を持つ「燃灯祭」が開かれる。祭りでは、様々な形の提灯を掲げ、人々の歩く暗い夜に花のように美しい。同時に様々なイベントも行われ、外国人にも知られる。
・今年は、セウォル号沈没犠牲者を追悼し、燃灯祭自粛も多く、ソウルでは犠牲が天国へ旅立てるよう、白地の提灯など簡略化が見られた。仏教では、提灯を持って歩くと、光が世の暗部や自身の心を照らし、人々が幸せに生きられるとの意を持つ。
▼ 「蓮花臺舞(연화대무)」を聴く。蓮の花から表れる少女・・・梵唄から宮廷音楽へと洗練されたような。
次に、燃灯(祭)の歴史について、次のように解説された。
・三国史記に、新羅の景文(경문)王(846年 – 875年)は、西暦866年、陰暦1月15日、皇龍寺(黄龍寺、황룡사)に行幸、看燈した。古く、正月を「燈節(등절)」といって提灯を照らし夜を明かした。なた陰暦1月15日に松明(たいまつ)を手に高所に登って月見する風習があった。
・高麗時代、燃灯祭は国家的行事となり、仏教に、長い戦に疲れた民衆が、心を休め、和合をもたらすよう祈願した。燃灯祭は、城壁や大路に沿って提灯を飾り、宮殿前の仮設舞台で仮面劇など催した。また王は臣下と寺に行幸したり、王宮の楼台に立ち明るく灯された提灯を見た。
▼ 「念仏ドドゥリ(염불도드리)」を聴く。「霊山会相」中の七番目の曲・・・換骨奪胎の編曲で、今様である。
最後に、燃灯と関連する昔話「貧者一灯(빈자일등)」を、次のように紹介された。
・「昔、とても貧しい一人の女性がお釈迦様に供え物をしたいと願っていましたが、彼女が持っているものは何一つありませんでした。女性は道端で物乞いをし、なんとか一文のお金を手にして、これで油を買い、お釈迦様に提灯をあげたと言います。その日の夜、貴族や裕福な人が掲げた提灯は、全て消えてしまったのですが、この女性が捧げた提灯だけは、明け方まで明るくその火を灯していたといいます。」
▼ 「蓮の花が咲きほこる(연꽃 피어오르리)」を聴く。そよ風に蓮の花が揺れる光景が浮かぶ・・・大衆歌。