KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/8)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「男寺党(ナムサダン)の歌(남사당의 노래)」ほか関連する曲を紹介した。
始めに、旅芸人の「男寺党」と詩人「盧天命(노천명)」(1911年〜1957年)について次のように紹介された。
・昔、国中を彷徨いながら色々な芸を演じて生計を営むさまざまな集団があった。彼らが村を訪れると、祭りの雰囲気になった。その中に男だけの集団「男寺党牌(남사당패)」もあった。六つほどの芸を披露し、広い庭で農楽を演奏したり*、皿回しに似た遊びを披露した。綱渡りはヒヤリとすることから、氷の意の「オルム(어름)」と呼んだ。また、木製の胴に紐をつけた「操り人形(꼭두각시)」もあリ、その動く様が、人の首筋をつかむように見えることから、首筋の意の「ドルミ(덜미)」と呼ばれた。
・旅芸人を歌った「男寺党の歌」は、詩人「盧天命」の詩を歌にしたもので、<銀の指輪をはめてあげたい娘がいたが、次の日にはまた去らねばならない>という内容。彼らは、世の中で最も低い身分で、村を彷徨うのが仕事だった。だが、芸を始めると、自然と興が沸いたことだろう。
▼ 「男寺党の歌」を聴く。詩情あふれる旋律、運命と哀切、どこまで届く、今様に。
次に、パンソリ「興甫歌(흥보가)」に男寺党牌が登場することについて次のように紹介された。
・善人の弟興甫(흥보)と、悪人の兄ノルボが登場するパンソリ「興甫歌」で、兄ノルボがヒョウタンを割ると、中から男寺党牌が出て来てノルボを冷やかす、ユーモアに表現する場面がある。
▼ パンソリ「興甫歌」から、「ノルボの最初のヒョウタンから男寺党牌が出てくる場面(놀보 첫번째 박에서 남사당패 나오는 대목)」を聴く。ヒョウタンから次々出てくるそうだ。
最後に、京畿道安城地域の男寺党牌にいた女性ボス「バウドギ(바우덕이)」について次のように紹介された。
・男寺党牌は男だけの集団だが、朝鮮時代末、ソウル近郊の京畿道安城地域の男寺党牌は、なぜか「バウドギ」という名の女性がボス役をした。彼女がなぜ男寺党牌に入ったのか、生涯につい不明だが、綱渡りに才があり、宮中で綱渡りをすると、感動した王族が高い官職を与えたという。
▼ 「男寺党の空」から「男寺党の歌」を聴く。随分と荘厳に聞こえる。
(*)これら芸を行う場所を指して「パン(판)」、地面に転がって芸をするのを「サルパン(살판)」(生きる場の意)といい、うまくできれば生きる場、できなければ死ぬ場としてそう呼んだ・・・とのこと。